なぜ自分は生きていてもいいと思えるようになったのか?

生きづらさ体験談
文:ギャラクシー
第18回
なぜ自分は生きていてもいいと思えるようになったのか?
┃自分で自分の存在を認めること
もう1人の自分をいたわって生きていく。
これからは、自分が自分の親になればいい。
アダルトチルドレンとして
「悔いのないように生きなければいけない」「俺は死ななければいけない」
などと自分で自分を苦しめていたことに気づいたとき、
そんな答えが自然と自分の中に入ってきました。
しかし、子供を育てた経験もなければ、完璧な親に育てられた経験もないわたしには、どうしたらいいかわかりませんでした。
「ご飯を食べましょうね」
「おやつの時間にしましょうね」
そんなままごとのような言葉が浮かぶのがやっとでした。
でも、そうではないのではないか。
今までは自分で自分を否定していた。
これからは、受容すること。赦すこと。
「悔いのないように生きている自分だから、愛することができる」ということではなく、
呼吸をしているだけで、いや、何もしていなくても、
存在を認めて愛することができること。
「勉強やスポーツができるから」
とか
「あいにく勉強やスポーツはできないけれども」
といった条件が先にくるのではなく、
まず、愛すること。
親は、子が生まれたとき、
なにか条件を判断してから、愛するかどうか決めるのでしょうか?
そうではないと思います。
「学生でいるうちはダメだ」
「就職していないやつは人間じゃない」
「もっとこうでなければ」
そんなことはありません。
「自分は生きていてもいい」と、
まず最初に自分の存在を認めることが、
自分を愛することなのだと思います。
┃「自分は生きていてもいい」と許可を出す
「~してもいい」と許可を出せばいいのだという答えがわかれば、
あとはそれを実行するだけだと多くの人は思うでしょう。
しかし、わたしには超えなければならないハードルができました。
わたしの父は、「~してもいい」という言い方で命令をする人でした。
「~してもいい」という言葉によって命令されコントロールされてきたわたしは、「~してもいい」という表現を使うのに抵抗がありました。
「~してもいい」とはわたしにとって、支配するときに使う言葉だ。だから使うことができない。
生きづらさから抜け出せないわたしならば、そう考えていたでしょう。
しかし、「~してもいい」とは本来、やってもいいし、やらなくてもいいということであり、
父の言葉の使い方や、わたしを苦しめてきた出来事のほうが間違っているのだ。
これまでの自分や、これまでの記憶に、
今の自分の邪魔はさせない。
「しなければいけない」から「してもいい」に調節したほうがいいことといえば、
生きること。歯を磨くこと。ご飯を食べること。風呂に入ること。など、
どちらかといえばやったほうがいいこと。といえるでしょう。
だからこそ、わたしにとっては、「~してもいい」という表現に変えるのがちょうどよかったのです。
「自分は生きていてもいい」とは、
「絶対に生きなければいけない」という「しなければいけない」でもなければ、
「絶対に死んではいけない」という「してはいけない」でもない。
ただ許可を出し、自分の存在を認めること。
こうして、「悔いのないように生きなければいけない」「俺は死ななければいけない」という両極問題は、
「自分は生きていてもいい」という信念へと形を変えていきました。
┃歯を磨いているだけで心地いい
「しなければいけない」という支配は、日常のあらゆる行動に潜んでいます。
たとえば、「歯を磨かなければいけない」
誰に命令されなくとも、
すでに身についた価値観によって自分で自分に命令し、日常のあらゆる行動を支配されていました。
そのコントロールに気づいたときに、もう一度考えてみました。
べつに歯を磨いてもいいし、磨かなくてもいい。とはいえ、やっぱり歯を磨いたほうがいいか。
つまり、「歯を磨いてもいい」
こうして自由になって自分の意思で歯を磨いたとき、
とても心地よかったことを覚えています。
文:ギャラクシー
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<目次>
1.自分の空想によって生きづらくなる
2.自分が自分でいてはいけない感覚
3.自尊心のスタートラインに立てていなかった
4.とにかく自分が悪いと思ってしまう
5.自分は被害者だったのか
6.相手に依存しないためには精神的自立が必要
7.マインドコントロールされていた
8.成功を手にして復讐を果たそうとした
9.あなたの中の不快な感情があなたを攻撃している
10.自分が安心できていないことに気づいていない
11.生きづらさに名前をつけると安心できるのか
12.自分を苦しめていたものとは、もう1人の自分
13.自分をいじめるのをやめ、自分をいたわる
14.つらい過去と決別できる「イメージ書き換え法」
15.グルグル思考にハマるのは「理解してもらいたい」から
16.感情マネジメントで気づいた怒りの正体
17.根底にある思い込みに気づくことが、生きづらさ脱出の一歩
18.なぜ自分は生きていてもいいと思えるようになったのか?
19.自尊心とはなにか?
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