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更新日:2020年6月4日

親に相談できなかった進路

 

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生きづらさ体験談

文:もくもく

 

第2回
親に相談できなかった進路

 
先回の執筆にて書かせていただきました、【反抗期が出せなかった 】
という事実。一般的には、思春期の子供が親に反抗したり、けんかをして反発したりということはよくあることかもしれません。
 
ただ私が感情を出せなかったように、もしかすると生きづらさを抱えている人や、アダルトチルドレンだと自覚されている方は、同じように感情を出せずに生きてきた方もいらっしゃると思います。
 
そんな反抗が出せなかった人間でも、反抗をしたことがありました。
 
進路を決めるときです。
 
私は中学を卒業するころ、NHKで放送していた『ロボコン』に興味を持ち、自分もやってみたいなと思っていました。
 
ただ、その学校は普通の高校ではなく、寮にも入らなければいけないような学校であったため、志望するのは中学でも私だけでした。
 
前例もゼロではありませんが、ほぼなかったために進路の先生からも、推薦は出せないと言われてしまいました。
 
それでもそのときの私は、やってみたいという気持ちが強く
「受験して受からなければ、社会に出て働くでもなんでもいい」
と思っていました。
 
受験の話をしたとき、親たちは驚いているようでした。それまで進路について相談したこともなく、決めるときになって突然そんなことを言い出せば、当然のことだったのかもしれません。
 
受験に際し、他の高校は受験しないと決めていましたが、親や先生にも猛反対され、しぶしぶ他の普通高校も受験しました。
 
そのときの私は、『受からなければ社会に出て働くでもなんでもいいのだし、なぜ面倒な他の学校の受験をしなければいけないんだ』と思っていました。
 
他の学校を受験したくなかったのは、 【態度で起こした反抗】があったのかもしれません。
 
明確に他の学校では嫌な理由、というものがあったわけではありませんでした。
 
早い段階から進路を相談しなかったのも、【相談しなかった】というより【相談できなかった】の方が強かったのかもしれません。
 
生きづらさを抱えておられる方なら、そういった経験はないでしょうか?
 
本当は相談した方がいいのかもしれない、もしくは人に意見を聞きたいときもある。
 
しかし相談したところで、なんとなく帰ってくる答えがわかっている感覚。
 
多分こう言われてしまうんだろうなという感覚。
 
だから聞けない。
 
日常から真正面で向き合ってもらえている感覚があれば、相談していたかもしれない。
 
反対されるかもしれないけれど、相談はしてみようと思ったかもしれない。
 
そんな感覚は、日常生活からはありませんでした。
 
結果として、『相談してから考えてみよう』そんなことはできませんでした。
 
意思が決まったとき。そのときにだけ伝えるしかなかったのです。
 
他に選択肢はありませんでした。
 
よく大人は、日ごろから子供のことを気にかけていると他人に言ったり、思っていたりすることが多いですが、それは真の意味で子供と向き合った上での『気にかける』なのかと私は問いたかったのです。
 
親が思う『気にかけている』と、子供が思う『気にかけてもらっている』には温度差があると思うのです。
 
しのぶさんのコラムに、よく『葛藤』とあります。先日の「葛藤していない社会」(Adic Salonのエッセイに掲載)にも、この社会は「葛藤していない」とありましたが、それだけ人が人とゆる〜く向き合って生活できてしまっているのではないでしょうか。
 
何かを相談したり、意見を聞いたりできる人が近くにいる。
 
そして賛同してくれたり、同調してくれたりする人が近くにいる。
 
そんな環境にあれば、もしかしたら『葛藤』は少なくて済むのかもしれない。
 
そんな環境になかったからこそ、相談しないという【反抗】を起こさざるを得なかったのかもしれない。
 
誤解がないように補足すれば、周りの誰にも話せなかった、寂しかったというようなこととは違います。それが誰であれ、向き合おうとなると心に複雑さがあるということです。
 
そしてこの【態度で起こした反抗】は1度ではなかったのですが、その内容はまた次回のコラムに書かせていただこうと思います。
 
文:もくもく
 
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