生きるとは苦しいことと認める

生きづらさ体験談
文:もくもく
第16回
生きるとは苦しいことと認める
┃苦しみと向き合って
あなたは生きていくなかで、「苦しい」と感じたことはありますか?
生きづらい人にとっては、もしかすると毎日が「苦しい」と感じる連続かもしれません。
特に、最近では社会情勢も変わっているので、
今まであまり感じていなかった人でも、「苦しい」と感じることが増えたかもしれません。
生きていくだけの苦しさ、つらさ、
起きた出来事に対する苦しさ、
人間関係の苦しさなど、
この社会で生きていく上では、さまざまな「苦しさ」が人を襲うこともあると思います。
そのような中でも、人は生きていかなければなりません。
┃苦しいは理解されない
私も自身の営業する喫茶店を、苦しいとの思いから今までに何度も辞めようと思ったときがありました。
つらい、苦しい、もうやっていけないかもと思ったことは、数え切れないほどあります。
知り合いに相談したこともありました。
それでも、返ってきた言葉は、励ましや激励だけでした。
「もう少し頑張ってみたほうがいいんじゃない?」
「ここを耐えて頑張った先に、きっといいことがあるよ」
「ここで逃げ出したら、何をやっても逃げ出すことになるんじゃない」
という、『負けるな!』という言葉ばかりだったのです。
そしてその言葉によって、
頑張ることしか道は残されてしかいないのだな
と思ってしまったのです。
それゆえ、結局また頑張っていこうと思ってしまい、「苦しい」という状態が続いたままになってしまいました。
人は、ひとりひとりが全く同じ経験をしていない以上、人の苦しみを、その苦しみを、
少なからず同調することはしても、理解できないのだと思ったのです。
それでも励まされた以上、「苦しい」を解消するには乗りこえるしかないと思いました。
「苦しい」を解消する答えは、
努力して乗りこえましょう
苦しいことは誰もが同じだから耐えましょう
が、《一般社会》の出す答えなのかもしれません。
なぜなら、
世の中の成功者の美学
などは、「苦しさを耐えた」と言っているからです。
成功している人が語ることや、本に書いてあるようなことは大抵の場合、
「つらいときを耐えたから今があります」
「失敗しても逃げずに頑張ったから成功しました」
と「苦しい」の解消方法が「乗りこえる」になっているのです。
ただ漠然と努力したとしても、結局はまた「苦しい」しか残りませんでしたなどということは、言われることはないのです。
┃生きることは苦しいということ
人は、生きていくうえで「苦しい」と思う瞬間もいろいろあると思います。
仕事が苦しい
お金が苦しい
持病があって苦しい
家庭環境が苦しい
人間関係が苦しい
といった、苦しいことはさまざまにあります。
それでも人は
生きるために仕事をし
生きるためにお金をもちたいと思い
生きるために持病を治したいと思い
生きるために家庭環境を変えたいと思い
生きるために人間関係を改善したいと思う。
だから、人が生きるって苦しいんだなと認めることから始めるしかないと思っています。
苦しいがいろいろある中で、決して苦しいだけじゃない、自分にとって良いことだってある。
苦しいがあるからこそ、楽しいと思える瞬間もあるんだなと認めることです。
そして、苦しい自分を責める必要はないと思っています。
誰しも苦しいときはあるでしょう。
理解してほしくても、誰にも理解してもらえない苦しみがあるでしょう。
だから苦しい自分を責めるよりも、少しでも変化した自分を感じながら、生きていくことがだいじなのかなと思っています。
私たちは、誰もが同じ空の下で生きているのですから…。
文:もくもく
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<目次>
1.『父親は死んだ』とうそをつかれた20年間
2.親に相談できなかった進路
3.私の就職先を偽る家族
4.家族に「負け」を認めたくなかった
5.他人の言動に一喜一憂してしまう
6.自分は生きているのか実感できない日々
7.父親のいない私の離婚と子どもへの罪の意識
8.相談相手は誰でもいいというわけではない
9.自分は本当に不幸なのか
10.自分の軸を持とうと思うとき
11.行動できない自分を認めるということ
12.自己肯定と自己否定に疲れ切ったあなたへ
13.いつも不安と戦うしかないのか
14.欲求を満たしますか、義務感を優先しますか
15.あなたの夢は、本当に必要な夢ですか?
16.生きるとは苦しいことと認める
17.「自信がない」をもたらす真犯人
18.年が変わったからと、目標を立てていませんか?
19.その批判はなんのためですか。
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