生きづらい人生に悩むあなたへ

 

 

心地よい人生の便り２

 
＜１０５通目＞

情けないぞ人類

 
こんにちは。
Brain with Soulの信夫です。
 
先日、公園であったこと。
 
私と同じ年代のお父さんが、
大声で息子さんを探していました。
 
すると突然。
 
その声が、
どなり声に変わりました。
 
どうやら息子さんが、
見つかったようです。
 
そして…、
 
「なんで勝手に動いたんだよ！
　あそこで待ち合わせって言っただろ！」
　
お父さんは怒声をあげ続けながら
手に持っていた野球グローブと
バットを地面に叩きつけました。
 
そして、
 
「今日はもう遊ばないからな」
 
「帰る、もう帰るからな」
 
「もうここには来ないからな」
 
とヒステリックに言い続けました。
 
まだ小学校低学年くらいの息子さんは、
固まったまま動けずにいました。
 
それを見たお父さんは、
 
「こっちに来い！」
 
「こっちに来て話を聴け！」
 
「なんで来ないんだよ！」
 
と自転車を蹴り倒しました。
 
見た目は優しそうな、
普通のお父さんです。
 
これを見て私は思いました。
 
 
『情けないぞ人類』
 
 
20万年前にこの地に出現し、
20万年の長い時を経て。
 
いまだにこんなことを
くり返しているのか。
 
このお父さんだけの、
責任なんかではありません。
 
私たち人類が、
何かを見誤ってきたからこそ。
 
こんな悲劇が、
当たり前のように日々おきているのです。
 
自分たちを、
 
『知的生命体』
 
とか、
 
『進化の最先端』
 
とか、
 
『文明人』
 
などと呼ぶのは、
いっこうにかまいません。
 
しかし。
 
本当にそう思うのなら。
 
幼い子供に、
親の感情を受け止めてもらうことが、
いかに理にかなっていないのか。
 
それくらいのことは、
気付きましょうよ。
 
その異常さに、
社会がもっと気付きましょうよ。
 
そして気付いたのなら。
 
本気でそれを直す方法を、
人類をあげて探しましょうよ。
 
そして、
人類をあげて取り組みましょうよ。
 
技術の向上や利便性を
追及することは決して悪い事ではありません。
 
しかし、もっと足元に、
もっともっと身近な足元に。
 
人類が手をたずさえて、
やらなければならないことがあるでしょう。
 
同じ方向を、
見なければならないことがあるでしょう。
 
このお父さんだって、
直そうとしている途中かもしれない。
 
でも、このお父さん一人に、
責任を負わせておいていいのでしょうか。
 
自己責任で済ませていいのでしょうか。
 
我々社会のその責任転嫁の結果が。
 
丸ごと、
子供たちに降りかかっているのです。
 
今まさに。
 
この時も。
 
私は二人のもとに、
歩み寄りました。
 
そして、
お父さんに道をたずねました。
 
お父さんは、
少し驚きながらも、
冷静さを取り戻して道を教えてくれました。
 
お礼を言いながら、
私は振り返り歩き出しました。
 
お父さんに伝えたいこともある。
息子さんに伝えたいこともある。
 
でも余計なことをすれば、
この子がこのあと家で何をされるかわからない。
 
今の私にできるのは、
この程度のこと。
 
こんなちっぽけなこと。
 
歩きながら、
ふと気がつくと。
 
涙がたくさんこぼれていました。
 
 
Brain with Soul代表
信夫克紀（しのぶ かつのり）