TOP | コラム一覧 | 生きづらい人生の歩き方 | 他人の目が気になる人へ


他人の目が気になる人へ

 

他人の目が気になる人へ 生きづらい人生の歩き方 第12回

LinkIcon目次はコチラ  
 

生きづらい人生の歩き方

 

第12回
他人の目が気になる人へ

 
他人の目が気になって仕方がない。
 
そんな切実な悩みがあります。
 
自分がどう見られているか気になる。
 
そのせいでいつもオドオドしてしまう。
 
自分の言いたいことも言えず、人と会うのも怖い。
 
日常生活を送るだけでクタクタになってしまうのです。
 
本当にしんどいですよね。
 
他人の目が気になることで、人生は生きづらさを増していきます。
 
しかもその度がすぎると、思いもしない大きな悲劇を招いてしまうことすらあるのです。
 
今回は、他人の目が気になってしまう人が、そんな大きな悲劇におちいらないために、とても大切な教訓をご紹介したいと思います。
 
こんなお話があります。
 
明治から大正にかけて活躍した小説家、森鴎外が史実にもとづいて書いた物語、
 
阿部一族
 
です。
 
江戸時代初期に肥後藩主の細川忠利が亡くなり、その側近たちが次々に殉死(あとを追って死ぬ)をします。
 
ただ、殉死は藩主の生前の許可なくすることができません。
 
そのため、たった一人だけ許可をしてもらえなかった老臣の阿部弥一右衛門は、藩主の死後も切腹をしませんでした。
 
弥一右衛門は仕事をつづけますが、当然、藩内の「他人の目」が気になります。
 
二、三日経つと「弥一右衛門は命を惜しがっているのだ」という噂まで耳に入ってくるようになります。
 
弥一右衛門は、その汚名を返上するために、身内を呼び寄せて目の前で切腹するのです。
 
しかし、今度は「許可なく殉死した」と問題視されます。
 
藩からのあつかいに不満を持った弥一右衛門の長男は、公式の場で失礼な行動をとり、縛り首にされてしまいます。
 
度重なる屈辱に、阿部一族は屋敷に立てこもり、皆で命を絶つ決意をします。
 
老人や女性は自殺し、小さな子供は身内が刺し殺し、残った者は討ち死にしました。
 
つまり、「他人の目」によって一族が全滅してしまったのです。
 
今とは文化も違いしますし、武士の誇りを守ることが第一の時代だったとは言え、なんとも恐ろしいお話だと思いませんか?
 
この物語から得られる教訓とは、いったい何でしょうか?
 
それは、他人の目が「気になる」ことよりも、他人の目に、
 
「振り回されてはいけない」
 
ということ。
 
実は、その方が重要だということです。
 
他人の目が気になるのは仕方がありません。
 
それは今も昔も変わらないことです。
 
阿部一族」の舞台も江戸時代。
 
内容は史実と違う点もあるそうですが、少なくとも江戸の昔から私たち人間は今と変わらず他人の目を気にする習慣を持っていたということでしょう。
 
他人の目が気になるのは、脳の扁桃体が敏感であれば当たり前のこと。
 
つまり「生理反応」です。
 
生きづらい人であれば、特にその反応は強いもの。
 
本人に責任はありません。
 
だから肝心なのは、他人の目が気になってしまったあとに、
 
「他人の目に振り回されないこと」
 
なんです。
 
カウンセリングの場でも、どうしたら他人の目に振り回されなくなるかというワークに取り組むことがよくあります。
 
他人の目に振り回されたあげく、自分の人生が台無しになってしまったら、悔やんでも悔やみきれないですからね。
 
阿部一族」という物語の中で忘れてはならないのは、弥一右衛門が自害しても、結局他人からの評判はまったく変わらなかったという点です。
 
それどころかさらに評判が悪くなりました。
 
そんないい加減な「他人の目」という基準に振り回されて生きるなんて、バカバカしいですよね。
 
他人の目が気になってしまっても、それに動じることなく充実した「自分の人生」を生きる。
 
それが実現できたときに、ふと気がつけば、他人の目が気にならなくなっているのです。
 
Brain with Soul代表
生きづらさ専門カウンセラー
信夫克紀(しのぶ かつのり)
 

もしこの記事があなたのお役に立てたのなら、
ぜひ他の方にも教えてあげてください。
Adic Salon入会受付中!生きづらさをチカラに変える!
 
 

生きづらい人生の歩き方 <目次>

1.生きづらい人がAI時代に生き残れる仕事とは?
2.「世界一即戦力な男」に見る引きこもり脱出の糸口
3.生きづらい人向け「ビジネスの成功法則」
4.あなたは「善人」ですか「悪人」ですか?
5.お金は好きですか?-生きづらい人が陥るお金のジレンマ
6.「お金もうけ」にとらわれなくなる話
7.生きづらい人は「リア充」より「ジツ充」を目指そう
8.我慢してるのに自分勝手と言われる
9.生きづらさの正体
10.死んでも世界はつづくのか?
11.実存を充実させる生き方
12.他人の目が気になる人へ
13.「ジツ充」の極め方
14.不安の上手な対処法
15.変えられること、変えられないこと
16.「変えられること」の見つけ方
17.感情に飲み込まれない方法
18.自分と同じ症状の人が見当たらない
19.人生を変える方法
20.人生が変わる瞬間に必ず起こる問題
21.「心の空間」を生きる
22.話が噛み合わないと感じるなら
23.人生に疲れ果てたとき
24.「自分らしさ」とは何か?
25.AIと張り合うくらいなら
26.ジツ充とジコチュウの違い
27.社会に絶望している人へ
28.ネガティブ思考を変える適切な方法
29.生きづらい人は仕事を「三つ」もとう
30.心の健康法の効果が出ない理由
31.ベーシックインカムで将来も安心?
32.「悩み解決書」で悩みが解決しない理由
33.生きづらさを癒す一つの方法
34.もっとクヨクヨ考えよう
35.仕事を三つもつ理由
36.好きなことを仕事にする…?
37.苦しみの活かし方
38.向かい風を追い風にする生き方
39.行動力を身につける方法
40.お金との上手なつき合い方
41.自己洗脳と自己欺瞞
42.人並みという幻想
43.元気がないと幸せになれないのか?
44.「社会の常識」に振りまわされない
45.気が休まらない…
46.綺麗事に気づいてしまう人
47.生きづらい人が起業を成功させられる理由
48.そんなかんたんな話じゃない
49.人に気をつかい過ぎて疲れしまう
50.悩み過ぎて体がガチガチ
51.正解なんてない
52.心に余裕がない
53.誰に相談したらいいのかわからない
54.やる気はどこから湧いてくる?
55.人と対立してしまう
56.許すか、許さないか
57.生き方を決める
58.好きなこと探しの迷宮
59.生きづらさは誰のせい?
60.集中しすぎてしまう
61.家にも世の中にも居場所がないときの解決法
62.不用意に交友関係を増やそうとしない
63.自分を最強の味方にする方法
64.世間のしがらみから脱け出したい
65.あと一歩が踏み出せない
66.なぜメンタルが弱いのだろう…?
67.生きづらい人が「苦手」を克服する方法
68.心配ごとが頭から離れない
69.認められたいのに認めてもらえない
70.引きこもりは「悪いこと」なのか?
71.楽に生きたい
72.失言が多いので減らしたい
73.誰も心配してくれない
74.お金の上手な使い方
75.やる気が出ないのはなぜなのか?
76.深く悩んでいる人の方が「えらい」のか?
77.生きづらい人が幸せになりたいなら
78.この人と結婚していいのか?
79.心が敏感な人向けの対処法から抜け落ちている視点
80.人生を変えられる人と、変えられない人の違い
81.親が嫌いな自分はおかしいのか?
82.著名人と自分を比べてしまう
83.自分を信じられない
84.上司や部下に言うことを聞いてもらえない
85.劣等感は克服も解消もしなくていい
86.ポジティブシンキングがうまくできない
87.結果だけで判断される社会
88.「自分がされたら嫌ことは他人にしてはいけない」の嘘
89.「性格が悪い」と言われてしまう
90.「ありのままの自分」というやっかいな問題
91.「お金」以外に8つの基準をもとう
92.どうしてこんなにつらいのに誰にも伝わらないのだろう?
93.仕事が恐い、職場が恐い - その恐怖の正体と解決策
94.「恩知らずな人」を許せない
95.他人を不愉快にさせてしまう
96.「等身大の自分」という言葉にひそむ罠
97.有効な「貯金」の仕方を身に着けよう
98.「なぜ怒っているのかわからない」と言われてしまう
99.頑張っているのに結果が出ない・・・
100.自分を「弱い」と感じている人へ
101.集団になじめないなら「思いどおり」にやろう
102.無駄に苦しんできただけだった
103.お金の不安をなくす方法
104.私の「すべて」をわかってもらいたい - わかってもらいたい症候群
105.なぜ苦しみを「克服」できないのか?
106.生きづらいなら「心地よい人生」を目指そう
107.生きづらい人は「扁桃体をいたわる生き方」を身に着けよう!
108.生きづらい人が自由になれる「メタ思考」とは?
109.世間との「ほどよい距離」の取り方とは?
110.たんたんと生きる
111.生きづらい人が目標を達成できない本当の理由
112.三理一体の法則がうまくいかない人の共通点とは?
113.カタルシスが生きづらさ脱出の「起爆剤」になる理由
114.「生きづらさ克服」の気力を失いそうなあなたへ
115.「仕事に行きたくない、家にいたい」当事者の声と具体的な対処法
116. 気が弱い人が人生を変える極意
117.消えない恨みへの「レベル別」対処法
118.生きづらさをこじらせる「完全な被害者バイアス」とは?
119.生きづらいなら「役割」を果たし人生を落ち着かせよう
120.生きづらい人にもっとも大切な支援
121.生きづらい人は「意志が弱い」のか?
122.自分軸よりも大切なもの -「実存軸」で生きよう
123.人の言葉に傷つきやすい人が知ると楽になる二つの事実
124.メタ思考力を鍛えたいなら「バカ」や「アホ」ともつき合おう
125.生きづらさの「原因」を安易に特定するネット記事が多すぎる
126.「誰でもHSP症候群」にかかった日本
127.「結論だけ欲しがる社会」に踊れされるな
128.生きづらい人は「ギバー」を目指さなくていい
129.「一人で生きていく」と決めた生きづらい人に必要な覚悟
130.マイノリティは、なぜ生きづらいのか?
131.生きづらい人の「意識」の上手な活かし方
132.もんもん耐性、それは自分の「本質」と向き合える力
133.生きづらい人はAIと仲良くなれる - 関係性のシンギュラリティ
134.「メンタルが強い人」のアドバイスを真に受けない
135.雑談力は必要か?雑談できないあなたへ
136.嫉妬しやすい人が「嫉妬しない人」になりたいなら
137.お金に振り回されなくなる「二つの力」
138.日本社会で生きづらい人が苦しんでいる本当の理由
139.自分は本当に「生きづらい」のだろうか?
140.生きづらい人はコミュニケーションが得意という事実
141.内にこもりたいとき、あなたはどうしていますか?
142.「憧れの人」を目指すな - ビジネスの成功者に憧れる生きづらい人へ
143.私には不満がない
144.「無駄にプライドが高い人」が好きだ
145.その他大勢になるな、唯一無二のままであれ。
146.「生きる意味」が見つからない、生きづらい人へ
147.「異物」として生きて
 


おかげ様でコラム数500本突破!

読むと心が強くなるコラム

「読むだけで生きる勇気が湧いてくる」と大好評をいただいている、しのぶかつのり(信夫克紀)の連載コラムです。
もちろん<無料>でお読みいただけます。