TOP | コラム一覧 | 生きづらい人生の歩き方 | 人並みという幻想


人並みという幻想

 

生きづらい人生の歩き方第42回 人並みという幻想

LinkIcon目次はコチラ  
 

生きづらい人生の歩き方

 

第42回
人並みという幻想

 
「人並み」という言葉があります。
 
そして、その「人並み」からはずれることを、極端に恐れる人がいます。
 
「人並みからはずれたら、生きていけない」と。
 
たしかに「並み」の暮らしからはずれるわけですから、生きていくだけで一苦労。
 
恐れてしまうのも仕方のないことですよね。
 
でも、本当でしょうか?
 
私たちが耳にする「人並み」は、本当に「人並み」なのでしょうか?
 
「人並み」からはずれることを恐れる人に、「人並み」の基準を聞いてみると、たいてい次のような答えが返ってきます。
 
正社員(正規職員)として勤め、結婚して子供をもうけ、実家の持ち家を継いだり、自分の家を持っている。
 
それができてはじめて「人並み」だと自分を認められる、とおっしゃるのです。
 
しかし、こうして「人並み」の条件をながめてみると、かなりハイレベルではないでしょうか?
 
正規職員という条件だけをとってみても、女性では半分以上の人が当てはまらず、男性も3割程度の人が当てはまりません。
(参照:国民生活基礎調査の概況 2016年版)
 
ここには自営業、フリーランスの人は含まれていないので、当てはまらない人は、もっともっと多くなるはずです。
 
さらに、結婚や子供、持ち家という条件が加わることで、当てはまらない人はどんどん増えていきます。
 
じっさいには、「人並み」からはずれて暮らしている人の方が多くなるでしょう。
 
しかも、これは日本国内だけの話です。
 
世界を視野に入れれば、「人並み」からはずれて暮らしている人は、数えきれないほどの人数になるでしょう。
 
さらに過去の歴史まで視野に入れれば、「人並み」から外れている人は、圧倒的多数になることでしょう。
 
そう考えると、私たちが言う「人並み」とは、まったく「人並み」ではない。
 
ものすごく特異な「超少数派」でしかありません。
 
「ニセ人並み」であり、「人並」という名の「幻想」でしかないのです。
 
では、なぜその「幻想」を信じ、そこからはずれるのを恐れるまでになってしまうのでしょうか?
 
一つは、「親の口癖」が関係している可能性が高いかもしれません。
 
子供の頃から、親が、
 
「せめて人並みに正社員になって」
 
「せめて人並みに結婚して」
 
「せめて人並みに子供をもうけて」
 
「せめて人並みにこの家を守って」
 
「せめて人並みに自分の家を持って」
 
と、「人並み」という言葉を当たり前のように使って話していた。
 
しかも、その求めるレベルが高かった。
 
そのためにハイレベルな条件が「人並み」だと思い込まされてしまったのです。
 
もちろん親だけではなく、学校や自分の住んでいる地域全体が、そのような考え方をしている大人で埋め尽くされていたケースもあるでしょう。
 
その地域限定の「人並み」を、まるでそこからはずれたら生きてはいけないかのように心に植えつけられてしまったのです。
 
さらにもう一つの理由として、「人並み」を実現した人の影響を受けているということが言えるかもしれません。
 
「人並み」を実現した人は、少数派でありながら、社会で地位や発言力を持っています。
 
その人たちが、「私を目指そう」と口にする。
 
さらに、国も「人並み」を中心とした制度を整え、メディアも「人並み」のイメージを、広告や記事、番組に多用する。
 
それによって、ハイレベルな条件が「人並み」になっていったことが考えられます。
 
たしかに、大企業で正社員をしている人は、結婚して子供をもうけて、自分の家やマンションを持っている人が多くいます。
 
でもそれは「大企業に勤めている人並み」でしかありません。
 
またある地域では、正社員になり、実家を継ぎ、そこで家庭を持ち、親を養うことが当たり前とされています。
 
しかしそれも「その地域での人並み」でしかありません。
 
じっさいには、その「人並み」からはずれて生きている人の方が、圧倒的に多いのです。
 
そう考えると。
 
「人並みからはずれたら、生きていけない」なんて、なんだかとても非現実的な考え方なのかもしれませんね。
 
少なくとも、じっさいに「人並み」からはずれて生きている多くの人たちが聞いたら、「失礼な!」と感じることでしょう(笑)
 
私たちが耳にするほとんどの「人並み」は幻想です。
 
どこにも実態はありません。
 
私たちがそれに縛られなければならない理由なんてない。
 
恐れる必要は一つもないのです。
 
Brain with Soul代表
生きづらさ専門カウンセラー
しのぶかつのり(信夫克紀)
 

もしこの記事があなたのお役に立てたのなら、
ぜひ他の方にも教えてあげてください。
Adic Salon入会受付中!生きづらさをチカラに変える!
 
 

生きづらい人生の歩き方 <目次>

1.生きづらい人がAI時代に生き残れる仕事とは?
2.「世界一即戦力な男」に見る引きこもり脱出の糸口
3.生きづらい人向け「ビジネスの成功法則」
4.あなたは「善人」ですか「悪人」ですか?
5.お金は好きですか?-生きづらい人が陥るお金のジレンマ
6.「お金もうけ」にとらわれなくなる話
7.生きづらい人は「リア充」より「ジツ充」を目指そう
8.我慢してるのに自分勝手と言われる
9.生きづらさの正体
10.死んでも世界はつづくのか?
11.実存を充実させる生き方
12.他人の目が気になる人へ
13.「ジツ充」の極め方
14.不安の上手な対処法
15.変えられること、変えられないこと
16.「変えられること」の見つけ方
17.感情に飲み込まれない方法
18.自分と同じ症状の人が見当たらない
19.人生を変える方法
20.人生が変わる瞬間に必ず起こる問題
21.「心の空間」を生きる
22.話が噛み合わないと感じるなら
23.人生に疲れ果てたとき
24.「自分らしさ」とは何か?
25.AIと張り合うくらいなら
26.ジツ充とジコチュウの違い
27.社会に絶望している人へ
28.ネガティブ思考を変える適切な方法
29.生きづらい人は仕事を「三つ」もとう
30.心の健康法の効果が出ない理由
31.ベーシックインカムで将来も安心?
32.「悩み解決書」で悩みが解決しない理由
33.生きづらさを癒す一つの方法
34.もっとクヨクヨ考えよう
35.仕事を三つもつ理由
36.好きなことを仕事にする…?
37.苦しみの活かし方
38.向かい風を追い風にする生き方
39.行動力を身につける方法
40.お金との上手なつき合い方
41.自己洗脳と自己欺瞞
42.人並みという幻想
43.元気がないと幸せになれないのか?
44.「社会の常識」に振りまわされない
45.気が休まらない…
46.綺麗事に気づいてしまう人
47.生きづらい人が起業を成功させられる理由
48.そんなかんたんな話じゃない
49.人に気をつかい過ぎて疲れしまう
50.悩み過ぎて体がガチガチ
51.正解なんてない
52.心に余裕がない
53.誰に相談したらいいのかわからない
54.やる気はどこから湧いてくる?
55.人と対立してしまう
56.許すか、許さないか
57.生き方を決める
58.好きなこと探しの迷宮
59.生きづらさは誰のせい?
60.集中しすぎてしまう
61.家にも世の中にも居場所がないときの解決法
62.不用意に交友関係を増やそうとしない
63.自分を最強の味方にする方法
64.世間のしがらみから脱け出したい
65.あと一歩が踏み出せない
66.なぜメンタルが弱いのだろう…?
67.生きづらい人が「苦手」を克服する方法
68.心配ごとが頭から離れない
69.認められたいのに認めてもらえない
70.引きこもりは「悪いこと」なのか?
71.楽に生きたい
72.失言が多いので減らしたい
73.誰も心配してくれない
74.お金の上手な使い方
75.やる気が出ないのはなぜなのか?
76.深く悩んでいる人の方が「えらい」のか?
77.生きづらい人が幸せになりたいなら
78.この人と結婚していいのか?
79.心が敏感な人向けの対処法から抜け落ちている視点
80.人生を変えられる人と、変えられない人の違い
81.親が嫌いな自分はおかしいのか?
82.著名人と自分を比べてしまう
83.自分を信じられない
84.上司や部下に言うことを聞いてもらえない
85.劣等感は克服も解消もしなくていい
86.ポジティブシンキングがうまくできない
87.結果だけで判断される社会
88.「自分がされたら嫌ことは他人にしてはいけない」の嘘
89.「性格が悪い」と言われてしまう
90.「ありのままの自分」というやっかいな問題
91.「お金」以外に8つの基準をもとう
92.どうしてこんなにつらいのに誰にも伝わらないのだろう?
93.仕事が恐い、職場が恐い - その恐怖の正体と解決策
94.「恩知らずな人」を許せない
95.他人を不愉快にさせてしまう
96.「等身大の自分」という言葉にひそむ罠
97.有効な「貯金」の仕方を身に着けよう
98.「なぜ怒っているのかわからない」と言われてしまう
99.頑張っているのに結果が出ない・・・
100.自分を「弱い」と感じている人へ
101.集団になじめないなら「思いどおり」にやろう
102.無駄に苦しんできただけだった
103.お金の不安をなくす方法
104.私の「すべて」をわかってもらいたい - わかってもらいたい症候群
105.なぜ苦しみを「克服」できないのか?
106.生きづらいなら「心地よい人生」を目指そう
107.生きづらい人は「扁桃体をいたわる生き方」を身に着けよう!
108.生きづらい人が自由になれる「メタ思考」とは?
109.世間との「ほどよい距離」の取り方とは?
110.たんたんと生きる
111.生きづらい人が目標を達成できない本当の理由
112.三理一体の法則がうまくいかない人の共通点とは?
113.カタルシスが生きづらさ脱出の「起爆剤」になる理由
114.「生きづらさ克服」の気力を失いそうなあなたへ
115.「仕事に行きたくない、家にいたい」当事者の声と具体的な対処法
116. 気が弱い人が人生を変える極意
117.消えない恨みへの「レベル別」対処法
118.生きづらさをこじらせる「完全な被害者バイアス」とは?
119.生きづらいなら「役割」を果たし人生を落ち着かせよう
120.生きづらい人にもっとも大切な支援
121.生きづらい人は「意志が弱い」のか?
122.自分軸よりも大切なもの -「実存軸」で生きよう
123.人の言葉に傷つきやすい人が知ると楽になる二つの事実
124.メタ思考力を鍛えたいなら「バカ」や「アホ」ともつき合おう
125.生きづらさの「原因」を安易に特定するネット記事が多すぎる
126.「誰でもHSP症候群」にかかった日本
127.「結論だけ欲しがる社会」に踊れされるな
128.生きづらい人は「ギバー」を目指さなくていい
129.「一人で生きていく」と決めた生きづらい人に必要な覚悟
130.マイノリティは、なぜ生きづらいのか?
131.生きづらい人の「意識」の上手な活かし方
132.もんもん耐性、それは自分の「本質」と向き合える力
133.生きづらい人はAIと仲良くなれる - 関係性のシンギュラリティ
134.「メンタルが強い人」のアドバイスを真に受けない
135.雑談力は必要か?雑談できないあなたへ
136.嫉妬しやすい人が「嫉妬しない人」になりたいなら
137.お金に振り回されなくなる「二つの力」
138.日本社会で生きづらい人が苦しんでいる本当の理由
139.自分は本当に「生きづらい」のだろうか?
140.生きづらい人はコミュニケーションが得意という事実
141.内にこもりたいとき、あなたはどうしていますか?
142.「憧れの人」を目指すな - ビジネスの成功者に憧れる生きづらい人へ
143.私には不満がない
144.「無駄にプライドが高い人」が好きだ
145.その他大勢になるな、唯一無二のままであれ。
146.「生きる意味」が見つからない、生きづらい人へ
147.「異物」として生きて
 


おかげ様でコラム数500本突破!

読むと心が強くなるコラム

「読むだけで生きる勇気が湧いてくる」と大好評をいただいている、しのぶかつのり(信夫克紀)の連載コラムです。
もちろん<無料>でお読みいただけます。