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人と対立してしまう

 

生きづらい人生の歩き方 人と対立してしまう

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生きづらい人生の歩き方

 

第55回
人と対立してしまう

 
なぜか人と対立してしまう。
 
周囲はいつも敵だらけ。
 
そんな人がいます。
 
嫌われるだけではなく、明確に相手に反発されてしまう。
 
自分も反発してしまう。
 
本人もなんとか調和を保ちたいと思っているけれど、どうしてもうまくできない。
 
しかも、「誰とでも対立してしまう」のです。
 
私たち人間には、相性というものがありますよね。
 
どうしても合わない相性、つまり対立してしまう性質というものがあります。
 
以前ご紹介したような、「心の空間の住人」と「物質空間の住人」もその一つかもしれません。
 
ただ、対立という面で言うと、さらに明確に反発し合う相性として、
 
「人格系と発達系」
 
と呼ばれるものがあります。
 
これは、精神科医でユング派の心理学者でもある老松克博氏が、
 
人格系と発達系 対話の深層心理学(講談社:刊)」
 
という著書の中で詳しく紹介なさっている相性です。
 
本来は、書籍のタイトルにもあるとおり、深層心理の奥底まで論じられている問題です。
 
ただ今回は、論点がわかりやすくなるように日常の場面にかぎってお話をすすめていきたいと思います。
 
「人格系」とは、周囲に適応することや調和を重要視している人のこと。
 
言いたいことも抑え、過去を悔やんだり未来のことにも思い悩むような、葛藤しやすい人です。
 
一方「発達系」とは、今目の前のことばかりに気をとられていて、適応や調和について考えている余裕がない人。
 
思いついたことをそのまま口にするような、葛藤のない人です。
 
誰もがこの「両側面のブレンド」だとされていますが、日常的にはどちらか一方に属していると考えられています。
 
あなたは、ご自分がどちらのタイプだと思いますか?
 
「周囲との調和を考えている人」と「目の前のことだけ考えている人」だから相性が合わない。
 
こう言われると「なるほど、たしかにそうだ」と納得される方も多いのではないでしょうか。
 
なぜ人と対立してしまうのかが、構図としてよくわかるようになりますよね。
 
この構図を冷静に意識しながら、自分の内面や人と接していけば、対立を上手に避けていくこともできそうです。
 
しかし、今回のテーマである「誰とでも対立してしまう」というケースでは、なかなかそのようにうまくはいかないかもしれません。
 
「誰とでも対立してしまう」人の多くは、他の人にはないある特徴を持っていると私は考えています。
 
それは、自分のなかにある人格系と発達系の側面が出てしまう場面が、周囲の人とズレているという特徴です。
 
つまり、みんなが空気を読んでいるところで、空気を読まない。
 
さらに、みんなが空気を気にしていないところで、空気を読み過ぎてやたらと気をもんでしまう。
 
だから、どんな人ともすぐに対立してしまうということです。
 
誰もが人格系と発達系の傾向をもっています。
 
しかし、それが発現する場面が、周囲の人と互い違いになっているせいで「誰とでも対立してしまう」という問題が起きてしまうのです。
 
生きづらさを抱えている人はそのような傾向が非常に強いということを、カウンセリングの現場でも日々実感します。
 
生きづらいと感じている人の多くは、人にものすごく気をつかっています
 
過剰と言えるほどに周囲に適応しようと努力しているし、葛藤もしています。
 
そこまでしているにもかかわらず、なぜか、
 
「もっと空気を読め」
 
「人の気持ちを考えろ」
 
「無神経」
 
「自分勝手」
 
「ワガママ」
 
といった批判を受けてしまいます。
 
あなたにもご経験がありますでしょうか?
 
あなたからすれば、これ以上ないほど気をつかい、人の顔色をうかがいながら生活している。
 
さらに、周囲を見渡せば、自分なんかよりももっと空気を読まず、人の気持ちを考えずズケズケとものを言っている人がたくさんいる。
 
でも、なぜかあなただけが怒られ、文句を言われ、批判される。
 
あなたもその不条理に納得がいかず反発し、周囲は敵だらけになる…。
 
これは、「人格系と発達系による対立」というシンプルな構図ではありません。
 
人格系と発達系という側面が出現する場面が、周囲の人と「正反対になっている」という非常にわかりにくい構図なのです。
 
だから、あなた本人でさえ、あらゆる人と対立してしまう理由がなかなかわからないのです。
 
この状況を少しでも改善していくためには、自分のなかの人格系と発達系の側面をしっかりと見極めることが大切です。
 
そして、どの側面がどんな場面で発現しようとするのかを自己観察してみましょう。
 
と言っても、決してあなただけが悪いわけではないのですから、周囲の人に一方的に合わせようとする必要はありません。
 
また、いきなり合わせようとして、自分のなかの人格系と発達系を使い分けようとするのは至難のワザでしょう。
 
だから、どちらでもない「フラット系」として周囲の人と接してみる。
 
自分を一時的に「ゼロ」にした状態で、人のいる場に出てみるのです。
 
とうぜん、自然と無口になり、うなづくていどの反応になるでしょう。
 
その「ゼロ」状態から必要最低限の発言や行動を選んでいけばいい。
 
はじめは変なヤツだなと思われるかもしれません。
 
でも「上手に対応しなきゃ!」と過剰に適応しようとして苦しくなったり、むやみに対立して敵をどんどん増やしてしまうよりはマシではないでしょうか。
 
つづけていくことによって、やがて自分の内面の葛藤や、周囲とのあいだにある葛藤の調和されるポイント(落としどころ)が見えてくるはずです。
 
今回は、対立するひとつのわかりやすい例として、人格系と発達系という性質に焦点を当ててみました。
 
ただ、自分を「フラット」にした「ゼロ」状態で人と接してみると、この二つの性質にかぎらず、あらゆる自分の性質、他者の性質がよく見えてきます。
 
さまざまな「対立の構図」があることがわかってくるはずです。
 
そして、なぜ自分が人と対立してしまうのか、その構図が見えてくるでしょう。
 
ぜひ試してみてくださいね。
 
Brain with Soul代表
生きづらさ専門カウンセラー
しのぶかつのり(信夫克紀)
 


生きづらい人生の歩き方 <目次>

1.AI時代に生き残る仕事
2.「世界一即戦力な男」に見る引きこもり脱出の糸口
3.これからのビジネスの成功法則
4.善人なんていない
5.お金は好きですか?
6.「お金もうけ」にとらわれなくなる話
7.「リア充」を目指すより
8.我慢してるのに自分勝手と言われる
9.生きづらさの正体
10.死んでも世界はつづくのか?
11.実存を充実させる生き方
12.他人の目が気になる人へ
13.「ジツ充」の極め方
14.不安の上手な対処法
15.変えられること、変えられないこと
16.「変えられること」の見つけ方
17.感情に飲み込まれない方法
18.人に拒絶されると傷ついてしまう
19.人生を変える方法
20.人生が変わる瞬間に必ず起こる問題
21.「心の空間」を生きる
22.話が噛み合わないと感じるなら
23.人生に疲れ果てたとき
24.「自分らしさ」とは何か?
25.AIと張り合うくらいなら
26.ジツ充とジコチュウの違い
27.社会に絶望している人へ
28.ネガティブ思考を変える適切な方法
29.仕事は三つもつ
30.心の健康法の効果が出ない理由
31.ベーシックインカムで将来も安心?
32.「悩み解決書」で悩みが解決しない理由
33.生きづらさを癒す一つの方法
34.もっとクヨクヨ考えよう
35.仕事を三つもつ理由
36.好きなことを仕事にする…?
37.苦しみの使い方
38.向かい風を追い風にする生き方
39.行動力を身につける方法
40.お金との上手なつき合い方
41.自己洗脳と自己欺瞞
42.人並みという幻想
43.元気がないと幸せになれないのか?
44.社会の常識に振り回されない
45.気が休まらない…
46.綺麗事に気づいてしまう人
47.生きづらい人が起業を成功させられる理由
48.そんなかんたんな話じゃない
49.人に気をつかい過ぎて疲れしまう
50.悩み過ぎて体がガチガチ
51.正解なんてない
52.心に余裕がない
53.誰に相談したらいいのかわからない
54.やる気はどこから湧いてくる?
55.人と対立してしまう
56.許すか、許さないか
57.生き方を決める
58.好きなこと探しの迷宮
59.生きづらさは誰のせい?
60.集中しすぎてしまう
61.居場所がない
62.不用意に交友関係を増やそうとしない
63.自分を最強の味方にする方法
64.世間のしがらみから脱け出したい
65.あと一歩が踏み出せない
66.なぜメンタルが弱いのだろう…?
67.苦手なことへの適切な対処法
68.心配ごとが頭から離れない
 


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