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自分を最強の味方にする方法

 

自分を最強の味方にする方法

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生きづらい人生の歩き方

 

第63回
自分を最強の味方にする方法

 
生きづらい人には、
 
「自分が嫌いです。」
 
「自分なんてクソですから。」
 
「自分が信頼できません。」
 
とおっしゃる方が少なくありません。
 
カウンセリングの現場で、よく耳にするセリフです。
 
嫌いでクソで信頼できない人。
 
言うなればそれは、自分を敵視しているということでしょう。
 
そんな人物が片時も離れずに自分のそばにいたとしたら。
 
それは生きづらいと感じるのも、当然のことかもしれません。
 
だからこそ、自分以外の人に相談してみる。
 
この苦しみをわかってもらいたい。
 
頼れる誰かを見つけたい。
 
救ってもらいたい。
 
しかし、その願いがかなえられることはありません。
 
ダメなんかじゃないよと軽く受け流されたり、そのままでいいじゃんと慰められたり、甘えるなと叱られたり…。
 
それだけならまだいい方で、なにについて悩んでいるのかまったく伝わらない。
 
話が通じないことがほとんどのなのです。
 
だから余計に、わかってもらいたいという思いがつのっていく。
 
しかし、生きづらい人が理解を求めると破綻します。
 
わかってもらいたいがために必死になり、アクションがおおげさになる。
 
ひどくなると記憶のねつ造まではじめる。
 
やがて周囲からは誰もいなくなり、敵である「自分」だけが、そこにポツンと取り残されるのです。
 
では、生きづらい人はいったい誰に相談すればいいのでしょうか?
 
嫌いでクソで信頼できない自分のことを、どこで打ち明ければいいのでしょうか?
 
それは、
 
「心理カウンセリング」
 
です。
 
「おいおい、ずいぶんストレートな宣伝だな。」
 
そう思われたでしょうか?
 
また、
 
「カウンセラーに相談したけど、まったく役に立たなかった」
 
そんなご経験がおありかもしれません。
 
たしかに、カウンセラーの中にはフムフムと話を聞いているだけで、相談してもわかってもらった気がまったくしないというケースがあとを絶ちません。
 
カウンセラーからしたら、下手な質問やアドバイスはせず、話に深入りしない方が安全です。
 
そのため、「傾聴」という名のもとに、ただ話を聞いているだけのカウンセラーがいることは私も否定しません。
 
さらに、心理カウンセラーとは名ばかりで、すべての悩みはかんたんに解決できると思い込んでいるお気楽な「自称カウンセラー」もおおぜいいます。
 
どこかで身につけてきた自己洗脳と自己欺瞞の方法を、自分がそれでうまくいったからといって、
 
「なんでもポジティブに言いかえればいい」
 
「ダメな自分を受け入れればいい」
 
「借金してでも好きなことをやればいい」
 
と一方的かつ無責任に押しつけてくるのです。
 
しかし、今挙げたような人たちは、心理カウンセリングをしているとはとても言いがたいでしょう。
 
では、じっさいの心理カウンセリングとは、どのようなものなのでしょうか?
 
それは、
 
「自分で自分をわかってあげる場」
 
を提供するということ。
 
誰かにわかってもらう場ではありません。
 
心理カウンセリングとは、カウンセラーという「鏡」をとおして、自分で自分をわかってあげる場なのです。
 
私は、人に相談するということがほとんどありません。
 
まれに話すことはあるけれども、それでも二年に一度あるかないか、自分が未経験な勝負どころだけです。
 
それ以外はすべて自分に相談しています。
 
つらいことも、苦しいことも。
 
自分で自分の話を聴き、自分を理解し、自分で答えを見出していく。
 
その過程を、人の手を借りてていねいにわかりやすくおこなっていくのが、心理カウンセリングだと言えるでしょう。
 
それは言いかえれば、
 
「自分を最強の味方にする方法」
 
と言えるかもしれません。
 
生きづらい人の多くは、嫌いでクソで信頼できない自分を抱えて、毎日を生きてきました。
 
そして、嫌いでクソで信頼できない自分に打ちのめされてきました。
 
でも、考えてみてください。
 
そんな自分のそばからずっと離れずに、一緒に頑張ってきてくれたのは、いったい誰なのでしょうか?
 
そんな自分が転んでも、また起き上がって踏ん張り、歩き出し、一緒に人生を生き抜いてきてくれたのは、いったい誰なのでしょうか?
 
そんな自分を守り、ともに耐え忍んでくれたのは、いったい誰なのでしょうか?
 
片時も自分から離れずに、自分を見捨てずに、ずっとそばで一緒に戦い抜いてきてくれたのは、いったい誰なのでしょうか?
 
それは「自分」に他なりません。
 
自分という存在は、人生のあらゆる戦場をともに駆け抜けた、たった一人のかけがえのない、
 
「戦友」
 
なのです。
 
その自分が、もし自分の味方になってくれたらどれだけ心強いでしょう。
 
その味方がいつだって自分を理解しようとしてくれていたら、どれほど頼もしいでしょう。
 
もしあなたが、じっさいに自分を嫌い、クソだと思い、信頼していないのだとしたら。
 
この話を聞いても「キレイゴト」だと思うかもしれません。
 
でも、あなたの人生において。
 
じっさいにいつだってあなたが頑張り、立ち上がり、踏ん張り、歩き、生き抜き、守り、耐え忍び、戦ってきてくれたのです。
 
あなたの他に、いったい誰がそこまであなたのためにしてくれるというのでしょうか?
 
あなた以上にあなたのために頑張ってくれる人は決してこの世に存在しない。
 
あなたにとってあなたは、すでに、
 
「最強の味方」
 
なのです。
 
どんなにあなたに嫌われても、あなたはあなたのために頑張ってきてくれた。
 
どんなにあなたにクソだと言われても、あなたはあなたのために踏ん張ってきてくれた。
 
どんなにあたなに信頼されていなくとも、あなたはあなたのために戦ってきてくれた。
 
なんとかあなたの命を守ろうと、バカにされようが、笑われようが、のらりくらりとかわしたり、ときには逃げたりして、必死で人生に食らいついてきた。
 
あなたはあなたの最強の味方。
 
どんなに否定しても、それが逃れられない事実なのです。
 
その受け入れがたい事実に、知らずしらずのうちに触れていくこと。
 
そして、自分をわかってあげることをとおして、自分がいかに自分のために必死で生きてきてくれたのかを、少しずつ知っていくこと。
 
それが、心理カウンセリングのひとつの大きな役割だと言えるでしょう。
 
たしかに心理カウンセリングは、カウンセラーの深い理解があって成り立つものです。
 
しかし、究極的には、心理カウンセリングとは誰かにわかってもらう場所ではありません。
 
自分で自分をわかってあげる場所。
 
その過程をとおして、自分を「最強の味方」にするための方法なのです。
 
それが済んでしまえば。
 
カウンセラーなんてなんの役にも立ちません。
 
身支度がしっかり整った人に、もはや「鏡」は必要ないのです。
 
Brain with Soul代表
生きづらさ専門カウンセラー
しのぶかつのり(信夫克紀)
 

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生きづらい人生の歩き方 <目次>

1.生きづらい人がAI時代に生き残れる仕事とは?
2.「世界一即戦力な男」に見る引きこもり脱出の糸口
3.生きづらい人向け「ビジネスの成功法則」
4.あなたは「善人」ですか「悪人」ですか?
5.お金は好きですか?-生きづらい人が陥るお金のジレンマ
6.「お金もうけ」にとらわれなくなる話
7.生きづらい人は「リア充」より「ジツ充」を目指そう
8.我慢してるのに自分勝手と言われる
9.生きづらさの正体
10.死んでも世界はつづくのか?
11.実存を充実させる生き方
12.他人の目が気になる人へ
13.「ジツ充」の極め方
14.不安の上手な対処法
15.変えられること、変えられないこと
16.「変えられること」の見つけ方
17.感情に飲み込まれない方法
18.自分と同じ症状の人が見当たらない
19.人生を変える方法
20.人生が変わる瞬間に必ず起こる問題
21.「心の空間」を生きる
22.話が噛み合わないと感じるなら
23.人生に疲れ果てたとき
24.「自分らしさ」とは何か?
25.AIと張り合うくらいなら
26.ジツ充とジコチュウの違い
27.社会に絶望している人へ
28.ネガティブ思考を変える適切な方法
29.生きづらい人は仕事を「三つ」もとう
30.心の健康法の効果が出ない理由
31.ベーシックインカムで将来も安心?
32.「悩み解決書」で悩みが解決しない理由
33.生きづらさを癒す一つの方法
34.もっとクヨクヨ考えよう
35.仕事を三つもつ理由
36.好きなことを仕事にする…?
37.苦しみの活かし方
38.向かい風を追い風にする生き方
39.行動力を身につける方法
40.お金との上手なつき合い方
41.自己洗脳と自己欺瞞
42.人並みという幻想
43.元気がないと幸せになれないのか?
44.「社会の常識」に振りまわされない
45.気が休まらない…
46.綺麗事に気づいてしまう人
47.生きづらい人が起業を成功させられる理由
48.そんなかんたんな話じゃない
49.人に気をつかい過ぎて疲れしまう
50.悩み過ぎて体がガチガチ
51.正解なんてない
52.心に余裕がない
53.誰に相談したらいいのかわからない
54.やる気はどこから湧いてくる?
55.人と対立してしまう
56.許すか、許さないか
57.生き方を決める
58.好きなこと探しの迷宮
59.生きづらさは誰のせい?
60.集中しすぎてしまう
61.家にも世の中にも居場所がないときの解決法
62.不用意に交友関係を増やそうとしない
63.自分を最強の味方にする方法
64.世間のしがらみから脱け出したい
65.あと一歩が踏み出せない
66.なぜメンタルが弱いのだろう…?
67.生きづらい人が「苦手」を克服する方法
68.心配ごとが頭から離れない
69.認められたいのに認めてもらえない
70.引きこもりは「悪いこと」なのか?
71.楽に生きたい
72.失言が多いので減らしたい
73.誰も心配してくれない
74.お金の上手な使い方
75.やる気が出ないのはなぜなのか?
76.深く悩んでいる人の方が「えらい」のか?
77.生きづらい人が幸せになりたいなら
78.この人と結婚していいのか?
79.心が敏感な人向けの対処法から抜け落ちている視点
80.人生を変えられる人と、変えられない人の違い
81.親が嫌いな自分はおかしいのか?
82.著名人と自分を比べてしまう
83.自分を信じられない
84.上司や部下に言うことを聞いてもらえない
85.劣等感は克服も解消もしなくていい
86.ポジティブシンキングがうまくできない
87.結果だけで判断される社会
88.「自分がされたら嫌ことは他人にしてはいけない」の嘘
89.「性格が悪い」と言われてしまう
90.「ありのままの自分」というやっかいな問題
91.「お金」以外に8つの基準をもとう
92.どうしてこんなにつらいのに誰にも伝わらないのだろう?
93.仕事が恐い、職場が恐い - その恐怖の正体と解決策
94.「恩知らずな人」を許せない
95.他人を不愉快にさせてしまう
96.「等身大の自分」という言葉にひそむ罠
97.有効な「貯金」の仕方を身に着けよう
98.「なぜ怒っているのかわからない」と言われてしまう
99.頑張っているのに結果が出ない・・・
100.自分を「弱い」と感じている人へ
101.集団になじめないなら「思いどおり」にやろう
102.無駄に苦しんできただけだった
103.お金の不安をなくす方法
104.私の「すべて」をわかってもらいたい - わかってもらいたい症候群
105.なぜ苦しみを「克服」できないのか?
106.生きづらいなら「心地よい人生」を目指そう
107.生きづらい人は「扁桃体をいたわる生き方」を身に着けよう!
108.生きづらい人が自由になれる「メタ思考」とは?
109.世間との「ほどよい距離」の取り方とは?
110.たんたんと生きる
111.生きづらい人が目標を達成できない本当の理由
112.三理一体の法則がうまくいかない人の共通点とは?
113.カタルシスが生きづらさ脱出の「起爆剤」になる理由
114.「生きづらさ克服」の気力を失いそうなあなたへ
115.「仕事に行きたくない、家にいたい」当事者の声と具体的な対処法
116. 気が弱い人が人生を変える極意
117.消えない恨みへの「レベル別」対処法
118.生きづらさをこじらせる「完全な被害者バイアス」とは?
119.生きづらいなら「役割」を果たし人生を落ち着かせよう
120.生きづらい人にもっとも大切な支援
121.生きづらい人は「意志が弱い」のか?
122.自分軸よりも大切なもの -「実存軸」で生きよう
123.人の言葉に傷つきやすい人が知ると楽になる二つの事実
124.メタ思考力を鍛えたいなら「バカ」や「アホ」ともつき合おう
125.生きづらさの「原因」を安易に特定するネット記事が多すぎる
126.「誰でもHSP症候群」にかかった日本
127.「結論だけ欲しがる社会」に踊れされるな
128.生きづらい人は「ギバー」を目指さなくていい
129.「一人で生きていく」と決めた生きづらい人に必要な覚悟
130.マイノリティは、なぜ生きづらいのか?
131.生きづらい人の「意識」の上手な活かし方
132.もんもん耐性、それは自分の「本質」と向き合える力
133.生きづらい人はAIと仲良くなれる - 関係性のシンギュラリティ
134.「メンタルが強い人」のアドバイスを真に受けない
135.雑談力は必要か?雑談できないあなたへ
136.嫉妬しやすい人が「嫉妬しない人」になりたいなら
137.お金に振り回されなくなる「二つの力」
138.日本社会で生きづらい人が苦しんでいる本当の理由
139.自分は本当に「生きづらい」のだろうか?
140.生きづらい人はコミュニケーションが得意という事実
141.内にこもりたいとき、あなたはどうしていますか?
142.「憧れの人」を目指すな - ビジネスの成功者に憧れる生きづらい人へ
143.私には不満がない
144.「無駄にプライドが高い人」が好きだ
145.その他大勢になるな、唯一無二のままであれ。
146.「生きる意味」が見つからない、生きづらい人へ
147.「異物」として生きて
 


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「読むだけで生きる勇気が湧いてくる」と大好評をいただいている、しのぶかつのり(信夫克紀)の連載コラムです。
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