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生きづらい人が「苦手」を克服する方法

 

生きづらい人が「苦手」を克服する方法

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生きづらい人生の歩き方

 

第67回
生きづらい人が「苦手」を克服する方法

 

┃生きづらい人は苦手を克服しようとしてさらに苦しんでしまう

 
生きづらい人は、たいていいくつもの「苦手なこと」を抱えています。
 
そして生きづらさの原因は、その「苦手なこと」があるからだと考えている方も多いものです。
 
カウンセリングの現場でも、
 
「これさえなければ、私は楽になれるのに…」
 
とおっしゃる方がおられます。
 
そのため、生きづらさを解消するために「苦手なこと」を完全に克服しようとなさってきたのです。
 
たとえば、整理整頓が苦手だとします。
 
そこで、さまざまな整理術などにチャレンジしてみる。
 
しかし、うまくいかない。
 
だんだん苦しくなってくる。
 
苦手なことを克服できず、大きな徒労感と、
 
「やっぱり私はダメな人間だ…」
 
という自分を責める声だけが残る…。
 
こんなふうに、苦手を克服しようとして、さらに苦しむことになってしまうのです。
 
 

┃「苦手な自分を受け入れよう!」という軽率なアドバイスを真に受けない

 
苦手を克服しようとして、よけいに苦しくなってしまう。
 
そこで、世間でよく言われるのが「苦手な自分を受け入れよう」というアドバイスです
 
努力ばかりしていても苦しくなるだけ。
 
自分の苦手なことを、さっさと受け入れてしまおう。
 
「私は整理整頓が苦手な人間なのだ」と認めてしまおうというわけです。
 
たしかに、生きづらい人が自分の苦手を受け入れるための適切な方法もあります。
 

参照記事
生きづらい人が苦手を受け入れるための方法を詳しく解説しています。
生きづらい人が苦手を受け入れる方法

 
しかし、受け入れたところで問題が解決するとはかぎりません。
 
部屋はみるみる汚くなり、生活が破綻してしまう場合もあります。
 
なぜなら「苦手を受け入れればいい!」という世間のアドバイスは、生きづらいと感じるほどの「強烈な苦手レベル」を想定していないから。
 
受け入れようと思えば受け入れられるていどの「一般的な苦手レベル」しか知らない人による、軽率なアドバイスだからです。
 
それを真に受けて、安易に「苦手」を受け入れようとすると。
 
生活が破綻してしまう。
 
苦手を受け入れたことで、人生がよけい苦しい方向に進んでしまうのです。
 
 

┃本気で苦手を克服するならまずはコレ!

 
生きづらさを抱えているほどの「苦手レベル」は生半可なものではありません。
 
受け入れることをハナから拒絶したくなるほど苦手。
 
そして、受け入れられたとしても、生活が成り立たなくなるレベルの苦手なのです。
 
では、どうしたらいいのでしょうか?
 
生きづらい人が「苦手」に対処するためには、三段構えでいく必要があります。
 
まずは受け入れる前に「ハサミ撃ち」することです。
 
「苦手なこと」を少しでもできるように「努力」をする。
 
ただ、こはもうすでにさんざんやっていることです。
 
そこで同時に苦手なことを「かわして」いく。
 
つまり、「努力」と「かわす」でハサミ撃ちするのです。
 
たとえば、整理整頓が極端に苦手なら。
 
少しでも整理整頓ができるように「努力」する。
 
整理術を身につけたり、棚や整理グッズをそろえることに最優先で時間と予算を当ててみる。
 
それと同時に、整理整頓という作業を「かわす」。
 
書類やデータがたくさん発生しない職業を選んだり、パートナー選びは散らかす人を避けたりする。
 
苦手なことをかわせるかどうかを基準に、人生を選択していく。
 
「努力」だけでなく、同時に苦手なことを徹底的に「かわして」いくわけです。
 
生きづらい人は、この「かわす」ことをよくないことだと思い込んでいるケースが多々あります。
 
なぜなら、世間から「それは逃げだ」と、努力だけで克服することを強要されつづけてきたからです。
 
しかし、じっさいは世間の人たちも苦手なことをかわしまくっています。
 
そのかわす基準が、他の大多数の人たちと同じだから文句を言われずに済んでいるだけにすぎません。
 
だから、生きづらい人も、自分の苦手を堂々と「かわす」。
 
努力もするけど、同時に本気で「かわす」ことを実践してきましょう。
 
 

┃本当の意味で苦手を「克服」する方法

 
苦手なことをできるようにする「努力」をしつつ、同時に「かわす」。
 
これをつづけていくと。
 
当然、今までと大きく「生き方」が変わってくるでしょう。
 
人生の基準が変わるために、「生き方」の全体が変わっていくのです。
 
生きづらい人が受け入れるとすれば、その「生き方」です。
 
生きづらい人が受け入れるのは、「苦手なこと」よりも「生き方」の方なのです。
 
生きづらい人のほとんどは、苦手なことそれだけで苦しんでいるわけではありません。
 
生きづらい人は、苦手なことを含めた複雑な「悩みのネットワーク」によって、日々苦しんでいます。
 
にもかかわらず、「苦手なこと」を克服してしまえさえすれば、生きづらさから脱け出せると信じ込まされていることが多い。
 
そして、「苦手なこと」を受け入れさえすれば、生きづらさから脱け出せると信じ込まされていることが多いのです。
 
しかし、生きづらさはそんなナマやさしい相手ではありません。
 
生きづらい人の悩みは、そんな「一方通行」の解決法では通用しないほど、深くて複雑。
 
受け入れなければならないのは、その「事実」の方です。
 
自分の苦手は、努力では克服できないほど強烈なレベルである「事実」。
 
自分の苦手は、かんたんには受け入れられないほど強烈なレベルである「事実」。
 
その「事実」を認めることによって新しく生み出される「生き方」こそを受け入れるのです。
 
それこそが生きづらい人にとっての、本当の意味での苦手の「克服」なのです。
 
だから「苦手なこと」があったら、まずは「努力」し、同時に「かわす」でハサミ撃ちする。
 
そこで生み出された「生き方」を受け入れる。
 
この三段構えで対処することが、現実的な方法です。
 
「苦手を努力で克服しろ」「苦手なことをそのまま受け入れろ」などという、のん気な人の言葉を真に受けていたら、体がいくつあっても足りません。
 
苦手なものは苦手。
 
できないことはできない。
 
そのうえでどんな「生き方」をしていくのか?
 
そこには、あなたにしか実現できない、あなただけの人生が待っているのです。
 
Brain with Soul代表
生きづらさ専門カウンセラー
しのぶかつのり(信夫克紀)
 

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生きづらい人生の歩き方 <目次>

1.生きづらい人がAI時代に生き残れる仕事とは?
2.「世界一即戦力な男」に見る引きこもり脱出の糸口
3.生きづらい人向け「ビジネスの成功法則」
4.あなたは「善人」ですか「悪人」ですか?
5.お金は好きですか?-生きづらい人が陥るお金のジレンマ
6.「お金もうけ」にとらわれなくなる話
7.生きづらい人は「リア充」より「ジツ充」を目指そう
8.我慢してるのに自分勝手と言われる
9.生きづらさの正体
10.死んでも世界はつづくのか?
11.実存を充実させる生き方
12.他人の目が気になる人へ
13.「ジツ充」の極め方
14.不安の上手な対処法
15.変えられること、変えられないこと
16.「変えられること」の見つけ方
17.感情に飲み込まれない方法
18.自分と同じ症状の人が見当たらない
19.人生を変える方法
20.人生が変わる瞬間に必ず起こる問題
21.「心の空間」を生きる
22.話が噛み合わないと感じるなら
23.人生に疲れ果てたとき
24.「自分らしさ」とは何か?
25.AIと張り合うくらいなら
26.ジツ充とジコチュウの違い
27.社会に絶望している人へ
28.ネガティブ思考を変える適切な方法
29.生きづらい人は仕事を「三つ」もとう
30.心の健康法の効果が出ない理由
31.ベーシックインカムで将来も安心?
32.「悩み解決書」で悩みが解決しない理由
33.生きづらさを癒す一つの方法
34.もっとクヨクヨ考えよう
35.仕事を三つもつ理由
36.好きなことを仕事にする…?
37.苦しみの活かし方
38.向かい風を追い風にする生き方
39.行動力を身につける方法
40.お金との上手なつき合い方
41.自己洗脳と自己欺瞞
42.人並みという幻想
43.元気がないと幸せになれないのか?
44.「社会の常識」に振りまわされない
45.気が休まらない…
46.綺麗事に気づいてしまう人
47.生きづらい人が起業を成功させられる理由
48.そんなかんたんな話じゃない
49.人に気をつかい過ぎて疲れしまう
50.悩み過ぎて体がガチガチ
51.正解なんてない
52.心に余裕がない
53.誰に相談したらいいのかわからない
54.やる気はどこから湧いてくる?
55.人と対立してしまう
56.許すか、許さないか
57.生き方を決める
58.好きなこと探しの迷宮
59.生きづらさは誰のせい?
60.集中しすぎてしまう
61.家にも世の中にも居場所がないときの解決法
62.不用意に交友関係を増やそうとしない
63.自分を最強の味方にする方法
64.世間のしがらみから脱け出したい
65.あと一歩が踏み出せない
66.なぜメンタルが弱いのだろう…?
67.生きづらい人が「苦手」を克服する方法
68.心配ごとが頭から離れない
69.認められたいのに認めてもらえない
70.引きこもりは「悪いこと」なのか?
71.楽に生きたい
72.失言が多いので減らしたい
73.誰も心配してくれない
74.お金の上手な使い方
75.やる気が出ないのはなぜなのか?
76.深く悩んでいる人の方が「えらい」のか?
77.生きづらい人が幸せになりたいなら
78.この人と結婚していいのか?
79.心が敏感な人向けの対処法から抜け落ちている視点
80.人生を変えられる人と、変えられない人の違い
81.親が嫌いな自分はおかしいのか?
82.著名人と自分を比べてしまう
83.自分を信じられない
84.上司や部下に言うことを聞いてもらえない
85.劣等感は克服も解消もしなくていい
86.ポジティブシンキングがうまくできない
87.結果だけで判断される社会
88.「自分がされたら嫌ことは他人にしてはいけない」の嘘
89.「性格が悪い」と言われてしまう
90.「ありのままの自分」というやっかいな問題
91.「お金」以外に8つの基準をもとう
92.どうしてこんなにつらいのに誰にも伝わらないのだろう?
93.仕事が恐い、職場が恐い - その恐怖の正体と解決策
94.「恩知らずな人」を許せない
95.他人を不愉快にさせてしまう
96.「等身大の自分」という言葉にひそむ罠
97.有効な「貯金」の仕方を身に着けよう
98.「なぜ怒っているのかわからない」と言われてしまう
99.頑張っているのに結果が出ない・・・
100.自分を「弱い」と感じている人へ
101.集団になじめないなら「思いどおり」にやろう
102.無駄に苦しんできただけだった
103.お金の不安をなくす方法
104.私の「すべて」をわかってもらいたい - わかってもらいたい症候群
105.なぜ苦しみを「克服」できないのか?
106.生きづらいなら「心地よい人生」を目指そう
107.生きづらい人は「扁桃体をいたわる生き方」を身に着けよう!
108.生きづらい人が自由になれる「メタ思考」とは?
109.世間との「ほどよい距離」の取り方とは?
110.たんたんと生きる
111.生きづらい人が目標を達成できない本当の理由
112.三理一体の法則がうまくいかない人の共通点とは?
113.カタルシスが生きづらさ脱出の「起爆剤」になる理由
114.「生きづらさ克服」の気力を失いそうなあなたへ
115.「仕事に行きたくない、家にいたい」当事者の声と具体的な対処法
116. 気が弱い人が人生を変える極意
117.消えない恨みへの「レベル別」対処法
118.生きづらさをこじらせる「完全な被害者バイアス」とは?
119.生きづらいなら「役割」を果たし人生を落ち着かせよう
120.生きづらい人にもっとも大切な支援
121.生きづらい人は「意志が弱い」のか?
122.自分軸よりも大切なもの -「実存軸」で生きよう
123.人の言葉に傷つきやすい人が知ると楽になる二つの事実
124.メタ思考力を鍛えたいなら「バカ」や「アホ」ともつき合おう
125.生きづらさの「原因」を安易に特定するネット記事が多すぎる
126.「誰でもHSP症候群」にかかった日本
127.「結論だけ欲しがる社会」に踊れされるな
128.生きづらい人は「ギバー」を目指さなくていい
129.「一人で生きていく」と決めた生きづらい人に必要な覚悟
130.マイノリティは、なぜ生きづらいのか?
131.生きづらい人の「意識」の上手な活かし方
132.もんもん耐性、それは自分の「本質」と向き合える力
133.生きづらい人はAIと仲良くなれる - 関係性のシンギュラリティ
134.「メンタルが強い人」のアドバイスを真に受けない
135.雑談力は必要か?雑談できないあなたへ
136.嫉妬しやすい人が「嫉妬しない人」になりたいなら
137.お金に振り回されなくなる「二つの力」
138.日本社会で生きづらい人が苦しんでいる本当の理由
139.自分は本当に「生きづらい」のだろうか?
140.生きづらい人はコミュニケーションが得意という事実
141.内にこもりたいとき、あなたはどうしていますか?
142.「憧れの人」を目指すな - ビジネスの成功者に憧れる生きづらい人へ
143.私には不満がない
144.「無駄にプライドが高い人」が好きだ
145.その他大勢になるな、唯一無二のままであれ。
146.「生きる意味」が見つからない、生きづらい人へ
147.「異物」として生きて
 


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