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著名人と自分を比べてしまう

 

著名人と自分を比べてしまう

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生きづらい人生の歩き方

 

第82回
著名人と自分を比べてしまう

 

┃著名人のエピソードは参考になるのか?

 
あなたは、いわゆる悩み解決書や自己啓発書を読んだことがありますか?
 
そのなかには、たくさんの参考になる考え方が記されています。
 
そしてその考え方を実践する例として「過去の偉人や芸術家などのエピソード」を紹介しているのをよく見かけますよね。
 
たとえば、どんなときもあきらめず、前向きに生きる。
 
そんな考え方を伝えるのに、たとえば第16代アメリカ大統領のエイブラハム・リンカーンや、ケンタッキーフライドチキンでおなじみのカーネル・サンダースなどが紹介されます。
 
リンカーンは、51歳で大統領になるまで合計8回も選挙に落選したエピソードが有名ですよね。
 
それでもあきらめず、前向きに生きて大統領となったわけです。
 
サンダースは、65歳のときにフライドチキンのレシピを1,000回以上断られながら売り歩いたエピソードが有名です。
 
それでもあきらめず、前向きに生きて世界的なチェーン店のいしずえを築いた。
 
どちらもすごいですよね。
 
たしかに、勇気を与えてくれるエピソードです。
 
生きづらさを抱えた私たちに、希望をもたせてくれる存在でしょう。
 
ただ・・・、ハードル高すぎないですか?(笑)
 
はっきり言って、ご本人たちの前向きな性質も、出した結果も突き抜け過ぎていて、まったく参考にならない。
 
じっさいにカウンセリングの場でも、ご相談者様とよくそのようなお話によくなります。
 
日常で実践する上で、著名人のエピソードはまったく役に立たないと。
 
それどころか、逆にプレッシャーになってしまう。
 
こんな大変な条件のなかあきらめずに前向きに生きて結果を出した人がいるのに、それに比べて自分はなんてダメなんだ、と。
 
そんなふうに自分に嫌気がさしてしまうのです。
 
あなたもご経験がありますでしょうか?
 
 

┃著名人と自分を比べなくていい理由

 
ただ、そんな「偉人」たちとあなた自身を比べる必要はまったくありません。
 
なぜなら、そこまであきらめずに前向きな人というのは、かなりマレな存在だからです。
 
つまり、「努力でなんとかなる領域ではない」ということです。
 
にもかかわらず、悩み解決書や自己啓発書では、著名人のエピソードを紹介しつづけています。
 
しかし、そんなエピソードを例に出されて、いったいなにを参考にしろというのでしょうか?
 
そんな現実離れしたエピソードが、なんの役に立つというのでしょうか?
 
そもそも悩み解決書や自己啓発書には、まるで「考え方一つ」であきらめずに前向きな人間になれるかのように書かれています。
 
でも、リンカーンだって、落選という「結果」はつづきましたが、支援者は身の回りにたくさんいたわけです。
 
その人たちの支えも大きかったでしょう。
 
またサンダースも、どうしても成功したいという、そもそもビジネスに対してもっている情熱があったはずです。
 
決して「考え方一つ」で成果を出したわけではなく、それ以外の前提条件があったうえで、その素晴らしい考え方が活かされた。
 
そのうえでの「あきらめなさ」や「前向きな行動」だった。
 
考え方は、その過程のひとつに過ぎないのです。
 
 

┃才能と努力と運が必要

 
また同じように、パーソナリティに問題がある人を紹介するエピソードもよく見かけますよね。
 
社会的に成功した喜劇王の〇〇は、こんなかんたんなこともできない人間だった。
 
伝説のミュージシャン〇〇は、こんな奇抜な性格で周囲の人を困らせていた。
 
ノーベル賞学者の〇〇は、テストで0点をしょっちゅう取っていた。
 
世界的な画家の〇〇は、まったく友達がいなかった・・・。
 
もう、そういうのもうんざりですよね。
 
例とはしてはわかりやすいですし、著者も書きやすいでしょう。
 
でも、読者の側からしたら、ほとんど参考にならない。
 
そんなにも才能に満ちあふれた人の話をされたところで、役に立たないのです。
 
生きづらい人の心は、傷ついています。
 
社会から自分の性質を理解されず、疎外されることが多かった。
 
だから、その自分の性質にとくべつな才能が眠っていると思いたい。
 
自分の生きづらい性質は「社会の成功」を約束するダイヤの原石だと信じたい。
 
そんなふうに考えて、心の傷を癒そうとすることもあるでしょう。
 
しかし「社会の成功」は、才能だけでなんとかなるものではありません。
 
たとえ才能があっても、並々ならぬ努力が必要な場合も多いですし、それよりも運に恵まれなければなりません。
 
そんな才能と努力と運によって、社会的に大きな結果を出した人と自分を比べてしまったら・・・。
 
途方に暮れてしまうのは、当然のことなのです。
 
 

┃本当に役に立つ「エピソード」とは?

 
生きづらさを抱えている方は、とても真面目な人が多いですよね。
 
だから「エピソード」を出されると、そうならないといけないような気になってしまう。
 
自分も同じ結果を出さないといけいないような気になってしまう。
 
じっさいに「エピソード」のように頑張っている人がいるのに、自分はできていない。
 
だから自分には努力が足りないと、自分を追い詰めてしまう。
 
または、どうして自分はこんなにダメな人間なんだと、責めてしまう結果にもなる・・・。
 
そこで「私にはできない」と割り切ろうとしても、
 
「そういう考え方自体が後ろ向きだから、前向きに変えようよ!」
 
と、それすらも許してくれないのが、悩み解決書や自己啓発書の特徴でもあります。
 
悩み解決書や自己啓発書で紹介されるエピソードは、生きづらい人のもつ心のデリケートさについて、まったくと言っていいほど配慮されていないのです。
 
リンカーン、サンダース、喜劇王、伝説のミュージシャン、世界的な画家、大記録を打ち立てたスポーツ選手、歴史に名を残す俳優、何世紀も読み継がる物語を書いた作家、人類に大きく貢献した研究者・・・。
 
その人たちがなにをしたのかなんて、どうでもいい。
 
それよりも隣のAさんがどう生きていて、お向かいのBさんがどんなことに悩んでいるかの方がよっぽど参考になる。
 
そしてそれよりも、じっさいに生きづらさに苦しんでいるCさんや、アダルトチルドレンだと自覚しているDさんが、どう毎日を生き抜いているのか。
 
その方が、生きづらい私たちにとって、確実に役に立つとは思いませんか?
 
私の運営する「Adic Salon」のなかには、そのような生きづらい人たちの「日常のリアルなエピソード」があふれています。
 
誤解を恐れずに言えば、著名人のエピソードなんて、あなたの人生と比べてあげる価値もないのです。
 
それはそれで「すごいな!」と素直に尊敬すればいい。
 
ただ自分と比べる必要はない。
 
まさに別世界のお話。
 
過去に書道で世界的な賞をとっていたとしても、サッカーの試合ではなんの参考にもならないのですから。
 
日々の暮らし、まさに「日常」に息づくエピソード。
 
これこそが、生きづらい私たちにとって本当に価値あるものなのではいでしょうか。
 
Brain with Soul代表
生きづらさ専門カウンセラー
しのぶかつのり(信夫克紀)
 

 
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生きづらい人生の歩き方 <目次>

1.AI時代に生き残る仕事
2.「世界一即戦力な男」に見る引きこもり脱出の糸口
3.これからのビジネスの成功法則
4.善人なんていない
5.お金は好きですか?
6.「お金もうけ」にとらわれなくなる話
7.「リア充」を目指すより
8.我慢してるのに自分勝手と言われる
9.生きづらさの正体
10.死んでも世界はつづくのか?
11.実存を充実させる生き方
12.他人の目が気になる人へ
13.「ジツ充」の極め方
14.不安の上手な対処法
15.変えられること、変えられないこと
16.「変えられること」の見つけ方
17.感情に飲み込まれない方法
18.人に拒絶されると傷ついてしまう
19.人生を変える方法
20.人生が変わる瞬間に必ず起こる問題
21.「心の空間」を生きる
22.話が噛み合わないと感じるなら
23.人生に疲れ果てたとき
24.「自分らしさ」とは何か?
25.AIと張り合うくらいなら
26.ジツ充とジコチュウの違い
27.社会に絶望している人へ
28.ネガティブ思考を変える適切な方法
29.仕事は三つもつ
30.心の健康法の効果が出ない理由
31.ベーシックインカムで将来も安心?
32.「悩み解決書」で悩みが解決しない理由
33.生きづらさを癒す一つの方法
34.もっとクヨクヨ考えよう
35.仕事を三つもつ理由
36.好きなことを仕事にする…?
37.苦しみの使い方
38.向かい風を追い風にする生き方
39.行動力を身につける方法
40.お金との上手なつき合い方
41.自己洗脳と自己欺瞞
42.人並みという幻想
43.元気がないと幸せになれないのか?
44.社会の常識に振り回されない
45.気が休まらない…
46.綺麗事に気づいてしまう人
47.生きづらい人が起業を成功させられる理由
48.そんなかんたんな話じゃない
49.人に気をつかい過ぎて疲れしまう
50.悩み過ぎて体がガチガチ
51.正解なんてない
52.心に余裕がない
53.誰に相談したらいいのかわからない
54.やる気はどこから湧いてくる?
55.人と対立してしまう
56.許すか、許さないか
57.生き方を決める
58.好きなこと探しの迷宮
59.生きづらさは誰のせい?
60.集中しすぎてしまう
61.居場所がない
62.不用意に交友関係を増やそうとしない
63.自分を最強の味方にする方法
64.世間のしがらみから脱け出したい
65.あと一歩が踏み出せない
66.なぜメンタルが弱いのだろう…?
67.苦手なことへの適切な対処法
68.心配ごとが頭から離れない
69.認められたいのに認めてもらえない
70.引きこもりは「悪いこと」なのか?
71.楽に生きたい
72.失言が多いので減らしたい
73.誰も心配してくれない
74.お金の上手な使い方
75.やる気が出ないのはなぜなのか?
76.深く悩んでいる人の方が「えらい」のか?
77.生きづらい人が幸せになりたいなら
78.この人と結婚していいのか?
79.心が敏感な人向けの対処法から抜け落ちている視点
80.人生を変えられる人と、変えられない人の違い
81.親が嫌いな自分はおかしいのか?
82.著名人と自分を比べてしまう
83.自分を信じられない


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