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劣等感は克服も解消もしなくていい

 

劣等感は克服も解消もしなくていい

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生きづらい人生の歩き方

 

第85回
劣等感は克服も解消もしなくていい

 

┃劣等感は幻想である

 
劣等感を克服したいと思っておられる方は、とても多いですよね。
 
数え挙げればきりのない自分の劣等感をなんとか解消したい。
 
劣等感さえなければ、もっと思い切って人生でチャレンジができるのに・・・。
 
カウンセリングをおこなっていると、ご自分を「劣等感の塊だ」とおっしゃる方も少なくありません。
 
思えば私も「劣等感の塊」でした。
 
人とはだいぶ違った性質をもった人間なので、その度合いもかなり深いものでした。
 
自分のできないこと、苦手なことをノートにビッシリと書き込んだこともあります。
 
それを埋め合わせるべく、いったい自分はどんな能力を伸ばせばいいのか、どんな技術を身に着ければいいのか、そんなことばかりを考えて生きていたように思います。
 
そして、ひたすら苦しい努力をつづけ、そのわりにはいっこうに成果があがらずにもがいていました。
 
しかし、今では劣等感に悩まされることはまったくなくなりました。
 
それは、劣等感を克服したわけでも、劣等感を解消したわけでもありません。
 
では、どうしたのか?
 
私は、「劣等感は幻想だ」ということに気づいたのです。
 
そうです。
 
そもそも劣等感なんて存在しないのだということがわかったのです。
 
 

┃この世界はすみからすみまで不公平

 
では、なぜ「劣等感は幻想だ」と言い切れるのでしょうか?
 
じっさいに人より劣っていると感じる瞬間がある。
 
さらに、入学試験や職場の成績などで、明確に結果が示されるときさえある。
 
にもかかわらず、どうして「劣等感は幻想だ」と言えるのでしょうか?
 
それは、この世界に真の「公平」がないからです。
 
つまり、この世界がすみからすみまで「不公平」だからです。
 

参照記事:「人生は不公平だ

 
たしかに、入学試験では、みんなが同じ時間内で同じ問題を解きます。
 
「これって公平なことでしょう?」と、あなたは疑問をもたれるかもしれません。
 
しかし、よく考えてみてください。
 
すべての人が同じ教師に教えてもらったのでしょうか?
 
先生の教え方ひとつとっても、上手い下手に大きな差があります。
 
生徒のやる気の出し方にだって、月とスッポンほどの差があるでしょう。
 
下手をすると学校によって教科書も違います。
 
ましてや、生まれてきた親も違います。
 
すなわち、勉強するために必要な集中力や体力も生まれつき違ってきます。
 
また、気持ちよく勉強させてくれる親もいれば、子供にナイフを突きつけて無理やり勉強させようとする親もいます。
 
隣家がうるさく勉強しにくい家庭もあれば、とても静かで勉強しやすい家庭もあります。
 
試験会場の雰囲気が好きな人もいれば、あの雰囲気がとても苦手な人もいる。
 
数えあげればキリがないほど、それぞれの人に与えられた「条件」が違い、そこには大きな差があるのです。
 
試験問題と時間というわずかな「条件」を同じにした程度で、その差は決して埋まるものではありません。
 
その状態で試験をして、点数が悪い方が「劣等」であると考えるのは、かなり無理があるのではないでしょうか。
 
 

┃不公平を承知で競うということ

 
この世界に真の公平はあり得ません。
 
「できるだけ公平にしようとする」ことしかできないのです。
 
その意味においては、スポーツ競技も真に公平ではありません。
 
オリンピックも、ワールドカップも、FIレースも完全な公平ではないのです。
 
国やチームごとに使える予算も違いますし、練習環境もまったく違います。
 
積んでるエンジンも、開発クルーの能力も違います。
 
そもそも各民族によって生まれもった運動能力が違います。
 
参加している選手たちは、その「不公平」を承知で果敢に競い合っているのです。
 
つまり、みずからの意志で、ある一定のルールに従って戦っている。
 
そこでは「優劣」ではなく「勝敗」を決しているのです。
 
極端な例ですが、水泳の世界記録保持者に、プールもない国から参加した選手が「劣等感」を抱くとは思えないですよね。
 
周囲の人も、その選手が世界記録保持者と闘い、もし負けたとしても、きっと称賛するのではないでしょうか。
 
誰も「世界記録保持者より劣っているな」という一方的で残酷な評価はくださないでしょう。
 
それは、そもそもの「条件」が違うという不公平のなかで、選手たちが懸命に闘っているからではないでしょうか。
 
もしかしたら、「条件」に差があればあるほど、称賛の声は高まるかもしれません。
 
にもかかわらず、なぜか学校や職場といった日常生活の場では、勉強や体育ができないと「劣って」おり、仕事ができないと「劣って」おり、モテないと「劣って」いることにされてしまいます。
 
称賛されるどころか、叱られ、けなされてしまいます。
 
勉強も体育も仕事も恋愛も、まったく違う「条件」の人同士が競うという点で、スポーツ競技と変わらないはずです。
 
なのになぜ、日常生活の場では劣等感が生じるという不条理が起きてしまうのでしょうか?
 
 

┃劣等感の正体

 
こう言うことができるでしょう。
 
誰だって劣等感なんて、自分からもちたくてもっているものではない。
 
つまり「劣等感とは、勝者から植えつけられるものだ」と。
 
私たちの生きる社会では、学校に行き、会社に勤めて、結婚することが「スタンダード」とされています。
 
そこに疑問の余地をはさむと、すぐに異端者あつかいを受けることになります。
 
つまり、勉強と体育、仕事と恋愛という「競技」への参加をあるていど強制されているのです。
 
そして、「競技」で勝ち抜いた人が社会的な地位を確保することが多い。
 
当然ですよね。
 
その「競技」の「勝者」が、社会を形づくってきたわけですから。
 
結果として、「勝者」の「優越性」は社会を挙げてアピールされることになります。
 
みんな「勝者」を目指そう。
 
みんな「優越」しようよ、と。
 
これは、学校という小さな社会のなかでも、日々当たり前におこなわれていることです。
 
そうすると、どうなるでしょうか?
 
「勝者」以外の大多数の人は「自分は劣っている」と思い込まされてしまう。
 
こんなにも不公平で不条理な勝負をさせられてきたにもかかわらず、自分は「劣っている」と思い込まされてしまうのです。
 
つまり、劣等感をもつということは、「勝者」の基準でものを考えさせられ、まんまとその術中にハマっている状態なのです。
 
 

┃劣等感が成立する「奇妙な世界」

 
そもそも、地球上に70億体もいる生命を「人間」という一つの枠におさめて考えようとしていること自体に無理があります。
 
そこには、各個体によるさまざまな「条件」の違いがあります。
 
決してそれは一定の「条件」にはなりえない。
 
真の「公平」にはなりえない。
 
もとからもってるものが大きく違っている。
 
ということは出せる結果も違って当然なのです。
 
あなたは、犬より足が遅いからと言って、犬に「劣等感」を抱くでしょうか?
 
まったく同じ「条件」が整っているのなら、劣等感は存在しうるでしょう。
 
しかし、そんな奇妙な世界は幻想でしかありません。
 
つまり「劣等感は幻想」でしかないのです。
 
私たちはそれぞれの個体によって、もって生まれたもの、育った環境ががまったく違います。
 
たまたま見た目や臓器のタイプが生物学的に似ているので、同じグループに分けられただけ。
 
他者とくらべて劣等かどうかなんて、どうやったって決めようがないのです。
 
つまり、劣等感は克服したくても解消したくても、そもそも存在しない。
 
だから、まともに相手にするとやっかいなのです。
 
先ほども見たように、劣等感は、ある「競技」の勝者によって植えつけられたものでしかありません。
 
その幻想にわざわざつき合ってあげるなんて、バカバカしくはないでしょうか?
 
Brain with Soul代表
生きづらさ専門カウンセラー
しのぶかつのり(信夫克紀)
 

 

生きづらい人生の歩き方 <目次>

1.AI時代に生き残る仕事
2.「世界一即戦力な男」に見る引きこもり脱出の糸口
3.これからのビジネスの成功法則
4.善人なんていない
5.お金は好きですか?
6.「お金もうけ」にとらわれなくなる話
7.「リア充」を目指すより
8.我慢してるのに自分勝手と言われる
9.生きづらさの正体
10.死んでも世界はつづくのか?
11.実存を充実させる生き方
12.他人の目が気になる人へ
13.「ジツ充」の極め方
14.不安の上手な対処法
15.変えられること、変えられないこと
16.「変えられること」の見つけ方
17.感情に飲み込まれない方法
18.人に拒絶されると傷ついてしまう
19.人生を変える方法
20.人生が変わる瞬間に必ず起こる問題
21.「心の空間」を生きる
22.話が噛み合わないと感じるなら
23.人生に疲れ果てたとき
24.「自分らしさ」とは何か?
25.AIと張り合うくらいなら
26.ジツ充とジコチュウの違い
27.社会に絶望している人へ
28.ネガティブ思考を変える適切な方法
29.仕事は三つもつ
30.心の健康法の効果が出ない理由
31.ベーシックインカムで将来も安心?
32.「悩み解決書」で悩みが解決しない理由
33.生きづらさを癒す一つの方法
34.もっとクヨクヨ考えよう
35.仕事を三つもつ理由
36.好きなことを仕事にする…?
37.苦しみの使い方
38.向かい風を追い風にする生き方
39.行動力を身につける方法
40.お金との上手なつき合い方
41.自己洗脳と自己欺瞞
42.人並みという幻想
43.元気がないと幸せになれないのか?
44.社会の常識に振り回されない
45.気が休まらない…
46.綺麗事に気づいてしまう人
47.生きづらい人が起業を成功させられる理由
48.そんなかんたんな話じゃない
49.人に気をつかい過ぎて疲れしまう
50.悩み過ぎて体がガチガチ
51.正解なんてない
52.心に余裕がない
53.誰に相談したらいいのかわからない
54.やる気はどこから湧いてくる?
55.人と対立してしまう
56.許すか、許さないか
57.生き方を決める
58.好きなこと探しの迷宮
59.生きづらさは誰のせい?
60.集中しすぎてしまう
61.居場所がない
62.不用意に交友関係を増やそうとしない
63.自分を最強の味方にする方法
64.世間のしがらみから脱け出したい
65.あと一歩が踏み出せない
66.なぜメンタルが弱いのだろう…?
67.苦手なことへの適切な対処法
68.心配ごとが頭から離れない
69.認められたいのに認めてもらえない
70.引きこもりは「悪いこと」なのか?
71.楽に生きたい
72.失言が多いので減らしたい
73.誰も心配してくれない
74.お金の上手な使い方
75.やる気が出ないのはなぜなのか?
76.深く悩んでいる人の方が「えらい」のか?
77.生きづらい人が幸せになりたいなら
78.この人と結婚していいのか?
79.心が敏感な人向けの対処法から抜け落ちている視点
80.人生を変えられる人と、変えられない人の違い
81.親が嫌いな自分はおかしいのか?
82.著名人と自分を比べてしまう
83.自分を信じられない
84.上司や部下に言うことを聞いてもらえない
85.劣等感は克服も解消もしなくていい
86.ポジティブシンキングがうまくできない
87.結果だけで判断される社会


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