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「自分がされたら嫌ことは他人にしてはいけない」の嘘

 

「自分がされたら嫌ことは他人にしてはいけない」の嘘

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生きづらい人生の歩き方

 

第88回
「自分がされたら嫌ことは他人にしてはいけない」の嘘

 

┃どうしてみんな私の嫌がることばかりするのだろう?

 
周囲の人から自分の嫌がることばかりされると、悩んでいる人がいます。
 
それをされると不愉快だと思うことばかりされてしまうのです。
 
だから、それをしないで欲しいと頼む。
 
たとえば、大きな音を出さないで欲しい。
 
急かさないで欲しい。
 
先の予定を入れないで欲しい。
 
見もしないテレビをつけないで欲しい。
 
音楽を聴いているときに話しかけないで欲しい。
 
ストローとか箸とか、とがったものをこちらに向けないで欲しい。
 
これらのことをしないで欲しいといくら頼んでも、周囲の人は耳を貸してくれない。
 
誰も同意してくれない。
 
笑って聞き流されたり、相手にされず、同じことをくり返されてしまうのです。
 
あなたにもご経験がありますでしょうか?
 
そして、ただひたすら不愉快な思いを我慢するしかなくなってしまい、苦しみ満ちた毎日を過ごすことになるのです。
 
 

┃なぜ私ばかり責められるのだろう?

 
しかも、苦しみはそれだけでは終わりません。
 
あなたが、どうしてもそれをやめて欲しいと周囲の人たちに食い下がると、
 
「ワガママ言うな!」
 
「甘えるな!」
 
「神経質過ぎる!」
 
と反対に怒られてしまうのです。
 
さらに、その意見の方には周囲のすべての人たちが同意してしまう。
 
そして、あなたの不愉快な感覚には誰も同意してくれず、あなただけが責められてしまうのです。
 
その上みんなから、
 
「あなただってそんなこと言われたら迷惑だって思うでしょう?」
 
「自分がされて嫌なことは他人にしてはいけないんだぞ!」
 
と説教を受けるハメになる。
 
結局、あなたは我慢することを選ばざるをえなくなるのです。
 
 

┃責められても仕方ない人もいる

 
このような悩みを抱えている人のなかには、たしかに身勝手で傲慢な人もいることはたしかです。
 
つまり、相手の嫌がることをしておきながら、それを反省せずに、相手を責めてばかりいる人です。
 
たとえば、もう連絡してこないで欲しいと言われている相手に、「どうしてですか?」と早速連絡してしまう。
 
そして、自分が相手の嫌がることを多々していることを棚に上げて、ひたすら自分の言いたいことだけを相手にぶつける。
 
自分はいっさい反省せずに、相手だけを非難する。
 
このような人が「私の嫌がることばかりされている!」と言っても、誰も耳を貸してはくれないでしょう。
 
自業自得と言われてオシマイです。
 
だが、あなたは違う。
 
相手の嫌がることをしていないか、まずは自分自身を徹底的に反省してきた。
 
相手にやめてほしいと言いたいときも、
 
「私だって相手に迷惑をかけているからな」
 
と思いとどまることも多かった。
 
それでも苦しいから、やっぱり伝えるべきかと長い時間「葛藤」もしてきた。
 
その結果、もし伝えたとしても、相手だけを責めないように徹底的に配慮してきた。
 
にもかかわらず、周囲の人はあなたの嫌がることを決してやめようとはしない。
 
それどころか、容赦なくあなたを責めてくる。
 
そして、あなたが周囲の人たちに「やめて欲しい」と頼むことを禁じてくる。
 
つまり、あなたが不愉快だからやめて欲しいと思うことはいっさいやめてもらない、でも、周囲の人たちにとって不愉快なあなたの行動は、強制的にやめさせられてしまうのです。
 
なぜ、このような不条理なことが起きるのでしょうか?
 
どうすればあなたは、少しでも楽に生きていくことができるのでしょうか?
 
 

┃社会にはびこる「間違った思い込み」

 
まずはじめにすることは、ある「間違った思い込み」に気づくことです。
 
あなただけではなく、この社会全体が信じ込んでいる「間違った思い込み」をしっかり確認しましょう。
 
その間違った思い込みとは、
 
「自分がされて嫌なことは、他人にもしてはいけない」
 
という思い込みです。
 
これは、相手のことを思いやろうという意味で使われる、たいへん優しい言葉です。
 
それゆえ世間では、多くの方が幼いころからよく言って聞かされた言葉でしょう。
 
でも、じつはこれほど身勝手で傲慢な言葉はありません。
 
なぜでしょうか?
 
それは、「自分の感性」と「他人の感性」は「同じ」だという前提に立っているからです。
 
私たちの感性は、たしかに似ている部分は多いかもしれません。
 
しかし、じっさいには、人の感性というものは同一ではありません。
 
虫を見るのもダメな人もいれば、虫を食べられる人もいます。
 
下ネタを言いながら食事をできる人もいれば、食べ物がのどをとおらなくなる人もいます。
 
人によって不愉快だと感じることは、まったく違う。
 
つまり、「されて嫌なこと」は人それぞれだということです。
 
にもかかわらず、自分がされて嫌なことは他人にとっても嫌なことであるに違いないと、一方的に決めつけてしまう。
 
これほどの傲慢が「優しさ」のようにはびこっていること。
 
まずは、このことに気づくことが大切です。
 
 

┃なぜ自分の感性が通じないのか?

 
では、なぜこのような傲慢が生まれてしまうのでしょうか?
 
それは、人間の想像力が乏しいからに他なりません。
 
私たちは、自分とは違う感性の人が存在していることを、なかなか想像できないものですよね。
 
とくに、多くの人と同じ感性をもっている「多数派」の人たちは、よりその想像力が衰えていることでしょう。
 
たとえば、日本人であればお米はおいしいもので、人と会話するのは楽しいものだという感性が多数派でしょう。
 
だから、多数派のひとたちは、お米が食べられない人、人と話をすると具合が悪くなる人のことを、なかなか想像できない。
 
それどころか、そのような感性をもっている人を「おかしい」と思ってしまう。
 
あまりにも自分と同じ感性の人が周りにい過ぎるため、自分たちの方が「正しい」と思い込んでしまうのです。
 
その結果、米を食べたがらない人がいると一方的に責める。
 
人と会話しようとしない人がいると一方的に責める。
 
そして「甘えだ」「ワガママだ」と、平気で侮辱してしまうのです。
 
そう考えると、
 
「自分がされて嫌なことは、他人にもしてはいけない」
 
という言葉は、
 
「多数派の感性に一方的に合わせなさい」
 
と言っているのと同じようなものだと言えるでしょう。
 
多数派がされたら嫌なことはしてはいけない。
 
しかし、少数派がされたら嫌なことはいっさい認めようとしない。
 
まったくやめようとしない。
 
一歩も譲歩しない。
 
自分たちの生活がほんの少しでも乱されるのなら、一瞬の迷いもなく少数派に我慢させる方を選ぶ。
 
ただひたすらに自分たちの感性だけを押しつける。
 
そして押しつけている自覚すらない。
 
なぜなら自分たちの感性が「正しい」から。
 
だからいっこうに「間違った思い込み」に気づくことができない。
 
自分たちが少数派の感性を握りつぶしていることにすら気づくことができないのです。
 
つまり、
 
「自分がされて嫌なことは、他人にもしてはいけない」
 
というお説教は、ジャイアンの有名なセリフである、
 
「おまえのものは俺のもの、俺のものは俺のもの」
 
と変りない横暴な考え方なのです。
 
いえ、横暴であることを自覚しているぶん、ジャイアンの方がまだマシだと言えるでしょう。
 
 

┃横暴な社会で生き抜く三つの対策

 
では、そのような横暴な社会のなかで、あなたはどう生きていけばいいのでしょうか?
 
心が敏感で、嫌な思いばかりしてしまうあなたは、どんな対策をとっていけばいいのでしょうか?
 
ここでは三つの対策をご紹介したいと思います。
 
一つ目は、「自分の感性」と「他人の感性」を重ねないということ。
 
あなたは今まで、周囲の人に最大限の気をつかってあげてきました。
 
それはあなたのなかに、
 
「相手も私と同じように、嫌な思いを日々たくさんしているかもしれない」
 
「相手も私と同じように、嫌な思いをするたびに猛烈な苦しみを味わっているかもしれない」
 
という思いやりがあったからではないでしょうか?
 
それは、とても大切なことだと私も思います。
 
そしてじっさいにそのとおりの相手もいるでしょう。
 
でも、たいていの場合、相手はあなたほど繊細ではなく、あなたほど苦手なものはなく、あなたほど苦しんでいない可能性が高い。
 
だからこそあなたに、一方的に迷いなく自分の感性を押しつけてくるのです。
 
そのような相手にあなたの繊細さを重ね合わせても、あなたが苦しむだけです。
 
だから、自分の感性と他人の感性を重ねない。
 
つまり、必要以上に気をつかわなくていい。
 
あくまでも一人ひとり、別々の感性の存在として「尊重」していけばいいのです。
 
つづいて二つ目の対策は「期待しない」ということ。
 
前回述べさせていただいたとおり、周囲の人たちは自分の感性を「正しい」と思い込んでいます。
 
「正しい」と思い込んでいる人たちになにを言っても、不当に攻撃してきたとしか思ってもらえません。
 
相手はあきらかにあなたを「差別」しているのですが、自分たちは「退治」している思い込んでいます。
 
または、正しい側に導くという「親切」をしていると思い込んでいます。
 
この妄想を打ち破るのは並大抵の労力ではありません。
 
だからはじめから期待しない。
 
周囲の人たちは決してあなたの感性を理解できないという覚悟を決める。
 
理解「しない」のではなく、理解「できない」ということを、いつも心に留めておきましょう。
 
でも、そんな人たちと一緒にいるのは、たまらなく苦しいですよね。
 
そこで最後の対策。
 
徹底的に会わない。
 
孤独に生きる。
 
多数派を相手に戦うより、たった一人、あなただけの「孤独の国」を築き上げる方が労力が少なくて済むと思いませんか?
 
しかも、今はネットやスマホの普及で、それが実現しやすい状況が整っています。
 
私がご提案している「脱世間起業」もその一つです。
 
たった一人で仕事をし、気の合うほんのわずかな人たちだけと接して生きていくことが可能なのです。
 
私は植物嫌悪症です。
 
絶望的なほどの少数派です。
 
いえ、「派」も組めないほどの単独者です。
 
自分の感性を他人に理解してもらうことがいかに不可能なことであるのか。
 
50年近い人生のなかで、私は身に染みて感じてきました。
 
だから、自分が社会に合わせるのではなく、社会を自分にフィットさせる。
 
この感覚が大切なのです。
 
私たちの感性は、人それぞれ。
 
重要なのは、それを自覚して生きるということ。
 
だから「自分がされたら嫌なことは他人にもしてはいけない」などという大嘘に踊らされる必要はない。
 
たしかに、相手の嫌がることはしない方がいい。
 
ただ、その「嫌がること」は人それぞれまったく違うのです。
 
Brain with Soul代表
生きづらさ専門カウンセラー
しのぶかつのり(信夫克紀)
 

 
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生きづらい人生の歩き方 <目次>

1.AI時代に生き残る仕事
2.「世界一即戦力な男」に見る引きこもり脱出の糸口
3.これからのビジネスの成功法則
4.善人なんていない
5.お金は好きですか?
6.「お金もうけ」にとらわれなくなる話
7.「リア充」を目指すより
8.我慢してるのに自分勝手と言われる
9.生きづらさの正体
10.死んでも世界はつづくのか?
11.実存を充実させる生き方
12.他人の目が気になる人へ
13.「ジツ充」の極め方
14.不安の上手な対処法
15.変えられること、変えられないこと
16.「変えられること」の見つけ方
17.感情に飲み込まれない方法
18.人に拒絶されると傷ついてしまう
19.人生を変える方法
20.人生が変わる瞬間に必ず起こる問題
21.「心の空間」を生きる
22.話が噛み合わないと感じるなら
23.人生に疲れ果てたとき
24.「自分らしさ」とは何か?
25.AIと張り合うくらいなら
26.ジツ充とジコチュウの違い
27.社会に絶望している人へ
28.ネガティブ思考を変える適切な方法
29.仕事は三つもつ
30.心の健康法の効果が出ない理由
31.ベーシックインカムで将来も安心?
32.「悩み解決書」で悩みが解決しない理由
33.生きづらさを癒す一つの方法
34.もっとクヨクヨ考えよう
35.仕事を三つもつ理由
36.好きなことを仕事にする…?
37.苦しみの使い方
38.向かい風を追い風にする生き方
39.行動力を身につける方法
40.お金との上手なつき合い方
41.自己洗脳と自己欺瞞
42.人並みという幻想
43.元気がないと幸せになれないのか?
44.社会の常識に振り回されない
45.気が休まらない…
46.綺麗事に気づいてしまう人
47.生きづらい人が起業を成功させられる理由
48.そんなかんたんな話じゃない
49.人に気をつかい過ぎて疲れしまう
50.悩み過ぎて体がガチガチ
51.正解なんてない
52.心に余裕がない
53.誰に相談したらいいのかわからない
54.やる気はどこから湧いてくる?
55.人と対立してしまう
56.許すか、許さないか
57.生き方を決める
58.好きなこと探しの迷宮
59.生きづらさは誰のせい?
60.集中しすぎてしまう
61.居場所がない
62.不用意に交友関係を増やそうとしない
63.自分を最強の味方にする方法
64.世間のしがらみから脱け出したい
65.あと一歩が踏み出せない
66.なぜメンタルが弱いのだろう…?
67.苦手なことへの適切な対処法
68.心配ごとが頭から離れない
69.認められたいのに認めてもらえない
70.引きこもりは「悪いこと」なのか?
71.楽に生きたい
72.失言が多いので減らしたい
73.誰も心配してくれない
74.お金の上手な使い方
75.やる気が出ないのはなぜなのか?
76.深く悩んでいる人の方が「えらい」のか?
77.生きづらい人が幸せになりたいなら
78.この人と結婚していいのか?
79.心が敏感な人向けの対処法から抜け落ちている視点
80.人生を変えられる人と、変えられない人の違い
81.親が嫌いな自分はおかしいのか?
82.著名人と自分を比べてしまう
83.自分を信じられない
84.上司や部下に言うことを聞いてもらえない
85.劣等感は克服も解消もしなくていい
86.ポジティブシンキングがうまくできない
87.結果だけで判断される社会
88.「自分がされたら嫌ことは他人にしてはいけない」の嘘
89.「性格が悪い」と言われてしまう


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読むと心が強くなるコラム

「読むだけで生きる勇気が湧いてくる」と大好評をいただいている、しのぶかつのり(信夫克紀)の連載コラムです。
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