誰にも理解されない苦しみの乗り越え方

 

理解されない苦しみを表現した画像

 

わかりにくい不幸

 

第10回
生命力の発電所

 
この世の中には、
心が丈夫な人と、
心がとても敏感な人が存在しています。
 
心が敏感な人は、
日常生活のささいなことで、
心を大きく乱されてしまいます。
 
そして、
自分の生きる力を、
どんどんと消耗してしまっているのです。
 
あなたの心は、
敏感でしょうか?
 
もしそうだと
感じているとしたら。
 
そのことによって抱える、
多くのわかりにくい不幸に、
苦しんでいるのではないでしょうか。
 
車のクラクション、
通りの向こう側から
聞こえてくる怒鳴り声、
 
どれもあなたに向けて
発せられたものではないにもかかわらず、
 
あなたは、
飛び上がるほど驚き、
鼓動は早まり、冷や汗をかき、
ついには立ち尽くしてしまう。
 
涙さえ浮かんでくる。
 
人と話をしている時、
相手が見せたほんの少しの
怪訝な表情におびえてしまう。
 
話し終えたあとも、
気になってしまう。
 
「極端な考え方だなぁ」
「もっとちゃんとやろうよ」
そんな軽い指摘を受けただけで、
深く深く傷ついてしまう。
 
時には相手を恨んでしまう。
 
そして。
そんな自分に嫌気がさす。
 
友人から、
 
「これ面白いから見てみて!」
 
とすすめられた映画や小説、
漫画やアニメ。
 
人気もあり、
評判も上々の作品なのに、
 
その中で、
当たり前のように描写される、
 
一方的で残虐な
激しい暴力シーン、
 
陵辱的な言葉を並べて、
相手に恐怖を味わわせるシーン。
 
油断してそれを
目にしてしまったあなたは、
 
鼓動が速まり、
息ができなくなる。
 
身動きできなくなる。
 
その後、何週間も、何ヶ月も、
もしかしたら何年間も。
 
そのシーンの残像に、
苦しめられてしまう。
 
そんなシーンが、
“娯楽”として認められ、
誰の目にも簡単に
触れられるようになっている社会。
 
そして、無邪気に
「面白い!」と言って、
自分にすすめてくれた友人。
 
心の敏感さの違いに絶望する。
 
テレビのニュースや、
お笑い番組だって油断はできない。
 
気晴らしすら、
気軽にはすることができない。
 
わかりにくい不幸。
 
荒波に浮かぶ小船のように、
心は揺れに揺れ、
大きくうねり続け、
 
あなたは、
毎日の一つ一つの出来事に、
生きる力を奪われてしまう。
 
だからあなたは努力してきた。
 
敏感な心を鍛えようと、
必死で努力をしてきた。
 
驚かないように、
おびえないように、
恐がらないように、
傷つかないように、
涙を流さないように…。
 
何年も何年も何年も、
何年も何年も何年も。
 
しかし、
その努力を続けたことで。
 
さらに生きる力を
消耗させてしまった。
 
気がつけば、
立ち上がれないほどに、
疲れ果ててしまった…。
 
そんなあなたは、今、
とても不安な思いでいっぱいかもしれません。
 
この敏感な心で、
一生過ごしていかねればならないのか、
 
本当にこのまま
生きていかなければならないのか…、と。
 
そして、
自分を信頼できなく
なっているのかもしれません。
 
まるで私は、
肉食動物たちの中に
紛れ込んでしまった、
草食動物のようだ。
 
私にはこの社会の中で
生き抜いていくための力が
足りていないのではないか?
 
こんなにも生きる力のない私は、
きっと人間としてひどい欠陥品なのだ…。
 
そんな風に、
感じているのかもしれません。
 
そこで、あなたに、
こんな質問をしてみたいと思います。
 
あなたが船で
世界一周するとしたら。
 
荒波で腕を鍛えた船長と、
穏かな海しか経験したことのない船長、
 
どちらの船長を信頼し、
航海を任せたいですか?
 
きっとその船長が、
荒波を乗り越えていればいるほど、
寄せる信頼は厚くなるのではないでしょうか。
 
船長自身も、
荒波にもまれたという事実を、
恥じることはないでしょう。
 
逆に、荒波を乗り越えるたびに、
自分自身への信頼を深めていく。
 
私はあの荒波の中、
あきらめず生き抜いたんだ、と。
 
それは、
技術や知識への信頼ではない。
 
自らが乗り越え、
生き抜いたという事実への信頼。
 
自らの『生命力』への信頼。
 
その信頼感こそが、
 
“エネルギー”
 
となって、
さらに『生命力』が凄みを増していく。
 
言葉では表現できない、
目には見えない力が、
体全体をとおしてにじみ出てくる。 
 
だからあなたも、その船長を、
信頼できるのではないでしょうか。
 
実は、
あなたもその歴戦の船長と
かわりありません。
 
確かにあなたの心は
とても敏感かもしれない。
 
だから数え切れないほどの
『心の乱れ』という
荒波にもまれることになった。
 
日々『心の乱れ』と、
血みどろの格闘をくり返すことになった。
 
ただ、
今までのあなたは、その度に、
自分を信頼できなくなってしまった。
 
心が乱れる自分を責めた。
 
そうせざるを得なかった。
 
だから、心が乱れる度に、
『生命力』を失くしてきてしまった。
 
だが、これからは違います。
 
あなたは、
知らなくてはいけません。
 
あなたが、
歴戦の船長と同じように、
 
『心の乱れ』という荒波の中を、
あきらめずに、死なずに、
生き抜いてきたということを。
 
毎日それを、
乗り越えてきたということを。
 
だからこそ、
自分を信頼できるということを。
 
『心の乱れ』という荒波を、
乗り越えてきたというその事実。
 
それこそが、
自分への信頼という、
 
“エネルギー”
 
になるのです。
 
そして、そのエネルギーによって、
あなたの
 
『生命力』
 
が、力を増すのです。
 
『心の乱れ』を
乗り越えたという事実。
 
そこに目を向ける瞬間。
 
それは、
あなたがあなたを信頼する瞬間。
 
あなたの中に、
エネルギーが産み出される瞬間なのです。
 
それは、
次から次へと荒波が押し寄せるほど、
自分を信頼する機会が
与えられるということ。
 
次から次へと
エネルギーが産み出される機会が
与えられるということ。
 
つまり、あなたの敏感な心は、
『生命力』を増すために必要な
エネルギーを産み出す膨大な機会を、
日々刻々とあなたに送り届けている。
 
あなたは、
心が敏感だからこそ、
自分への信頼を高め、
『生命力』を高めることができるのです。
 
私たち人類は、
太陽の光も、風も地熱も、
今まではうまく使えていなかった。
 
時には邪魔だとすら考えていた。
 
言ってみれば捨てていた。
 
しかし、
それを活用できると気づいた。
 
すると。
 
太陽の光も、風も地熱も、
電力の源になった。
 
“エネルギー”になった。
 
そう。
 
あなたの心の乱れは、
“エネルギー”の自己供給システムなのです。
 
あとはそれを、
上手に変換するだけ。
 
『生命力』へと、
換えるだけです。
 
でも特別なことはしなくていい。
 
あなたが、
敏感な心を恥じないようにする。
 
それだけでいい。
 
この社会には、
心が敏感な人を
“無条件”に蔑む文化が、
まだまだ根強く残っています。
 
しかし、
そのような歪んだ声に、
惑わされる必要はありません。
 
あなたが毎日毎日、
『心の乱れ』という荒波を
乗り越え生きているという偉大な事実、
 
そこに目を向けるだけでいい。
 
丈夫な大船に乗っている人には、
決して知り得ない荒波を、
来る日も来る日も数え切れぬほど
乗り越えているという偉大な事実、
 
そこに目を向けるだけでいい。
 
そうすれば、
あとは自然にあなたの心が、
その事実を『生命力』へと
変換してくれるでしょう。
 
そして、
あなたの『生命力』が、
力強く輝きを放ちはじめるでしょう。
 
その時あなたは、
きっと自覚するはずです。
 
自らが、
 
『生命力の発電所』
 
になったということを。
 
 
Brain with Soul代表
信夫克紀(しのぶ かつのり)
 

 
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