人生を一旦仕切りなおしたい人へ

 

夢のあきらめ方を表現した画像

 

夢のあきらめ方

 

第4回
夢依存症にかかった私たち

 
『夢依存症』は、
私たちの夢の正体が、
実は『心の葛藤』だったという時に、
おちいってしまう状態です。
 
夢を追えば追うほど、
どんどん苦しくなっていってしまう、
そんな切ない状態。
 
ではその『夢依存症』にかかる人と、
健全に『夢』を追い続けられる人は、
いったいどこで分かれてしまったのでしょうか。
 
そのターニングポイントの一つは、
『時代』にあると考えられます。
 
あなたは今、
おいくつでしょうか?
 
夢依存症は、
現在中年期をむかえている方に、
多く見受けられるようです。
 
『高度経済成長』と『バブル経済』の
真っ只中の主に都市部で
多感な幼少期、思春期を過ごした人達です。
 
大人たちが目の前で『夢』を
どんどんかなえていく時代。
 
岡村孝子さんの
『夢をあきらめないで』がヒットし、
尾崎豊さんが
“ 素敵な夢を忘れやしないよ” と声高に歌い上げる。
 
『夢』を持つことが
当たり前の空気。
 
そしてその『夢』が、
とてもかないやすい環境。
 
『夢依存症』にかかっている方は、
そんな時代に育った人が多いようです。
 
この時代の主な『夢』は、
とても “顕示的” なものが多かったと
言えるかもしれません。
 
マイホームや高級車、
豪華な食事やブランドの洋服、海外旅行。
見栄えの良い恋人、
聞こえの良い学歴・職業・・・。
 
それらを持つことがステイタスであると
新聞、雑誌などの有料メディアだけでなく、
テレビやラジオなどの
無料メディアまでも迷いなく発信し始めた時代。
 
『夢』が高級ブランド化された時代だったのです。
 
高級ブランド化はどんどんと進み、
 
「周りの人が手に入れているから欲しい」
「他の人に乗り遅れたくない」
「友達より良いものが欲しい」
 
というまるでそれを持っていないことが
恥ずかしいかのような空気を持つまでに
エスカレートしていきました。
 
この時代の『夢』の大半は、
(もちろん全てではありません)
人に乗り遅れたくないという焦りを解消する
“安心感”を通り越して 、
 
“優越感”
 
を得るためのものだったと
表現しても過言ではないように思います。
 
“優越感”を堂々と奨励する文化が、
これほど大きな社会の全体に一般化された時代は、
日本の歴史の中では見当たらないのではないでしょうか。
 
大人自身だけならまだしも、
幼い子供までもがその文化の巻き添えとなりました。
 
親同士が隣近所と張り合う中で、
見栄え良い私立や国立の幼稚園、小学校を
“お受験”するように子供達が強要され、
 
『大人が優越感を得る道具』
 
として子供が利用されるケースも
よく見受けられるようになったのです。
 
大学生ならぬ高校生までもが
無理してダイヤの指輪を買って、
おしゃれなレストランを予約し、
カクテルを飲みながら恋人に
その指輪をプレゼントする光景も
都市部では決してそんなに珍しくありませんでした。
 
まさに『夢の正体』が、
“優越感” を得るための道具となった時代。
 
その価値観が日本の都市社会全体で
猛威をふるっていた時代だったと
言えるのではないでしょうか。
 
このような時代に、
多感な幼少期、思春期を過ごした人達が、
 
「夢 = 優越感を得るためのもの」
 
という価値観を植えつけられ
『夢依存症』におちいってしまったことは
とても切ないことなのですが、
当然の成り行きだったのかもしれません。
 
「自分のために見るもの」
 
が夢だとするならば、
まさにこの時代の夢は、
 
「他人のために見るもの」
「他人に見させられたもの」
 
だったと言えるのではないでしょうか。
 
そんな夢を追いかけてしまえば、
苦しくなってしまうのは当然ですよね。
 
今回は『夢依存症』になる
一つ目のターニングポイントとして
『時代』について考察しました。
 
二つ目のターニングポイントは、
『最初に夢を持った動機』と
『最初に夢をかなえた時の感情』です。
 
次回はこれらを考察しながら、
『夢依存症』から抜け出すための
具体的な方法を考えていきたいと思います。
 
 
Brain with Soul代表
信夫克紀(しのぶ かつのり)
 

 
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