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人生を一旦仕切りなおしたい人へ

 
夢のあきらめ方を表現した画像

 

夢のあきらめ方

 

第7回
安心型の優越感

 
前回は、
あなたの夢をあきらめるために、
その夢の中にある 『賞賛型の優越感』 を見つける方法を
ご紹介しました。
 
今回は、
夢の中にひそむもう一つの優越感、
 
『安心型の優越感』
 
について考察していきたいと思います。
 
前回もお話しましたが、
私のところにご相談に来られ、
夢依存症にかかっておられる方の多くは、
ロスジェネと呼ばれる世代や、
その前後の世代の方たちです。
 
同年代の人口がとても多い中、
学歴、職歴、ありとあらゆるものが 『ブランド化』 され、
お金、土地、マンションの価値が 『神器化』 されていったバブル時代に、
思春期を駆け抜けた世代です。
 
大人やメディアはこぞって
“将来の安定のため” という錦の御旗のもとに、
そのような 『ブランド』 や 『神器』 を手にしていなければ
まるで幸せにはなれないかのような危機感で子供たちをあおりました。
 
それによって多くの子供たちは、
“おちおち安心できない” という感覚が日常と化し、
もはやそれが普通となってしまった日々を送ることに
なってしまっていたのです。
 
つまりその反動で
 
『安心したい』
 
という欲求が、
かなり強く心を支配するようになっていったと
考えられます。
 
あなたには、
同じようなご経験がありますか?
 
学歴やお金がなければ確実に “幸せ度” の低い人生になると
耳元で日々言い続けられてきたわけですから、
その焦燥感たるや想像を絶するものですよね。
 
息をつく暇もない、
抜きつ抜かれつの人生レース。
 
そのレースの中で 『安心』 するためには、
人より 『優越』 することが最もわかりやすい解決法ですよね。
 
つまり、
常に人より 『優越』 することで、『安心』 を得る。
 
『安心型の優越感』 を得ることが、
あらゆる行動の動機になっていってしまったのではないでしょうか。
 
ついには気づかぬうちに自分の大切な夢まで
『安心型の優越感』 を得るための手段になってしまったのかもしれません。
 
そしていつの日か
 
「人に遅れをとるわけにはいかない」
 
「他の人がこうしてるから私も」
 
「俺もこれくらいはやらなくては」
 
という強迫観念が、
行動の動機を支配するようになってしまった・・・。
 
そんな方が、
本当に多くいらっしゃるのです。
 
自分の価値判断の基準は、
 
「他の人とくらべて、自分はどうか?」
 
という他者との優劣によって
決められるものになっているわけですから、
苦しくなるのも当然ですよね。
 
ましてや、
自分の夢だと思っていたものが、
『安心型の優越感』 を得るためのものだとしたら。
 
終わりのないレースの中で、
夢を追えば追うほど、
心も体も疲弊していってしまいますよね。
 
あなたがもし自分の夢の中に
『安心型の優越感』がひそんでいるかどうか、
確認してみたいと思ったら。
 
あなたの
 
『本棚』
 
を見てみることをオススメします。
 
あなたの 『本棚』 に並ぶ本、
一冊一冊を眺めてみて、
あなたが純粋に自分の楽しみのために買った本、
自分の好奇心を満たすために買った本は何冊あるでしょうか?
 
一冊一冊手にとってみて、
その本を買った本当の理由を確認してみてください。
 
人に遅れをとるわけにはいかない、
人より優越しなくては、と思って買った本が多くはありませんか?
 
本を買った理由に、
『安心型の優越感』が潜んではいないでしょうか。
 
ジャンルは関係ありません。
趣味か勉強のためかも関係ありません。
 
競争に勝ち抜くためのビジネス書であっても、
自分の楽しみのため、純粋な好奇心のため、
そして追いかけることが本当に楽しい夢のために
買っている人はたくさんいますよね。
 
ジャンルや内容ではなく、
買った理由の中に、
 
『安心型の優越感』
 
が潜んでいるのです。
 
もしかしたら、前回ご紹介した
人にすごいと言われるため、
人から賞賛を受けるために買った本も多いかもしれません。
 
『賞賛型の優越感』 です。
 
もちろんそう考えると
本だけではなく、あらゆる物の買った理由に、
『優越感への依存』 が潜んでいるかもしれませんよね。
 
ただ、ご相談者様とのセッション経験から、
『優越感への依存』 をもっとも見つけやすいのは本なんです。
 
あなたもぜひ一度、
本を買った理由を、よく見つめてみてください。
 
自分が夢を追うことが
苦しくなってしまった大きな理由を
見つけることができると思います。
 
次回は、
これらの『優越感への依存』を
捨て去る方法を解説していきたいと思います。
 
 
Brain with Soul代表
信夫克紀(しのぶ かつのり)
 

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