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この世界を知り、生きづらさから脱け出す

 

Brain with Soul現象

 


第32回(最終回)
物理空間プログラム!?

 
この世界は『信号』に満ちあふれている。
 
その『信号』を読み取り『意識』という別の形で表現しなおしている。
 
それが 『意識』と『この世界』との関係だと、お話しさせていただきました。 
 
ただ、それを読んであなたはこんな疑問をおもちになったかもしれません。
 
「では、その信号を読み取っているのは誰なんだ?」
 
とても真っ当な疑問ですよね。
 
だって「読み取られる信号」があるのならば、それを「読み取るもの」もいなければならないですものね。
 
いったい誰がどこからその『信号』を読みっているのか?
 
『信号』を読み取っているものはなんなのか?
 
それはもちろん人間です。
 
私たち人間が『信号』を読み取り、 脳で意識を産み出しているのです。
 
ただし、ここでもっともわかりにくいのは、人間そのものも『信号』だということ。
 
あなたも私も『信号』だということです。
 
そして脳も『信号』だということです。
 
つまり「読み取る側」が「読み取られる側」でもあるということです。
 
DVDと映画の関係」と決定的に違うのはこの点です。
 
つまり、『人間』と『この世界』の関係においては、DVDの映画の中にDVDプレーヤーも映画を観る人も入ってしまっているということになります。
 
「色」「形」「におい」「位置」といった『信号』だけではなく、『信号』を読み取る仕組みも、それを映し出す画面も、それを観るものするも、みんな同じ『場所』に存在しているのです。
 
そして「読み取る側」が「読み取られる側」を映し出す。
 
みずからをもふくめて映し出すのです。

そのとき『信号』は、『時刻』という目印で結びつけられています。
 
その結びつけられた『信号』が、一定の『ルール』にしたがって意識のなかに並べられていくことで『信号』は『現実』に変り、そこに『時間』の流れという感覚が生じるのです。
 
では、その感覚を生じさせる一定の『ルール』とは、いったいなんでしょうか?
 
それは、私たちが古典的な『物理法則』と呼んでいるものです。
 
未来も過去も含めて『この世界』のなかに満たされた『信号』。
 
それが意識に読み取られ、映し出され、『物理法則』というルールにしたがって並べられた状態。
 
それが私たちにとっての『現実』であり『世界』。
 
その現実と世界を感じているものを『自分』と呼んでいるわけです。
 
そして『自分』は、その状態を『時間』が「流れている」と感じるのです。
 
たとえば、目の前にあるガラスのコップがテーブルから落ちて割れる。
 
そして、粉々にくだけ散る。
 
それを観た私たちは、『時間』の流れを感じます。
 
『現実』だと感じます。
 
つまり、この世界の『信号』が、『物理法則』という一つのルールにしたがったときに、私たちは『時間』の流れと『現実』を感じるわけです。
 
このルールは『因果』という言葉で、言い換えることもできるでしょう。
 
つまり、「原因」があって「結果」が生じるという流れです。
 
だから、もしも床で粉々に砕けていたコップが、コップの形になりテーブルに戻ったとした・・・。
 
私たちは混乱しますよね。
 
それは、『因果』で理解できないからではないでしょうか?
 
また、コップが突然バラの花束に変わったとしたら・・・。
 
それがそのまま『現実』だとは思えないはずです。
 
手品かと考え、タネを探すことになるのではないでしょうか?
 
つまり、『因果』で理解しようとし、バラの花束に変った原因を探すということです。
 
もし「原因」が見つからないとき。
 
それでもやはり、自分の知らない「原因」があると考えようとするでしょう。
 
自分が「おかしくなってしまった」と考えるかもしれません。
 
でも、この世界は『信号』という状態です。
 
流れる『時間』もありません。
 
それを『物理法則』という『因果』にしたがい、『意識』に表現しなおした状態。
 
それを私たちは、「正常な現実」「正常な世界」「正常な時間」と呼んでいるに過ぎません。
 
そしてそれを感じているものを「正常な自分」と呼んでいるに過ぎないのではないでしょうか?
 
もちろんこれは、 正常な現実」「 正常な世界」「 正常な時間」を人間に感じさせるために、『物理法則』が存在しているという意味ではありません。
 
人間はこの世界を、そのような見方でしかとらえることのできない存在だということです。
 
その結果として「これが正常だ」と感じている。
 
あくまでも、自分たちの意識に広がる情景をもとに、その自分たちの感覚を中心にして、「これこそが現実」で「これこそが世界」で「これこそが時間」であると、この世界をとらえてしまっているに過ぎません。
 
この世界は見たまま、感じたまま、このとおりに存在し、『時間』は絶え間なく流れている。
 
その見たまま、感じたままの空間に『自分』は生まれ、存在している。
 
それこそが『この世界』だと信じ切っている。
 
『自分』がいて、その『自分』の外側に『この世界』があるのだ、と。
 
『自分』とはべつに『この世界』があるのだ、と。
 
しかし、そう考えている限り生きづらさから脱け出せないことは、すでに見てきたとおりです。
 
『世界=自分』。
 
『この世界』には『信号』がまずあって、それを読み取ることで、『現実』が『意識』に映し出される。
 
そして、信号を読み取り、『意識』に映し出す『自分』でさえも『信号』として存在している。
 
『信号』を読み取る仕組みも、それを映し出す画面も、それを観るものすらも、みんな同じ『場所』に存在している。
 
それは言うなれば『物理空間プログラム』とでも呼べる、ひとつの『場所』なのです。
 
つまり『自分』と『世界』は決して分かれてはおらず「地つづき」だと言えるでしょう。
 
だから、『自分』を変えたいなら『世界』を変えればいい。
 
生きづらさから脱け出すならば、まず「身近な世界」から変えていくこと。
 
「体」と「心」と「環境」を同時に整えていくこと。
 
それが「 三理一体の法則」であり、生きづらさから脱け出すための着実な方法なのです。
 
長い連載にお付き合いいただきまして、本当にありがとうございます。
 
どうかあなたが無事に生きづらさから脱け出し、あなたのもとに「心地よい人生」が訪れますように。
 
Brain with Soul代表
生きづらさ専門カウンセラー
しのぶ かつのり(信夫克紀)
 
参考文献
当コラムのさらに詳しい内容や実践法をお知りになりたい場合は、下記の拙著をご参照いただけましたら幸いです。
おかげさまで電子書籍にもなり、ロングセラーとなっております。
 

しのぶかつのり「生きづらさから脱け出す実践法 - 意識と世界を味方につける7つのステップ」コスモス・ライブラリー
 
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