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生きづらさから脱け出す覚悟の決め方

 

人間関係が不愉快なイメージ

 

人生の原液を飲んで生きる

 

第12回
人間関係は不愉快である

 
あなたにとって、
今、一番の悩みは何ですか?
 
私は、日々、色々な方から、
悩みのご相談をいただく
仕事をしています。
 
それらの悩みを
突き詰めてみれば、
そのほぼすべてが、
 
『人間関係』
 
の悩みだといえます。
 
書店にも、
悩みを解決するための
たくさんの本が、
所せましと並んでいますよね。
 
そして、
その内容のほとんどは、
やはり、
 
『人間関係』
 
の悩みについてです。
 
夫婦関係、
親子関係、
嫁姑関係
子育て、
上司、同僚、部下との関係、
取引先との関係、
恋愛、結婚、別れ、
いじめ、虐待…。
 
「仕事にいくのがツラくて…」
とご相談に来られる方も。
 
仕事の内容や作業そのものが、
嫌で嫌でたまらないから、
仕事にいくのがツラいわけではない。
 
お話しをうかがってみると、
やはり職場の、
 
『人間関係』
 
で悩んでいるために、
仕事に行くのがツラい
という方ばかりです。
 
他にも、
悩みといえば、
 
就職や進学の悩み、
不登校や引きこもりの悩み、
病気や障害の悩み、
お金の悩み、
経営の悩み、
哲学的な悩み…、
 
など、
確かにたくさんありますが、
 
その悩み単独で
悩んでおられる方は、
まずほとんどおられません。
 
結局は、
その行きつく先に、
 
『人間関係』
 
の悩みが存在しています。
 
自分が嫌になる、
自分の性格が嫌いといった、
自分自身に向けられた悩みでさえも、
 
自分以外の人間が
存在しなければ成立しない
悩みがほとんどなのです。
 
もちろん、
 
「今晩のおかずの献立」や、
「どちらのテレビ番組を録画するか」で、
 
頭を悩ませている方も、
たくさんおられると思いますが、
 
それは、
苦労や迷いと呼べるもので、
いわゆる、
 
<悩み=苦悩>
 
というものとは、
性質の異なるものでしょう。
 
つまり、
 
ほとんどの悩みは、
『人間関係』によって
もたらされているのです。
 
では、我々人間は、
なぜこれほどまでに、
『人間関係』に悩まされるのでしょうか。
 
どうして、
こんなにも『人間関係』で、
不愉快な思いを重ねてしまうのでしょうか。
 
嫌味を言われたり、
さげすまれたり、
 
怒ったり怒られたり、
泣いたり泣かれたり、
 
どうしてこんなにも、
お互いがお互いを
不愉快にしてしまうのか?
 
その答えは。
 
そういう生命が、
生存競争で勝ち抜いて、
生き残ってきたからです。
 
疑り深く、
相手より優位に立とうとし、
相手を押しのけ、
自分がまず生き残ろうとする。
 
そういった、
相手を不愉快にする性質を持つものが、
命をつないできたからです。
 
そして、
長い長い年月をかけて、
 
そのようなネガティブな性質に、
磨きをかけてきた結果生まれてきたのが、
 
私たち人間だということ。
 
あなたも、私も、です。
 
にもかかわらず、
我々は『人間関係』に期待してしまう。
 
楽しい面、
嬉しい面、
気持ちいい面、
役立つ面など、
 
『人間関係』に対する、
ポジティブな面ばかりを
無自覚のうちに期待してしまいます。
 
しかし、
そんなポジティブな面ばかりを
かなえてくれる人間はいるはずもありません。
 
そんなお人良しなだけの生命は、
生き残ることができず、
とっくの昔に絶滅しているのです。
 
つまり。
 
『人間関係』とは、
そもそも不愉快なものなのです。
 
それが人生の原液。
 
にもかかわらず、
期待してしまうから、
悩むことになってしまうわけです。
 
『人間関係』の
悩みが深いということは、
その期待が大きいということ。
 
『人間関係』に、
期待し過ぎなのです。
 
さらに。
 
この『人間関係』の不愉快さに、
拍車をかけるのが、
 
“脳の扁桃体”
 
です。
 
扁桃体は、
危険なことや不快なことを
察知する心のアンテナ。
 
ただでさえ不愉快なところに、
さらにこの扁桃体が敏感であれば…、
 
もはや、
不愉快になるために、
『人間関係』を持つようなものです。
 
だから。
 
せめて、
期待を手放しましょう。
 
『人間関係』に、
期待しない覚悟を決めましょう。
 
これは、『人間関係』に、
絶望することとは違います。
 
不愉快なことが起きるたびに、
いちいち自分や相手を責めてしまう、
 
“ナイーヴ(うぶ)な感性”
 
を捨てる覚悟をするということ。
 
つまり。
 
『人間関係』に対する、
淡い幻想を捨て去るということです。
 
親切にしてもらえたり、
助けてもらえることもある。
 
同じように、
 
だまされたり、
蹴落とされることもある。
 
ポジティブな面も、
ネガティブな面も、
両方磨き上げてきた存在。
 
それが私たち人間なのですから。
 
 
Brain with Soul代表
信夫克紀(しのぶ かつのり)
 

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