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人を変えるより自分を変えたい

 

嫌われてよかった第4回人を変えるより自分を変えたい

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嫌われてよかった

 

第4回
人を変えるより自分を変えたい

 
前回は「嫌われ上手」の7つのタイプのうち、
 
「宣戦布告」タイプ
「大げさ」タイプ
「糸引き」タイプ
「うじうじ」タイプ
 
という、4つのタイプについてご紹介しました。
 
今回は、残りの三つ、
 
5.「俺が私が」タイプ
6.「領空侵犯」タイプ
7.「シリアス」タイプ
 
についてご紹介していきます。
 
そして、当コラムが述べる「嫌われ上手」の重要な条件、
 
「人ではなく自分を変えたいと思っている」
 
という点について説明していきます。
 

5.「俺が私が」タイプ

 
いわゆる、自分の話ばかりしており、しかもその内容がほぼすべて自己顕示である人。
 
そう言えば昨日こんなことがあって…、と誰かが話をすると、その話しの終わらないうちに、
 
「俺なんてこうだよ」
 
と、まるで対抗するかのように話しをかぶせてきたり、
 
「私も昨日大変で」
 
と人の話す機会を奪い取って、自分の自慢話、苦労話をする場にしてしまう。
 
仕事の指示をしていても、居酒屋で話をしていても、子供に説教をしていても、いつの間にか、本人の若い頃の輝かしい実績や努力の成果を延々と披露しており、ときには失敗談を話しているようで、よくよく聞いてみると、
 
「男から、君にはスキがなさ過ぎるってよく言われて、引かれちゃうの…」
「一人だけプロジェクトはずされちゃってさ…、他のヤツらと実力のバランスが崩れるからって」
 
と、みずからの有能さをアピールする。
 
また、一人だけ異常なスピードで仕事をこなそうとしたり、人の嫌がる仕事を率先しておこない、それを必要以上にアピールしたり、頼まれてもいないのに、
 
「俺に任せて」
「私がまとめるから」
 
とリーダー気取りでことを進めて、ハリキリ過ぎて周囲から浮いてしまう。
 

6.「領空侵犯」タイプ

 
後輩などに向かって、
 
「兄貴分として言わしてもらうけど」
 
とか、
 
「悩んでないで、お姉さんに言ってみなさい」
 
と、たいして親しくもないのに必要以上に親しさを押し付ける。
 
つまり、実際の親しさ以上に、相手に親しく接してしまう人。
 
仕事の取引ていどしか付き合いのない相手に、
 
「○○さんて、すごく愛されて育ったんでしょ?」
 
と成育歴に触れてみたり、いきなり、
 
「僕は一度離婚してるんで…」
 
と自身の身の上を話し始めたり、出会って間もない人に向かって、
 
「オマエって本当にバカだよなぁ、本当おもしろい!」
 
と幼なじみのようにふるまってみたり、一、二度会っただけの人に、
 
「こいつ相変わらず世間知らずだなぁって思ったでしょ?」
 
と、気の置けない旧知の関係のようなやりとりをすることを求める。
 
また、相談し合うような関係でもないのに、
 
「俺にだけは本当のことを言えよ」
 
と、相手の心の内奥に入り込んで『深い悩み』を吐き出させようとしたり、最終的には、
 
「私ならそんなヤツ許さないで、ズバッと文句言うけどね」
 
と、相手の不可侵領域内で勝手にアドバイスまでしてしまう。
 
反対に、
 
「お前にしか言えないけど」
「私も、実は親がとんでもなくってね…」
 
と、自分の『深い悩み』を一方的に語りはじめて、理解や共感、なぐさめを求める。
 

7.「シリアス」タイプ

 
たった一つの行動で、その場の雰囲気を一気に『シリアス』に変えてしまう人。
 
職場などで、
 
「ええ、ええ」
 
とにこやかに返事をしているなと思っていても、気に入らないことを言われただけで、相手をにらみながら、
 
「おぉ、おぉ」
 
とすごむような返事をしはじめたり、自分が責められたと感じると、
 
「もう、わかりました!」
 
と、泣きながらオフィスを飛び出していき、周囲を困惑させる。
 
新人にパソコンの操作などを教えていても、真剣さが足りずモタモタやっていると、突然、
 
「ちょっと貸して」
 
と後ろからマウスを奪いとり、
 
「こうね、こうっ」
 
と自分で操作をしはじめる。
 
その顔は笑っているけれども、目の奥は決して笑っていない。
 
軽い冗談を言っただけというつもりの人にも、
 
「そんなことだから、いつまでも仕事が終わらないんじゃん!」
 
と真顔で強くたしなめる。
 
自分が見たいテレビの横で誰かがしゃべっていたり、静かにしていることが求められる場所で少しでも声を出すと、
 
「シッ!!」
 
と眉間にしわを寄せて相手を黙らせたり、せっかく手伝おうとしてくれる人にも、
 
「段取りがあるんだから!」
 
と、まるで邪魔もののようにあつかう。
 
それ以外にも、突然顔を真っ赤にして怒り出したり、突然ムスッと黙って無視し始めたり、とにかく一瞬で深刻な空気つくりだしてしまう天才。
 
以上が、嫌われ上手7つのタイプです。
 
ご自分、または周囲の人で、当てはまる人はいましたでしょうか?
 
もちろん、ほとんどの「嫌われ上手」な人は、このどれか一つのタイプであるということはなく、この7つのうちのいくつかがブレンドされた状態になっています。
 
また、7つすべてが当てはまるという、「強力な嫌われ上手」と言える人もいます。
 
ただし、これらの傾向をどれだけ強く持っていたとしても、なかには、
 
「なぜ、俺は感謝されないのだ」
 
と、いきどおっている人もいれば、
 
「なぜ、こんなに優秀な私を認めずに、のけ者にするのか」
 
と周囲の人たちを責めている人もいます。
 
そのような人は、以前説明したとおり、「嫌われ上手」には含まれません。
 
嫌われ上手」な人は、今回ご紹介したような、「人に嫌われる行動」をとってしまうことに心底悩んでいる人。
 
自分でもそんな行動とりたくない、でも自然とそんなふうに行動してしまうということに、苦しみあえいでいる人のことです。
 
それは、言うなれば、周りの人を変えようとせずに、自分を変えたいと思っている人。
 
他人を責めるばかりではなく、自分を責め、しっかりと自分を変えていくことで、この苦しい状況を打開したいと考えている人です。
 
ではなぜ、そこまで真摯に考えているにもかかわらず、「嫌われ上手」な人は、その思いも報われずに、どんどんと人に嫌われていってしまうのでしょうか?
 
次回は、その謎に迫ってみます。
 
Brain with Soul代表
生きづらさ専門カウンセラー
信夫克紀(しのぶ かつのり)
 

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