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膨大な「命」が手に入る

 

嫌われてよかった第10回膨大な命が手に入る

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嫌われてよかった

 

第10回
膨大な「命」が手に入る

 
私は、生きづらさ専門カウンセラーという仕事をしています。
 
そして日々、人様のご相談に耳を傾けていて痛切に思うことがあります。
 
それは、私たち日本人の悩みのほとんどは、
 
「人間関係の悩み」
 
であるということ。
 
これは今までも多くの方から指摘されてきたことですし、今さら私が言うまでもないことかと思います。
 
しかしそれでもあえて言いたくなるほど、私たちは人同士の関係について頭を悩ませつづけています。
 
友達と自分を比べてしまう、
恋人が最近冷たい、
上司がパワハラをする、
同僚に出し抜かれた、
部下が使えない、
夫の気づかいが足りない、
妻が浮気をしている、
息子が言うことを聞かない、
娘にバカにされる、
父親にされたことが許せない、
母親を放っておけない…、
 
といった明確な他者とのあだいだに生じる悩みもあれば、
 
会話がつづかない、
視線が怖い、
断れない、
怒りが抑えられない、
信用できない、
結婚できない、
人からの評価が気になる、
人前で緊張してしまう…、
 
といった不特定多数の他者とのあいだ生じる悩みもあります。
 
もちろん、漠然とした不安があるといった、原因がハッキリとしない悩みや、仕事のこと、生活のこと、将来のこと、お金のこと、自分の能力のこと、自分の抱える障がいのことなど、人間関係以外の悩みついてもご相談を寄せていただきます。
 
しかし、純粋にそのことだけで悩んでおられる方は皆無です。
 
そのような方でも、お話しを深くうかがっていくと、みなさんその主な悩みにまつわる「人」との接点においてギリギリとした摩擦を感じて苦しんでおられるのです。
 
そのような摩擦も含めて「人間関係」が好きという方も大勢おられます。
 
そういった方は、毎日をイキイキと楽しく生きていることでしょう。
 
でも、そのように楽しむ余裕もなく、「人間関係」の摩擦に神経をすり減らし、イラつき、怖れ、日々猛烈なストレスにまみれている方がどれほど多くいることか。
 
この世界に「人間関係」さえなければ毎日を爽快に過ごせるのにと、思わずつぶやいてしまう人も少なくないはずです。
 
にもかかわらず私たちは、その悩みや苦しみを生み出す「人間関係」の中に身を置きつづけています。
 
それが当たり前になっている。
 
「人間関係の」ストレスを減らすために、考え方を変えたり、会話術を身につける工夫はすることがあっても、そこから積極的に離れようとはしない。
 
言うなれば、苦しい「人間関係」の中に身を置くことに「麻痺」してしまっている。
 
そうして、毎日その苦しい「人間関係」を維持するために、人生の限られた時間を湯水のように費やしているわけです。
 
ここで私は、あなたに一つの提案をしてみたいと思います。
 
それは、
 
「時間」を「命」と言いかえる、
 
という提案です。
 
もしあなたが、ご自分が「嫌われ上手」であることに悩んでいらっしゃるのなら。
 
今まで述べてきたような悩ましい「人間関係」の苦しみのまっただなかで生きてきたことでしょう。
 
とにもかくにも「人間関係」に苦しみつづけてきた人生だったと言えるかもしれません。
 
そのあなたに与えられた「時間」は有限です。
 
生まれた時から一瞬も待ってもらえることなく、その「時間」は着実に減っていく一方。
 
今この時も、どんどんと減っていっています。
 
そして、やがてあなたの死とともに、あなたに与えられたその「時間」はゼロになる。
 
つまり、
 
「時間」は「命」と同義語だ、
 
ということです。
 
「10分経った」ということは、
「10分、命を使った」ということ、
 
「1時間かかった」ということは
「1時間、命を費やした」ということ、
 
「1日無駄にした」ということは、
「1日、命を無駄にした」ということ。
 
あなたの「時間」は、あなたの「命」と同じものなのです。
 
そう考えていくと、日々、膨大な「時間」を費やし、「人間関係」にあれこれ頭を悩ませ心を痛めるということは、わざわざあなたの大切な「命」を苦しむために使っているようなものだと言えるでしょう。
 
反対に、そのような生き方に終止符を打つということは、膨大な「命」を手に入れられるということ。
 
そして「嫌われ上手」な人は、その自分の「命」を取り戻せる『最高の条件』を持っている人だと言えるでしょう。
 
なぜなら、わざわざ自ら「人間関係」と距離をおく必要がなく、周囲の人から距離をおいてくれるからです。
 
これが嫌われたまま生きる一つ目のメリット。
 
誰もが苦しみながら「命」を奪われつづけている「人間関係」から距離をとることができ、自分の自由に使える、
 
『膨大な「命」』
 
が手に入る。
 
私たちはやろうと思えば自分の「人間関係」を最低限におさえ、人との接点を減らし、悩みや苦しみを生み出す原因そのものを取り払うことも可能なはずです。
 
しかし、学校や会社といった巨大な群れの中で「人間関係」に身を置くことに慣れ過ぎてしまっているために、「人間関係」を維持することが当然だと思ってしまっている。
 
その状態に「麻痺」しているため、人間関係を良好にしたりストレスを上手に解消するための選択肢しか目に入らず、実は「人間関係」そのものから離れることができるという選択肢が見えなくなっているのです。
 
その麻痺した空間からポンと抜け出してしまう。
 
一人になる。
 
自由になる。
 
すると、膨大な「命」が手に入るのです。
 
もちろん一人になることは、さみしいと感じるでしょう。
 
ただ、生きづらさ専門カウンセラーとしてハッキリ言いましょう。
 
自分の意志だけではどうにもならない「他者との人間関係」をコントロールしようとするよりも、「自分のさみしさ」をコントロールする方がはるかに効率的であり、人生を豊かにするためにやりがいを実感することができます。
 
「他者」は次から次へと新たなタイプが現れますが、「自分」はたった一人。
 
さらに「他者」との関係は、本当にその工夫や努力がうまくいっているのか確認しようがありませんが、「自分」との関係は、その結果がダイレクトにわかります。
 
どちらの方が簡単ということではなく、自分自身の内面と向き合う方が、理にかなっていて、成長を感じやすく結果を実感しやすい。
 
やりがいも納得も充実感もはるかに大きいと言えるでしょう。
 
何度でもくり返しますが、自分の「命」を「人間関係」に費やしている人が、この日本にいかに多いことか。
 
ぶつぶつ文句を言いながら、冷や汗をかきながら、イライラしながら、とくに疑うこともなく、自らを省みることもなく、その「人間関係」を必死で維持している。
 
そして、苦しい苦しいとあえいでいる。
 
それはまるで『自爆装置』。
 
嫌われ上手」な人は、その『自爆装置』から離脱できる最高の条件を手にしているのです。
 
孤独な状況だからこそ生まれる「メリット」に目を向けてみましょう。
 
そのときこそ、「好かれる」のでもなく、自分の不遇を「訴える」のでもない、新しい人生の選択肢が、膨大な「命」を手にしたあなたの目の前に広がるでしょう。 
 
Brain with Soul代表
生きづらさ専門カウンセラー
信夫克紀(しのぶ かつのり)
 

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