諸富心理学という濃密な「物語」
諸富祥彦の名著を味わう
プロローグ<3>
『諸富心理学』という濃密な「物語」
私のコラムをお読みくださっている方、また実際にBrain with Soulのワークショップやカウンセリングに通ってくださっている方が、“諸富本”をお読みになると、
「しのぶは、“諸富本”と言っていることが違うなぁ」
と戸惑われる方も多いかもしれません。
それはもちろん、言うにおよばず私の知識や経験、表現力が多分に不足しているために、そのように感じられるのだと思います。
でも、もう一つ、いつも私が申し上げているとおり、自然科学であれ人間の心理であれ、この世界に対するすべての説明は、
『物語』
です。
同じ史実にもとづいていても、まったく違う「大河ドラマ」ができるように、人ぞれぞれに世界に対しての『物語』を持っている。
語り方は違えども、その中からあなたなりの共通項を見出していただけたなら、今度はそれが、あなただけの『物語』となる。
あなたもぜひ“諸富本”をとおして、自分にとって大切な『物語』を見出してみてください。
“諸富本”に描かれた『物語』には、それを可能にさせてくれる「濃密な英知」が詰まっているのですから。
さあ、まだまだ『諸富心理学』について、書きたいことの、一億分の一くらいしか書いてませんが、前置きはこれくらいにして、次回から早速、『諸富祥彦の名著』をご紹介していきたいと思います。
諸富祥彦の「言葉」を“ダイレクト”にご紹介していき、それを味わいながら、どの著作が、まさに今、人生に苦しんでいる人の、どんな血となり肉となり得るのかを述べていく。
そんな「実用的なレビュー」を目指していきたいと思います。
このコラムが、あなたと『諸富心理学』との、価値ある出会いとなることを、心から願ってやみません。
諸富祥彦の名著、ご紹介する1冊目は、
「<むなしさ>の心理学」
です。
Brain with Soul代表
信夫克紀(しのぶ かつのり)
おかげ様でコラム数500本突破!