トランスパーソナルを学び、役立てる

 

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トランスパーソナルを日常に活かす

 

第3回
「自分以外の人とつながる」とは?

 
トランスパーソナルとは何かという問いの答えの一つに、私は「自分以外の人のつながること」と挙げました。
 
今回はこのことについて考えてみたいと思います。
 
「自分以外の人とつながる」と聞くと、物理的な意味でつながるというイメージと、心理的な意味でつながるという意味、二つの意味でとらえられるかもしれません。
 
物理的とは、実際に手を取り合ったり、抱き合ったり、自分の物も他人の物も、分けへだてなく共に使い合っていく。
 
そんなふうに、互いに「し合う」関係性を作り上げること。
 
一方、心理的とは、他人の痛みを自分のことのように思い合ったり、他人の気持ちを思いやり、共に心配したりよろこび合う。
 
そんなふうに、互いに「し合う」関係性を作り上げること。
 
それが「自分以外の人とつながる」という、一般的なイメージかもしれません。
 
でも、そうであれば、わざわざ「トランスパーソナル」などといった、独特の言葉で表現する必要もないように思えますよね。
 
そこで、もう一歩だけ踏み込んで考えてみましょう。
 
そもそも、まず「自分以外の人とつながる」ための、その「自分」とはいったい何なのでしょうか?
 
「自分」と「他人」をへだてているもの。
 
つまり、「自分」と「自分以外」を明確にへだてているものとは、一体、何なのでしょうか?
 
それは、
 
『意識』
 
だと言えるかもしれません。
 
「自分」の意識と「他人」の意識。
 
その「自分」と「他人」という別々の意識が、へだたりを超えて同じ意識のように共有された瞬間。
 
つまり、別の意識のまま「し合う」のではなく、まさにつながった瞬間。
 
それが「トランスパーソナル」だと言えるのではないでしょうか。
 
そもそも、私たちは、上手に「自分」を定義することができません。
 
それは、「自分」の意識の発生源と、他の生命、物質の発生源が同じだからからもしれません。
 
動物、植物、微生物、石、土、水、空、宇宙、意識、そして自分、つまりは「この世界」…。
 
そう考えると、トランスパーソナルとは「自分以外の人とつながる」のではなく、「自分以外のすべてとつながる」ということなのかもしれませんね。
 
第一回目で、私は、「この世界とつながる」ことを「縦」のつながり、そして、「自分以外の人とつながる」ことを「横」のつながりと表現しましたが、実は、そのつながりに「縦」も「横」もなさそうですね。
 
つまり、「すべてとつながる」ことが、トランスパーソナルだと言えるのではないでしょうか。
今回見てきた「意識」と「この世界」の関係については、拙著「生きづらさから脱け出す実践法」の中でも詳しく述べていますので、ぜひそちらもご参照いただければと思います。
 
次回は、「すべてとつながる」という、和を尊ぶ日本人のとても好みそうな「トランスパーソナル」という視座が、いまいち世間で流行っていない理由、つまり「日常に活かされない理由」について考えてみたいと思います。
 
Brain with Soul代表
信夫克紀(しのぶ かつのり)
 

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