トランスパーソナルを学び、役立てる

 

トランスパーソナルをイメージした画像

LinkIcon<目次>はコチラ  
 

トランスパーソナルを日常に活かす

 

第4回
トランスパーソナルが流行らない理由<1>

 
ここまで「トランスパーソナル」という考え方(視点)について、私なりの考えを述べてまいりました。
 
ただ、ご存知のとおり、そもそも「トランスパーソナル」という言葉は、当然のことながら私だけが使っているわけではなく、学問の領域から出てきた言葉です。
 
それを専門に扱っている「トランスパーソナル心理学」という分野も存在しています。
 
ここでその専門家が、「トランスパーソナル」をどう定義しているのかを見ていきましょう。
 
日本でのトランスパーソナル心理学研究、その第一人者である明治大学教授諸富祥彦は、著書「トランスパーソナル心理学入門」の中で、ウォルシュとヴォーンという二人の言葉を受ける形で、トランスパーソナルについてこのように述べています。
 
-------------------- 
トランスパーソナルとは要するに、アイデンティティの果てしない拡大。“自分とは何か”という感覚が、“私は私”という狭さから解き放たれて、他者、人類、地球上のあらゆる生命、さらには宇宙全体へと拡がっていく体験。それに伴う感覚の変容。地球の裏側の誰かの痛みや叫びが、私と無関係な誰かの痛みや叫びでなく、この私自身の痛みであり叫びでもある、と感じられ始める。地球の痛みが、私自身の痛みとして感じられてくる。
 
“人類全体が幸せにならないうちは”どころではない。大自然、地球生命圏、さらには宇宙そのものの“しあわせ”を“私のしあわせ”と同一視する感覚。単なる抽象的な理念や思想のレヴェルではない、“体験”のレヴェルの感覚の変容。
 
そんな“感覚の変容”を体験するのが、トランスパーソナルな体験、というわけです。
------------------
 
とてもわかりやすいですね。
 
だったら最初からこれを出せよと言われてしまいそうですが(笑)、このコラムは学識を高めるためのものではなく、あくまでも私たちの「日常」に「トランスパーソナル」という視点を活かすことを目的として書かせていただいております。
 
なので今後も、その目的を最優先して、「日常」での実践をテーマに、お話しを進めていきたいと思います。
 
ただ、どうしても困ったとき、学問の研究成果に頼る必要がある場合には、学問的な解釈や難しい学者名などで文章が埋め尽くされてしまわないように、参考文献を諸富祥彦の「トランスパーソナル心理学入門」に絞って、その専門家の英知をご紹介していきたいと思います。
 
さて、先ほどご紹介した、「トランスパーソナル」の定義。
 
このような考え方を全面的に否定しようとする人は、融和を好む日本人にはあまりいないのではないでしょうか。
 
にもかかわらず、「トランスパーソナル」という視点が、日本で流行らないのはなぜなのでしょうか?
 
もちろん一つは、「科学的ではないから」という点があげられるでしょう。
 
ただ、この点については、「何ひとつわかっていない側」からものを見ることこそが、トランスパーソナルだと、私自身が定義させていただいたばかりなので、これ以上立ち入らないことにします。
 
そして実は、それよりも大きな理由があると私は思っています。
  
<2>へつづく
 
Brain with Soul代表
信夫克紀(しのぶ かつのり)
 

もしこの記事があなたのお役に立てたのなら、
ぜひ他の方にも教えてあげてください。
Adic Salon入会受付中!生きづらさをチカラに変える!
 
 

おかげ様でコラム数500本突破!

読むと心が強くなるコラム

「読むだけで生きる勇気が湧いてくる」と大好評をいただいている、しのぶかつのり(信夫克紀)の連載コラムです。
もちろん<無料>でお読みいただけます。