人に批判されるのが怖い

アダルトチルドレンを「本気」で克服する方法
第25回
人に批判されるのが怖い
世の中には、人に批判されることをとても怖いと感じる人がいます。
もちろん批判されて気持ちがいいという人は、あまりいないでしょう。
誰だって、人から批判を受けたらネガティブな感情が浮かんでくるものです。
でも、その感情が出過ぎてしまう人がいる。
人からの批判に過剰に反応してしまうのです。
このコラムをお読みのあなたも、そんなお悩みを抱えたお一人なのかもしれません。
とくにアダルトチルドレンには、人の批判に反応しすぎることに悩んでいる人が大勢います。
その中には、批判されただけでムキになったり怒り狂ってしまうという、自己愛が強すぎるタイプの人もいます。
でもきっとあなたは違う。
批判されると落ち込んでしまう。
自分を責めてしまう。
自信をなくしてしまう。
そして批判されるのが怖くなってしまうのです。
では、なぜそこまで批判されるのが怖くなってしまったのでしょうか?
それは、
「家族から批判を受けつづけたから」
かもしれません。
子供の頃から、何かするたびに細かく批判をされる。
あなたが何が言い間違えただけでも、鼻で笑われたり、大げさにあげ足を取られる。
しかも、そのことにたいしてあなたが腹を立てたり、批判し返すと、相手は突然表情を変えて怒り狂う。
長々と説教をはじめる。
暴力をふるう。
だから、あなたは腹が立っているにもかかわらず、謝らなければならなかった。
悔しいのに我慢しなければならなかった。
どんなに傷ついても愛想笑いをするしかなかった。
それは言葉では言い表せないほどの苦しい体験。
その体験が深い心の傷となった。
あのときのことを体が覚えている。
だからあなたは、人に批判されるのが怖くなったのかもしれません。
でもそれは、心に受けた傷のため。
あなたの責任ではありません。
そんな体験をすれば、批判されることが怖くなって当然なのです。
そんな苦しい事情を知らない人たちは、あなたに容赦なく批判を浴びせかけてきます。
これからもあなたは日々、批判にさらされて生きていかなければならないでしょう。
とてもしんどいですよね…。
だから、あなたにぜひ知っておいていただきたいことがあります。
それは、あなたが人からの批判を真に受ける必要が、まったくないのだということ。
実はあなたが批判を怖れる理由は、一つもないのだということです。
なぜなら他人は、
「あなたの人生を経験したことがないから」
です。
あなたの人生は、あなたしか経験したことがないもの。
他人が批判できるものではないのです。
私たち人間は、それぞれまったく別の人生を積み重ねてきました。
それは「自分歴」とも言えるものです。
あなたが今24歳なのであれば、あなたの「自分歴」は24年です。
あなたが今36歳なのであれば、あなたの「自分歴」は36年です。
あなたが今50歳なのであれば、あなたの「自分歴」は50年です。
それに比べて周囲の人は、あなたの人生を経験した年数はゼロ年。
いえ、ゼロ秒です。
そんなドシロウトに、なぜあなたが批判されなければならないのでしょうか?
あなたの人生を0.1秒たりとも経験したことのない人に、とやかく言われる筋合いはありません。
あなたはあなたのベテランなのです。
あなたの人生をプレーした経験がまったくないヒヨッコに、あなたのいったい何がわかるというのでしょうか?
それは、バットも握ったことのない人間が、イチロー選手のプレーについて本人に直接ダメ出しするようなもの。
タチの悪い冗談でしかありません。
あなたが、その悪い冗談を真に受ける必要なんて、これっぽっちもないのです。
もちろん、イチロー選手だって、コーチや同僚の言うことには耳を傾けるでしょう。
でも、それはプロからの根拠ある指導や指摘だからであって、ドシロウトの無責任な批判を聞くのとはまったく別のことです。
あなたも、根拠ある指導や指摘であるならば、聴く価値があると思うでしょう。
それによってみずからの襟を正すことは、大切なことだと私も思います。
しかし、こちらが頼んでもいないのに、自分が思っただけのことを偉そうに言い放つドシロウトの言葉に、耳を貸してあげる必要がどこにあるのでしょうか?
あなたの貴重な人生の時間を、「悪い冗談」につき合うために使うことが、本当に正しい選択なのでしょうか?
あなたはあなたの年齢の数だけ「自分歴」を重ねてきた。
あなた以外に、あなたの人生を生きた人はいない。
あなたの話し方、言葉、身ぶり、手ぶり、仕事ぶり、そのすべてが「自分歴」の集大成。
あなたを批判できるのは、あなたしかいないのです。
この先も、あなたは人に批判を受けて、過剰に反応してしまうかもしれません。
ショックを受けてしまうかもしれません。
でも大切なのは、その過剰な反応に飲み込まれないこと。
そして「私の人生は私しか経験したことがない」と自覚しつづけること。
それをくり返すことで、批判に負けない強いあなたが育っていくのです。
あなただけの「自分歴」を重ねるごとに。
Brain with Soul代表
生きづらさ専門カウンセラー
しのぶ かつのり(信夫克紀)
アダルトチルドレンを「本気」で克服する方法 <目次>
1.アダルトチルドレンを「本気」で克服する方法
2.なぜ克服したはずの問題をくり返してしまうのか?
3.今までのアダルトチルドレン克服法が取りこぼしてきた盲点とは?
4.扁桃体が敏感だと自覚する
5.「あなたは強い」という事実
6.親を捨てる
7.アダルトチルドレン克服に欠かせない必要なこと
8.恩着せがましい親
9.一生懸命育てたのに!
10.あなたは本当に親不孝者なのか?
11.親にすべてをブチまけようと思う
12.親が子育ての非を認められない理由
13.親への仕返しが止められない
14.アダルトチルドレン克服の優先順位
15.親との対決に必要な覚悟
16.好きなこと、やりたいことがわからない
17.誰もわかってくれない
18.燃え尽き症候群をくり返してしまう
19.親子関係を良好にしたい
20.「してあげた」という親心
21.リラックスできない
22.体を整える
23.つき合う人を変える
24.ナイーブさを捨てる
25.人に批判されるのが怖い
26.自尊心が低い
27.アダルトチルドレンの「克服」とは?
<次回更新予定 2018年4月26日(木)>