アダルトチルドレンの「克服」とは?

 

アダルトチルドレンを本気で克服する方法

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アダルトチルドレンを「本気」で克服する方法

 

第27回
アダルトチルドレンの「克服」とは?

 
今までこのコラムをとおして、
 
アダルトチルドレンを「本気」で克服する方法
 
についてご紹介してきました。
 
どうすればアダルトチルドレンを克服できるのか?
 
そのための具体的な考え方や方法をお伝えしてきました。
 
しかしあなたの中に、次のような疑問が浮かんでいるかもしれません。
 
何をもってアダルトチルドレンの「克服」というのか?
 
どうなったら「克服」だと言えるのか、と。
 
たしかに、病気のように一定の診断基準があれば、「克服」した状態をイメージしやすいですよね。
 
ただアダルトチルドレンとは、ご存知のとおり病名ではありません。
 
カウンセリングでも「治りますか?」とたずねられることが多くありますが、病気ではないため、そもそも「治す」ものではない。
 
また「私はアダルトチルドレンでしょうか?」とお聞きになる方も多くいらっしゃいますが、厳密な判定ラインがあるわけでもないのです。
 
では何を基準に、私たちはアダルトチルドレンの「克服」を判断すればいいのか。
 
どうすればアダルトチルドレンを「克服」したと言えるのでしょうか?
 
それは、「過去」と「未来」を同時に見られているかどうか。
 
「過去」を消し「未来」ばかりを見ようとするのでもない。
 
「未来」をあきらめ「過去」にばかりこだわるのでもない。
 
自分の苦しみの原因となっている「過去」と、これから目指す目的という「未来」。
 
それをしっかりと結びつけられたとき、アダルトチルドレンを「克服」したと言えると私は考えています。
 
先ほども見たように、アダルトチルドレンには明確な判断基準が存在していません。
 
つまり、自分で「アダルトチルドレンだ」と思ったら、アダルトチルドレンだということ。
 
「違う」と思ったら、アダルトチルドレンではない。
 
アダルトチルドレンとは「ただの記号」に過ぎないのです。
 
でも、いったん「自分はアダルトチルドレンだろう」と感じてしまった人が、その「記号」を振り払うのは並大抵のことではできません。
 
なぜなら自分が苦しいと感じるたびに、
 
「私がアダルトチルドレンだからだ…」
 
と考えるクセがついてしまうから。
 
つまり、原因という「過去」にばかり目が向くようになるからです。
 
このような状況を見て、
 
「アダルトチルドレンなんて記号を考え出したから苦しむ人が増えてしまったのだ。そもそもそのような記号など必要ないのだ。」
 
という評論をくだす人がいます。
 
しかし、ことはそんなに簡単な問題ではありません。
 
自分の苦しみに「記号」がつくことで安心できる人も多い。
 
自分の苦しみは特別なことではなく、すでに社会で取り上げられ対策まで練られているのだ、苦しんでいるのは自分だけではないのだと納得できるからです。
 
医療の現場でも、うつ病やパニック障害、適応障害などと診断され、自分の苦しみに「記号」がついただけで、つらい気持ちがだいぶ楽になるという人もいます。
 
問題は、その先なのです。
 
自分に納得をもたらしてくれた「記号」を、自分の中から消し去るのは並大抵のことではできません。
 
「アダルトチルドレンだから」という物語に飲み込まれた人が、それを手放すのは口で言うほど簡単ではないのです。
 
それをすることが「克服」だとあなたに言う人がいるのなら、その人はアダルトチルドレンの苦しみを甘く見ていると言わざるをえません。
 
現実を知らなすぎる。
 
だから、手放す必要はない。
 
アダルトチルドレンのままでいい。
 
アダルトチルドレンのまま、アダルトチルドレンであることを人生のエネルギーに替えられたとき。
 
アダルトチルドレンは「克服」されるのです。
 
つまり、
 
「アダルトチルドレンだからできない」
 
という生き方を、
 
「アダルトチルドレンだからできた」
 
という生き方に変えていくということ。
 
アダルトチルドレンを言い訳にせず、アダルトチルドレンを目的達成の力に替えられたとき、アダルトチルドレンを「克服」したと言えるのです。
 
アダルトチルドレンは、アダルトチルドレンの「克服」を目的として生きてしまいがちです。
 
もちろん、目の前が苦しみでおおわれているのですからそれは当然のこと。
 
誰だって同じ境遇に立たされれば、「克服」そのものを目的としてしまうものです。
 
でも、言うなればそれは「自分の内側」の目的にすぎません。
 
焼きついた「記号」を消そうとしているだけなのです。
 
先ほども見たように「記号」はそう簡単には消せません。
 
だからその「記号」を活かす。
 
我がものとする。
 
そして「記号」を持つ者だからこそできることを、「自分の外側」の世界へと見出すのです。
 
自分がアダルトチルドレンだからこそ、「自分の外側」の世界に目的を持てた。
 
さらに実際にアクションを起こせた。
 
その瞬間が、アダルトチルドレンを乗り越えたとき。
 
アダルトチルドレンを「克服」した瞬間となるのです。
 
アダルトチルドレンの「克服」とは、あなたが幸せになることではない。
 
過去を無理やり忘れることでもない。
 
つらい経験を笑って話せるようになることでもない。
 
あれほどの苦しみを味わったのなら、忘れられないのが当然。
 
思い出せば怒りや悲しみに包まれるのが当然なのです。
 
しかし、あなたがそれに押しつぶされることなく、悠然と立ち、人生に果敢に挑みかかるとき。
 
そして原因という「過去」と、目的という「未来」がしっかりと結びついたとき。
 
あなたのアダルトチルドレンは「克服」されるのです。
 
そのあとも、自分がアダルトチルドレンだと思うかどうかは、あなたの自由。
 
アダルトチルドレンだと思いながら生きてもいいし、もう違うのだと言ってもいい。
 
どちらだって大差はない。
 
なぜなら。
 
アダルトチルドレンなんて、しょせん「ただの記号」でしかないのですから。
 
Brain with Soul代表
生きづらさ専門カウンセラー
しのぶ かつのり(信夫克紀)
 


アダルトチルドレンを「本気」で克服する方法 <目次>

1.アダルトチルドレンを「本気」で克服する方法
2.なぜ克服したはずの問題をくり返してしまうのか?
3.今までのアダルトチルドレン克服法が取りこぼしてきた盲点とは?
4.扁桃体が敏感だと自覚する
5.「あなたは強い」という事実
6.親を捨てる
7.アダルトチルドレン克服に欠かせない必要なこと
8.恩着せがましい親
9.一生懸命育てたのに!
10.あなたは本当に親不孝者なのか?
11.親にすべてをブチまけようと思う
12.親が子育ての非を認められない理由
13.親への仕返しが止められない
14.アダルトチルドレン克服の優先順位
15.親との対決に必要な覚悟
16.好きなこと、やりたいことがわからない
17.誰もわかってくれない
18.燃え尽き症候群をくり返してしまう
19.親子関係を良好にしたい
20.「してあげた」という親心
21.リラックスできない
22.体を整える
23.つき合う人を変える
24.ナイーブさを捨てる
25.人に批判されるのが怖い
26.自尊心が低い
27.アダルトチルドレンの「克服」とは?
28.感情をうまく表現できない
29.鬼のような親
30.人からの評価が気になる
31.自信よりも必要なもの
32.嘘をついてしまう
 
<次回更新予定 2018年5月30日(水)>
 

 
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