感情をうまく表現できない

 

アダルトチルドレンを本気で克服する方法

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アダルトチルドレンを「本気」で克服する方法

 

第28回
感情をうまく表現できない

 
「感情をうまく表現できない」という悩みがあります。
 
わきあがってきた感情にたいして、的確なタイミングで、適切な表現ができない。
 
とくに怒りや悲しみを感じたとしても、その場でスムーズに表現することができない。
 
相手に上手に伝えることができないのです。
 
そして平気な顔をよそおってしまう。
 
また「イラ立った素振り」や「困ったような言い方」で相手にそれとなくわかってもらおうとしたり、あとで長々と自分の言いぶんをメールで送ってしまう。
 
ときには暴発して、突然キレたり泣き出してしまうこともあります。
 
結果として、異常にストレスがたまったり、相手にヘキエキされたり、嫌われてしまうのです。
 
そんな状況にたいして「私はこういう人間なんです」と開き直れたり、「あなたが一方的に悪いのです」と無条件に相手のせいにできてしまう身勝手な人はいいでしょう。
 
でも、身勝手になりきれない人は、感情を表現したいけどできないという、大きな葛藤を背負い込むことになるのです。
 
アダルトチルドレンの多くの方は、感情をうまく表現できないことに悩んでいます。
 
感情表現がスムーズにできる人を見ると、不思議でたまらなかったり、うらやましく思うこともあるのです。
 
感情を表現することができない原因は、二段階に分かれています。
 
一段階目は、感情に気づけていないという段階です。
 
怒りや悲しみがわいてきても、自分でも気づけないほどの高速で、
 
「怒っちゃダメ」
「悲しんじゃダメ」
 
という理由が次から次へとわいてくる。
 
その理由の方が、自分の本心だと思ってしまうのです。
 
これは、理由に振り回されてしまって、根本の感情をないがしろにしている状態。
 
言いかえれば、
 
「感情を感じることさえ許さない状態」
 
だと言えるでしょう。
 
これは「自尊心が低い」でも取り扱った問題なので、そちらもご覧いただきたいのですが、自分の感情よりも、他人に植えつけられた基準を優先してしまっている状態です。
 
二段階目は、感情に気づいているけれども、それを表現できないという段階。
 
怒っている自分に気づいている。
 
「怒っちゃだダメだ」という理由にも気づいている。
 
しかし、その葛藤を自覚しつつも、どう感情を表現したらいいのかわからないため、やっぱり感情を抑える方を優先してしまうという状態です。
 
葛藤はリアルタイムに起きるとは限らず、あとで、
 
「ああ、なんであのときハッキリ言い返さなかったのだろう。」
 
「また迎合してしまった…」
 
と後悔することもあります。
 
一段階目も、二段階目も結果的に、自分の感情を抑圧しています。
 
気づかないで抑圧しているのか、気づいた上で抑圧しているのかの違いだと言えるでしょう。
 
一段階目と二段階目は明確に分かれているわけではなく、これらが入り乱れた状態の人がほとんどです。
 
なぜ、そのような複雑な心理状態になってしまうのでしょうか?
 
アダルトチルドレンは、自分の感情を家族に抑圧されて生きてきました。
 
感情を持つことを許されなかった。
 
だから、アダルトチルドレンは、感情をうまく表現できない。
 
本人の責任ではありません。
 
家族の前で怒りや悲しみを表に出せば、ひどい仕打ちが待っていた。
 
否定され、罵倒され、嘲笑され、殴られ、感情を押しつぶされた。
 
アダルトチルドレンにとって感情表現とは、恐怖やさらなる怒りに直結した行為なのです。
 
実は、ここに重要なポイントが隠されています。
 
それは、スムーズに感情表現ができる人というのは、ただ単にその感情表現の先にある苦しみを経験したことがないだけだ、ということです。
 
感情表現によってもたらされる恐怖やさらなる怒りという、強大な苦痛を知らないだけ。
 
つまり、苦しんだ経験がないから「怒れてしまっている」だけであり、「悲しめてしまっている」だけだということです。
 
それは、安全なプールでしか泳いだことのない人が、気づかずに深い海で今までどおり泳いでいるようなもの。
 
危険を知らない無邪気な行動でしかないのです。
 
スムーズな感情表現は、最低限の自己肯定感を育んでもらえた人が自然におこなっている「条件反射」に過ぎません。
 
針で刺された痛みにたいして、無自覚に「アイタッ!」と言ってるのと同じなのです。
 
さらに、スムーズに感情表現できる人は、ご両親が嫌味のない感情表現をする人で、その仕草を子供のころから見てきたのかもしれません。
 
その上、自分自身も生まれつき相手に好感を与える声質や、相手を圧倒する雰囲気を持っていることもあるでしょう。
 
言うなれば、感情表現のネイティブでありエリート。
 
感情表現とは、わざわざ意識して身につけるものではないのです。
 
無理して身につけても、ぎこちなく不自然になるだけ。
 
あなたも外国人が目の前で転んだときに、「おわっ!」とか「イテッ!」とかではなく、一瞬間をおいてから、
 
「私は痛いです。」
 
と言ったら、その人がネイティブではなく、日本語表現のエリートでもないとすぐにわかるはずです。
 
同じように、アダルトチルドレンは、無理に感情表現しようとすると不自然になります。
 
ぎこちなくなる。
 
相手も気まずいですし、自分にとってもあまりよい結果を生み出しません。
 
だいいち、身につけるためにはものすごい労力がかかります。
 
果たして感情表現にそれだけの価値があるのでしょうか?
 
そもそもそこまでして感情表現をする意味があるのでしょうか?
 
感情とは、むき出しの心。
 
あなたの「全裸」と同じです。
 
あなたの「全裸」を見せてもいい人なんて、いったい何人いるのでしょうか?
 
重要なのは感情を表現することではない。
 
相手に必要なことを伝えることです。
 
強い感情がわいてくるほど重要な思いが自分の中にあるならば、冷静になってからそれを伝えればいい。
 
しっかり話し合って、目的を果たせばいい。
 
感情表現は目的ではない。
 
感情にともなう単なる「オマケ」でしかないのです。
 
ドライと思われるくらいでちょうどいい。
 
あなたの「全裸」は、かけがえのない大切な人にだけ見せてあげればいいのです。
 
Brain with Soul代表
生きづらさ専門カウンセラー
しのぶ かつのり(信夫克紀)
 


アダルトチルドレンを「本気」で克服する方法 <目次>

1.アダルトチルドレンを「本気」で克服する方法
2.なぜ克服したはずの問題をくり返してしまうのか?
3.今までのアダルトチルドレン克服法が取りこぼしてきた盲点とは?
4.扁桃体が敏感だと自覚する
5.「あなたは強い」という事実
6.親を捨てる
7.アダルトチルドレン克服に欠かせない必要なこと
8.恩着せがましい親
9.一生懸命育てたのに!
10.あなたは本当に親不孝者なのか?
11.親にすべてをブチまけようと思う
12.親が子育ての非を認められない理由
13.親への仕返しが止められない
14.アダルトチルドレン克服の優先順位
15.親との対決に必要な覚悟
16.好きなこと、やりたいことがわからない
17.誰もわかってくれない
18.燃え尽き症候群をくり返してしまう
19.親子関係を良好にしたい
20.「してあげた」という親心
21.リラックスできない
22.体を整える
23.つき合う人を変える
24.ナイーブさを捨てる
25.人に批判されるのが怖い
26.自尊心が低い
27.アダルトチルドレンの「克服」とは?
28.感情をうまく表現できない
29.鬼のような親
30.人からの評価が気になる
31.自信よりも必要なもの
32.嘘をついてしまう
33.承認欲求が強い
34.仕事で手を抜けない
35.自己肯定感を高めたい
36.親と同じことをしてしまった
37.なぜ焦ってしまうのか?
38.不登校が許されなかった人
39.今の仕事が向いていない
40.勇敢であるということ
41.人間関係がうまくいかない
42.孤独を磨き上げる
43.努力しても嫌われつづける人
44.いつも自分ばかり残業している
45.快楽と上手につき合おう
46.自分のなかに基準がない
 

 
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