自己肯定感を高めたい

 

アダルトチルドレンを本気で克服する方法第35回 自己肯定感を高めたい

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アダルトチルドレンを「本気」で克服する方法

 

第35回
自己肯定感を高めたい

 
「自己肯定感」の高い人がいますよね。
 
自信を持って仕事に取り組み、会議でも堂々と意見を言う。
 
口論になってもひるまずに、最後まで自分の考えを主張する。
 
ときには怒りを表に出してでも、自分を押し通す。
 
いつでも迷いなく生きている彼や彼女を見て、アダルトチルドレンは、とてもうらやましく思うのです。
 
なぜならアダルトチルドレンは、みずからの自己肯定感が低いと感じているからです。
 
だから、自分も自己肯定感を高めたいと思う。
 
そうすれば周囲の人と同じように、堂々としていられる。
 
そこで、懸命に努力する。
 
たとえば、私は仕事ができる、愛される人間だと言い聞かせる。
 
自分の短所だと思うところを、長所だと言いかえてみる。
 
してあげたことより、してもらったことを思い浮かべ、肯定的な気分になろうとする。
 
しかし、楽になれない。
 
自分に嘘をついて、無理をしている気持ちがどうしてもぬぐえない。
 
そして自信がなくなり、よけいに落ち込んでしまうのです。
 
なぜアダルトチルドレンは、他の人と同じように自己肯定をすることができないのでしょうか?
 
そして、どうして他の人には効果のある自己肯定感を高める方法が、アダルトチルドレンには通じないのでしょうか?
 
それは、
 
「自己否定感」
 
が強すぎるからです。
 
自己否定感が強すぎて、どんなに自己肯定をしようとしても、それが押しつぶされてしまうのです。
 
だから、アダルトチルドレンにとって重要なのは、自己肯定感を高めることではない。
 
自己否定感をなくすこと。
 
子供の頃から植えつけられた、自分を否定する声を消していくことが、最優先なのです。
 
そうすれば、無理に自己肯定感を高めずとも、適切に自分を肯定することができるようになります。
 
そもそも自己肯定感は、「私は生きていてもいい」という最低限のものさえ持っていれば十分です。
 
もし「私は生きていてもいい」という肯定ができないのなら、しっかりと対処する必要があります。
 
カウンセリングでも、その最低限の自己肯定感を育むワークをおこなうことがあります。
 
しかし、それ以上の自己肯定感をわざわざ高める必要はありません。
 
自己否定感さえ取りはらってしまえばいいだけなのです。
 
それだけで、十分健全に生きていくことができます。
 
だいいち、自己肯定感などというシロモノは、まったく当てになりません。
 
たんなる自己洗脳か自己欺瞞である場合がほとんどです。
 
正直に言いましょう。
 
私は、自己肯定感の高い人が好きではありません。
 
もっと正直に言うと「気味が悪い」と思ってしまいます。
 
なぜなら、疑うことなく自分を肯定できてしまうなんて、みずから赤ちゃんと同じ状態に踏みとどまっているだけだと感じてしまうからです。
 
本物の赤ちゃんはカワイイからいいですけど、私みたいなオッサンやオバチャン世代が、好きこのんで自信満々に赤ちゃんのように振るまっていたら気色悪いだけではないでしょうか。
 
赤ちゃんだって、1年もしたら慎重になります。
 
にもかかわらず、せっかく長いあいだ生きてきて、いろいろな経験を重ねてきた大人が、自我を押しとおすことに明け暮れて、迷うこともないのだとしたら。
 
それはたんに鈍感なのか、浮かれているか、現実逃避をしているに過ぎません。
 
だから私は、自己肯定感の低い人の方が、圧倒的に好きです。
 
迷いながら、苦しみながら、とまどいながら、ときには落ち込み、ときにはみずからを奮い立たせて、懸命に人生を生きている人。
 
私には、そのような人の方が人生に対して誠実であると感じるし、とても「魅力的」に見えるのです。
 
世の中には、意外と私と同じように感じている人の方が多いのではないでしょうか?
 
人当たりのいい人のなかにも、さまざまな世界で成果をあげている人のなかにも、実は、自己肯定感が高い人というのは、あまり見かけないものです。
 
みなさん自己否定感が少ないだけで、積極的には自分を肯定できずに、迷いながら手探りで進んでいる…。
 
人生は、常に自分に疑問を持ちながら生きているくらいがちょうどいいのです。
 
Brain with Soul代表
生きづらさ専門カウンセラー
しのぶ かつのり(信夫克紀)
 

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アダルトチルドレンを「本気」で克服する方法 <目次>

1.アダルトチルドレンを「本気」で克服する方法
2.なぜ克服したはずの問題をくり返してしまうのか?
3.今までのアダルトチルドレン克服法が取りこぼしてきた盲点とは?
4.扁桃体が敏感だと自覚する
5.「あなたは強い」という事実
6.親を捨てる
7.アダルトチルドレン克服に欠かせない必要なこと
8.恩着せがましい親
9.一生懸命育てたのに!
10.あなたは本当に親不孝者なのか?
11.親にすべてをブチまけようと思う
12.親が子育ての非を認められない理由
13.親への仕返しが止められない
14.アダルトチルドレン克服の優先順位
15.親との対決に必要な覚悟
16.好きなこと、やりたいことがわからない
17.「誰もわかってくれない」を解決する方法
18.燃え尽き症候群をくり返してしまう
19.親との関係を良好にしたい
20.「してあげた」という親心
21.なぜアダルトチルドレンはリラックスできないのか?
22.「体」を整えることがアダルトチルドレンに必要な理由
23.「つき合う人」を変えなければアダルトチルドレンは克服できない
24.ナイーブさを捨てる
25.人に批判されるのが怖い
26.自尊心が低い
27.アダルトチルドレンの「克服」とは?
28.感情をうまく表現できない
29.鬼のような親
30.人からの評価が気になる
31.自信よりも必要なもの
32.嘘をついてしまう
33.アダルトチルドレンが承認欲求をなくす方法
34.仕事で手を抜けない
35.自己肯定感を高めたい
36.親と同じことをしてしまった
37.なぜ焦ってしまうのか?
38.不登校が許されなかった人
39.今の仕事が向いていないと思うなら
40.勇敢であるということ
41.人間関係がうまくいかない
42.孤独を磨き上げる
43.努力しても嫌われつづける人
44.いつも自分ばかり残業している
45.快楽と上手につき合おう
46.自分のなかに基準がない
47.面倒くさがりをなおしたい
48.自分に合った働き方を見つけたい
49.他人に興味がもてない
50.自分に興味がもてない
51.人の顔色をうかがう原因とその対処法
52.私は変われるでしょうか?
53.どこに行っても同じだぞ!
54.自分がわからない
55.やる前から「無理」「できない」とあきらめてしまう
56.職場の人間関係がつらい
57.自分で自分をしばりつけてしまう人
58.不自由を感じてしまう原因
59.口が悪くて孤立してしまう
60.親のせいにするのは自分の甘えなのか?
61.嫌味ったらしい言い方をしてしまう
62.明るく楽しく振るまえなくなった
63.家庭環境のせいにし過ぎと言われてしまう
64.すべてを受け入れてもらいたい
65.親への憎しみが消えない
66.自分の受け入れ方
67.一人暮らしを必死になって止める母親
68.ひどい親に育てられた
69.アダルトチルドレンが子供のしつけに迷うとき
70.ささいなことを根にもってしまう
71.なにをすればいいのかわからない…
72.無駄にプライドが高い自分がイヤになる
73.あなたのペースを乱す人への具体的な対処法
74.あなたが無理しすぎてしまう本当の理由
75.なぜあなたは努力しても報われないのか?
76.幸せを追いかけてるのに苦しいのはなぜ?
77.自分に優しくしたい、でもできない・・・
78.アダルトチルドレンがくり返し絶望におちいるパターンとは?
 


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