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更新日:2020年7月30日

親と同じことをしてしまった

 

アダルトチルドレンを本気で克服する方法第36回 親と同じことをしてしまった

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アダルトチルドレンを「本気」で克服する方法

 

第36回
親と同じことをしてしまった

 

┃幸せな家庭を築きたいと願ったはずなのに・・・

 
ご自身がアダルトチルドレンであると自覚している方から、よく受けるご相談があります。
 
それは子育て、とくに子供との接し方についてのお悩みです。
 
たとえば、
 
「ヒステリックになり、子供を怒鳴りつけてしまう」
 
「無神経なことを言って、子供の気もちを傷つけてしまう」
 
「嫌味ったらしい言い方で、子供をネチネチ責めてしまう」
 
「いけないとわかっていながら、つい手が出てしまう」
 
「気にいらないことがあると、ギロッとにらみつけてしまう」
 
また、すでに親離れしたお子さんのことで、次のようなご相談をお受けすることも多くあります。
 
「私と同じように、子供も人間関係がうまくいっていないらしい」
 
「子供が、人の顔色ばかりうかがうようになってしまった」
 
それらの原因が、親の自分にあると思う。
 
子供にしてしまったことを考えると、身を引き裂かれるような思いがする。
 
あれほど、愛情たっぷりで笑顔の絶えない幸せな家庭をつくりたいと願い、誓ったはずなのに。
 
結局、親と同じことをしてしまった。
 
自分も、あのひどい親と同じじゃないか…。
 
そんな風に、心を痛めている親御さんが、本当に多くいらっしゃるのです。
 
 

┃アダルトチルドレンの子育てがうまくいかない原因

 
そこで、なんとかお子さんをフォローしたいと、
 
「なにをしてあげたらいいでしょうか」
 
と私にご相談をくださるわけですね。
 
私も子をもつ同じ親として、本当にその切実な気もちが痛いほどよくわかります。
 
そのようなご相談に対して、たいていの場合私は、次のようにお答えします。
 
「なにもしないで見守ってあげてください」と。
 
なぜなら、アダルトチルドレンの子育てには、じつはある一つのパターンがあるからです。
 
それは、自分自身が親に「してもらえなかったこと」を、子供に「してあげよう」として失敗してしまうというケースです。
 
たとえば・・・、
 
褒めてもらいたかった。
 
笑顔で接して欲しかった。
 
やさしく叱って欲しかった。
 
明るく受け流してもらいたかった。
 
ちゃんと謝ってもらいたかった。
 
愛してると言ってもらいたかった。
 
だから、それを自分の子供に、積極的に「してあげよう」とするのです。
 
しかし、本当に残念なことなのですが、その多くは失敗してしまいます。
 
それはいったい、なぜでしょうか?
 
もちろん、たくさんの理由が考えられますよね。
 
でも主な理由は、アダルトチルドレン特有の「三つ原因」があるからなんです。
 
一つは、自分のメンタルケアに精一杯で心の余裕がないということ。
 
二つ目は、子供が自分をどう思っているか気になって仕方がないということ。
 
そして三つ目が、もっともやっかいなもの。
 
それは、じっさいに自分が「してもらった経験がない」とうことです。
 
そのために、「してあげよう」としても、どうしてもうまくいかない。
 
不自然な接し方になってしまったり、加減がわからず過干渉になってしまうケースが多いのです。
 
たとえば、子供の都合や年齢を考えず、友達みたいな粘着質な接し方をしてしまう。
 
そして「うれしかった?」と、自分がうまく接することができたか確認してしまう。
 
やさしく叱ってあげていたら、子供がつけあがってしまい我慢できなくなる。
 
そのため、いきなりヒステリーを起こして怒鳴りつけ、台なしにしてしまう。
 
それを謝るときも、子供の話を聴いてあげているつもりが、ヒステリーを起こした自分を子供がどう思っているか気になって仕方なくなる。
 
結局、なぜヒステリーを起こしたのかをクドクドと説明し、自分を正当化してしまうこともあるのです。
 
 

┃アダルトチルドレンの子育てのコツとは?

 
また、アダルトチルドレンと自覚されている親御さんは、子育てへのこだわりが強くなりすぎる傾向があります。
 
ご自分が苦労してきたから当然のことですよね。
 
こうしてあげよう、ああしてあげたいという思いがとても強い。
 
そのために、パートナーの子育てがとても「適当」に見えてしまう。
 
そして、子育ての方針で食いちがい、パートナーとの関係が悪くなり、子供に悪影響が出てしまう場合もよく見られます。
 
このような状況のなかでは、子供はやがて親の顔色を見て、親同士がもめないように気をつかうようになるでしょう。
 
そして、親御さんと同じ「不自然で過干渉な振るまい」を受け継いで、外の世界で人間関係に苦しむことになってしまうこともあるのです。
 
だから、アダルトチルドレンによる子育てに重要なのは「してあげる」ことより「しない」ことです。
 
自分が親にしてもらえなかったことを「してあげよう」とするよりも、親と同じことを「しない」ことに力を注いだほうが賢明だと言えるでしょう。
 
たとえば、子供のもっているオモチャを無言で黙って取り上げない。
 
忙しいのに無理をしてまで勉強を見てあげない。
 
常に時間どおりに行動させようとしない。
 
思春期の子供にむやみに話しかけない。
 
なぜ無視するのかと問い詰めない。
 
「しない子育て」、つまり「引き算の子育て」です。
 
やさしく叱ろうとか、常に笑顔で話を聴いてあげようと無理をすると、異常にストレスがたまり、ついカッとなる瞬間も増えてしまいます。
 
アダルトチルドレンによる子育ては、腰が引けているくらいでちょうどいいのです。
 
それが、アダルトチルドレンによる子育てのコツ。
 
アダルトチルドレンと自覚している私も、いつもそれを心がけて子育てをしています。
 

 
もちろんこれは、親の責任を放棄することとはまったく違います。
 
お子さんがなにか危機的な状況になっているのなら、SOSをしっかりと受信し、全力で助け守ってあげるべきです。
 
必要に応じて専門の機関に相談することも重要です。
 
お子さんが許可してくれるのであれば、親子相談専門のカウンセリングに一緒に通うこともいいでしょう。
 
自分の力を過信せず、利害関係のない信頼できる「第三者」を入れて、しっかりていねいに対応してあげることも大切です。
 
しかしそれ以外の場合は、自分の親と同じことを「しない」ことに意識を向けて、見守ることがお子さんのためになるはずです。
 
 

┃「しない子育て」がアダルトチルドレンにとって大切な理由

 
もしあなたが「親と同じことをしてしまった」とお悩みなら。
 
ぜひ「しない子育て」という選択肢をもっていただきたいと思います。
 
そして「してあげる子育て」へのこだわりを、いったん横に置いておくことをオススメします。
 
それが、お子さんはもちろんのこと、あなたご自身をいたわることにもなるはずです。
 
でも、真面目なあなたは、「しない子育て」なんて「逃げている」「甘えている」と感じてしまうかもしれません。
 
そんなときは、次のことを思い出してみてください。
 
やさしく叱ってあげるとか、おおらかに笑顔で受け流してあげるとか、子供の言いぶんを一言もはさまずに穏やかに聞いてあげるといったことを、自分自身が親からしてもらった経験がない、ということを。
 
つまり、見たこともない。
 
見たとしても、ドラマの世界や、よその親がやっているのをたまに見たていどなのではないでしょうか。
 
それをいきなり、ぶっつけ本番で成功させるなんて、誰だってできやしないのです。
 
しかも、自分も子供も、怒りや不満という激しい感情にまみれた状態のなかでなんて、できない方が自然なのです。
 
本当に残念なことですが、あなたは「愛情たっぷりの親の振るまい」を親から受け継がされてこなかった・・・。
 
それはあなたの責任ではありません。
 
あなたはなにも悪くない。
 
しかし、そのことをしっかりと自覚せずに、「愛情たっぷりの親の振るまい」を「してあげる」ことにこだわりつづけるのだとしたら・・・。
 
それはあなたの責任かもしれません。
 
私たちアダルトチルドレンにとって、「愛情たっぷりの親の振るまい」は、そうかんたんには実現できない超高等技術なのです。
 
あなたの「お子さんを守りたい」という思いを大切にするため、あえて心を鬼にしてお伝えしたいと思います。
 
私たちアダルトチルドレンが親から受け継がされてしまったのは、たいへん残念なことですが、ヒステリックに怒ったり、無視したり、嫌味を言ったり、茶化したり、ギロっとにらんだり、責めるような口調で話したり、さげすむような目で見たり、自分の非を認めずに一方的に子供に責任を押しつけたり、ときにはひっぱたいてでも言うことをきかせようとする、自分の親の「幼稚でエゴ丸出しな振るまい」です。
 
そんな私たちにとって、「愛情たっぷりの親の振るまい」という超高等技術は、見よう見まねではできないのです・・・。
 
だから、自分の親と同じことを「しない」だけでいい。
 
それだけでいい。
 
いえ、じつは親と同じことを「しない」だけでも超高等技術。
 
親と同じことを「しない」でいられたら、それだけでもう本当に大成功なのです。
 
だって、本当にひどい育てられ方をしてきたのですから。
 
本当に苦しい思いをしてきたのですから。
 
そのあなたが、お子のさんのことを真剣に思い、なんとかしてあげたいと悩み、ネットを検索し、このコラムを熱心に読んでおられる・・・。
 
それだけで、もう本当に、ありえないほどの「偉業」なのです。
 
ものすごいことを達成しているのです。
 
そのことだけは、忘れないでください。
 
あなたにとって「しない」子育ては、「逃げ」や「甘え」ではありません。
 
十分過ぎるほどの「チャレンジ」なのです。
 
Brain with Soul代表
生きづらさ専門カウンセラー
しのぶ かつのり(信夫克紀)
 

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我が子へのマナー - アダルトチルドレンの子育てでもっとも大切なこと
「してあげた」という親心
 

 

 

アダルトチルドレンを「本気」で克服する方法 <目次>

1.アダルトチルドレンを「本気」で克服する方法
2.なぜ克服したはずの問題をくり返してしまうのか?
3.今までのアダルトチルドレン克服法が取りこぼしてきた盲点とは?
4.扁桃体が敏感だと自覚する
5.「あなたは強い」という事実
6.親を捨てる
7.アダルトチルドレン克服に欠かせない必要なこと
8.恩着せがましい親
9.一生懸命育てたのに!
10.あなたは本当に親不孝者なのか?
11.親にすべてをブチまけようと思う
12.親が子育ての非を認められない理由
13.親への仕返しが止められない
14.アダルトチルドレン克服の優先順位
15.親との対決に必要な覚悟
16.好きなこと、やりたいことがわからない
17.誰もわかってくれない
18.燃え尽き症候群をくり返してしまう
19.親子関係を良好にしたい
20.「してあげた」という親心
21.リラックスできない
22.体を整える
23.つき合う人を変える
24.ナイーブさを捨てる
25.人に批判されるのが怖い
26.自尊心が低い
27.アダルトチルドレンの「克服」とは?
28.感情をうまく表現できない
29.鬼のような親
30.人からの評価が気になる
31.自信よりも必要なもの
32.嘘をついてしまう
33.承認欲求が強い
34.仕事で手を抜けない
35.自己肯定感を高めたい
36.親と同じことをしてしまった
37.なぜ焦ってしまうのか?
38.不登校が許されなかった人
39.今の仕事が向いていない
40.勇敢であるということ
41.人間関係がうまくいかない
42.孤独を磨き上げる
43.努力しても嫌われつづける人
44.いつも自分ばかり残業している
45.快楽と上手につき合おう
46.自分のなかに基準がない
47.面倒くさがりをなおしたい
48.自分に合った働き方を見つけたい
49.他人に興味がもてない
50.自分に興味がもてない
51.人の顔色をうかがってしまう
52.私は変われるでしょうか?
53.どこに行っても同じだぞ!
54.自分がわからない
55.やる前から「無理」「できない」とあきらめてしまう
56.職場の人間関係がつらい
57.自分で自分をしばりつけてしまう人
58.不自由を感じてしまう原因
59.口が悪くて孤立してしまう
60.親のせいにするのは自分の甘えなのか?
61.嫌味ったらしい言い方をしてしまう
62.明るく楽しく振るまえなくなった
63.家庭環境のせいにし過ぎと言われてしまう
64.すべてを受け入れてもらいたい
65.親への憎しみが消えない
66.自分の受け入れ方
67.一人暮らしを必死になって止める母親
68.ひどい親に育てられた
69.アダルトチルドレンが子供のしつけに迷うとき
70.ささいなことを根にもってしまう
71.なにをすればいいのかわからない…
72.無駄にプライドが高い自分がイヤになる
 


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