孤独を磨き上げる

 

アダルトチルドレンを本気で克服する方法第42回 孤独を磨き上げる

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アダルトチルドレンを「本気」で克服する方法

 

第42回
孤独を磨き上げる

 
日本人は一般的に、「孤独」を嫌いますよね。
 
「あの人は孤独だ」という言葉のなかに、ポジティブなイメージが含まれていることはあまりありません。
 
「孤独」は、社会で生きるために必要ななにかが欠落した状態。
 
また、やむをえず追い込まれてしまうネガティブな状態だと考えられているわけです。
 
アダルトチルドレンは、深い「孤独」を感じています。
 
そして世間のイメージのとおりに、そんな自分を卑下している。
 
誰にも気にとめてもらえない自分を、さみしくみじめな存在だと思っている。
 
カウンセリングの現場でお話をうかがっていると、そんな切ない思いを強く感じます。
 
だから、アダルトチルドレンだと自覚されている方は、「孤独」から脱け出すために、なんとかして人づきあいが上手にできる自分になろうと考えます。
 
そこまでは思わなくても、自然な世間話をかわしたり、気軽なつき合いができるようになりたいと思う。
 
そうして「普通の人たち」の仲間に加わりたいと思う人がとても多いのです。
 
たしかに、さみしさやみじめさを感じる人生なんて苦しいだけ。
 
その元凶である「孤独」から脱け出したいと思うのは、当然のことですよね。
 
しかも周囲では、バレンタインやら夏休みやらクリスマスやらで、ことあるごとにわきあいあいと大騒ぎ。
 
テレビをつけても、その様子がこれでもかと映し出されます。
 
そのなかで平気でいろと言う方が無理だと言えるでしょう。
 
しかし、私はあえて言いたい。
 
「孤独」を磨き上げろ、と。
 
もしあなたがアダルトチルドレンだと自覚していて、「孤独」を感じておられるのなら。
 
その「孤独」をみずから磨き上げていけば、そこに新たな人生の価値観が現れる。
 
そうあなたにお伝えしたいのです。
 
あなたは今、「孤独」に耐えられず、なんとか自分の「欠点」を克服して人づきあいをしようとしているかもしれない。
 
そして、周囲の人とうまくつき合えるようになって、自然な関係を結びたいと考えているかもしれない。
 
じっさいに、長いあいだそれに取り組みつづけてきて、ついに力尽き、このコラムを読んでくださっているのかもしれません。
 
気軽に明るく楽しく会話したい。
 
自分の感情を上手に表現できるようになりたい。
 
敏感な心を抑えて、相手の嫌味も受け流せるようになりたい…。
 
もちろん、そのような社会的スキルを身につけることはとても大切でしょう。
 
でもあなたには、それを自然と身につけられる家庭環境が用意されてはいなかった。
 
それどころか、長年にわたり真逆の感性を植えつけられてしまった。
 
そのあなたが、本格的に社会的スキルを磨き上げて、いつでもどこでも実践できるようにするためには、すさまじい努力が必要になるはずです。
 
ましてやそれを「自然」にこなせるようになり、「自然」な人間関係の輪に加わりたいと願うなら…。
 
いうなればそれは、あなたが小学校、中学校、高校、大学と長年にわたり本格的に「書道」に取り組んできたのに、卒業と同時に「プロサッカー選手」を目指そうとするようなものだと言えるでしょう。
 
まさに、人生を賭けた一大事業となるはずです。
 
人間関係の輪に加わることは、それほどの価値があることなのでしょうか?
 
だってあなたは、子供のころから「サッカー」をしていて、いつもつらかった。
 
苦しかった。
 
にもかかわらず、なぜ「プロサッカー選手」を目指すのでしょうか?
 
たしかに、周囲のみんなは「サッカー」を自然にこなしていた。
 
自然にボールを蹴って、自然に走っていた。
 
そして、自分より確実にうまかった。
 
だから、それにあこがれるかもしれない。
 
でも「苦手」なことにいつまでも執着し、その達人になるための努力をしているほど無駄なことはありません。
 
あなたは「サッカー」が「苦手」で、「書道」が「得意」なのです。
 
つまり、「孤独」が「得意」なのです。
 
であれば、得意分野を磨いた方がいい。
 
得意なものを伸ばしていった方がいい。
 
あなたはずっと「孤独」に生きてきた。
 
「孤独」のなかで生きる術をマスターしてきた。
 
「孤独」の達人なのです。
 
思い起こしてください。
 
「孤独」でいたからといって、いいことが一つもなかったわけではないはずです。
 
なんなら、人生のなかで心からの充実を感じていたシーンを思い浮かべると、「孤独」な場面が思い出されるのではないでしょうか?
 
本や映画の世界に引き込まれ、マンガやアニメにのめり込み、絵画や音楽や自然の景色に魅了される…。
 
誰かと大騒ぎしていたときよりも、一人たたずんでいる時間がなによりも充実していたのではないでしょうか?
 
あなたは本当は「孤独」を欲しているのかもしれない。
 
人並みという幻想」や「社会の常識」に惑わされて、それを見失っているだけかもしれません。
 
私のもっとも尊敬する心理臨床家、諸富祥彦氏は「孤独であるためのレッスン」(日本放送出版協会刊)のなかで、実存心理学者ムスターカスの言葉を借りてこう述べています。
 
「孤独」と「ひとり」は違う、と。
 
「ひとり」は、さみしいしみじめかもしれない。
 
しかし「孤独」は、もっとで壮絶で雄々しい体験。
 
容赦のない断絶により、世界と自分が激しくうねり重なり合って、「新たな自己」を生み出すような強烈な体験なのです。
 
「孤独」を磨き上げていけば、そこにあなたにしか感じ取れない独自の世界が待っている。
 
「孤独」であることを受け入れた人にしかたどり着けない、途方もない「実存の充実」があるのです。
 
本当は、誰もが「孤独」です。
 
ただみんなそれに気づいていないだけ。
 
気づいていても、目をそらしているだけです。
 
そしてあなたは、生きづらさを感じているがゆえに、その「孤独」に気づいているだけ。
 
アダルトチルドレンだからこそ、「孤独」と真正面から向き合っているだけなのです。
 
ならば目をそらさず、あえてそれを受け入れて、磨き上げていく。
 
その先には、さみしさやみじめさなんて入るすきもない、中身がギュウギュウに詰まった、
 
「濃密な人生」
 
があなたを待っているのです。
 
Brain with Soul代表
生きづらさ専門カウンセラー
しのぶ かつのり(信夫克紀)
 


アダルトチルドレンを「本気」で克服する方法 <目次>

1.アダルトチルドレンを「本気」で克服する方法
2.なぜ克服したはずの問題をくり返してしまうのか?
3.今までのアダルトチルドレン克服法が取りこぼしてきた盲点とは?
4.扁桃体が敏感だと自覚する
5.「あなたは強い」という事実
6.親を捨てる
7.アダルトチルドレン克服に欠かせない必要なこと
8.恩着せがましい親
9.一生懸命育てたのに!
10.あなたは本当に親不孝者なのか?
11.親にすべてをブチまけようと思う
12.親が子育ての非を認められない理由
13.親への仕返しが止められない
14.アダルトチルドレン克服の優先順位
15.親との対決に必要な覚悟
16.好きなこと、やりたいことがわからない
17.誰もわかってくれない
18.燃え尽き症候群をくり返してしまう
19.親子関係を良好にしたい
20.「してあげた」という親心
21.リラックスできない
22.体を整える
23.つき合う人を変える
24.ナイーブさを捨てる
25.人に批判されるのが怖い
26.自尊心が低い
27.アダルトチルドレンの「克服」とは?
28.感情をうまく表現できない
29.鬼のような親
30.人からの評価が気になる
31.自信よりも必要なもの
32.嘘をついてしまう
33.承認欲求が強い
34.仕事で手を抜けない
35.自己肯定感を高めたい
36.親と同じことをしてしまった
37.なぜ焦ってしまうのか?
38.不登校が許されなかった人
39.今の仕事が向いていない
40.勇敢であるということ
41.人間関係がうまくいかない
42.孤独を磨き上げる
43.努力しても嫌われつづける人
44.いつも自分ばかり残業している
45.快楽と上手につき合おう
46.自分のなかに基準がない
47.面倒くさがりをなおしたい
48.自分に合った働き方を見つけたい
49.他人に興味がもてない
50.自分に興味がもてない
51.人の顔色をうかがってしまう
52.私は変われるでしょうか?
53.どこに行っても同じだぞ!
54.自分がわからない


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