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人の顔色をうかがう原因とその対処法

 

アダルトチルドレンを本気で克服する方法第51回「人の顔色をうかがってしまう」

LinkIcon目次はコチラ 
 

アダルトチルドレンを「本気」で克服する方法

 

第51回
人の顔色をうかがう原因とその対処法

 

┃人の顔色をうかがうようになる原因とは?

 
人の顔色をうかがってしまい、自由にふるまえない。
 
生きづらい方から、よくうかがうご相談です。
 
とてもつらいですよね。
 
ではなぜ、つらいにもかかわらず、人の顔色をうかがってしまうのでしょうか?
 
その大きな原因の一つとして、私は「脳の扁桃体が敏感である」ということが関係していると考えています。
 
脳の扁桃体のイラスト

 
脳の扁桃体は、相手の「表情」に瞬時に反応することがわかっています。
 
そのようにして素早く私たちに「危険」を知らせる役割をもっていると考えられているのです。
 
まさに、人体のなかにある「人の顔色をうかがう機能」だと言えるでしょう。
 
それが生まれつき敏感であれば、人の顔色をうかがってしまうのは当然のことだと言えるかもしれません。
 
また、扁桃体の敏感度は、幼少期に受けた強いストレスに関係しているとも考えられています。
 
つまり、幼い頃の体験が、人の顔色をうかがいやすくしてしまうということが言えるでしょう。
 
過去を取り戻すことはできませんから、この原因に対処することは容易にできない。
 
そのことが、人の顔色をうかがうという悩みの解決を難しくしています。
 
参照記事
生きづらい原因は脳の扁桃体?
人の表情と扁桃体の関係について詳しく解説しています。

 
 

┃私が人の顔色をうかがうようになった理由

 
幼稚園で子供たちに向けて叫ぶ女性の写真

 
そんな私自身、人の顔色を猛烈にうかがってしまいます。
 
私には、こんな古い記憶があります。
 
幼稚園の頃のできごとです。
 
教室のなか、子供たちが輪になって座っていました。
 
中心には、担任教師の女性「O先生」がいます。
 
そして、こんなことを話しているのです。
 
「どうしてあなたたち私の言うこと聞かないの?」
 
「そんなに私の言うこと聞きたくないなら、他の先生のところに行ってもいいのよ?」
 
「ほら、誰のところに行きたいの?」
 
「言いなさい。早く言いなさいよ。」
 
言葉、そして表情に静かに怒りのオーラを発しながら、O先生は子供たちに向かって質問しました。
 
私は、黙りこくり、緊張しながら座っていました。
 
しかし!
 
同級生たちは無邪気に笑顔でいっせいにその質問に答えたのです!
 
「K先生がいい!」
 
「M先生のところ~!」
 
「S先生が好き~!」
 
私は驚き、青ざめながらその同級生たちを見まわしました。
 
<おい!そんなこと言ったらとんでもないことになるぞ!>
 
と。
 
次の瞬間。
 
O先生は、
 
「そんなに行きたいなら他の先生のところ行きなさいよ!早く行きなさいよ!ほら早く行きなさいよ!ほら行きなさい!行きなさいよぉぉぉぉぉぉっ!!!!!!!」
 
とヒステリックに絶叫しました。
 
子供たちはみな泣き出し、私は黙りこくったままその光景を眺めていました。
 
ほとんどの同級生は、こんなふうに質問をしてきて、ヒステリーを起こし、絶叫する大人を見たことがなかったのでしょう。
 
だから無邪気に答えたのでしょう。
 
でも・・・。
 
その無邪気な反応にこそ私は驚愕しました。
 
反対に、O先生の反応にはまったく驚きませんでした。
 
なぜなら、先生の反応は、私の母親そっくりだったからです。
 
質問の仕方も、怒るタイミングも、ヒステリーの起こし方も。
 
O先生は、食べるのが遅いからと地下の食堂に子供を一人残し、電気を消して真っ暗にして出ていってしまうことがありました。
 
また、オナラをした子供を「エンガチョ~!」と言って「〇〇君オナラしたよ~!」と教室中に言い放つような人でした。
 
ありえないですよね。
 
でも、当時の社会はのん気なもので、そんな人でも、なんのおとがめもなく幼稚園の先生をしていました。
 
私は、母親の次に毎日身近に接した大人の女性が、O先生でした。
 
だから、「大人の女性」とはこのようなものなのだと間違って思い込んで成長していったような気がします。
 
この記憶から思うのは、私は幼稚園児のときに、すでに人の細かい顔色を読み取っていたんだなという事実です。
 
周囲の同級生がなんの危険も感じていなかったときに、私は危険を察知して緊張していた。
 
そしてこのような体験は、アダルトチルドレンと自覚している方であれば、たいていの人がもっているエピソードなのではないでしょうか。
 
もしかするとあの教室のなかには、私と同じようにO先生が静かに質問をはじめたとき、すでに凍りついていた同級生がいたのかもしれません。
 
その同級生も、4歳にして人の顔色をうかがっていたのであれば、きっとその後の人間関係で苦労しつづけたことでしょう。
 
ただ、私はこの性質を身につけたおかげで、生きづらさ専門カウンセラーになれたと思っています。
 
相手の心の動きや、それが表情や態度に現れるのを敏感に察知できることが、生きづらさ専門カウンセリングに大いに生かされていることを、日々実感しています。
 
 

┃人の顔色をうかがうことを恥じる必要はない

 
オフィスで迷彩服を着て立つ女性の写真

 
ここで強くお伝えしたいことがあります。
 
それは、人の顔色をうかがうことを恥じる必要はないということです。
 
なぜなら、人の顔色をうかがうことは、アダルトチルドレンにとって必要な「サバイバル術」だからです。
 
よく混同されがちですが、「人の顔色をうかがう」というのは、「人の目を気にしてしまう」ということとは別のことです。
 
「人の目を気にしてしまう」のは、自分がどう思われているか気になるということ。
 
他人の目をとおして自分に興味が向きすぎている状態ですよね。
 
参照記事
他人の目が気になる人へ
人の目を気にする悩みへの対処の仕方を解説しています

 
一方、「人の顔色をうかがう」というのは、危険を未然に防ごうとしている「防衛反応」。
 
周囲のすべての人をとりあえず「敵」とみなし、「攻撃」されやしないかと見極めようとしている状態です。
 
カウンセリングでお話をうかがっていても、アダルトチルドレンと自覚している方には、このような「防衛反応」が身についている方が多くおられます。
 
だからこそ、アダルトチルドレンの克服法でよく目にするような、
 
「周囲がすべて敵ではない」
 
「あなたはそこまで危険ではない」
 
「あなたは安全な世界で生きている」
 
という視点を身につけようとする方も多いです。
 
たしかにこのような視点をもつことで、人の顔色をうかがわなくなれる人もいるでしょう。
 
じっさい、あらゆるすべての人が一人残らず自分を「攻撃」してくるという状況は、大人になってからはあまりないはずです。
 
しかし、なにを「攻撃」だと感じるかは、扁桃体の敏感さによっても左右されます。
 
頭でいくら「危険ではない」と言い聞かせても、自動的に「攻撃」だと感じてしまうできごとはたくさんある。
 
そのため、「危険ではない」「攻撃されていない」という考え方を、すべての人が受け入れられないことも事実なんです。
 
たとえば、とがったものに恐怖を感じる人であれば、シャーペンを向けられただけでも「攻撃」になってしまいます。
 
同じように、アダルトチルドレンであれば、自分の親に似ている人から話しかけられただけでも「攻撃」になってしまうことがあるのです。
 
つまり、「味方」だと思っていた人からだって、容易に「攻撃」されてしまう。
 
それはことのほかつらいことですが、なかなか理解してはもらえません。
 
周囲は、それを「甘え」と呼ぶからです。
 
まともに話を聴いてはもらえない。
 
結局、人の顔色をうかがことで「防衛」するしかなくなるのです。
 
そうなんです。
 
人の顔色をうかがうというのは、アダルトチルドレンにとってのサバイバル術なんです。
 
別に恥ずかしいことでもなんでもありません。
 
アダルトチルドレンにとって、この世界はそれだけ「危険」に満ちているのです。
 
その事実を、ぜひ知っておいてください。
 
 

┃人の顔色をうかがってしまう悩みの現実的な対処法

 
オフィス街で余裕の表情で微笑んで立つ女性の写真

 
人の顔色をうかがってしまう自分を恥ずかしがる必要はありません。
 
とはいえ、人の顔色をうかがうのはつらいことですよね。
 
どう対処すればいいのでしょうか?
 
それは、あなたにとってほとんどの人が「どうでもいい人」だと強く自覚すること。
 
そのためにあえて、周囲の人を、あなたにとって「敵」か「味方」かに分けようとしてみるのです。
 
これは、「敵と味方をはっきり分けよう!」という意味ではありません。
 
では、どういうことでしょうか?
 
完全な「安全」など、この世界に存在しませんよね。
 
世界には、いつでもなにかしらの「危険」があります。
 
とりあえずの「安全」しかないのです。
 
しかし、ほとんどの人は、あなたに「危険」も「安全」ももたらさない「どうでもいい人」ではないでしょうか?
 
言いかえれば、あなたにとって「顔色をうかがう必要すらない人」ではないでしょうか?
 
だから、人の顔色をうかがってしまうという悩みから解放されたければ、自分にとっての「敵」と「味方」をあえてハッキリさせようとしてみる。
 
「敵」であれば、顔色をうかがってしまうのもやむをえないでしょう。 
 
「味方」であれば、顔色をうかがう必要はないでしょう。
 
「どうでもいい人」であれば、さらに顔色をうかがう必要はないでしょう。
 
周囲の人をよく見まわしてください。
 
そのなかに、あなたの生活を一瞬で根幹から揺るがすほどの力をもつ「敵」はどれくらいいるでしょうか?
 
つまり、幼稚園児における「O先生」ほどの力をもつ人です。
 
一方、あなたのことを親身に理解しようとし、その身を費やしてまでもあなたに力を貸してくれる人、つまり「味方」はどれほどいるでしょうか?
 
じっくり見てください。
 
ながめてください。
 
そして、本気で見極めてみてください。
 
そのときあなたは気がつくはずです。
 
周囲にいるほとんどの人は「敵」でも「味方」でもない。
 
顔色をうかがう価値もない。
 
あなたにとって、
 
「どうでもいい人」
 
なのだと。
 
 

┃人の顔色をうかがうことの「メリット」とは?

 
ここで、人の顔色をうかがうことのメリットを見ていきましょう。
 
「人の顔色をうかがうことにメリットなんてあるの?」と驚かれるかもしれません。
 
もちろん、あります。
 
そこにしっかり焦点を当てることで、人の顔色をうかがうという特性を受け容れるきっかにもなります。
 
あなたもぜひこの機会に、人の顔色をうかがうことのメリットを知ってください。
 
 
1.コミュニケーションの場を円滑にできる
人の顔色をうかがうというのは、人の表情から気もちを察することができるということです。
 
顔色をうかがえない人ばかりであったら、コミュニケーションは殺伐としてものになってしまうでしょう。
 
人の顔色をうかがう人は、コミュニケーションの潤滑油となっているのです。
 
 
2.人の痛みに寄り添うことができる
人は、さまざまな感情を抱えています。
 
たとえ痛みを抱えていても表に出さないこともあります。
 
人の顔色をうかがう人は、そのような気もちをいち早く察知して、その痛みに寄り添うことができます。
 
 
3.マネージャーシップを発揮できる
リーダーは、人の顔色など気にせず状況を突破することも求められます。
 
しかし、マネージャー(管理者)は、部下の気もちや要望を察しながら、チームの中を調整することが求められます。
 
人の顔色をうかがう能力は、チームを繊細にまとめていくために必要な能力です。
 
 
4.お客さんのニーズを的確にとらえられる
ビジネスにおいても、相手の気もちを察することはとても重要です。
 
たとえば、商談の相手がどんな表情をしているか、お客さんがどんな感情を抱えているか。
 
それを察知して、その不安を解消するためにアプローチできるのは、人の顔色をうかがう人ならではのメリットです。
 
 
5.信頼感が増す
人の顔色をうかがう人は、注意深く人の話を聴くことができます。
 
顔色に合わせて、うかつな発言をしないようにケアすることもできます。
 
人の顔色をうかがう能力は、まるでカウンセラーのような信頼感を得られる能力でもあるのです。
 
 
いかがでしょうか。
 
人の顔色をうかがうからこそ、慎重にコミュニケーションし、信頼感を得られ、仕事にも活かされる。
 
もちろん本人は、そんなこと言ってられないほど疲れてしんどいのですが(苦笑)、決してデメリットばかりではないという「事実」。
 
無理やりポジティブにとらえなおそうとするわけではなく、そのような「事実」があるのだということ。
 
あなたに伝わったらうれしいです。
 
 

┃人の顔色をうかがう「デメリット」もちゃんと見る!

 
もちろん、理想論ばかりは言っていられません。
 
人の顔色をうかがうというのは、とてつもなくしんどい特性であるのはたしかです。
 
ですのでここで冷静に、人の顔色をうかがうことのデメリットも見ておきましょう。
 
 
1.とにかく疲れる、本当に疲れる
人の顔色をうかがうことは、もう本当に疲れます。
 
少し人と話すだけで、どっと疲れます。
 
ましてや会社や学校といった集団のなかにいたら、ひたすら顔色をうかがいつづけて疲れ果ててしまいます。
 
 
2.誤解が偏見が生じる可能性がある
相手の顔色から感情を判断すると、自分の認識と相手の感情が異なる場合がありますよね。
 
例えば、相手が無表情な場合に「無関心だ」と判断することがあるかもしれませんが、じっさいにはその人が緊張しているだけかもしれません。
 
そのため、相手とのあいだに誤解や偏見を招くことがあります。
 
 
3.ストレスを感じさせることがある
相手が、自分の顔色を注意深く観察されることで、不快感を感じることがあります。
 
また、顔色をうかがった発言ばかりされることに嫌気がさしたり、見下されて、軽くあつかわれるきっかけにもなります。
 
 
4.自分の軸がなくなっていまう
人の顔色ばかりうかがっていると、それを基準に行動や発言することになり、自分の軸がなくなってしまうことがあります。
 
自分のことを自分で決められなくなると、いつもまわりの意見や空気で動くことになり、自分を抑圧した苦しい人生を送ることにつながります。
 
 
以上、もちろんまだありますが、これらのデメリットだけでも、とてもしんどいですよね。
 
人の顔色をうかがってしまうという悩みを抱える人が、いかに毎日頑張っているのか。
 
痛切に感じます。
 
本当にたいへんですよね。
 
そんなあなたを少しでも楽にできるよう、このコラムのつづきを書かせていただきますね。
 
 

┃人の顔色をうかがわなくなる方法って、他にもあるの?

 
オフィスの中で困った表情を浮かべる女性の写真

 
さて、先ほどは人の顔色をうかがうことへの、現実的で根本的な対処法をご紹介しました。
 
ただ、他にも人の顔色をうかがわなくなる方法があるなら、ぜひ知りたいですよね。
 
そこで、一般的な「人の顔色をうかがわなくなる方法」もいくつか紹介します。
 
アダルトチルドレンに通用するかどうかは・・・。
 
ぜひ、あなたも一緒に判断してみてくださいね。
 
 
1.目を合わせて話す
相手と目を合わせることで、そこに集中することができ、顔色が気にならなくなります。
 
・・・、と言われていますが、そもそも相手の顔色が気になってそこに集中することができないから苦労しているわけですよね(苦笑)
 
アダルトチルドレンだと自覚されている多くのご相談をお受けしている立場からすると、現実的には、ちょっと難しいかなと感じざるをえません。
 
 
2.話しの内容に集中する
相手が話している内容に集中することで、本来の話の目的に意識を向けることができ、顔色をうかがうことがなくなる・・・。
 
もちろん、それで改善する方も多いでしょうし、方法自体はとても理にかなっていて有効な考え方だと思います。
 
ただ、これも先ほどと同じで、それで人の顔色から目がそらせるくらいであれば、はじめから悩んでいないというのが現実ですよね。
 
なかなか難しいところです。
 
 
3.質問をする
相手に質問をしようとすることで、話の内容に集中できます。
 
さらに、じっさいに質問をくり返すことで、互いにどんどん話の内容に入り込んでいくことができ、人の顔色をうかがうヒマがなくなっていきます。
 
この方法は、もっとも効果が高いと私も感じます。
 
じっさい、しっかり取り組むことで効果を感じている人も多いです。
 
しかし、人の顔色をうかがうと本気で悩んでいる人にとっては、質問したあとに、
 
「この質問して大丈夫だったかな?」
 
「質問しすぎて気分を悪くさせなかったかな?」
 
と顔色をうかがってしまうという壁が待っています(苦笑)。
 
これで完全に解決するというのは、やはり難しそうです。
 
 
以上、いかがだったでしょうか。
 
やはり、その場の行動だけで解決するというのは、あまり現実的ではなさそうですね。
 
ですので、「顔色をうかがう必要があるのか」という根本に切り込んでいくことに取り組んでこそ、これらの解決方法が活きてくるのだと思います。
 
 

┃他の人も「人の顔色をうかがってしまう」って悩んでるの?

 
人の顔色をうかがってしまうことに、深く悩んでいるのはあなただけではありません。
 
私が運営する生きづらい人のオンラインコミュニティ「Adic Salon」で、じっさいにアンケートを取りました。
 
たとえば、みなさんこんなときに、人の顔色をうかがってしまうと悩んでいます。
 


 
親や恋人友人など親しい人が不機嫌なときはもちろん、会社で上司や同僚や打ち合わせで話す相手など基本的にいつも
 
(30代、女性)
 


 
誰かといれば常に伺っています。
安心出来る相手がいません。
 
(50代、女性)
 


 
職場で仕事飲み会しているとき。
同僚といるとき。
 
(30代、男性)
 


 
「わたし」が、ことあるごとに特に父の顔色を気にする(というか もう、顔が物理的に、ビーっとそちらに向く)ことに、そしてそのうち彼がそこに居ても居なくても意識を彼に向けている、判断基準が自分ではない、ということに、「ん?これは??」と、違和感を覚え始めたことがありました。小学校のころかな。悩んでいたというより、それが日常でした。
 
(40代、女性)
 


 
母子家庭のため働いていた母はいつも疲れて元気がなかった。
元気になってもらおうと明るく振る舞うクセがつき、いまでも元気のない人を見ると「どうにかしなくちゃ!」と焦ってしまう。
 
(50代、女性)
 


 
1対1や、何かの集まりなどで人と話していて、相手の表情が曇ったときなど。
あとから振り返り、自分が何か言ってしまったかとか、(集まりの場だったら)
自分の発言か、あの人の発言で気を悪くしてしまったのかな、とか考えてしまうことがある。
 
(40代、女性)
 


 
あらゆる場面で、人に嫌われないか、侮られないか、怒られないか、という思いがある。

会社で、自分の分からないことを人に聞くとき忙しそうにしている隣の同僚に聞かなければ進まない作業があると嫌な顔をされたら嫌なので、無理して笑顔で聞く。
  
急にとても簡単なことを年下の同僚に聞かなければならないときにこんなことも知らないのか、という態度をとられるのが怖いせいか自分の表情が硬直し、相手も硬直するのが分かるとき。
 
結婚し、すでに実家とは縁遠くなっているが、実家にいたときは、父親と兄がピリピリ険悪であることがしんどくて、顔色を窺っていた。
 
(50代、女性)
 


 
以前勤めた職場で自分の作業速度が遅かった為に色んな方から助言というクレームを日々受けていました。
どうしたらクレームを言われないか夢か現実か分からない程悩んでいました
 
(40代、女性)
 


 
いかがでしたでしょうか?
 
まさに、この悩みは「場所」も「相手」も選んでくれないという切実さが浮き彫りになるようなご回答でしたね。
 
人の顔色をうかがってしまうという悩みの難しさや、やっかいさがとてもよくわかる結果になったなと感じました。
 
 

┃みんなはどう対処しているの?

 
オフィスの中で疑問の表情を浮かべる女性の写真

 
では、みなさんこの悩みに、どう対処しているのでしょうか?
 
先ほどと同じ方たちからいただいたアンケートのご回答を見ていきましょう。
 

 
正直対処できていないと思います。
ただ10年近く、心理学なりスピリチュアルなり宗教なりを学んだらカウンセリングを受けたりするなかで、ふと気がつくと、昔の自分よりは気にしない自分になっていった。あるいは気にしてしまう自分を許すことを覚えるようになったという感じな気がします。
いずれにせよ、まったく気にしないというのは無理なんだと諦めることも逆に大切に感じています。

 
(30代、女性)
 


 
一人でなるべく過ごす
ペットと過ごす

 
(50代、女性)
 


 
 仕事中にかぐら式呼吸法の実践、休憩を取る。
人の顔色を意識している自分を眺める。(メタ認知をするように努める)
しばらくは収まるが、職場でいるとすぐに扁桃体が敏感に反応してしまうので焼け石に水なことが多々あり。
体調不良により職場から離れるに至ったが、離職という環境を変える行為が一番効果があった
 
(30代、男性)
 


 
転機となったのは、「『ありがとう』を○○回 言う」。
 
理屈ではなくて、とりあえず、やってみると、じぶんの頭が勝手に、「一体、こいつは、何に対してありがたがってるんだ?」というように、目的語(=感謝の対象)を補おう、探し出そうとする機能があることがわかりました。
 
今まで、「父親の顔色・意向」に意識を向けることで、消費していた膨大な脳内容量。
まずは、その 1m㎡が、「感謝の対象を探す」という意識に振り替わる、という脳内事故発生が、図らずもその後の大きな転機の小さな一歩となった、と今はそう思っています。
 
(40代、女性)
 


 
相手のテンションを上げようと必死に話しかけていた。
でも、自分が思うような元気さになってくれない経験をくりかえし、元気がないように見えてもそれがその人の普通だったり体調が悪いなど、他人にも事情があると理解できるようになった。
いまは「どうにかしなくちゃ!」と気持ちが湧き起こっても自分にはどうにもできないと流せるようになった。
頻繁にそういう気持ちが湧く相手とはなるべく距離を取り、自分をモヤモヤさせないようにしている。
 
(50代、女性)
 


 
基本的にはもうそのときは戻ってこないので、数日悩んであとはそのときはそのときで精一杯考えて対応したのだ、と言い聞かせる。それで時と共に少しずつ悩みが落ち着くときもある。

第三者に話を聴いていただき、明らかに相手の問題の場合とわかると、悩みがおさまるときもある。
自分の問題だと次にこう対処しようと考える。
あいまいな場合はもう一度相手と話す機会を作るときもある。ただ、それは自分がただ安心したいだけなのかどうか、と考えることも必要だと最近気づかされた。
 
これは対処といえるかわからないが、自分は相手の問題でも自分が何かしたのかな、と考えがちなところがあるので、境界線を引けるようになりたい。
 
(40代、女性)
 


 
仕事では、どんな場面が自分が臆したり、前に進まなかったりするか、その仕事をリストアップしてみる。
その中に、人に聞かなければいけない仕事があるとき、例えば、まだ時間があるから自分でできるだけ調べて人に聞かずに対処しようとか、今すぐ対処しなくても先延ばしにしても大丈夫だと思うと心にゆとりをもつことができた。少し心のゆとりをもった状態で人に聞くと顔色は窺ってはいるが、悪い結果にならないことが多いように感じる。
 
急な時は、自分の顔が硬直してるから相手も硬直するのだろうと、あきらめている
 
もう、あえて父親や兄には会わない。現在家族は、皆別々に暮らし交流する必要はなく、距離をとり関わらない
 
(50代、女性)
 


 
他の方よりミスを失くす為に仕事の把握を出来る限り行いました。
 
在籍年数が古くなってきていたので何を聞かれても説明出来る様に自分なりの解釈も含め自分に対し完璧を求めました
 
評価は少しずつ良くなりました。「貴女のお陰で仕事が楽!」と言われクレームを言われながら利用されただけでした。
 
なので自分達がどれだけ何もしてこなかったか知って欲しいという怒りの気持ちで職場を辞めました。
 
今は気持ちが枯れ果ててしまい一部記憶も無く働けなくなってしまったので自宅で過ごしています。
 
今は町中で知人に合う時に働けない私がどう見られているか気にしてしまいます。
 
(40代、女性)
 


 
いかがでしょうか、すごく濃いぃ「しのぎ方」が詰まったご回答でしたね。
 
当然ですが「これさえやれば人の顔色をうかがわない人間になれる」という魔法はないというのが、じっさいのところですよね。
 
私も、そう強く感じています。
 
そのなかで、あらゆる手段でメタ思考をして「自分を許す」「あきらめる」「離れる」「距離を取る」「振り替わる」ことで、無理に解決しようとすること自体を手放せた方が多かったですね。
 
まさに「リアルなしのぎ方」ですし、メタ思考を鍛えあげているAdic Salonの会員様らしいと感じました。
 
あなたもぜひ、この貴重な体験談を活かしていただければと思います。
 
 

┃人の顔色をうかがう人同士なら快適にコミュニケーションできる!

 
オフィス街で空を見上げ晴れ晴れとした表情をしている女性の写真

 
アダルトチルドレンだと自覚されている人、生きづらい人には、人の顔色をうかがう人がたくさんおられます。
 
私のオンラインコミュニティ「 Adic Salon」でも、当たり前のように、そのような声が聴かれます。
 
そこで私が実感していることがあります。
 
それは、
 
「人の顔色をうかがう人同士なら快適にコミュニケーションできる」
 
ということです。
 
つまり、人の顔色をうかがうことがしんどいのは、人の顔色をうかがわない人たちのなかにいるからだということ。
 
人の顔色をうかがわない人たちに、無理に合わせてあげようとするから苦しいのだということです。
 
人の顔色をうかがわない人というのは、「人の顔色をうかがえない」のです。
 
だからこちらに合わせることができない。
 
それはこちらも同じで、できないものはできません。
 
にもかかわらず、なぜ一方的にあなたばかりが「人の顔色をうかがわない人たち」に合わせてあげなければいけないのでしょうか?
 
人の顔色をうかがう人同士は、相手に気づかいながら慎重に発言し、自分の感情も慎重に表現します。
 
それを受け取った人も、慎重に相手の人の顔色や言葉づかいをうかがいます。
 
そのような「感性」が近いために、快適にコミュニケーションできるのです。
 
これは、Adic Salonのなかで4年間かけて実証済みです。
 
あなたも、人の顔色をうかがうことに疲れ果てたなら。
 
ぜひ、人の顔色をうかがう人たちとともにすごしてみてください。
 
そこに、今まで感じたことのないコミュニケーションの快適さを感じることができるはずです。
 
 
Brain with Soul代表
生きづらさ専門カウンセラー
しのぶ かつのり
 
もしこの記事があなたのお役に立てたのなら、
ぜひ他の方にも教えてあげてください。
Adic Salon入会受付中!生きづらさをチカラに変える!
 
 

 

アダルトチルドレンを「本気」で克服する方法 <目次>

1.アダルトチルドレンを「本気」で克服する方法
2.なぜ克服したはずの問題をくり返してしまうのか?
3.今までのアダルトチルドレン克服法が取りこぼしてきた盲点とは?
4.扁桃体が敏感だと自覚する
5.「あなたは強い」という事実
6.親を捨てる
7.アダルトチルドレン克服に欠かせない必要なこと
8.恩着せがましい親
9.一生懸命育てたのに!
10.あなたは本当に親不孝者なのか?
11.親にすべてをブチまけようと思う
12.親が子育ての非を認められない理由
13.親への仕返しが止められない
14.アダルトチルドレン克服の優先順位
15.親との対決に必要な覚悟
16.好きなこと、やりたいことがわからない
17.「誰もわかってくれない」を解決する方法
18.燃え尽き症候群をくり返してしまう
19.親との関係を良好にしたい
20.「してあげた」という親心
21.なぜアダルトチルドレンはリラックスできないのか?
22.「体」を整えることがアダルトチルドレンに必要な理由
23.「つき合う人」を変えなければアダルトチルドレンは克服できない
24.ナイーブさを捨てる
25.人に批判されるのが怖い
26.自尊心が低い
27.アダルトチルドレンの「克服」とは?
28.感情をうまく表現できない
29.鬼のような親
30.人からの評価が気になる
31.自信よりも必要なもの
32.嘘をついてしまう
33.アダルトチルドレンが承認欲求をなくす方法
34.仕事で手を抜けない
35.自己肯定感を高めたい
36.親と同じことをしてしまった
37.なぜ焦ってしまうのか?
38.不登校が許されなかった人
39.今の仕事が向いていないと思うなら
40.勇敢であるということ
41.人間関係がうまくいかない
42.孤独を磨き上げる
43.努力しても嫌われつづける人
44.いつも自分ばかり残業している
45.快楽と上手につき合おう
46.自分のなかに基準がない
47.面倒くさがりをなおしたい
48.自分に合った働き方を見つけたい
49.他人に興味がもてない
50.自分に興味がもてない
51.人の顔色をうかがう原因とその対処法
52.私は変われるでしょうか?
53.どこに行っても同じだぞ!
54.自分がわからない
55.やる前から「無理」「できない」とあきらめてしまう
56.職場の人間関係がつらい
57.自分で自分をしばりつけてしまう人
58.不自由を感じてしまう原因
59.口が悪くて孤立してしまう
60.親のせいにするのは自分の甘えなのか?
61.嫌味ったらしい言い方をしてしまう
62.明るく楽しく振るまえなくなった
63.家庭環境のせいにし過ぎと言われてしまう
64.すべてを受け入れてもらいたい
65.親への憎しみが消えない
66.自分の受け入れ方
67.一人暮らしを必死になって止める母親
68.ひどい親に育てられた
69.アダルトチルドレンが子供のしつけに迷うとき
70.ささいなことを根にもってしまう
71.なにをすればいいのかわからない…
72.無駄にプライドが高い自分がイヤになる
73.あなたのペースを乱す人への具体的な対処法
74.あなたが無理しすぎてしまう本当の理由
75.なぜあなたは努力しても報われないのか?
76.幸せを追いかけてるのに苦しいのはなぜ?
77.自分に優しくしたい、でもできない・・・
78.アダルトチルドレンがくり返し絶望におちいるパターンとは?
 


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読むと心が強くなるコラム

「読むだけで生きる勇気が湧いてくる」と大好評をいただいている、しのぶかつのり(信夫克紀)の連載コラムです。
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