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親のせいにするのは自分の甘えなのか?

 

親のせいにするのは自分の甘えなのか?

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アダルトチルドレンを「本気」で克服する方法

 

第60回
親のせいにするのは自分の甘えなのか?

 

┃あなたは本当に「甘えている」のか?

 
アダルトチルドレンだと自覚している人のなかには、親のせいにしてしまうことに罪悪感を覚える人がいます。
 
人生がうまくいかないことを、ただたんに過去のせいにしているだけ。
 
これはただの「甘え」ではないだろうか。
 
そんなふうに、自分を責めてしまうのです。
 
なぜなら、自分の親は「親の役割」をしっかり果たしてくれていたと思うからです。
 
たしかに、子供のころから苦しい思いをしてきたとは思う。
 
いつも、自分の意志より親の意志を尊重して暮らしていた。
 
「忙しい」が口癖で、ほとんど相手にもしてくれなかった。
 
ヒステリーを起されたり、無視されたりもした。
 
夜な夜な愚痴をこぼしてくるので、聴いてあげたりもした。
 
勝手に離婚や再婚をしたり、引っ越しをしたり、そのことについてロクな説明もされなかった…。
 
ただ、「親の役割」はしっかり果たしてくれていたと思う。
 
ご飯はちゃんと用意してくれていたし、家事もそれなりにしてくれていた。
 
なにしろ毎日お金を稼ぐために忙しそうに働いてくれて、学校にも行かせてくれた。
 
だから、今自分が苦しんでいることを親のせいにしてしまうのは、甘えているだけなのではないか?
 
自分だけではなく、周囲の人に相談しても「それは甘えだよ」とピシャリと切り捨てられてしまうことが多い…。
 
あなたも、今まさにそう悩んでおられる真っ最中かもしれません。
 
でも、あなたは本当に「甘えている」だけなのでしょうか?
 
 

┃親の「三つの役割」を知ることが解決の鍵

 
アダルトチルドレンが、親を責めることを「自分の甘え」だと思ってしまう。
 
それは、本来の「親の役割」というものを誤解しているからかもしれません。
 
だからまずは「親の役割」について正確に知ることがたいせつです。
 
私は、親には「三つの役割」があると考えています。
 
一つ目は「経済的な親」という役割です。
 
つまり、お金を稼ぎ、家賃を払ったり、服を買ったり、食べ物を買えるようにして、子供の生活を経済的に成り立たせる役割ですね。
 
二つ目は「行動的な親」という役割です。
 
これは、子供のためにミルクをあげたり、掃除をしたり、夕飯をつくったりする役割。
 
親として子供の世話をする役割ですね。
 
じつは、アダルトチルドレンの親は、この二つの役割をしっかりこなしている場合が多く見受けられます。
 
あなたのご家庭もそうだったかもしれません。
 
だから、親を責めきれない。
 
しかし、肝心なのは三つ目の役割。
 
それは「心理的な親」という役割です。
 
経済的、行動的に子供を支えるだけではなく、しっかりと子供の「心の支え」になること。
 
そして、これこそがもっとも重要な「親の役割」です。
 
経済的な支えや行動的な支えは、あえて極端に言ってしまえば親でなくても子供に与えられるもの。
 
お金と労力がありさえすれば、誰でも提供できるものです。
 
でも、親から子への「心の支え」は、原理的に「親」からしか与えられない貴重なものです。
 
子供にとって「人生の土台」となるものだと言っていいでしょう。
 
にもかかわらず、この「心理的な親」という役割を放棄してしまっている親がいる。
 
「心理的な親」という役割から逃げている親がいる。
 
いえ、そんな役割があることすら気づかない親がいるのです。
 
いったいなぜでしょうか?
 
それは、その家庭のなかで「親子関係の逆転」が起きているからに他なりません。
 
 

┃「親子関係の逆転」に気づこう

 
「親子関係の逆転」とは、心理的な親子の役割が逆転している状態のことです。
 
参考文献:J・ボウルビィ著/黒田実郎他訳/「母子関係の理論 II分離不安」/岩崎学術出版社
 
「心理的な親」の役割をしっかり果たしている家庭では、子供の意志を尊重します。
 
多少忙しくても、子供が話しかけてきたらそれを優先する。
 
子供がヒステリーを起こしたり、無視してきても、どっしりとかまえて受け止める。
 
夜な夜な子供の愚痴を聴いてあげることもある。
 
子供が勝手な行動をとり、そのことについてロクな説明をしなくても、見捨てずに見守りつづける…。
 
ご賢明なあなたなら、もうお気づきのことでしょう。
 
あなたのご家庭では、これが真逆になっていたのかもしれない。
 
そして、それがあまりにも当たり前になり過ぎていて、親子ともに気づいていなかったのかもしれません。
 
親が身勝手な言動や行動をくり返し、それを子供が懸命に理解しようとし、なにも言わずに受け止めてあげている。
 
それは、親が子に甘えている状態。
 
なかには、その身勝手な行動や言動を子供に問いただされたとき、
 
「なにも言わなくても理解してくれていると思った」
 
「ちゃんと受け止めてくれていると思った」
 
と恥ずかしげもなくハッキリと言い放ってしまう親もいます。
 
しかし、理解し受け止めてあげるのは、まぎれもなく親の方の役割です。
 
よく考えてみてください。
 
あなたが「甘えている」とご自分を責める前に。
 
甘えていたのは、もしかすると親の方かもしれない、と。
 
そうなのだとしたら。
 
いい歳して子供に甘えていた幼稚な大人に、いったいなんの遠慮をしてあげる必要があるのでしょうか?
 
「甘えている」と責められるのは、親の方がふさわしいのではないでしょうか?
 
たしかに「経済的な親」「行動的な親」の役割は果たしてくれていた。
 
そのことに多大な感謝をするのは当然のことだと思います。
 
それゆえ、一方的に親を責めることに罪悪感を覚えるのも自然なことでしょう。
 
だからと言って、もっとも肝心な「心理的な親」という役割から逃げまくり、あまつさえその役割があることに気づこうとすらしなかった者のために、あなたが自分を「甘えている」と責める必要はこれっぽっちもありません。
 
だいいち、あなたが甘いわけがない。
 
そんな甘えた人間が、幼いころから長いあいだ、親の身勝手な言動や行動を受け止めてあげつづけることができるわけがありません。
 
それでもあなたを甘いと言う人がいるのなら。
 
ロクな事情も知らずにそう口走っているその人の方が、よっぽど人生を甘く見ていると思った方がいい。
 
あなたがもし、「親にちゃんと育ててもらったのに…」と自分の甘えを責めるているのなら。
 
あなたの家庭に「親子関係の逆転」がなかったか、じっくり見つめなおしてみてください。
 
本当にあなたが甘えているのか。
 
ハッキリとわかるはずです。

 

Brain with Soul代表
生きづらさ専門カウンセラー
しのぶ かつのり(信夫克紀)
 

 
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アダルトチルドレンを「本気」で克服する方法 <目次>

1.アダルトチルドレンを「本気」で克服する方法
2.なぜ克服したはずの問題をくり返してしまうのか?
3.今までのアダルトチルドレン克服法が取りこぼしてきた盲点とは?
4.扁桃体が敏感だと自覚する
5.「あなたは強い」という事実
6.親を捨てる
7.アダルトチルドレン克服に欠かせない必要なこと
8.恩着せがましい親
9.一生懸命育てたのに!
10.あなたは本当に親不孝者なのか?
11.親にすべてをブチまけようと思う
12.親が子育ての非を認められない理由
13.親への仕返しが止められない
14.アダルトチルドレン克服の優先順位
15.親との対決に必要な覚悟
16.好きなこと、やりたいことがわからない
17.誰もわかってくれない
18.燃え尽き症候群をくり返してしまう
19.親子関係を良好にしたい
20.「してあげた」という親心
21.リラックスできない
22.体を整える
23.つき合う人を変える
24.ナイーブさを捨てる
25.人に批判されるのが怖い
26.自尊心が低い
27.アダルトチルドレンの「克服」とは?
28.感情をうまく表現できない
29.鬼のような親
30.人からの評価が気になる
31.自信よりも必要なもの
32.嘘をついてしまう
33.承認欲求が強い
34.仕事で手を抜けない
35.自己肯定感を高めたい
36.親と同じことをしてしまった
37.なぜ焦ってしまうのか?
38.不登校が許されなかった人
39.今の仕事が向いていない
40.勇敢であるということ
41.人間関係がうまくいかない
42.孤独を磨き上げる
43.努力しても嫌われつづける人
44.いつも自分ばかり残業している
45.快楽と上手につき合おう
46.自分のなかに基準がない
47.面倒くさがりをなおしたい
48.自分に合った働き方を見つけたい
49.他人に興味がもてない
50.自分に興味がもてない
51.人の顔色をうかがってしまう
52.私は変われるでしょうか?
53.どこに行っても同じだぞ!
54.自分がわからない
55.やる前から「無理」「できない」とあきらめてしまう
56.職場の人間関係がつらい
57.自分で自分をしばりつけてしまう人
58.不自由を感じてしまう原因
59.口が悪くて孤立してしまう
60.親のせいにするのは自分の甘えなのか?
61.嫌味ったらしい言い方をしてしまう
62.明るく楽しく振るまえなくなった
63.家庭環境のせいにし過ぎと言われてしまう
64.すべてを受け入れてもらいたい
65.親への憎しみが消えない


おかげ様でコラム数500本突破!

読むと心が強くなるコラム

「読むだけで生きる勇気が湧いてくる」と大好評をいただいている、しのぶかつのり(信夫克紀)の連載コラムです。
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