親を捨てる

 

アダルトチルドレンを本気で克服する方法

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アダルトチルドレンを「本気」で克服する方法

 

第6回
親を捨てる

 
あなたは、何気ない会話の中で、こんなやりとりを耳にすることがありませんか?
 
「私、親の悪口を言う人って大っ嫌い。そういう人って、親なんか死んじゃえとか口では言ってるけど、いざ親が本当に大きな病気にかかったら、すごくあわてて、悪口を言ったことを絶対に後悔するくせにって思うんだよね。だから私は、そういう人を見ると必ず説教しちゃうんだよね。」
 
「ああ、それわかるなぁ。確かに本当に死なれたら嫌だもんねぇ。」
 
「うわー、私も耳が痛ぁい。そういう心にもないこと言っちゃうもんなぁ。」
 
「そうだなぁ、俺も気をつけよう。」
 
「ああ、なんか親に会いたくなってきちゃった。今夜電話してみよっかな。」
 
「私も、週末はお土産でも買って実家に帰って、顔見せてこよう。」
 
こんな、どこにでもありそうなよくある会話。
 
しかし、その会話にまったく入っていくことができない。
 
それどころか、一切、共感できるところがない。
 
だから、ただただ黙ってそのやりとりを聞いているだけになる。
 
心の中で渦巻く、どす黒い嵐を抑え込みながら…。
 
あなたには、そんな経験がありますでしょうか?
 
もしかすると、そんな感覚を持つ自分のことを責めてしまうこともあるかもしれません。
 
でも、安心してください。
 
そのような感覚を持つことは、決して異常なことではありません。
 
反対に、正常な反応だとすら言えるでしょう。
 
なぜなら、あなたにとって、親との関係は苦しみそのもの。
 
生きづらさにあえぎ、今、生きていることそれ自体を肯定できないあなたにとって、親はその苦しい人生を生んだ元凶としか思えないのですから。
 
それはアダルトチルドレン特有の苦しみ。
 
親に自尊心をつぶされた者が味わいつづける、生きることそのものの苦しみ。
 
そして、親の顔を見るたびに、親のことを思い出すたびに、そのつぶされた自尊心がうずくのです。
 
だから、アダルトチルドレンを「本気」で克服したければ、その苦しみの元凶と決別しなければなりません。
 
つまり、親子であることをやめる。
 
それは、親との付き合いに少し距離をおくとか、なるべく会わないようにするとか、そんな生半可な断ち切り方ではない。
 
「親を捨てる」のです。
 
この表現、もしかしたら、あなたを少しビックリさせてしまったかもしれませんね。
 
確かに、一般社会において「親を捨てる」なんて言ってしまったら、非常識な者として、ものすごい非難と反発にあうでしょう。
 
誰のおかげで生きているんだ。
 
親があるから今があるんだろう。
 
育ててもらっておいて勝手なことを言うな。
 
親を敬え、いたわれ、ねぎらえ、それが子に与えられた務めだろう…、と。
 
たしかに間違ってはいません。
 
まったくの正論だと私も思います。
 
でもそれは、アダルトチルドレンとしての生きづらさを抱えたことのない人たちによって述べられる「のん気な正論」でしかありません。
 
現実から目をそらした、単なる「理想論」です。
 
実際には、互いに関わりつづけることで、苦しみしか生み出せない親子関係がある。
 
それが、まぎれもない「現実」です。
 
そのような関係において、子の側が自分の人生を取り戻すためには、「あの人の子である」という「立ち位置」から離脱する必要がある。 
 
アダルトチルドレンを「本気」で克服するためには、「親を捨てる」必要がある。
 
もし実際の行動として、それができる状況にないのであれば、心の中で「親を捨てる」必要があるのです。
 
では、いったいなぜ「そこまでする必要」があるのでしょうか?
 
次回は、その明確な理由について見ていきたいと思います。
 
Brain with Soul代表
生きづらさ専門カウンセラー
しのぶ かつのり(信夫克紀)
 

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アダルトチルドレンを「本気」で克服する方法 <目次>

1.アダルトチルドレンを「本気」で克服する方法
2.なぜ克服したはずの問題をくり返してしまうのか?
3.今までのアダルトチルドレン克服法が取りこぼしてきた盲点とは?
4.扁桃体が敏感だと自覚する
5.「あなたは強い」という事実
6.親を捨てる
7.アダルトチルドレン克服に欠かせない必要なこと
8.恩着せがましい親
9.一生懸命育てたのに!
10.あなたは本当に親不孝者なのか?
11.親にすべてをブチまけようと思う
12.親が子育ての非を認められない理由
13.親への仕返しが止められない
14.アダルトチルドレン克服の優先順位
15.親との対決に必要な覚悟
16.好きなこと、やりたいことがわからない
17.「誰もわかってくれない」を解決する方法
18.燃え尽き症候群をくり返してしまう
19.親との関係を良好にしたい
20.「してあげた」という親心
21.なぜアダルトチルドレンはリラックスできないのか?
22.「体」を整えることがアダルトチルドレンに必要な理由
23.「つき合う人」を変えなければアダルトチルドレンは克服できない
24.ナイーブさを捨てる
25.人に批判されるのが怖い
26.自尊心が低い
27.アダルトチルドレンの「克服」とは?
28.感情をうまく表現できない
29.鬼のような親
30.人からの評価が気になる
31.自信よりも必要なもの
32.嘘をついてしまう
33.アダルトチルドレンが承認欲求をなくす方法
34.仕事で手を抜けない
35.自己肯定感を高めたい
36.親と同じことをしてしまった
37.なぜ焦ってしまうのか?
38.不登校が許されなかった人
39.今の仕事が向いていないと思うなら
40.勇敢であるということ
41.人間関係がうまくいかない
42.孤独を磨き上げる
43.努力しても嫌われつづける人
44.いつも自分ばかり残業している
45.快楽と上手につき合おう
46.自分のなかに基準がない
47.面倒くさがりをなおしたい
48.自分に合った働き方を見つけたい
49.他人に興味がもてない
50.自分に興味がもてない
51.人の顔色をうかがう原因とその対処法
52.私は変われるでしょうか?
53.どこに行っても同じだぞ!
54.自分がわからない
55.やる前から「無理」「できない」とあきらめてしまう
56.職場の人間関係がつらい
57.自分で自分をしばりつけてしまう人
58.不自由を感じてしまう原因
59.口が悪くて孤立してしまう
60.親のせいにするのは自分の甘えなのか?
61.嫌味ったらしい言い方をしてしまう
62.明るく楽しく振るまえなくなった
63.家庭環境のせいにし過ぎと言われてしまう
64.すべてを受け入れてもらいたい
65.親への憎しみが消えない
66.自分の受け入れ方
67.一人暮らしを必死になって止める母親
68.ひどい親に育てられた
69.アダルトチルドレンが子供のしつけに迷うとき
70.ささいなことを根にもってしまう
71.なにをすればいいのかわからない…
72.無駄にプライドが高い自分がイヤになる
73.あなたのペースを乱す人への具体的な対処法
74.あなたが無理しすぎてしまう本当の理由
75.なぜあなたは努力しても報われないのか?
76.幸せを追いかけてるのに苦しいのはなぜ?
77.自分に優しくしたい、でもできない・・・
78.アダルトチルドレンがくり返し絶望におちいるパターンとは?
 


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