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変えられること、変えられないこと

 

変えられること、変えられないこと 生きづらい人生の歩き方 第15回

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生きづらい人生の歩き方

 

第15回
変えられること、変えられないこと

 
自分を変えたい、でも変えられない。
 
何度も同じ失敗をして、今度こそと思うけれど、やはり変えられない。
 
生きづらいと感じている人であれば、誰もが一度は味わったことのある苦しみではないでしょうか。
 
カウンセリングでも、よくこのようなご相談をお受けすることがあります。
 
どうして私たちは、自分を変えられないのでしょうか?
 
『累積淘汰』(るいせきとうた)という考え方があります。
 
有名な進化生物学者であるリチャード・ドーキンスの著書、
 
盲目の時計職人 - 自然淘汰は偶然か?
 
の中に出てくる生命進化の考え方です。
 
累積淘汰とは、たくさんの「ふるい」にかけられるということ。
 
「ふるい」は、網の中に砂をとおして石などを振り分ける道具のことですよね。
 
私たち生命は、世代をまたぐあいだに突然変異を起こし、新たな性質を身につけます。
 
新たな性質を持った生命は、<生き残る、繁殖する>という「ふるい」にかけられる。
 
一度の「ふるい」にかけられるだけでなく、とおり抜けられたものが、さらに次の「ふるい」にかけられる。
 
そこからさらに…と、数えきれないほどの突然変異と「ふるい」にかけられてきた結果が、今この世界にいる生命だというわけです。
 
それが正しいとすると、私たちの中にそなわっている身体的、精神的なあらゆる性質は、数多くの難関をすり抜けてきたツワモノだと言えるでしょう。
 
その中には、何十億年も「ふるい」をとおり抜けつづけてきた性質もあるはずです。
 
それほどまでに私たちの「命」にベッタリと定着した性質を、努力で変えようとしても…。
 
変えられないのは当然のことと言えるかもしれません。
 
私たちの中には、どうしても「変えられないこと」がある。
 
それを変えようとすれば、苦しみが増すだけなのです。
 
しかし、「変えられること」もあります。
 
わかりやすいたとえでは、最近の日本人はスタイルがよくなったと言われますよね。
 
私も、つくづくそう思います。
 
007という人気映画シリーズに、日本を舞台にした「007は二度死ぬ」という作品があります。
 
公開されたのは今から50年前です。
 
作中に出てくる女性が美しいことで有名なシリーズですが、当作にもたくさんの日本人美女が一度に登場するシーンがあります。
 
当時としてはハイレベルの人たちを集めたシーンなのだろうと考えられますが、お世辞にも「スタイルがよい」とは言えません。
 
現代の女性と比べてしまうと、皆さん子供のような体つきをしています。
 
たった50年足らずで、ここまで変わってしまう性質も私たちの中にはあるのです。
 
ではその間、スタイルのよい人たちばかりが結婚をして、子孫を残していたのかと周りを見渡してみても、誰もYESとは言わないでしょう。
 
つまり、世代をまたいだ長年の累積淘汰を待たずとも、何らかの理由であっさり大きく変わってしまうことがある。
 
それだけは事実です。
 
ちなみに日本人のスタイルが変化した理由としては、
 
・食べ物が変わった(体)
・美しさへの意識が高まった(心)
・生活様式が欧米化した(環境)
 
といった理由が考えられると言われています。
 
どれが正しいかは何十年にもわたる追跡調査が必要ですが、すべてが関連していると考える方が自然でしょう。
 
つまり、私たちは、体(生理)、心(心理)、環境(物理)という三理の力を合わせることによって、意外と短期間で自分を大きく変えられる可能性を持っているということです。
 
何か一つ変えることができれば、それによって自信がつき、行動的になり、たとえば転職に成功し、素晴らしい恋人とも出会うといった、変化の連鎖が起こりはじめるでしょう。
 
大切なのは、「変えられないこと」にこだわりつづけるのではなく、「変えられること」を見つけて、三理一体で取り組んでいくということ。
 
カウンセリングでも、この「変えられること、変えられないこと」を見分けるワークによく取り組みます。
 
そして「変えられること」に焦点をしぼって、三理一体で改善していく。
 
それによって「変えられること」同士が連鎖反応をおこし、人生が大きく変わっていくのです。
 
実はこの柔軟な対応力こそが、ずっと「ふるい」をすり抜けつづけて私たちに根づいた、とても大切な性質なのかもしれません。
 
Brain with Soul代表
生きづらさ専門カウンセラー
信夫克紀(しのぶ かつのり)
 

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生きづらい人生の歩き方 <目次>

1.生きづらい人がAI時代に生き残れる仕事とは?
2.「世界一即戦力な男」に見る引きこもり脱出の糸口
3.生きづらい人向け「ビジネスの成功法則」
4.あなたは「善人」ですか「悪人」ですか?
5.お金は好きですか?-生きづらい人が陥るお金のジレンマ
6.「お金もうけ」にとらわれなくなる話
7.生きづらい人は「リア充」より「ジツ充」を目指そう
8.我慢してるのに自分勝手と言われる
9.生きづらさの正体
10.死んでも世界はつづくのか?
11.実存を充実させる生き方
12.他人の目が気になる人へ
13.「ジツ充」の極め方
14.不安の上手な対処法
15.変えられること、変えられないこと
16.「変えられること」の見つけ方
17.感情に飲み込まれない方法
18.自分と同じ症状の人が見当たらない
19.人生を変える方法
20.人生が変わる瞬間に必ず起こる問題
21.「心の空間」を生きる
22.話が噛み合わないと感じるなら
23.人生に疲れ果てたとき
24.「自分らしさ」とは何か?
25.AIと張り合うくらいなら
26.ジツ充とジコチュウの違い
27.社会に絶望している人へ
28.ネガティブ思考を変える適切な方法
29.生きづらい人は仕事を「三つ」もとう
30.心の健康法の効果が出ない理由
31.ベーシックインカムで将来も安心?
32.「悩み解決書」で悩みが解決しない理由
33.生きづらさを癒す一つの方法
34.もっとクヨクヨ考えよう
35.仕事を三つもつ理由
36.好きなことを仕事にする…?
37.苦しみの活かし方
38.向かい風を追い風にする生き方
39.行動力を身につける方法
40.お金との上手なつき合い方
41.自己洗脳と自己欺瞞
42.人並みという幻想
43.元気がないと幸せになれないのか?
44.「社会の常識」に振りまわされない
45.気が休まらない…
46.綺麗事に気づいてしまう人
47.生きづらい人が起業を成功させられる理由
48.そんなかんたんな話じゃない
49.人に気をつかい過ぎて疲れしまう
50.悩み過ぎて体がガチガチ
51.正解なんてない
52.心に余裕がない
53.誰に相談したらいいのかわからない
54.やる気はどこから湧いてくる?
55.人と対立してしまう
56.許すか、許さないか
57.生き方を決める
58.好きなこと探しの迷宮
59.生きづらさは誰のせい?
60.集中しすぎてしまう
61.家にも世の中にも居場所がないときの解決法
62.不用意に交友関係を増やそうとしない
63.自分を最強の味方にする方法
64.世間のしがらみから脱け出したい
65.あと一歩が踏み出せない
66.なぜメンタルが弱いのだろう…?
67.生きづらい人が「苦手」を克服する方法
68.心配ごとが頭から離れない
69.認められたいのに認めてもらえない
70.引きこもりは「悪いこと」なのか?
71.楽に生きたい
72.失言が多いので減らしたい
73.誰も心配してくれない
74.お金の上手な使い方
75.やる気が出ないのはなぜなのか?
76.深く悩んでいる人の方が「えらい」のか?
77.生きづらい人が幸せになりたいなら
78.この人と結婚していいのか?
79.心が敏感な人向けの対処法から抜け落ちている視点
80.人生を変えられる人と、変えられない人の違い
81.親が嫌いな自分はおかしいのか?
82.著名人と自分を比べてしまう
83.自分を信じられない
84.上司や部下に言うことを聞いてもらえない
85.劣等感は克服も解消もしなくていい
86.ポジティブシンキングがうまくできない
87.結果だけで判断される社会
88.「自分がされたら嫌ことは他人にしてはいけない」の嘘
89.「性格が悪い」と言われてしまう
90.「ありのままの自分」というやっかいな問題
91.「お金」以外に8つの基準をもとう
92.どうしてこんなにつらいのに誰にも伝わらないのだろう?
93.仕事が恐い、職場が恐い - その恐怖の正体と解決策
94.「恩知らずな人」を許せない
95.他人を不愉快にさせてしまう
96.「等身大の自分」という言葉にひそむ罠
97.有効な「貯金」の仕方を身に着けよう
98.「なぜ怒っているのかわからない」と言われてしまう
99.頑張っているのに結果が出ない・・・
100.自分を「弱い」と感じている人へ
101.集団になじめないなら「思いどおり」にやろう
102.無駄に苦しんできただけだった
103.お金の不安をなくす方法
104.私の「すべて」をわかってもらいたい - わかってもらいたい症候群
105.なぜ苦しみを「克服」できないのか?
106.生きづらいなら「心地よい人生」を目指そう
107.生きづらい人は「扁桃体をいたわる生き方」を身に着けよう!
108.生きづらい人が自由になれる「メタ思考」とは?
109.世間との「ほどよい距離」の取り方とは?
110.たんたんと生きる
111.生きづらい人が目標を達成できない本当の理由
112.三理一体の法則がうまくいかない人の共通点とは?
113.カタルシスが生きづらさ脱出の「起爆剤」になる理由
114.「生きづらさ克服」の気力を失いそうなあなたへ
115.「仕事に行きたくない、家にいたい」当事者の声と具体的な対処法
116. 気が弱い人が人生を変える極意
117.消えない恨みへの「レベル別」対処法
118.生きづらさをこじらせる「完全な被害者バイアス」とは?
119.生きづらいなら「役割」を果たし人生を落ち着かせよう
120.生きづらい人にもっとも大切な支援
121.生きづらい人は「意志が弱い」のか?
122.自分軸よりも大切なもの -「実存軸」で生きよう
123.人の言葉に傷つきやすい人が知ると楽になる二つの事実
124.メタ思考力を鍛えたいなら「バカ」や「アホ」ともつき合おう
125.生きづらさの「原因」を安易に特定するネット記事が多すぎる
126.「誰でもHSP症候群」にかかった日本
127.「結論だけ欲しがる社会」に踊れされるな
128.生きづらい人は「ギバー」を目指さなくていい
129.「一人で生きていく」と決めた生きづらい人に必要な覚悟
130.マイノリティは、なぜ生きづらいのか?
131.生きづらい人の「意識」の上手な活かし方
132.もんもん耐性、それは自分の「本質」と向き合える力
133.生きづらい人はAIと仲良くなれる - 関係性のシンギュラリティ
134.「メンタルが強い人」のアドバイスを真に受けない
135.雑談力は必要か?雑談できないあなたへ
136.嫉妬しやすい人が「嫉妬しない人」になりたいなら
137.お金に振り回されなくなる「二つの力」
138.日本社会で生きづらい人が苦しんでいる本当の理由
139.自分は本当に「生きづらい」のだろうか?
140.生きづらい人はコミュニケーションが得意という事実
141.内にこもりたいとき、あなたはどうしていますか?
142.「憧れの人」を目指すな - ビジネスの成功者に憧れる生きづらい人へ
143.私には不満がない
144.「無駄にプライドが高い人」が好きだ
145.その他大勢になるな、唯一無二のままであれ。
146.「生きる意味」が見つからない、生きづらい人へ
147.「異物」として生きて
148.FIRE達成!で、どうするの? 
149.「気にしている」のではなく「気になっている」のです 
150.「自分の本質」を見えなくさせるもの
151.生きづらい人が死ぬときに後悔しない方法
152.生きづらい人のための「お金を使う優先順位」
153.「傷の舐め合いはよくない」は本当か?
154.自己憐憫のススメ
 


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読むと心が強くなるコラム

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