TOP | コラム一覧 | 生きづらい人生の歩き方 | 自分らしさとは何か?


「自分らしさ」とは何か?

 

自分らしさとは何か? 生きづらい人生の歩き方 第24回

LinkIcon目次はコチラ  
 

生きづらい人生の歩き方

 

第24回
「自分らしさ」とは何か?

 
あなたの「自分らしさ」を教えてください。
 
そうたずねられたとき、あなたはどのようにお答えになるでしょうか。
 
「自分らしさ」とは、いったい何か?
 
それが、今回のコラムのテーマです。
 
いくつかの「幼児向け番組」を見ていたとき、ふと私は、ある共通点に目が向きました。
 
それは「元気」の推奨レベルが半端ではないこと。
 
そのまっすぐさには、純粋に胸を打たれるほどです。
 
番組全体が、まさに「元気の理想型」。
 
「幼児向け番組」の持つ役割は、その「元気の理想型」を子供に見せてあげること。
 
そして、
 
「子供らしい」
 
元気な子を育むことなのだなと強く感じます。
 
それは社会において貴重な役割でしょう。
 
でも、親までもがその「子供らしい」というイメージをまともに受け取ってしまうとどうでしょうか。
 
子供の側は、「元気でなくてはならない」という潜在的なプレッシャーすら感じてしまうかもしれません。
 
本来、子供は十人十色。
 
「子供」という一つのレッテルではくくれないほど多様な存在です。
 
それを一方的に「子供はこうでなくっちゃ!」と考えてしまうのは、親の身勝手な論理でしかありません。
 
すべての子供が「子供らしい」わけではないのです。
 
そもそも「〇〇らしい」という言葉は、たいていの場合、当人以外の人間が、
 
「こういうあなたでいて欲しい」
 
という期待を込めて使うものだと言えるかもしれません。
 
たとえば、丸刈りの高校球児が深々とおじぎをしているのを見て、「さわやかで高校生らしい!」と大人たちがうれしそうに言っているようなケースです。
 
大人側の「高校生にはさわやかでいて欲しい」という期待が、「高校生らしさ」を決めているわけです。
 
しかし、私自身の経験もふくめてハッキリと申し上げますが、男子高校生のほとんどは、そんなにさわやかな存在ではありません。
 
高校生と言えば思春期です。
 
すべての人がそうだとは言いませんが、本能的に異性の目が気になってオシャレしたくて仕方がなく、大人に反抗したくて仕方がない時期。
 
頭の中は、エロいことでいっぱいです。
 
その本能を大人の力で無理やりおさえこみ、さわやかに振る舞わせておいて「高校生らしい」とは身勝手にもほどがあります。
 
高校生がみずから背伸びしてタバコを吸ったり、思わず大人に生意気な口をきいていたら、それこそが「高校生らしい」のです。
 
倫理的に「善い悪い」というお話をしているのではありません。
 
思春期っぽい行動かどうかということでもありません。
 
「高校生らしさ」は大人が決めることではなく、高校生本人によって決まるということ。
 
高校生本人のじっさいの姿が「高校生らしい」のです。
 
それ以前に、「子供」というレッテルと同じように、「高校生」というレッテルでひとくくりにしてしまうのも、そもそも無理があるでしょう。
 
高校生にも、勉強が好きな人もいれば嫌いな人もいますし、毎日楽しんでいる人もいれば生きづらい人もいます。
 
それを大雑把にまとめて「高校生らしい」と言い切るには、どれほど精密な統計調査をしなければならないことか。
 
「〇〇らしさ」とは、他人が決めることではない。
 
当人がどうあるかで自動的に決まるものなのです。
 
それは、今回のテーマである、
 
「自分らしさ」
 
についても同じことが言えるでしょう。
 
私たちは「自分らしさ」という言葉を使うとき、ついつい今の自分とは違う「理想の自分」をそこに思い描いてしまうものではないでしょうか。
 
つまり、
 
「こういうあなたでいて欲しい」
 
と、自分で自分に期待をかけるのです。
 
もちろん、自分に期待すること自体は悪いことではないですよね。
 
しかし、その期待が大きすぎれば「自分らしさ」がいつまでも見つからない、自分探しの旅をつづけることになる。
 
または、「自分らしさ」という壮大な理想に押しつぶされてしまうことにもなりかねません。
 
まるで「子供らしさ」を押しつけられた子のように。
 
「自分らしさ」は、どこか別の場所にあるのではありません。
 
「自分らしさ」は、今ここにいる自分で決まるのです。
 
悩んだり、苦しんだり、ねたんだり、ひがんだり、同じ過ちをくり返したり…。
 
それこそがまさに「自分らしさ」。
 
それを克服しようと、もがき、努力し、達成する。
 
それもまさに「自分らしさ」。
 
いいところばかりではない。
 
悪いところばかりではない。
 
すべての自分が「自分らしさ」。
 
私たちは、いつでもどこでも自分らしくしか生きられない。
 
「自分らしさ」丸出しで生きているのです。
 
その「自分らしさ」を受け容れられたとき、霧が晴れるように、みずからの歩んでいく道が目の前に少しずつ見えてくる。
 
私たちの人生は、大きく変わりはじめるのです。
 
Brain with Soul代表
生きづらさ専門カウンセラー
しのぶ かつのり(信夫克紀)
 
関連コンテンツ
「ありのままの自分」というやっかいな問題
 
もしこの記事があなたのお役に立てたのなら、
ぜひ他の方にも教えてあげてください。
Adic Salon入会受付中!生きづらさをチカラに変える!
 
 

生きづらい人生の歩き方 <目次>

1.生きづらい人がAI時代に生き残れる仕事とは?
2.「世界一即戦力な男」に見る引きこもり脱出の糸口
3.生きづらい人向け「ビジネスの成功法則」
4.あなたは「善人」ですか「悪人」ですか?
5.お金は好きですか?-生きづらい人が陥るお金のジレンマ
6.「お金もうけ」にとらわれなくなる話
7.生きづらい人は「リア充」より「ジツ充」を目指そう
8.我慢してるのに自分勝手と言われる
9.生きづらさの正体
10.死んでも世界はつづくのか?
11.実存を充実させる生き方
12.他人の目が気になる人へ
13.「ジツ充」の極め方
14.不安の上手な対処法
15.変えられること、変えられないこと
16.「変えられること」の見つけ方
17.感情に飲み込まれない方法
18.自分と同じ症状の人が見当たらない
19.人生を変える方法
20.人生が変わる瞬間に必ず起こる問題
21.「心の空間」を生きる
22.話が噛み合わないと感じるなら
23.人生に疲れ果てたとき
24.「自分らしさ」とは何か?
25.AIと張り合うくらいなら
26.ジツ充とジコチュウの違い
27.社会に絶望している人へ
28.ネガティブ思考を変える適切な方法
29.生きづらい人は仕事を「三つ」もとう
30.心の健康法の効果が出ない理由
31.ベーシックインカムで将来も安心?
32.「悩み解決書」で悩みが解決しない理由
33.生きづらさを癒す一つの方法
34.もっとクヨクヨ考えよう
35.仕事を三つもつ理由
36.好きなことを仕事にする…?
37.苦しみの活かし方
38.向かい風を追い風にする生き方
39.行動力を身につける方法
40.お金との上手なつき合い方
41.自己洗脳と自己欺瞞
42.人並みという幻想
43.元気がないと幸せになれないのか?
44.「社会の常識」に振りまわされない
45.気が休まらない…
46.綺麗事に気づいてしまう人
47.生きづらい人が起業を成功させられる理由
48.そんなかんたんな話じゃない
49.人に気をつかい過ぎて疲れしまう
50.悩み過ぎて体がガチガチ
51.正解なんてない
52.心に余裕がない
53.誰に相談したらいいのかわからない
54.やる気はどこから湧いてくる?
55.人と対立してしまう
56.許すか、許さないか
57.生き方を決める
58.好きなこと探しの迷宮
59.生きづらさは誰のせい?
60.集中しすぎてしまう
61.家にも世の中にも居場所がないときの解決法
62.不用意に交友関係を増やそうとしない
63.自分を最強の味方にする方法
64.世間のしがらみから脱け出したい
65.あと一歩が踏み出せない
66.なぜメンタルが弱いのだろう…?
67.生きづらい人が「苦手」を克服する方法
68.心配ごとが頭から離れない
69.認められたいのに認めてもらえない
70.引きこもりは「悪いこと」なのか?
71.楽に生きたい
72.失言が多いので減らしたい
73.誰も心配してくれない
74.お金の上手な使い方
75.やる気が出ないのはなぜなのか?
76.深く悩んでいる人の方が「えらい」のか?
77.生きづらい人が幸せになりたいなら
78.この人と結婚していいのか?
79.心が敏感な人向けの対処法から抜け落ちている視点
80.人生を変えられる人と、変えられない人の違い
81.親が嫌いな自分はおかしいのか?
82.著名人と自分を比べてしまう
83.自分を信じられない
84.上司や部下に言うことを聞いてもらえない
85.劣等感は克服も解消もしなくていい
86.ポジティブシンキングがうまくできない
87.結果だけで判断される社会
88.「自分がされたら嫌ことは他人にしてはいけない」の嘘
89.「性格が悪い」と言われてしまう
90.「ありのままの自分」というやっかいな問題
91.「お金」以外に8つの基準をもとう
92.どうしてこんなにつらいのに誰にも伝わらないのだろう?
93.仕事が恐い、職場が恐い - その恐怖の正体と解決策
94.「恩知らずな人」を許せない
95.他人を不愉快にさせてしまう
96.「等身大の自分」という言葉にひそむ罠
97.有効な「貯金」の仕方を身に着けよう
98.「なぜ怒っているのかわからない」と言われてしまう
99.頑張っているのに結果が出ない・・・
100.自分を「弱い」と感じている人へ
101.集団になじめないなら「思いどおり」にやろう
102.無駄に苦しんできただけだった
103.お金の不安をなくす方法
104.私の「すべて」をわかってもらいたい - わかってもらいたい症候群
105.なぜ苦しみを「克服」できないのか?
106.生きづらいなら「心地よい人生」を目指そう
107.生きづらい人は「扁桃体をいたわる生き方」を身に着けよう!
108.生きづらい人が自由になれる「メタ思考」とは?
109.世間との「ほどよい距離」の取り方とは?
110.たんたんと生きる
111.生きづらい人が目標を達成できない本当の理由
112.三理一体の法則がうまくいかない人の共通点とは?
113.カタルシスが生きづらさ脱出の「起爆剤」になる理由
114.「生きづらさ克服」の気力を失いそうなあなたへ
115.「仕事に行きたくない、家にいたい」当事者の声と具体的な対処法
116. 気が弱い人が人生を変える極意
117.消えない恨みへの「レベル別」対処法
118.生きづらさをこじらせる「完全な被害者バイアス」とは?
119.生きづらいなら「役割」を果たし人生を落ち着かせよう
120.生きづらい人にもっとも大切な支援
121.生きづらい人は「意志が弱い」のか?
122.自分軸よりも大切なもの -「実存軸」で生きよう
123.人の言葉に傷つきやすい人が知ると楽になる二つの事実
124.メタ思考力を鍛えたいなら「バカ」や「アホ」ともつき合おう
125.生きづらさの「原因」を安易に特定するネット記事が多すぎる
126.「誰でもHSP症候群」にかかった日本
127.「結論だけ欲しがる社会」に踊れされるな
128.生きづらい人は「ギバー」を目指さなくていい
129.「一人で生きていく」と決めた生きづらい人に必要な覚悟
130.マイノリティは、なぜ生きづらいのか?
131.生きづらい人の「意識」の上手な活かし方
132.もんもん耐性、それは自分の「本質」と向き合える力
133.生きづらい人はAIと仲良くなれる - 関係性のシンギュラリティ
134.「メンタルが強い人」のアドバイスを真に受けない
135.雑談力は必要か?雑談できないあなたへ
136.嫉妬しやすい人が「嫉妬しない人」になりたいなら
137.お金に振り回されなくなる「二つの力」
138.日本社会で生きづらい人が苦しんでいる本当の理由
139.自分は本当に「生きづらい」のだろうか?
140.生きづらい人はコミュニケーションが得意という事実
141.内にこもりたいとき、あなたはどうしていますか?
142.「憧れの人」を目指すな - ビジネスの成功者に憧れる生きづらい人へ
143.私には不満がない
144.「無駄にプライドが高い人」が好きだ
145.その他大勢になるな、唯一無二のままであれ。
146.「生きる意味」が見つからない、生きづらい人へ
147.「異物」として生きて
 


おかげ様でコラム数500本突破!

読むと心が強くなるコラム

「読むだけで生きる勇気が湧いてくる」と大好評をいただいている、しのぶかつのり(信夫克紀)の連載コラムです。
もちろん<無料>でお読みいただけます。