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人に気をつかい過ぎて疲れてしまう

 

生きづらい人生の歩き方第49回 人に気をつかい過ぎて疲れてしまう

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生きづらい人生の歩き方

 

第49回
人に気をつかい過ぎて疲れてしまう

 
先日、私のもとに一通のハガキが届きました。
 
私が通っている歯科医院からのお知らせでした
 
じつは、数カ月前にその歯科医院で歯の治療を終えたのですが、なんとなくその歯の具合が悪く、ちょうど行こうか行くまいか迷っていたときでした。
 
なぜ迷っていたのかというと、理由は二つあります。
 
近くに新しくできた歯科医院が、最先端の治療をしてくれるという情報が入っていたから。
 
そして、今通っている歯科医院には植物が置いてあり、新しいところには植物が置いていないという情報が入っていたからです。
※私は植物嫌悪症です。
 
でも、今通っている歯科医院は、私が治療室に入る前に毎回植物を片づける配慮をしてくれる、たいへんありがたい医院でした。
 
しかも、嫌な顔ひとつせず、植物嫌悪症にもまったく言及せずに対応してくれる、今まで出会ったことのない、非常に貴重で珍しい医院でした。
 
歯の治療にかんしても、ある歯科医院で誤った施術をされた難しいケースを、なんども試行錯誤しながら治してくれました。
 
ただ、それでも具合が悪くなってきたので、これは別の歯科医院に相談するなり、なにか他の選択肢を探すしかないのかなと考えていました。
 
でも、今通っている歯科医院に多大な感謝をしていたので、どうしようか迷っていたのです。
 
なんとなく申し訳なく、その歯科医院の先生に気をつかっていたわけです。
 
そこに届いたのが、冒頭のハガキでした。
 
時期的に定期健診のお知らせからなと思い、内容を読んでみました。
 
愕然としました。
 
しばらく呆然としていました。
 
なんと、その先生が亡くなったとのお知らせでした。
 
しかも、数カ月も前に。
 
私よりも年上の方でしたが、まだまだお若く、スポーツの認定証が待合室にいくつも飾ってあるような頑強なイメージのスポーツマンでした。
 
人生のはかなさをあらためて痛感しました。
 
と同時に、ある考えが私の心に浮かんできました。
 
「俺は、すでにこの世にいない人に気をつかっていたのか…」
 
歯の具合が悪くなり、私が行こうか行くまいか迷いはじめた頃には、すでに先生は他界していました。
 
つまり私は、迷っても迷わなくても結果にまったく影響しないことで、長いあいだ気をつかいつづけていたのです。
 
そして、気をつかうということの「妄想性」を、あらためて思い知らされました。
 
そう、気づかいとは「妄想」。
 
相手が存在していようがいまいが成立してしまう「妄想」なのです。
 
あなたがもし、人に気をつかい過ぎて疲れ果てているのなら。
 
さらに、そのために生きづらさまで感じておられるのなら。
 
すべての気づかいは「妄想」だという根本的な事実を、常にご自分に教えてあげていただきたいと思います。
 
この人には気をつかって、あの人には気をつかわないで、そしてこんな気のつかい方をして…と、気づかいの対処療法をくり返すよりも。
 
どんな気づかいであれ、それが気づかいである以上、すべて「妄想」なのだ心に刻み込んでしまうのです。
 
なぜなら、相手がなにを望んでいるか、なにを迷惑だと感じるのか、他人である以上、究極的には決してわからないからです。
 
生きづらさを感じている人は、扁桃体が敏感な人が多いですよね。
 
また虐待の後遺症アダルトチルドレンでお悩みの方もとても多い。
 
だからこそ心が敏感すぎて、自分の意志とは関係なしに、やたらと人に気をつかってしまうことが多いのではないでしょうか。
 
カウンセリングの現場でも、日々そのような方からご相談をお受けしています。
 
でも、気づかいというものは、感受性があるていど同じような人同士だからこそ成立するものです。
 
あなたのような「心が敏感な人の感覚」で気をつかっても、ほとんどの人には通じない。
 
反対にその気づかいを利用されたり、迷惑がられてしまうものです。
 
だからこそあなたは、気をつかうことにほとほと疲れてしまったのではないでしょうか。
 
そして、やたらと人に気をつかう自分の性格を変えたい。
 
そんなふうに感じて、努力を重ねてきた。
 
にもかかわらず変えられなくて、ならば気づかいを上達させようと「上手な気のつかい方」を身につけようとしてきたかもしれません。
 
でも、もうそんな苦しい努力をしなくてもいいんですよ。
 
すべての気づかいは「妄想」。
 
どんな人だって、相手が本当はなにを望んでいるのか、絶対にわからないのですから。
 
わかった気になっている人は、たまたま「ふつうの感受性」を持っていただけ。
 
自分の気づかいが、周囲のたくさんの人たちの要望にマッチしていただけなのです。
 
生きづらい人は、無理に気づかいをしなくていい。
 
すべての気づかいは「妄想」だという事実さえ感じていればいい。
 
それでも気をつかいたいと感じる相手がいるときにはじめて、気をつかえばいいのです。
 
私は、他界していた歯科医院の先生に気をつかっていたことを「無駄」であったとは思いませんでした。
 
死者への弔いのためとか、天国にいる先生のためにといったロマンチックなお話ではありません。
 
自分にとって気をつかう価値のある人に、ちゃんと気をつかえていたからです。
 
すべての気づかいは「妄想」。
 
相手がこの世にいてもいなくても同じこと。
 
自分にとって気をつかう価値があるのかどうかだけが、重要なのです。
 
Brain with Soul代表
生きづらさ専門カウンセラー
しのぶかつのり(信夫克紀)
 

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生きづらい人生の歩き方 <目次>

1.生きづらい人がAI時代に生き残れる仕事とは?
2.「世界一即戦力な男」に見る引きこもり脱出の糸口
3.生きづらい人向け「ビジネスの成功法則」
4.あなたは「善人」ですか「悪人」ですか?
5.お金は好きですか?-生きづらい人が陥るお金のジレンマ
6.「お金もうけ」にとらわれなくなる話
7.生きづらい人は「リア充」より「ジツ充」を目指そう
8.我慢してるのに自分勝手と言われる
9.生きづらさの正体
10.死んでも世界はつづくのか?
11.実存を充実させる生き方
12.他人の目が気になる人へ
13.「ジツ充」の極め方
14.不安の上手な対処法
15.変えられること、変えられないこと
16.「変えられること」の見つけ方
17.感情に飲み込まれない方法
18.自分と同じ症状の人が見当たらない
19.人生を変える方法
20.人生が変わる瞬間に必ず起こる問題
21.「心の空間」を生きる
22.話が噛み合わないと感じるなら
23.人生に疲れ果てたとき
24.「自分らしさ」とは何か?
25.AIと張り合うくらいなら
26.ジツ充とジコチュウの違い
27.社会に絶望している人へ
28.ネガティブ思考を変える適切な方法
29.生きづらい人は仕事を「三つ」もとう
30.心の健康法の効果が出ない理由
31.ベーシックインカムで将来も安心?
32.「悩み解決書」で悩みが解決しない理由
33.生きづらさを癒す一つの方法
34.もっとクヨクヨ考えよう
35.仕事を三つもつ理由
36.好きなことを仕事にする…?
37.苦しみの活かし方
38.向かい風を追い風にする生き方
39.行動力を身につける方法
40.お金との上手なつき合い方
41.自己洗脳と自己欺瞞
42.人並みという幻想
43.元気がないと幸せになれないのか?
44.「社会の常識」に振りまわされない
45.気が休まらない…
46.綺麗事に気づいてしまう人
47.生きづらい人が起業を成功させられる理由
48.そんなかんたんな話じゃない
49.人に気をつかい過ぎて疲れしまう
50.悩み過ぎて体がガチガチ
51.正解なんてない
52.心に余裕がない
53.誰に相談したらいいのかわからない
54.やる気はどこから湧いてくる?
55.人と対立してしまう
56.許すか、許さないか
57.生き方を決める
58.好きなこと探しの迷宮
59.生きづらさは誰のせい?
60.集中しすぎてしまう
61.家にも世の中にも居場所がないときの解決法
62.不用意に交友関係を増やそうとしない
63.自分を最強の味方にする方法
64.世間のしがらみから脱け出したい
65.あと一歩が踏み出せない
66.なぜメンタルが弱いのだろう…?
67.生きづらい人が「苦手」を克服する方法
68.心配ごとが頭から離れない
69.認められたいのに認めてもらえない
70.引きこもりは「悪いこと」なのか?
71.楽に生きたい
72.失言が多いので減らしたい
73.誰も心配してくれない
74.お金の上手な使い方
75.やる気が出ないのはなぜなのか?
76.深く悩んでいる人の方が「えらい」のか?
77.生きづらい人が幸せになりたいなら
78.この人と結婚していいのか?
79.心が敏感な人向けの対処法から抜け落ちている視点
80.人生を変えられる人と、変えられない人の違い
81.親が嫌いな自分はおかしいのか?
82.著名人と自分を比べてしまう
83.自分を信じられない
84.上司や部下に言うことを聞いてもらえない
85.劣等感は克服も解消もしなくていい
86.ポジティブシンキングがうまくできない
87.結果だけで判断される社会
88.「自分がされたら嫌ことは他人にしてはいけない」の嘘
89.「性格が悪い」と言われてしまう
90.「ありのままの自分」というやっかいな問題
91.「お金」以外に8つの基準をもとう
92.どうしてこんなにつらいのに誰にも伝わらないのだろう?
93.仕事が恐い、職場が恐い - その恐怖の正体と解決策
94.「恩知らずな人」を許せない
95.他人を不愉快にさせてしまう
96.「等身大の自分」という言葉にひそむ罠
97.有効な「貯金」の仕方を身に着けよう
98.「なぜ怒っているのかわからない」と言われてしまう
99.頑張っているのに結果が出ない・・・
100.自分を「弱い」と感じている人へ
101.集団になじめないなら「思いどおり」にやろう
102.無駄に苦しんできただけだった
103.お金の不安をなくす方法
104.私の「すべて」をわかってもらいたい - わかってもらいたい症候群
105.なぜ苦しみを「克服」できないのか?
106.生きづらいなら「心地よい人生」を目指そう
107.生きづらい人は「扁桃体をいたわる生き方」を身に着けよう!
108.生きづらい人が自由になれる「メタ思考」とは?
109.世間との「ほどよい距離」の取り方とは?
110.たんたんと生きる
111.生きづらい人が目標を達成できない本当の理由
112.三理一体の法則がうまくいかない人の共通点とは?
113.カタルシスが生きづらさ脱出の「起爆剤」になる理由
114.「生きづらさ克服」の気力を失いそうなあなたへ
115.「仕事に行きたくない、家にいたい」当事者の声と具体的な対処法
116. 気が弱い人が人生を変える極意
117.消えない恨みへの「レベル別」対処法
118.生きづらさをこじらせる「完全な被害者バイアス」とは?
119.生きづらいなら「役割」を果たし人生を落ち着かせよう
120.生きづらい人にもっとも大切な支援
121.生きづらい人は「意志が弱い」のか?
122.自分軸よりも大切なもの -「実存軸」で生きよう
123.人の言葉に傷つきやすい人が知ると楽になる二つの事実
124.メタ思考力を鍛えたいなら「バカ」や「アホ」ともつき合おう
125.生きづらさの「原因」を安易に特定するネット記事が多すぎる
126.「誰でもHSP症候群」にかかった日本
127.「結論だけ欲しがる社会」に踊れされるな
128.生きづらい人は「ギバー」を目指さなくていい
129.「一人で生きていく」と決めた生きづらい人に必要な覚悟
130.マイノリティは、なぜ生きづらいのか?
131.生きづらい人の「意識」の上手な活かし方
132.もんもん耐性、それは自分の「本質」と向き合える力
133.生きづらい人はAIと仲良くなれる - 関係性のシンギュラリティ
134.「メンタルが強い人」のアドバイスを真に受けない
135.雑談力は必要か?雑談できないあなたへ
136.嫉妬しやすい人が「嫉妬しない人」になりたいなら
137.お金に振り回されなくなる「二つの力」
138.日本社会で生きづらい人が苦しんでいる本当の理由
139.自分は本当に「生きづらい」のだろうか?
140.生きづらい人はコミュニケーションが得意という事実
141.内にこもりたいとき、あなたはどうしていますか?
142.「憧れの人」を目指すな - ビジネスの成功者に憧れる生きづらい人へ
143.私には不満がない
144.「無駄にプライドが高い人」が好きだ
145.その他大勢になるな、唯一無二のままであれ。
146.「生きる意味」が見つからない、生きづらい人へ
147.「異物」として生きて
 


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