カウンセラーが合わないと感じる本当の理由、実は知られていない「カウンセラーの3タイプ」
カウンセラーが合わない。このままつづけていいのか?
思い切ってカウンセラーにそう聞いても、なんだか納得のいかない説明ばかり。
なんなら、相談しているこちらに責任があるような言い方もチラホラ・・・。
それはもしかすると、あなたとカウンセラーが目指している「目的地」がズレているのかもしれません。
じつは、カウンセラーには「3つのタイプ」がいて、それぞれが違った「目的地」を目指しているのです。
その目的地があなたとズレていると、カウンセラーが合わないと感じ、理由を説明されても納得がいかない状況になりやすいのです。
そこでこの記事では、一般には知られていない「カウンセラーの3タイプ」について詳しく解説していきます。
最後までお読みいただくと、あなたのカウンセラーがどのタイプで、あなたはどのタイプに相談すれば相性がいいのかもわかるようになっています。ぜひお役立てください。
┃執筆・監修:
生きづらさ専門カウンセラーしのぶかつのり
日本トランスパーソナル学会理事
セロトニントレーナー(有田秀穂・東邦大学名誉教授認定)
著書:『生きづらさから脱け出す実践法』(コスモス・ライブラリー)
【略歴】 幼少期の虐待、植物嫌悪症、重度のうつ病、精神障害者手帳の取得という状況から、脳生理学・心理学・環境設計を融合させた独自の回復メソッド「三理一体の法則」を体系化。東邦大学医学部名誉教授・有田秀穂博士の査読を受けた論文を上梓。自身の当事者経験にもとづいた「超・当事者目線」のカウンセリングを提供し、延べ8,000件以上の相談実績をもつ。現在は、脱世間起業塾「Adic」やオンラインサロンを主宰し、社会に適応できず苦しむ人々が「生きづらさをチカラに変える」ための支援をおこなっている。
この記事の結論:カウンセラーが「合わない」と感じる理由
カウンセラーが合わないという違和感の正体は、「目的地」のズレにあります。カウンセラーは主に以下の3タイプに分類され、あなたが求めているものと一致しない場合に「合わない」と感じやすくなります。
- 問題解消型: 悩みを「解消する」ことを目指す。
- 自己受容型: 悩みを「自分の一部として受け容れる」ことを目指す。
- 意味探求型: 悩みの「意味を見出す」ことを目指す。
「合わない」と感じるのは、あなたの心が求めるものに気づき始めたサインです。自分を責める必要はありません。
1.ご存じでしたか?カウンセラーが信じる「3つの目的地」
2.なぜカウンセラーと合わないのか?それは「目的地」のズレ
3.これって私だけ? カウンセラーが合わない時に相談者が感じる4つの違和感
4.納得できない!?カウンセラーがよく口にする「合わない原因」
5.なぜ不一致はくり返される? カウンセリング業界が抱える3つの課題
6.あなたのカウンセラーはどのタイプ?(チェックリスト)
7.あなたが今、本当に求めているのはどのタイプのカウンセラー?
8 .よくある質問(FAQ)
まとめ:相談するなら「悩みの階層」の深さが同じ人にしよう
誰かに相談したい。
でも、身近な人に言うのは少し怖い。友人や家族に相談すれば、心配されたり、励まされたり、ときには「そんなに深刻に考えなくてもいいよ」と言われるかもしれない。
一方で「やっぱりカウンセリングかな」と思っても、料金や相性の不安が頭をよぎる。
わざわざお金を払ってまで相談する意味があるのだろうか、と。
こうして多くの人が、友人・家族に相談するか、カウンセリングを受けるかその二択のあいだで迷っています。
実際、この二つはよく比較されますし、それぞれにメリットもデメリットもあります。
ただ・・・、
ここで一つ、あまり語られていない現実があります。
それは「どちらを選んでもうまくいかない人」がいるということです。
話してもスッキリしない。
理解された感じがしない。
むしろ相談したあと、前より孤独を感じてしまう。
そこでこの記事では、次の順番でわかりやすく解説していきます。
- 友人・家族への相談と、カウンセリングのメリット・デメリット
- それぞれが向いている悩み・向いていない悩み
- そのどちらでも行き詰まりやすい人の特徴
- その場合に有効な第3の解決策
もしあなたが、
「誰かに相談してきたはずなのに、なぜかずっと楽になれない」
そんな感覚を抱えているのなら。
この先の話は、あなたに新たな人生の希望をもたらすものになるでしょう。
1.ご存じでしたか?カウンセラーが信じる「3つの目的地」
カウンセリングが「合う・合わない」を左右するのは、カウンセラーの性格や手法との相性だけではありません。
一般には知られていませんが、じつは、カウンセラーによって目指している「目的地」が違います。
それは、大きく3つのタイプに分けられます。
あなたが今受けているカウンセリングは、どのタイプに当てはまるでしょうか?
┃1.問題解消型(Problem Solving)
「今ある悩みや症状を、効率よく消し去ること」を目的地とするタイプです。
このタイプのカウンセラーは、あなたの抱えている悩みを「解消すべき問題」と捉えます。
目指す場所: 症状(不眠、不安、パニックなど)の解消、困った行動の改善。「もとの生活」に戻し「ふうつの人」に近づけることを目指します。
アプローチ: 認知行動療法(CBT)、NLP、インナーチャイルド療法など、原因を特定しその修正などをとおして、相談者自身を変えていきます。
特徴: カウンセラーが主導権を握り、宿題を出したり、具体的なスキルを教えたりします。
相談者が感じる印象: 「具体的で分かりやすい」「家庭教師のようで頼りになる」と感じる一方で、気もちを置いてけぼりにされると「冷たい」「マニュアル通り」と感じることもあります。
┃2. 自己受容型(Self-Acceptance)
「消えない悩みや弱さを自分の一部として受け容れて生きていくこと」を目的地とするタイプです。
このタイプのカウンセラーは、あなたの苦しみを「解消」するよりも先に「分かち合う」ことを重視します。
目指す場所: 自分自身や事実を受容し、自分のままで生きられる新しい人生を創造していきます。
アプローチ: 来談者中心療法など、傾聴と共感をとおして、自分の内側と外側で起きている事実と向き合い、それを受け容れていくことで、自己と人生の自然な変容をうながします。
特徴: 「どうすればいいか」という助言よりも、「どう感じているか」「何が起きているか」という感情や事実のプロセスを丁寧に解きほぐしていきます。
読者が感じる印象: 「深く理解してもらえる」「温かい」と感じる一方で、傾聴を「ただフムフムうなづくこと」と勘違いしているカウンセラーに当たったり、変化を急ぐ時には「ただ聴いているだけで、なにもしてくれない」と物足りなさを感じることがあります。
┃3.意味探求型(Meaning-Seeking)
「その悩みが、自分の人生においてどんな意味をもつのかを見出すこと」を目的地とするタイプです。
このタイプのカウンセラーは、相談者のもつ「世界観」や「哲学」を一緒に読み解こうとします。
目指す場所: 生きる意味、自分の使命、役割、存在そのものの意味を見出し、納得していきます。
アプローチ: 自分の内面や外側の事実にとどまらず、ユング心理学やトランスパーソナル心理学の手法をとおして、シンクロニシティ(偶然に見える必然のつながり)、夢、イメージ、超常体験なども大切な人生の一部として真摯に向き合い、それが起きた意味を人生に活かしていきます。
特徴: 自分個人だけではなく、他の人、世界、宇宙、超越的なもの(神や存在そのものなど)とのつながりをも含めて「自分」ととらえ、その意味を探求していきます。
読者が感じる印象: 「自分の本質に触れた」「長年の謎が解けた」という深い納得感がある一方で、問題解消や自己受容だけを目的とする人にとっては「なぜそんなことをする必要があるの?」と、自己探求する理由自体が見当たらないと感じられるケースが多々あります。
以上が、カウンセラーの目的地別3タイプです。
この分類は、諸富祥彦先生の「カウンセリング理論の全体見取り図(総合版)」にある、カウンセリングの大きな二つの指向「人格成長・成熟志向/意味指向」「解決・症状除去指向/余計なものを消す方向」」をベースに、私自身がカウンセリングを受けた経験、そして生きづらさ専門カウンセラーとしてカウンセリングを含め延べ8,000件以上のご相談をお受けしてきた経験をもとに、当事者目線で分類したものになります。
ベースとなった諸富先生の分類にご興味のある場合は、下記の文献の67ページにわかりやすく、かつ精細にまとめられていますので、ぜひそちらも併せてご覧ください。
参考文献
諸富祥彦「EAMAの理論と実践 自己探求カウンセリング入門」誠信書房
2.なぜカウンセラーと合わないのか?それは「目的地」のズレ
ご覧いただいたように、カウンセラーによって信じる目的地はだいぶ違います。
そして当然、相談者さんの側も、たどり着きたいと思っている目的地をもっています。
その不一致が「合わない」という感覚を生み出しているケースが多くみられます。
ここでは、そんな「ミスマッチの典型事例」を見ていきましょう。
※、カウンセリングでのご相談内容をもとに構成していますが、特定の個人ではなく、多くの方に共通の体験を選び、かつ個人が推定されるような箇所は大幅に変更しています。
┃「自己受容したいさえ子さん」VS「問題解消したいカウンセラー」
さえ子さん(仮名)は、42歳。
小学生の男の子を育てながら、IT系の企業に勤める女性です。
さえ子さんは、夫婦仲の悪い両親のもとで育ちました。
子供の頃、家のなかは常に緊張状態で、安らかに過ごした記憶がありません。
人付き合いも苦手で、中学生の頃にはいじめを受けたこともあり、今でも人との距離感をうまくつかめないでいます。
それが「アダルトチルドレン」と言われる状態だと知ったのが10年前。
苦しい考え方をしてしまう自分を変えたくて、認知行動療法を受けてみたり、自己啓発セミナーで学んだ理、NLPのコーチングを受けてみたけれど、自分には合いませんでした。
長年努力してきたけれど、そろそろ限界を感じ、自分の人間関係が苦手な性質はもはや変えがたい自分であると受容しはじめていました。
幸い理解ある夫と子供に恵まれたため、家庭は円満でしたが、息子が4年生になった頃から、子供に強く言いすぎることが増えてきました。
これでは自分が子供の頃にされたことと変わらない。
息子に同じ思いはさせたくないと、アダルトチルドレンの子育ての相談ができるカウンセラーを探しました。
すると、自分と同じような経験をもち、子育てに奮闘中のアダルトチルドレン専門のカウンセラーを発見。
長年やっているようだし、評価もいい。
ここにしようと決めました。
しかし・・・。
最初のカウンセリングで、いきなり違和感を覚えます。
カウンセラーが、とにかく「生育歴」ばかり聞いてくるのです。
とくに母親との関係を、根ほり葉ほりたずねてきます。
さえ子さんは、子育ての相談をしたいのに、いつまでも自分のつらかった子供の頃の話をしなければならず、大きなストレスを感じました。
まさに、閉じていた傷を無理やり広げられているな痛みを覚えたのです。
そしてその日のカウンセリングは、「あなたは愛着障害でしょう」というカウンセラーの結論で、いったん終えることになりました。
次の予約をうながされ、さえ子さんは、このまま通うかどうか迷いました。
ただ、せっかく時間をかけて選んだカウンセラーだし、他に自分に近いと思える立場の人を見つける手間を考えると、もう少しだけこのカウンセラーに相談してみようという気もちになりました。
それから、月に1度のペースで通いました。
さえ子さんはカウンセラーに、自分の子育ての話をじっくりとすることができました。
しかし、なにを話してもカウンセラーは、さえ子さんの「母親との関係」に結びつけてきます。
子供に強く怒ってしまうと言えば「それは子供の頃とのお母さんとの関係が影響しているかもしれませんね」。
子供のわがままにイライラすると言えば「それはお母さんのことを思い出しているのかもしれませんね」。
子供に勉強をさせたいと言えば「それはお母さんとの関係が・・・」。
そして、そのたびに「子供の頃のお母さんに言い返すワーク」や「子供の頃の自分を慰めるワーク」をやることになります。
4回目のカウンセリングで、自分が求めているものとズレが大きいと感じたさえ子さんは、そのことを正直に伝えました。
するとカウンセラーは、「それはあなたが変化を恐れているからかもしれません」と伝えてきました。
そのとき、さえ子さんはハッキリとわかりました。
自分は、アダルトチルドレンである自分を受け容れて、そのうえで子供にどう接っしていけるかを現実的に考え、新しい人生に踏み出したかった。
でも、カウンセラーはひたすらアダルトチルドレンの性質を解消しようとしてくる。
とにかく原因を特定して、その原因を消したがる。
自分は「今の自分」のまま人生を変えたいのに、自分の方を変えようとしてくる。
つまり、さえ子さんは自己受容したいのに、カウンセラーはひたすら問題解消ばかりしようとしていたと気づいたのです。
さえ子さんは、自分のアダルトチルドレンの性質や子育ての問題を、都合よく消したいとは、もう思っていませんでした。
それはもうさんざん、イヤと言うほど努力してきた。
それでも自分を変えられないから、受け容れるしかないと覚悟した。
アダルトチルドレンだと自覚している自分なりの新しい人生を踏み出したかった。
今の自分のままでできる子育ての仕方を創造したかった。
子供のために、そのチャレンジをしつづけようと決意した。
しかし、どれだけそのことをカウンセラーに伝えても、ポカンとした顔をされるだけ。
そして、
「それでは子供の頃のあなたがかわいそう」
「できないと口にしたらできることもできなくなる」
「自分を変えることをためらわないで」
と言われ、愕然としてしまいました。
その空疎な対話を機に、さえ子さんはこのカウンセラーとは合わないと悟り、カウンセラーを変えようと決めたのでした。
いかがでしたでしょうか。
じっさいに現場でご相談をお受けしていると、3つのタイプのなかでも、この事例に挙げたような、自己受容型と問題解消型の目的のズレを経験してきた方が、もっとも多くおられます。
意味探求型のカウンセラーは、そのことをわかりやすく前面に提示していることが多いので、問題解消を求める方は選びにくいですし、自己受容型とタイプが似ているので、そこまで大きなズレにつながらないようです。
一方、自己受容と問題解消は隣接している部分が多く、後述しますが、カウンセラーのホームページなどを見るだけではどちらかハッキリ区別できない場合が多いです。
そのため、自己受容型と問題解消型の目的のズレを経験してきた方が多いのでしょう。
同じタイプのズレの事例については、下記の記事でも詳しくご紹介していますので、どうぞ参考になさってみてください。
参考記事
『なぜカウンセリングは苦しくなるのか?やめたくなる「二つの落とし穴」と5つのチェックポイント』
カウンセラーと合わずに苦しくなってしまった二つの事例をご紹介しています。
3.これって私だけ? カウンセラーが合わない時に相談者が感じる4つの違和感
今ご覧いただいたように、「なんとなく合わない」というモヤモヤを分解していくと、実はそこには明確な理由があります。
あなたがカウンセリングの後にどっと疲れたり、虚しさを感じたりする時、心の中では次のような「不一致」が起きているかもしれません。
あなたとカウンセラーとのあいだに、こんな違和感はありませんか?
┃1. 「聴いてもらえている」実感が持てない
カウンセリングの土台は安心感ですが、ここが揺らぐとすべてが噛み合わなくなります。
・共感よりも「分析」や「助言」が先に来る
気持ちを吐き出している最中に「それはつまり~ということですね」とドライに要約されたり、すぐに解決策を提示されたりすると、心はシャッターを下ろしてしまいます。
・表面的な理解で終わる
言葉の意味は通じているけれど、その裏側にある「痛みのニュアンス」を汲み取ってもらえていないと感じるとき、孤独感は逆に深まります。
・カウンセラーの話が多すぎる
理論の説明や、指導的な話、カウンセラー自身の感想が長く、自分の話す余白が奪われていると感じるケースです。
┃2. ペースや目的を「押し付けられている」感覚
自分の人生のハンドルを、カウンセラーに勝手に握られているような違和感です。
・「解決」を急がされる
まだ混乱していて、ただ整理したい段階なのに「次はこれをしましょう」「こう変わりましょう」と変化を急かされると、強いプレッシャーになります。
・「原因探し」に終始する
今の苦しさをどうにかしたいのに、過去のトラウマや家庭環境の分析ばかりがつづき、痛くもない傷をほじくり返されるように感じる状況です。
・自分のペースが尊重されない
予約の頻度や、話す内容の深さなど、こちらの都合を無視して「枠組み」や「手法」を優先されると、信頼関係は崩れてしまいます。
┃3. 「否定」や「評価」をされている空気
カウンセリングは本来、ジャッジされない場所であるはずですが、微かなニュアンスで否定を感じ取ってしまうことがあります。
・感情の修正(ポジティブの強要)
「それは考えすぎですよ」「もっと前向きに捉えましょう」といった言葉は、今の感情を否定されたという痛みとして残ります。
・価値観の提示
「家族とはこうあるべき」「もっと自立すべき」といったカウンセラー個人の価値観が透けて見えると、相談者は正解を答えなければならないような窮屈さを感じます。
・すぐに「変化を恐れている」と言われる
違和感や不満を口にしようとすると、「それはあなたが向き合うのを避けているからです」と、いわゆる【治療的抵抗】として片付けられそうな空気を感じると、何も言えなくなっていきます。
┃4. セッション後の「消耗感」が激しい
カウンセリング後に訪れる疲れが、心地よい疲れではなく、ダメージとして蓄積される場合です。
・どっと疲れる、強く落ち込む
自分の心の耐性を超えたテーマを扱われたり、適切なフォローがないまま深い傷に触れられたりすると、日常生活に支障が出るほどの消耗を招きます。
・方向性が見えない不安
「結局、何のためにこの話をしているのか」「どこに向かっているのか」が分からないまま時間だけが過ぎる時、徒労感だけが募ります。
いかがでしたでしょうか?
これらの違和感は、あなたが「わがまま」だから起きるのではありません。
あなたが求めている「目的地」と、カウンセラーが提供している「手法」が衝突した時に火花として散るのが、この「合わない」という感覚なのです。
4.納得できない!?カウンセラーがよく口にする「合わない原因」
カウンセラーに「なんだか合わない気がするんです」と勇気を出して伝えたとき、あるいは自分の中で違和感を覚えているとき。
タイプごとに、カウンセラー側からは次のような「もっともらしい説明」が返ってくることがあります。
しかし、その多くは「私の目指す目的地が正しい」という前提に基づいたものなので、その説明に納得いかない場合が多くなります。
┃問題解消型カウンセラーがよく使う説明
問題解消型のカウンセラーは「カウンセリングは原因を特定し、効率的に解消していくプロセスである」という前提で動いています。
そのためこのタイプのカウンセラーには、結果が出ないことや違和感を「相談者側の怠慢」や「意欲の問題」に置き換える人がいます。
たとえば、
「本人が変わろうとしていない(変化への抵抗がある)から」
「宿題やアドバイスを実践していないから、効果が出ないのは当然」
「カウンセリングを、ただ話を聴いてもらうサービス業だと誤解している」
「感情に浸るばかりで、現実的な解決に取り組む準備ができていない」
などなど・・・、
「合わないのではなく、カウンセリングの受け方(あるいはあなたの努力)に課題があるだけです」というスタンスになりがちです。
┃自己受容型カウンセラーがよく使う説明
自己受容型カウンセラーは「カウンセリングは自分を知り、どんな自分も受け容れていく苦しい過程である」という前提をもっています。
そのためこのタイプのカウンセラーには、相談者がカウンセラーに述べる不快感や違和感も「治療に必要なプロセス」として決めつけてしまう人がいます。
たとえば、
「カウンセリングはそもそも、しんどいものです」
「よくなる前に一時的に悪化するのは、順調な証拠ですよ」
「私(カウンセラー)に不満を感じるのは、身近な誰かへの感情を投影しているからです」
「答えや解決策をすぐに求めるのは、不快な感情に耐える力が不足しているからです」
などなど・・・、
「合わないと感じるのは、あなたが今、大事な核心に触れている証拠ですよ」と、違和感をストレートに受け取ろうとしない場合があります。
┃3.意味探求型カウンセラーがよく使う説明
意味探求型のカウンセラーは「カウンセリングとは、人生や苦しみの深い意味を見出す終わりのない営みである」という前提をもっています。
そのためこのタイプのカウンセラーは、「合う・合わない」という二元論や、効率・メリットという概念自体を、少し浅いものとして捉える傾向があります。
そのため、
「今は、その問いを扱う時期(タイミング)ではないのかもしれませんね」
「『楽になるか・ならないか』という視点だけで判断しようとしていませんか?」
「この違和感によって、あなたはどの方向へ導かれていると思いますか?」
など、
「その違和感にはどんな意味があると思いますか?」と、より深い問いとして差し戻すことがよくあります。
┃書いている私自身、反省する点も・・・
書いていて、私自身も「ああ、こういうことをしてしまっているかもしれない」と反省する点が多々ありました。
カウンセラーというのは、自分がカウンセリングで目指す目的地を、無自覚のうちに絶対視する傾向があります。
相談者さんが思っているほどはカウンセラーも達観していないですし、盲目的に、自分の信念に従っていることに気づけていないときもあります。
そのため、どのタイプの説明にも「カウンセラー自身の技術不足」や「目的地の不一致」という視点が抜け落ちてしまうという、残念な状況が起きてしまいます。
多くの場合、カウンセラーは悪気はなく、だからこそ、あなたが感じている「合わない」という直感を、「相談者の未熟さ」や「心理的な壁」にすり替えてしまうのです。
あなたが感じている納得のいかなさは、あなたの感覚が正しいからに他なりません。
堂々と、我々カウンセラーに伝えていただいてかまいません。
それをまともに聴こうとしないのであれば、そのカウンセラーは「目的地」の絶対視に陥っていると言えるでしょう。
ただ、相談者さんからすれば、なかなか「合わない」とは言いにくいものですよね・・・。
だから、やはりカウンセラー自身が気づかなければいけないものだと思います。
そして、自身の修正や相談者さんのケアをしていかなければなりません。
それが大前提です。
5.なぜ不一致はくり返される? カウンセリング業界が抱える3つの課題
そもそもなぜカウンセラーと「合わない」と感じることが、こんなにも頻繁に起きてしまうのでしょうか?
私自身が相談当事者として感じたこと、そしてご相談者さんから直接聞いた数々のエピソードをまとめると、下記の3つに集約されます。
┃カウンセラーとの不一致がくり返される理由
- そもそもカウンセラーは「自分がどのタイプか?」などと意識していない
- 自分の「タイプ」を驚くほど公表していない
- 「問題解消型」しか知らないカウンセラーが増え過ぎた
ひとつずつ説明していきます。
┃1.そもそもカウンセラーは「自分がどのタイプか?」などと意識していない
カウンセラーのすべてが「自分がどのタイプの目的地を目指しているか?」と認識しているわけではありません。
そもそもこの3タイプも、私の研究結果から導き出した分類です。
カウンセラー仲間と話していても、みなさん自分が学んだ技法や目的地を「正解」として信じている場合が多いため、、自分が「解決」の船に乗っているのか、「受容」の船に乗っているのかさえ客観視できていない場合が多いです。
相談者に合わせて柔軟に変えると言えば聞こえはいいですが、じっさいにそんなに器用にふるまえないカウンセラーが多いからこそ、「合わない」と感じている人がこんなにも多いのではないでしょうか。
┃2.自分の「タイプ」を驚くほど公表していない
私が昔から不思議に思っているのが、カウンセラーのWEBサイトなどを見ても、いったいなかでなにがおこなわれていて、どんなことをしてくれるのか書いてる人が非常に少ないということです。
カウンセラーのプロフィールを見ても、書いてあるのは「保有資格」や「得意な相談ジャンル」ばかりです。
「私は悩みを消すことを第一に考えています」とか「私は意味を探究することをもっとも重視しています」といった、最も大切な【目的地】を明文化して公開している人は、ほとんどいません。
これでは、相談者さんは中身の見えない「福袋」を引かされるようなもので、ミスマッチが起きない方が不思議な状況だと言えるでしょう。
┃3.「問題解消型」しか知らないカウンセラーが増え過ぎた
一時期、短期間で習得できる「問題解消型」のスキルや、マニュアル化された技法だけを身につけたカウンセラーが急増しました。
といっても、そのこと自体が不一致の原因ではありません。
問題なのは、そのような人は、自分がその方法で解消できたので、みんなも同じように解消できると思い込んでいることが、とても多いということ。
そのため、カウンセリング=問題解消と考えて、どんな悩みでもとにかく解消しようと無邪気に相談者さんに接してしまうのです。
無邪気ゆえに反論しづらく、相談者さんが一番対応に困るのがこのケースです。
6.あなたのカウンセラーはどのタイプ?(チェックリスト)
あなたのカウンセラーがどの目的地を目指しているのか?
日頃のやり取りを思い出しながら、ぜひチェックしてみてください。
A:問題解消型
[ ] 具体的で実践的なアドバイス(宿題やワーク)をよく受ける
[ ] 「認知の歪み」や「思考のクセ」といった言葉がよく出る
[ ] 「いつまでに、どうなりたいか」という目標設定を重視される
[ ] 感情に寄り添うことよりも、相談者をどう変えるかに焦点がある
B:自己受容型
[ ] こちらの話をさえぎらず、じっくりと最後まで聴いてくれる
[ ] 「今のままで大丈夫」「自分を責めなくていい」というメッセージが強い
[ ] カウンセラーから明確な答えやアドバイスが出ることはほとんどない
[ ] 変化を急かされる感覚がなく、今の気もちを分かち合う時間が長い
C:意味探求型
[ ] ものごとの結果よりもプロセスを重視する
[ ] 言葉の裏にある「無意識」や「象徴的な意味」を指摘される
[ ] 沈黙の時間が長く、こちらが内省するのを待っている感覚がある
[ ] 問題の解決に無頓着な感じを受ける
7.あなたが今、本当に求めているのはどのタイプのカウンセラー?
カウンセラーのタイプが分かったら、次は、自分の求める目的地と照らし合わせてみましょう。
もちろん目的地は一定ではなく、人生のステージによって、必要なタイプは変化します。
・ 「悩みを消したい」「症状を抑えたい」とき →【問題解消型】
仕事や生活に支障が出ていて、とにかく悩みを消したり抑える必要がある状況です。
・「自分を責めてボロボロ」「孤独でたまらない」とき → 【自己受容型】
変化や改善を考える余裕などなく、まずは折れそうな心を誰かに支えてもらい、自分を肯定する力が必要な状況です。
・「同じ失敗を繰り返す」「人生の虚しさを解きたい」とき → 【意味探求型】
目先の解決よりも、自分の生き方の根底にあるものを見つめ直し、深く納得して人生を歩みたい状況です。
┃これを書いている私は何型のカウンセラーか?
この記事を書いている私自身は、「自己受容型」+「意味探求型」のカウンセラーです。
なぜなら、私は生きづらさ専門カウンセラーだからです。
生きづらさは、葛藤の無限後退ですから消えることがありません。
その消えない葛藤をどう受け容れればいいのか?
そしてその消えない葛藤を抱えながら、どう生きていくか?
そこまでして生きる意味はあるのか?
その答えを得るという目的地に向かう専門的なカウンセリングをおこなっています。
私が、あなたに合うカウンセラーかどうか、それは私のメルマガを読んでいただくだけで一発で見極められると思います。
なぜなら、私自身、そして私のご相談者様が、じっさいに生きづらさを受け容れ、それを抱えながら生きている実体験をご紹介しているからです。
無料ですので、どうぞお気軽にご登録ください。
8.よくある質問(FAQ)
カウンセラーが合わないと感じるときによくある質問を、まとめました。
Q1.カウンセラーに「あなたのタイプは何ですか?」と聞いてもいいのでしょうか?
A1. はい、もちろんです。むしろ推奨します。
ただし、多くのカウンセラーは「私は〇〇型です」と自認しているわけではありません。「〇〇さんは、悩みに対して悩みの『解消』を重視されますか? それとも『受容』や『意味探求』を重視されますか?」と、あなたの希望を交えて聞いてみてください。その問いへの反応自体が、相談するに値するカウンセラーかどうかを判断する貴重な材料になります。
Q2.途中でカウンセラーのタイプを変えたくなったら、失礼にあたりますか?
A2. 全く失礼ではありません。
人生には、さまざまなプロセスがあります。最初は「問題解消型」で乗り切れていても、じょじょに変えがたい自分に気づき「自己受容型」に支えてもらう必要が出てくることも多いです。それでも苦しみが絶えなければ、意味探求型在のカウンセラーに変える必要もあるでしょう。あなたのプロセスに合わせてカウンセラーを変えていただいてかまいません。
Q3.「3つのタイプ」すべてを兼ね備えた万能なカウンセラーはいないのですか?
A3. 理想を言えば存在しますが、じっさいには「信じる目的地」があります。ベテランのカウンセラーほど複数の手法を使い分けますが、最終的な目的地はその人の「人間観」や「哲学」に根付いている場合が多いです。現実的には万能さを求めるよりも、今のあなたのプロセスに合った「目的地」を信じている人を選ぶ方が、結果的に納得感は高まると思います。
Q4.「合わない」と感じていることをカウンセラーに伝えるのが怖いです。
A4. その「言いにくさ」こそが、目的地がズレているサインかもしれません。もしも伝えたとしたら「それはあなたの抵抗です」といった説明で片づけられそうなら、その場所は今のあなたにとって合わない場所の可能性があります。プロのカウンセラーであれば、相談者さんの違和感に対してまず自分を反省し、その後、貴重な対話の種として誠実に扱ってくれるはずです。
Q5. どのタイプを選べばいいか、自分でも判断できないときはどうすればいいですか?
A5.あなたが自分を変えたいと思うなら「問題解消型」、自分を変えずに人生を変えたいと思うなら「自己受容型」、生きる意味や使命、自分を越えた存在を探求したいなら「意味探求型」がいいと思います。ご自分がそのいずれかのなにを求めているのかわからないときは、「自己受容型」のカウンセリングを選んで、まずはそんな自分の迷いと向き合ってみることをおすすめします。
その「言いにくさ」こそが、目的地がズレているサインかもしれません。もし伝えたさいに、「それはあなたの抵抗です」といった説明で片づけられそうなら、その場所は今のあなたにとって合わない場所の可能性があります。プロのカウンセラーであれば、相談者さんの違和感を貴重な対話の種として、誠実に扱ってくれるはずです。
まとめ.カウンセラー選びは「目的地の一致」から
「カウンセラーが合わない」と感じる時、私たちはつい「自分の性格に問題があるのでは?」「私の説明が下手だから・・・?」と自分を責めてしまいがちです。
しかし、ここまでお読みいただいたあなたなら、もうおわかりのはずです。
「合わない」の正体は、あなたとカウンセラーが目指している「目的地」のズレによるものです。
あなたが悪いわけではありません。
かといって、カウンセラーが必ずしも無能なわけでもない。
ただ「今、あなたが必要としている目的地」に、そのカウンセラーの船は向かっていない。
この事実を知るだけで、心が少しでも軽くなっていただけたらうれしいです。
「合わない」という直感は、あなたの実存が「私は今、別の場所へ行きたいんだ」と教えてくれている大切な道しるべです。
もし今のカウンセラーと目的地が違うと確信したなら、無理に合わせる必要はありません。
あなたが今、本当にたどり着きたい場所へ連れて行ってくれる、そんな新しいパートナーを探しはじめてもいいのです。
あなたの人生の舵を握っているのは、カウンセラーではなく、あなた自身なのですから。
Brain with Soul代表
生きづらさ専門カウンセラー
しのぶかつのり
本当に役に立つ「カウンセリング活用辞典」:目次
カウンセリングを受けてきた当時者であり現役カウンセラーでもあるしのぶかつのりが、本当に役立つカウンセリングの効果的な利用方法を「超・当事者目線」で紹介する、カウンセリングの活用辞典です。
おかげ様でコラム数500本突破!



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