諸富心理学の魅力

 

諸富心理学の魅力

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諸富祥彦の名著を味わう

 

プロローグ

『諸富心理学』の魅力

 
このコラムシリーズでは、私がもっとも尊敬し、影響を受けた心理学者であり、心理臨床家でもある、
 
「諸富祥彦」(もろとみよしひこ)
 
の名著をご紹介し、あなたとともにそこに刻まれた、
 
「言葉」
 
を味わっていきたいと思います。
 
諸富祥彦先生(以下敬称略)は、現在、明治大学文学部教授。教育学博士にして臨床心理士。著書の総数は200冊あまりにもなります。
 
私が今、人様のご相談をお受けする生きづらさ専門カウンセラーという仕事をしているのは間違いなく、これからご紹介していく、その、
 
『諸富祥彦の本』
 
と出会ったからです。
 
今回はその“諸富本”を、あなたにご紹介するプロローグとして、諸富祥彦の論じる心理学、
 
『諸富心理学』
 
について、ごく簡単にはなりますが、私なりの解説を試み、その最大の魅力に迫ってみたいと思います。
 
ちなみに『諸富心理学』とは、私がここで勝手にそう名づけさせてもらっただけで、ご本人がそう呼んでいらっしゃるわけではないので、あらかじめご了承ください。
 
さて。
 
『諸富心理学』の特徴は、三つの「イズム」によって成り立つ点にあると私は考えています。
 
その三つの「イズム」とは、
 
1.哲学の持つ「ニヒリズム」
2.宗教学の持つ「スピリチュアリズム」
3.臨床心理学の持つ「リアリズム」
 
です。
 
この世界の本質をあばく哲学の「残酷さ」と、宗教学の持つ「無条件の救い」、その相対する二つの性質を、単なる机上の心理学ではなく、長きにわたる臨床家経験の「現実観」という架け橋によって、実用可能な形態で融合させたことに、諸富祥彦の最大の功績がある、そう私は考えています。
 
そして、その三つの学問の「イズム」の単体同士としての相互作用ではなく、無限でありながら一体と呼べるかのような、三つの「イズム」の絶え間ない連続的な連関。
 
これこそが、
 
『諸富心理学の真髄』
 
であると言えるのではないでしょうか。
 
“諸富本”に刻まれた言葉には、一見ロマンチックに思える希望ある優しい表現であっても、その裏には必ずこの世界における残酷なまでの真実が潜んでいる。
 
一見よく見かけるようなスピリチュアルでごまかしが可能な表現であっても、それを学問という領域から誠実にとらえなおし、表現しなおし、現実的表現へと落とし込んでいく。
 
それがゆえに、受け手には妥協を許さない、力強い実践的な生き方を要求してくる。
 
しかし、それだけでは生きられない我々人間の弱さという「事実」を直視して、やはりどこかロマンチックかつスピリチュアルな世界観で、無条件の救いをも描きつづける。
 
単なる気休めではなく理想の妄言でもない、まさに、
 
「リアリズム」
 
がそこにある。
 
それこそが『諸富心理学』の、最大の魅力だと私は感じています。
 
<2>へつづく
 
Brain with Soul代表
信夫克紀(しのぶ かつのり)
 

 
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