ブレない自分基準のつくり方

 

心の輪郭の画像

 

心の輪郭に触れて生きる

 

第4回
常識という魔物

 
あなたは、歩道で自転車に乗っている時、
ゆっくりと歩く人に道をふさがれて
イライラすることがありますか?
 
ブレーキの音やペダルを
カチャカチャいわせているのに、
いっこうに気づく気配がない。
 
さあ、こんな嫌な気分になった時。
 
次の二つのうち、
どちらの考え方が正解でしょうか。
 
1.真後ろにいるのに、何で気づけないのかな。
早くどいてくれないかな。
これじゃ自転車に乗ってきた意味がなくなっちゃうよ。
 
2.歩道は歩行者が優先だよな。
歩道を自転車で急ごうとしてはいけないな。
自然と道があくまで待つ方が常識だよね。
 
さあ正解は・・・、
 
どちらでも良いのです。
 
あ、怒らないでください(笑)
 
どう考えるかは自由、
という意味です。
 
ただし『心の輪郭』に触れる
レッスン中のあなたにとって、
好ましくないのは、『2番』と言えるでしょう。
 
それは答を
 
『常識』
 
を基準に選んでしまっているからなんです。
 
倫理的に正しい選択。
優しい人になるための選択。
 
それならもちろん
2番が大正解です。
 
しかし今は、
『心の輪郭』に触れるレッスン中です。
 
『常識』というものは、
『心の輪郭』に触れる
大きな障害となるのです。
 
『常識』とは、過去から現在にかけて
不特定多数の人が築き上げてきた基準です。
 
決して、
あなたの “自分基準” ではありません。
 
『常識』を基準に考え方を選んでしまっては、
あなたの『心の輪郭』に触れることができないのです。
 
だからまずは、
どんな嫌な気分でも、
『常識』で押さえ込むことせずに、
すべて心の中で吐き出させてあげましょう。
 
冒頭の例で言えば、
思いっきりイライラした方がいいのです。
 
歯止めをかけずに、
出来る限りのイラ立ちを
心の中でぶちまけましょう。
 
知らず知らずのうちに
心の中にあらわれてくる
『常識』という名の拘束具をはずして、
あなたの思いを心の中でぶちまけるのです。
 
すると、
今まで見えてこなかった、
あなたの意外な本心が見えてくるでしょう。
 
人の気配に気づけないような
鈍感な人がどうしても許せないという
思いにいたるかもしれません。
 
気づいて欲しいという
切ない気持ちになるかもしれません。
 
自転車に乗ってきた自分を
責め始めるかもしれません。
 
たいして急いでもいないのに、
イライラしてしまう自分に
怒りの矛先が向くかもしれません。
 
そうやって日常の中で
『常識』を取り払って
徹底的に自分の思いに耳を傾けるだけで、
あなたの『心の輪郭』に出会うことができるのです。
 
あなたは、
ただイライラしていた訳ではないのです。
 
自分なりの基準があって、それなりの理由があって、
前にいる人に「どいて欲しい」と思っていたのです。
 
その思いを、
 
『常識』
 
という基準で押さえ込んでしまっては、
いつまでも 『心の輪郭』に触れることはできません。
 
とっている行動は同じでも、
その行動を選んでいる “自分基準”は、
本当に人それぞれなのですから。
 
解っていただいていると思いますが、
私はとにかく『常識』を破ろうと
ススメているわけではありません。
 
『常識』という基準で選んでしまっていることを、
まるで “自分基準” で選んでいると
錯覚しないようにしましょうと、あなたに伝えたいのです。
 
無意識のうちに『常識』に合わせて
考え方を選ぶクセがついていると
“自分基準” をどんどん見失ってことになります。
 
自分の心を、
どんどん押さえつけることになる。
 
だから、
いいことをしたはずなのに、
あとでイライラしてしまう。
 
優しくしたはずなのに、
あとでイライラしてしまう。
 
『常識という魔物』は、
知らず知らずのうちに
私たちの『心の輪郭』とすり替わってしまうものなのです。
 
次に、自転車に乗っていて
イライラすることがあったら、
ぜひ思う存分自分の気持ちを
心の中で吐き出させてあげてください。
 
その時、
一つだけルールがあります。
 
それは、その気持ちを、
決してすぐには行動に移さないこと。
 
自分の気持ちのままに
やりたいようにやることが、
『心の輪郭』に触れる目的ではありませんよね。
 
自分は本当はどう感じているのか。
 
それを知ることが、
『心の輪郭』に触れる目的です。
 
あなたは迷子の子供に頼られた時のように
『心の輪郭』が放つ言葉を、冷静に聴いてあげてください。
 
あなたの大切な “自分基準” となる
貴重な言葉です。
 
丁寧にやさしく聴きとってあげてくださいね。
 
 
Brain with Soul代表
信夫克紀(しのぶ かつのり)
 

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