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更新日:2019.09.09

すぐに役立つセロトニン基礎知識

 

セロトニンとは?

 
セロトニンは、私たちに幸せを感じさせてくれる脳内物質として有名ですよね。
そはそのセロトニンがじっさいに脳の中でどんな役割を担っているのか、ご存知ない方も多いのではないでしょうか。
そこでこのコラムでは、認定セロトニントレーナーである私が、セロトニンでがもたらしくてくれるうれしい作用やドーパミンなど他の脳内物質とのかかわり、そしてセロトニンの増やし方まで、詳しくわかりやすく解説していきます。

セロトニンとは?

 

1.セロトニンは「脳の肝っ玉母さん」

 
セロトニンとは、私たちの脳の中にある『幸せ物質』です。
 
東邦大学医学部名誉教授、脳生理学者の有田秀穂博士の研究結果がきっかけとなり、世界中で注目されるようになりました。
 

脳生理学者・医師 有田秀穂博士


※写真はご本人の許可を得て掲載しています
 
セロトニンは、 私たちの心と体を健やかに整えてくれる、 とても重要な脳内物質と考えられています。
 
脳内物質とは、 脳の色々なところに 情報や指示を伝えてくれる連絡役のようなもの。
 
私たちの脳の中にある、 約150億個以上ともいわれる 神経細胞の間をかけめぐり、 素早く情報や指示を伝達してくれます。
 
そのおかげで、 私たちはものごとを認識し、考え、 感情を得て、行動することができるわけです。
 
脳の中には、いろいろな種類の脳内物質、 そして神経が存在しています。
 
脳内物質と神経の役割はさまざまで、 なかなかコントロールすることが難しいものです。
 
まるで脳内物質と神経は、 聞き分けのない、
 
『やんちゃ坊主』
 
のようなもの。
 
私たちの脳内では、 この『やんちゃ坊主』たちが、 常にたくさん動き回っています。
 
セロトニンという脳内物質は、 この 『やんちゃ坊主』 たちの 暴走をおさえてくれているのです。
 
時になだめて、 時にやる気を出させ、 脳内を常に安定した状態に保ち、 私たちの心と体を守ってくれている。
 
まさにセロトニンは、
 
脳の 『肝っ玉かあさん』
 
とも呼べる存在なのです。
 

2.ドーパミンとセロトニンの関係

 
では、脳の中には、どのような 『やんちゃ坊主』 がいるのでしょうか?
 
まずはセロトニンと同じく、脳内物質である 『ドーパミン』 ちゃん。
 
欲しがり屋さんでガマンが苦手です。
 
主に食欲や性欲など、欲求や快感の興奮を私たちにもたらします。
 
また、目標を達成するための「やる気」をわきおこしてくれます。
 
ただし、一度欲しがり出すと手がつけられません。
 
多くの犠牲を出してでも、欲しいものを手に入れるまで追いかけまわしてしまいます。
 
そのため薬物依存、パチンコ依存、SEX依存などの「依存症」を引き起こす原因の一つ考えられています。
 
反面、うまく付き合えば、私たちのやる気を向上させ、いろいろな成果を生み出す味方となってくれます。
 
たとえば、受験合格を目指す、仕事の成功を目指す、好きな人に告白する・・・。
 
そんな時に力を発揮してくれるのがドーパミンです。
 
ドーパミンが適度な働きをするためには、セロトニンが必要不可欠です。
 
セロトニンは、ドーパミンの過剰な分泌をおさえてくれると言われているからです。
 
肝っ玉母さんであるセロトニンは、ドーパミンちゃんのたかぶる感情をおさえ、上手にやる気を維持させてくれる存在なのです。
 

3.ノルアドレナリンとセロトニンの関係

 
ドーパミンの次にご紹介するのは、同じく脳内物質である『ノルアドレナリン』ちゃんです。
 
この子の性格は、真面目で神経質。
 
危険や不快な刺激に対して集中力を高め、緊張や不安などの感情を私たちにもたらします。
 
時には、不安や緊張が暴走して、パニックをおこしてしまう時もあるのです。
 
うつ病、パニック障害、PTSDは、このノルアドレナリンちゃんの暴走が関係しているという研究結果も報告されています。
 
もちろん、デメリットばかりではありません。
 
不安や緊張のおかげで得られるメリットもたくさんありますよね。
 
適度な不安や緊張は、仕事や車の運転などの集中を求められたり危険を察知する必要があるときにとても役立ちます。
 
私たちがいざという時にキビキビと的確に動くことができるのはノルアドレナリンちゃんのおかげといえるのです。
 
肝っ玉母さんセロトニンは、このノルアドレナリンちゃんの扱いも手馴れたもの。
 
ノルアドレナリンちゃんをなだめてしっかりと活躍できるように落ち着かせくれるのです。
 
セロトニンは、ノルアドレナリンの過剰な分泌も抑えてくれます。
 
真面目で神経質なノルアドレナリンちゃんも、セロトニン母さんと一緒にいるとホッと安心できるみたいですね。
 

4.交感神経とセロトニンの関係

 
ドーパミン、ノルアドレナリンに続いてご紹介する脳のやんちゃ坊主は、『交感神経』ちゃんです。
 
自律神経の一つで、24時間、私たちの意思とは関係なく、呼吸をおこなったり、心臓を動かしたり、胃腸を動かしてくれている働き者です。
 
『交感神経』ちゃんの性格は、元気で緊張屋。
 
主に昼間や、ストレスを感じると活発に動き出し、心臓の脈拍を早くしたり、筋肉を固くすることで、私たちを『臨戦態勢』にしてくれます。
 
だから、『交感神経』ちゃんは、休養担当の『副交感神経』ちゃんと、コンビで活動しています。
 
ただし、ストレスが多すぎたり、不規則な生活を続けてしまうと、『交感神経』ちゃんが働き過ぎて、このコンビのバランスが崩れてしまいます。
 
不眠になったり、胃腸をこわしたり、めまいがしたり、いわゆる自律神経失調症になってしまうと言われているのです。
 
セロトニンは、私たちの自律神経のバランスを、適度に調節してくれると言われています。
 
肝っ玉母さんセロトニンは、『交感神経』ちゃんの緊張を解き、上手に 『副交感神経』ちゃんとバトンタッチをさせて、心と体を快適な状態で保ってくれるのです。
 
そう考えると、セロトニンと自律神経失調症は、深い関係にあると言えるのかもしれませんね。
 

5.副交感神経とセロトニンの関係

 
最後にご紹介するやんちゃ坊主は、『副交感神経』 ちゃんです。
 
といっても、今までご紹介したドーパミン、ノルアドレナリン、交感神経のように、やんちゃという感じではないんです。
 
交感神経ちゃんの活動を抑えて、私たちが体を安らげるときに活躍します。
 
じっさいに実験でも、薬によって交感神経を遮断した場合に安静時の心拍数が上がり、反対に副交感神経を遮断した場合には安静時の心拍数が下がることが報告されています。
 
とにかくリラックスと癒しが大好きなのです。
 
私たちが夜眠っている間やリラックスしている時に活動し、私たちの体のストレスも修復してくれます。
 
穏かな反面、夜にあまり活動しない時もあったり、逆に昼間に活動したり、我が道をいく一面もあります。
 
先ほどご紹介したとおり、『副交感神経』ちゃんも自律神経の一つです。
 
だから、『交感神経』ちゃんとのコンビネーションがくずれると、私たちの心と体もバランスがくずれてしまうのです。
 
特に朝目覚めた時。
 
このコンビの切り替えがうまくいかないとなかなか目が覚めなかったり、起きても体が思うように動かないというツラい症状に見舞われることになります。
 
セロトニンは、この自律神経の “朝の切り替え”をスムーズにさせる役割があるのです。
 
肝っ玉母さんセロトニンは、朝、交感神経ちゃんを優しく起して、副交感神経ちゃんをゆっくり休ませてあげるのが、とても上手なんですね。
 
まさにセロトニンは、脳内の肝っ玉母さん。
 
頼りになる存在ですね。
 
もちろん、ここまでご紹介した『やんちゃ坊主』たちは、いつも “悪さ” をしている訳ではありません。
 
それどころか、私たちを危険から守り、やる気を出させ、癒しを与えてくれる、生きるために必要な活動をしてくれています。
 
ただ、どんなにありがたい活動でも、限度を越えれば心と体に悪影響を与えてしまいますよね。
 
そんな時、肝っ玉かあさんセロトニンが、子供たちに優しく語りかけ、
なだめ、時にはお尻をたたき、彼らが “ほどよく的確に” 動くように、導いてくれるわけです。
 
セロトニンは、心と体のバランスを整え、日々、私たちの健やかで心地よい暮らしを支えてくれているのです。
 

参考文献
有田秀穂「セロトニン欠乏脳」NHK出版
信夫克紀「セロトニン活性を成功させる三理一体の法則 - うつ病、PTSD、ボタノフォビア諸症状緩和の考察」2014
成田正明他「Clinical Neuroscience Vol.21 (03年) 06月号 セロトニンをめぐって」中外医学社
太田徹他「依存症の脳科学 (<研究報告> 倫理学者のためのニューロエシックス)」実践哲学研究 (2007),30
Dan J.Stein他「不安とうつの脳と心のメカニズム - 感情と認知のニューロサイエンス」星和書房
東野英明「自律神経異常に起因する疾病とその対策」『日本良導絡自律神経学会雑誌Vol.51No.3』
斉藤満「自律神経:副交感神経」『体力科学(2001)50』日本体力医学会
 

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