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焦り、義務感、後悔を同時に予防する方法分

 

したがわない努力をアピールする女性の画像

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しない努力

 
第10回

したがわない努力

 

┃焦り、義務感、後悔には「したがわない努力」

 
したがわない努力?
 
そんなこと言われても難しいですよね。
 
現実問題、したがわなければならない場面は山ほどあります。
 
上司からの指示にしたがわなければ、たくさんの面倒がおきたあげくに仕事を失うかもしれません。
 
あなたが看護士なら、手術中に医師から「メス」と言われて、「したがいません」とは言えば、患者の命にかかわります。
 
法律にしたがわなければ、逮捕されてしまいます。
 
だから「したがわない努力」とは、なんでもかんでも人の言うことに反発するということではありません。
 
「ただただ黙ってはしたがわない」ということ。
 
つまり、あなたが「自分で考えてから自分で選ぶ」 ということです。
 
言いかえるなら、「したがわない努力」とは「自分で決める」という自覚をもって生きる方法とも言えるでしょう。
 
では、したがわないことに、いったいどんなメリットがあるというのでしょうか?
 
それは、「焦り「義務感」「後悔」をという「三重苦」を同時に予防できるというメリット。
 
つまり、
 
「早くしなきゃ」
 
「やらねばらない」
 
「ああしておけばよかった」
 
という苦しい感情にとらわれずに生きていけるようになるのです。
 
 

┃焦り、義務感、後悔は同時に発生する

  
「私が決めるのだ」「私が決めたのだ」という感覚ほど、あなたを「焦り」「義務感」「後悔」から解放してくれるものはありません。
 
たとえば、あなたが仕事に追われているとき、別の案件について上司から「あの企画書、早く出して」と指示されたとします。
 
反射的に「ハイ、今すぐ取りかかります!」としたがってしまえば、「早くしなきゃ」と自動的に焦ってしまいます。
 
さらに、「企画書を出さねばならない」という義務感で苦しくなります。
 
その上、もともと取り組んでいた仕事に手がつけられず残業となり、「スケジュールを考えてから返事すればよかった」と後悔することにもなります。
 
黙ってしたがうことで、焦りと、義務感と、後悔が同時に発生してしまいますよね。
 
では、上司の指示をポンポンと気軽に断れるのかと言えば、現実的にはそれも難しい問題です。
 
だから、「自分で考えてから自分で選ぶ」のです。
 
上司から「あの企画書、早く出して」と指示される。
 
今は他の仕事で忙しい。
 
でも、ここでいきなり断るほど忙しくはないかな。
 
上司もお客さんからせかされて落ち着かないのかもな。
 
ちょっと優先してあげるか。
 
2時間くらいの残業なら、手当ても出るし、やっても悪くないか。
 
よし引き受けよう。
 
「ハイ、今すぐ取り掛かります」
 
結果的には同じ返事をして同じ行動をとるかもしれません。
 
しかし、それを「自分で考えてから自分で選ぶ」ことが重要です。
 
「しっかりと考えてから自ら決めたのだ」という自覚があるだけで、
 
「早くしなきゃ」
 
「ねばならない」
 
「ああしておけばよかった」
 
という苦しい感情にさいなまれる度合いが、グ~ッと下がるのです。
 
これが「したがわない努力」です。
 
 

┃まずは機械を相手に「したがわない練習」

 
とは言え、これをいきなり人間相手に実践するのはなかなか難しいでしょう。
 
反射的にしたがってしまうのが、私たち人間だからです。
 
そこで私がオススメしているのは、機械を相手に「したがわない練習」をすることです。
 
たとえば横断歩道にある信号機。
 
青になっても、反射的には渡らない。
 
いったん待ちます。
 
なぜ今すぐに渡るのか、理由を考えてみましょう。
 
「待つのが嫌いだから」でもかまいません。
 
それから渡りましょう。
 
反対に、とくに今すぐ渡る理由がなければ、次の青まで待ってみましょう。
 
たとえば駅のホーム。
 
電車が来ます。
 
ドアが開きます。
 
乗らない。
 
いったん待ちます。
 
今すぐ乗る理由を考えてみましょう。
 
都心であれば、5分に一本は電車がきます。
 
それでも本当に今すぐこの電車に乗る必要があるのか、考えてみましょう。
 
とくに今すぐ乗る理由がなければ、次の電車を待ってみましょう。
 
反射的に黙ってしたがうのをやめて、「したがわない練習」をするのです。
 
カウンセリングでも人気のあるワークで、多くの方がじっさいに取り組んでおられます。
 
言うまでもありませんが、したがわないからと言って、赤信号なのに進んだり、ドアがしまった電車に乗ろうとするのは絶対にやめましょう(笑)
 
機械を相手にしたがわないことに慣れてきたら、職場などで人間を相手にやってみましょう。
 
回を重ねるごとに、あなたの「焦り」「義務感」「後悔」が予防されていくのを感じていただけると思います。
 
Brain with Soul代表
生きづらさ専門カウンセラー
しのぶ かつのり(信夫克紀)
 

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