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腹の立つ相手のことが頭から離れないとき 

しない努力

 
第11回

対峙しない努力

 

┃なぜ腹の立つ相手のことが頭から離れないのか?

 
腹の立つことをされ、その相手のことが頭から離れない。
 
あなたにも今、そんな相手がいますか?
 
その相手になんとかあなたの腹立たしさを理解させようとなんども試みる。
 
相手が悪いということを認めさせようとする。
 
しかし、相手はすんなりとは受け入れません。
 
それどころか、さらにあなたを攻撃してくる。
 
堂々めぐりで戦いは激化していき、あなたの腹立たしさは頂点をむかえることとなります。
 
この堂々めぐりを止めるにはどうしたらいいでしょうか?
 
よく見かけるのが次の三つの方法です。
 
まず「許す」。
 
相手にもなにか事情があったのだから、許してあげようということですね。
 
二つ目は「感謝する」。
 
過去によくしてもらったこともあるのだから感謝しよう。
 
腹の立つほど自分の足りない点を気づかせてくれたのだから感謝しよう。
 
そんなふうに前向きに考えてみるということですね。
 
そして三つ目は「相手をあわれむ」。
 
こんな言い方しかできないなんてかわいそうなヤツだ。
 
きっと家庭でも奥さんとうまくいってないのだろう、とあわれんであげるという考え方。
 
たしかにこれらの方法で納得ができたら怒りもやみますが・・・。
 
そうかんたんにはできないですよね(笑)
 
なぜできないのでしょうか?
 
それは「対峙」しているからです。
 
面と向かって対峙しているかぎり、許すことも、感謝も、あわれみも、ただの「ヤセ我慢」になってしまうのです。
 
 

┃頭から離れないほど腹立たしい感情への対処法

 
だから「対峙しない努力」をすれば、許す気持ち、感謝の気持ち、あわれむ気持ちが自然と湧いてきます。
 
「対峙しない努力」は言いかえると、「メタ視点でものを見る」と表現できるかもしれません。
 
「メタ」とは、「より上の」という意味。
 
つまり、階段を一段登って上からながめてみるということです。
 
相手に理解させようとしたり、認めさせようすることは、完全に「あなた」対「相手」の対峙状態です。
 
言うなれば、相手に視点が固定されている状態です。
 
この固定状態を抜け出し、メタ視点でものごとをながめてみる。
 
それが、頭から離れなくなるほど腹の立つ相手に対して、とても有効なのです。
 
相手と対峙せずに、メタ視点でものを見るためには、自分がどうありたいのかという「ありたい自分」を決めておくことが必要です。
 
といっても、「やりたいこと」や「欲しいもの」、「なりたい職業」といった、よく見かける目標を決めるということではありません。
 
「ありたい自分」とは「心の状態」のこと。
 
自分が24時間365日、どんな感情に包まれ、どんな気分でありたいのか、それを決めるのです。
 
 

┃メタ視点で対峙状態から抜け出そう

 
たとえば「穏やかで安心した、静かな海のような深い青色の気分ありたい」と決めてみる。
 
もしあなたが腹の立つ相手と対峙しそうだなと思ったら、その「ありたい自分」の視点で判断しようとしてみましょう。
 
それだけでフッと、相手から視点が離れていく感覚があるはずです。
 
周囲の状況や、来週予定、家族との約束が視野に入ってくるかもしれません。
 
メタ視点に立つことで、相手に固定された視点がはずれるのです。
 
そして、少しだけ冷静な判断力が戻ってくるでしょう。
 
その位置からあらためて相手を見おろしてみれば、「ありたい自分」であるためには、その人にこだわっている場合かどうかしっかり判断できるはずです。
 
結果的に、
 
「ここはいったん折れて次の仕事に取りかかろう」
 
「私のことを思って言ってくれているのだから感謝しよう」
 
「相手は冷静さを失っているようだから少し時間をおいてあげよう」
 
というふうに「自然と思える」かもしれません。
 
対峙したまま「無理に思おう」とすると、心にかなりの負担がかかりますよね。
 
でもメタ視点に立てば、「自然と思える」ようになるのです。
 
そのためにも、あなたが「ありたい自分」をしっかりと決めておくことが大切です
 
もちろん、いきなりは決められないかもしれません。
 
だから一回で決めようとせず、少しずつ納得のいく「ありたい自分」を見出していきましょう。
 
あなたに見出された「ありたい自分」は、きっとあなたの視点を大きく広くしてくれることでしょう。
 
Brain with Soul代表
生きづらさ専門カウンセラー
しのぶ かつのり(信夫克紀)
 

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