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Brain with Soul現象

 


第20回
意識の内容が決まる仕組み

 
前回は『意識画素』についてお話ししました。
 
脳内のプロセスが意識の点を生み出し、それが集まって『一つの意識』になると。
 
では、意識の内容の複雑な割合はいったいどのように決まるのでしょうか?
 
「感情」を例にとってみましょう。
 
脳内(心理)のプロセスで生まれる『意識画素』は、その一つひとつに性質があります。
 
たとえば「怒り」の性質、「よろこび」の性質、「恐怖」の性質、「悲しみ」の性質などなど…。
 
一つだけでは意識に「感情」として現れることのないほど小さな点。
 
それらの点のなかで同じような性質をもつもの同士が一定の量集まると、それがいわゆる「感情」という意味をもって意識のなかに現れる。
 
つまり、同じような性質をもつ意識の小さな点が集まり、『意識画素グループ』とでもいえる状態になったときに、意識のなかでその性質が存在感を増すということです。
 
もちろん、ことはそんなに単純ではなく、すべてが量だけで決まるわけでもなければ、私たちは「これが怒りというものです」と、クッキリと感情を分けられるわけでもありませんよね。
 
ただここでは、「意識の内容が決まる仕組み」という論点をわかりやすくするために、極端にそのはたらきを説明させていただいていることをご了解いただければと思います。
 
このようなはたらきは、心と意識の関係にかぎらず、心と知能という関係においても同じことが言えるでしょう。
 
一つ下の階層の組み合わせやその量が、一つ上の階層に「意味」を生じさせるということです。
 

<引用>
心のエージェントたちは、一つひとつをとってみれば、心とか思考をまったく必要としないような簡単なことしかできない。それなのに、こうしたエージェントたちがある特別な方法でいろいろな社会を構成すると、本当の知能にまで到達することができるのである。

 
(引用元:マーヴィン・ミンスキー「心の社会」)
 
 
「怒り」の性質をもつ『意識画素』がたくさん生まれれば、「怒り」の性質をもつ『意識画素グループ』を構成し、あなたの意識のなかに『怒りという感情』が現れる。
 
同じように、「生きづらい」性質をもつ『意識画素』がたくさん生まれれば、「生きづらい」性質の『意識画素グループ』を構成し、あなたの意識のなかに「生きづらいという感情」が現れます。
 
その勢力が増せば増すほど、他の感情をしのぎ、やがて意識は「生きづらさ」に覆われることになってしまうのです。

これが、『意識画素』によって意識の内容が決まっていく仕組みです。
 
ではなぜ、生きづらいと感じている人には生きづらさを感じる『意識画素』ばかり生まれてくるのでしょうか?
 
次回は、その仕組みについてお話させていただきたいと思います。
 
Brain with Soul代表
生きづらさ専門カウンセラー
しのぶかつのり(信夫克紀)
 
参考文献
マーヴィン・ミンスキー著/安西祐一郎訳「心の社会」産業図書

 
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