生きづらさから脱け出す覚悟の決め方

 

人生の不公平を受け入れる覚悟をした画像

 

人生の原液を飲んで生きる

 

第5回
人生は不公平だ

 
人生は不公平である。
 
この言葉を聞いて、
反論する人はどれほどいるでしょうか?
 
ほとんどの人は、
 
「確かにその通りだ」
 
と思うのではないでしょうか。
 
しかし。
 
なぜ、世間ではあまり、
人生は不公平だと表だって言われないのでしょうか。
 
例えば、
二世タレントと呼ばれる人たちがいます。
 
親がいたらから
デビューできたとやっかまれる、
 
つまり、
 
「不公平だ」
 
と言われやすい立場の人です。
 
タレントになり易かったはずだ、と。
 
すると、
たいていの二世タレントさんは、
 
「二世タレントには、
 二世タレントなりの苦労がある」
 
とおっしゃるわけです。
 
それは、
本当にそのとおりですよね。
 
私もそう感じます。
 
七光とひやかされたり、
親と露骨に比べられたりするわけですから。
 
しかし、
 
“タレントになりやすいかどうか”
 
という論点と、
 
“二世タレントにも苦労があるか”
 
という論点は、
まったく別のものです。
 
まったく別の会話をしているわけです。
 
何でこんなおかしな現象が
起きるのかというと。
 
二世タレントさんの中には、
 
「自分の実力でタレントになったのだ」
 
という思いがある。
 
親のおかげでデビューできたと、
認めたくない。
 
つまり、
 
『人生は不公平』
 
だと認めたくないのです。
 
なぜならそれを認めることは
自分に実力がないと、
自分で認めることになるからです。
 
だから、素直に、
認めるわけにはいかないのです。
 
そこで、論点の違う返答を
してしまうのでしょう。
 
もちろんこれは、
二世タレントさんに限りません。
 
私たちの誰の中にも、
多かれ少なかれこんな気持ちが
あるのではないでしょうか。
 
だから世の中では、
 
『人生は不公平だ』
 
という意見が浮上しづらいのです。
 
これを認めてしまえば、
何をどんなに頑張って達成しても、
 
『あなたは恵まれていたから』
 
で済まされてしまうわけです。
 
イチロー選手だって、
 
『努力するという才能に
 すごく恵まれていただけでしょ』
 
ということになってしまいます。
 
しかし。
 
世の中が認めようが認めまいが、
人生は不公平です。
 
それが人生の原液です。
 
「いや、人生は公平だ」と、
あなたが思うのなら。
 
氷河期の猛吹雪の中、
氷に覆われた大地を、
毛皮一枚で進む太古の人たちの前で、
 
ぬくぬくとしたコートを着て、
ホッカイロと缶コーヒーを手に
 
「人生って公平っすよね!」
 
と熱く語りかけてみてください。
 
それがきっとあなたにとって、
人生最後の会話になるでしょう。
 
人生は不公平。
 
生まれも、育ちも、
体力も、知力も、腕力も、
容姿も、時代も、お金も、時間も、
 
何から何まで不公平です。
 
だからよく、人生を、
トランプのポーカーに
例える人がいますよね。
 
配られたカードが、
どんなにひどくても。
 
何度でもカードを引き続けて、
素晴らしい手札にしていく。
 
それが人生なんだ、と。
 
うまい表現ですよね。
 
ただこれは、
 
実際に努力が実って、
良いカードを引くことができ、
 
結果として、
社会的に成功することが
できた人からよく耳にする言葉です。
 
言ってみれば、
東京ドームのステージ上から、
 
「夢は必ずかなうから!」
 
と語りかけるミュージシャンと
大差ありません。
 
結局、
良いカードが引けなければ、
成り立たない話なのですから。
 
だから。
 
重要なのは、
よい手札をそろえることではないのです。
 
配られたカードを見たとき。
 
そこで、
ついつい周りにつられて、
ポーカーを始めてしまうから、
生きづらくなってしまうのです。
 
どんなクソカード
(と自分が思うもの)が
配られたとしても。
 
そのクソカードを、
何に使うのか。
 
自分で決めればいい。
 
ババ抜きを始めてもいいし、
スピードを始めてもいい。
 
トランプゲームじゃなくてもいい。
 
カードを積み上げて
塔をつくりあげてもいいし、
 
絵柄に色をつけて、
塗り絵にしたっていい。
 
配られたカードで
ポーカーに挑むことが、
人生に求められる覚悟ではない。
 
自分のカードを使って
いったい何ができるのか?
 
それを本気で見出す覚悟。
 
それこそが、
不公平な人生の中で、
生きづらさから脱け出す覚悟なのです。
 
 
Brain with Soul代表
信夫克紀(しのぶ かつのり)
 

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