生きづらさから脱け出す覚悟の決め方

 

ろくな死に方をしないかもしれない覚悟を決めるイメージ

 

人生の原液を飲んで生きる

 

第11回
ろくな死に方をしないかもしれない

 
人間はいつか必ず死にます。
(今のことろ)
 
私も、あなたも、
やがて死ぬでしょう。
 
この『やがて』が、
いったいいつなのか。
 
予測はついたとしても、
明確には誰にも解りません。
 
身近な人の、
死に目にあった直後や、
 
余命宣告や、
殺害予告でもされない限り、
 
私たちはこの『やがて』を、
切実なものとして、
受け止めることはないでしょう。
 
たとえ死ぬこと自体を
心底怖いと思っていても、
 
その『やがて』がハッキリと
示されてしまう怖さには、
リアリティを持つことができません。
 
そして、なんとなく、
遠い先のこととして、
死から目をそらして生きている。
 
それが、
私たちの日常ではないでしょうか。
 
そこで、
よく聴くお話しがあります。
 
明日、
死ぬかもしれないと思うことが、
今を大切に生きることにつながる。
 
そんなお話しです。
 
本当にその通りだと思います。
 
だから、
自分が死ぬ時のこと、
死んだあとのこと、
 
それをリアルに想像する。
 
明日死ぬとして、
いったい最後に何をしたいと思うのか?
 
そして、死んだあと、
自分の亡骸を空からながめ、
いったいどんな後悔を感じるのか?
 
できるだけリアルに想像してみる。
 
しかし。
 
なかなかうまく想像できません。
 
リアリティがわいてこない。
 
なぜでしょうか?
 
それは肝心な部分の想像が、
抜けおちているからです。
 
『死』をリアルに感じる上で、
欠かせない想像。
 
それは、
 
『死に方』
 
です。
 
あなたも本当はよくご存知のとおり。
 
死はもっと容赦のないものです。
 
あらゆる『死に方』がある。
 
だから、どうしても、
そこから目をそらしたくなる。
 
そして、想像が抜け落ち、
リアリティをそこねてしまう。
 
つまり。
 
人は死ぬことそのものも怖いが、
実は同じくらい、
 
『死に方』
 
に怖れをいただいているのです。
 
事件、事故、
災害に巻き込まれて死ぬ。
 
延命治療で、
ながらく苦しんで死ぬ。
 
身寄りがなく、
孤独に打ちひしがれて死ぬ。
 
自分が死ぬ時に、
 
どんな苦しい思いをするのか、
どんな痛い思いをするのか、
どんなみじめな思いをするのか、
どんなさみしい思いをするのか。
 
『ろくな死に方をしないこと』が、
怖くて仕方がないのです。
 
そのため『死に方』について、
真正面から見ることができず、
 
“免疫”
 
がつけられないのです。
 
そこに、テレビや雑誌から、
 
“急増する孤独死”
“5年以内に大地震が!”
“あなたを狙う凶悪犯罪!”
 
とあおられてしまうと、
一気に怖くなってしまう。
 
孤独な老後になったらどうしよう…。
大地震が起きたらどうしよう…。
自分が狙われたらどうしよう…。
 
つまり、
 
「○○が起きたらどうしよう…」
 
という具体性のまったくない
恐怖心だけを持つように
なってしまうわけです。
 
真正面から見られないから、
具体性がない。
 
具体性がないから、
解決策は見つかるはずもありません。
 
だから、
しっかり真正面から見て、
 
解決策があるのなら、
それをとればいい。
 
解決策がないのなら、
受け入れるしかない。
 
いっけん単純な話なのですが、
 
私たち人間は、
この覚悟を決めることが、
本当に苦手なようです。
 
特に、生きづらさを抱えた人は、
ものごとをシリアスにとらえる傾向があります。
 
虐待や災害など、
実際に死を経験しかかった人は、
なおさらそうならざるを得ません。
 
そして、
ただただ恐怖心を持つしか
できなくなってしまうわけです。
 
「延命治療はしない」と決めて、
家族にそう伝えている人が、
最近とても多く増えています。
 
しかし、いざ本当に
選択を迫れらる場面になると、
 
「ぜひ治療して欲しい」
 
と意見が変わる人が、
ほとんどだと言われています。
 
「まさか、自分が本当になるとは」
 
「まさか、こんなに早いとは」
 
「まさか、こんな意識が
 ハッキリした状態で選択させられるとは」
 
私も、あなたも、
誰もが笑えない話ではないでしょうか。
 
こんな当たり前とも
思えることでさえ。
 
私たち人間は誰しも、
『死に方』を真正面から
見ることが苦手なのです。
 
『ろくな死に方をしないこと』
への想像を自然と避けてしまう。
 
だからといって、
死はひとカケラも
情けをかけてはくれません。
 
いつでも、どこでも、
あなたに対して、
あらゆる『死に方』を
迫ってくる可能性があります。
 
それが、
人生の原液なのであれば。
 
真正面から、
見つめてしまいましょう。
 
どうしよう、
どうしようと怯えるだけではなく。
 
あなたのそばにある、
 
『ろくな死に方をしない』
 
という可能性を受け止めてみる。
 
あくまでも、
冷静に、冷厳に。
 
それを避けるために、
自分に何ができるのか。
何ができないのか。
 
何もしないなら、
何を受け入れざるを得ないのか。
 
しっかり考えてみる。
 
覚悟を決めてみる。
 
そして、
そうやって考え、行動し、
どんなに覚悟を決めたとしても、
 
やっぱり結局、
ろくな死に方をしないかもしれない。
 
そう覚悟を決めてみるのです。
 
さらに。
 
そこまで覚悟を決めても、
いざ本当に死を目の前にしたら、
 
動揺し、あわてふためき、
打ちひしがれ、絶望し、
何もできないかもしれない…、
 
どうしよう、どうしようと、
頭を抱えるしかできないかもしれない…、
 
私たち人間は、
それほどまでに死が苦手なのだ。
 
そう覚悟を決めてみるのです。
 
どんなにあがいてみたところで、
私にも、あなたにも、
 
『死に方』
 
は選べないのですから。
 
 
Brain with Soul代表
信夫克紀(しのぶ かつのり)
 

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