生きづらさから脱け出す覚悟の決め方

 

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人生の原液を飲んで生きる

 

第10回
人間に尊厳はない

 
人間原理という言葉があります。
 
一言でいうなら、
 
『この宇宙は人間を生み出すという目的を持っている』
 
という考え方。
 
人間が宇宙の中心存在だ、
という考え方です。
 
私たち日本人は、
何となくこの人間原理を、
肯定して生きているのではないでしょうか。
 
何となく、
 
“私たち人間は特別である”
 
と。
 
その人間を、
 
「高等生物」
「知的生命」
 
と呼ぶことがあります。
 
あなたもその呼び方に、
そんなには違和感を
覚えないのではないでしょうか。
 
それは、
生物学の体系の中での
序列としてそう感じるのではなく、
 
たいていの場合は、
「高等生物」「知的生命」
という言葉を、
 
“人間は他の生命よりも優れた存在なのだ”
 
“他の生命が進化した頂点にいるのが人間なのだ”
 
と自然ととらえているのでは
ないでしょうか。
 
つまり私たちが、
生命進化の最先端だと。
 
それが高じてなのか、
ついには、
 
「地球を守ろう!」
 
といった標語まで生まれてくる。
 
守られているのは、
確実に人間の方なのですが、
 
どうも私たちが、
地球を守れるかのように、
勘違いをおこしてしまう。
 
そしてその考えの
方向性が極まって、
 
『人間の尊厳』
 
なるものがあるという考え方が、
自然と受け入れられているのです。
 
人間には尊厳があり、
それが侵されるべきではない。
 
人間の尊厳を侵すこと、
侵されることは、
恥であり最大の屈辱である。
 
それを守ろうとすることが、
人間であることの証なのだ。
 
このような意識を、
なんとなく私たちは、
共有してしまっているのです。
 
しかし、
人間に尊厳はありません。
 
そんなものがあると思うから、
生きづらくなってしまう。
 
人生が苦しくなってしまうのです。
 
なぜ人間にだけ尊厳があり、
他の生命には尊厳がないのでしょうか。
 
尊厳などと、
たいそうな表現をしていますが、
 
内容をよくただしてみれば、
ただ、
 
『されたら嫌なこと』
『なったら嫌な状況』
 
程度のことでしかありません。
 
そんなものは、
他の生命にもすべてあります。
 
犬だって、
肉球を触られたら嫌がるし、
 
鳥だって銃で撃たれて、
空から落ちたくはないでしょう。
 
それをいちいち『犬の尊厳』、
『鳥の尊厳』とは言わないでしょう。
 
そしてなぜ、
それらの尊厳は侵してよく、
人間の尊厳だけが、
守られねばならないのでしょうか。
 
ちなみに、人間が、
『知的』というのも多分に怪しい。
 
私のビジネスマン時代も
まさにそうでしたが、
 
真夏の猛暑の昼間に、
スーツを着てネクタイを締め、
 
「暑い」
 
と言っている存在の、
どこが知的なのか。
 
さらにそのために
オフィス内の冷房を強くし、
 
「寒い」
 
と言っているのが
知的生命なのだとしたら、
 
鏡に向かって、
怒り狂っている猫は、
十分に知的生命でしょう。
 
人間は確かに、
他の動物に比べて、
『知能』という機能は優れているでしょう。
 
でもそれは、
大脳という体の部位が発達し、
『思考する』という機能
発達しただけのことです。
 
サーベルタイガーの、
牙という部位が発達し、
『噛む』という機能
発達したことと何も変わりません。
 
動物進化の先端でもなければ、
生命の頂点でもなんでもありません。
 
ただ単に、
そういう『機能』が発達した
特徴を持つ動物・生命というだけのことです。
 
人間だけが特別だという、
証明にはまったくなりません。
 
特別ではないものを、
特別だと信じて守ろうとする。
 
でも実際には特別ではないので、
容赦のないあつかいを受ける。
 
特別なはずのものを、
誰も守ってくれず、
簡単に頻繁に侵されてしまう…。
 
これでは、
生きるのが怖くなってしまう人が
多くなるのも当然です。
 
『人間の尊厳』という妄想が、
必要以上の怖れをつくりだすのです。
 
人間に尊厳はない。
 
人間は特別な存在ではない。
 
人間は、全生命の中で、
かけがえのない存在などではない。
 
かわりはいくらでもいる、
“その他大勢”にすぎません。
 
人間だけが、
特別扱いされることは決してない。
 
人間だけが、
許されることは決してない。
 
あなたが生きている限り、
『人間の尊厳』とやらを、
傷つけられるような、
 
“ありえないほどされたら嫌なこと”
 
“ありえないほどなったら嫌な状況”
 
が当たり前のように、
容赦なく降りかかってくる。
 
いつでも、どこでも。
 
それが人生の原液。
 
あなたも私も、
この地球環境の中で、
全生命の中でもまれながら、
 
『されたら嫌なこと』
『なったら嫌な状況』
 
に日々まみれて生きていくのです。
 
 
Brain with Soul代表
信夫克紀(しのぶ かつのり)
 

 
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