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迎合のパターンを見出す

 

虐待の後遺症のイメージ

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虐待の後遺症

 

第11回
迎合のパターンを見出す

 
前回までにピックアップした、迎合と思える自分の行動を見ていくと、いくつかのパターンに分けられることに気がつくかもしれません。
 
たとえば、
 
必要以上に、自分の弱みを見せようとしてしまう。
 
必要以上に、自分の苦労をアピールしてしまう。
 
必要以上に、引きさがってしまう。
 
必要以上に、相手の機嫌をとってしまう。
 
必要以上に、礼儀正しくしてしまう。
 
必要以上に、へりくだってしまう。
 
必要以上に、相手を持ち上げてしまう。
 
必要以上に、謝ってしまう。
 
必要以上に、明るく振る舞ってしまう。
 
必要以上に、笑わせようとしてしまう。
 
必要以上に、話を合わせてしまう。
 
必要以上に、相手の感情に同調してしまう。
 
必要以上に、しゃべってしまう。
 
必要以上に、ベタベタ触れようとしてしまう。
 
など、自分が迎合してしまう「パターン」が見えてくるでしょう。
 
ピックアップした迎合の行動、その一つひとつを『Don’t』か『Can’t』なのかを見極めて、なおかつそれを改善していこうとすることは、とても手間がかかり現実的ではありません。
 
そこで、自分の迎合の行動からパターンを見つけ出して、そのパターンごとに『Don’t』か『Can’t』なのかを見極めて、対処していくことが現実的であり、効率的です。
 
つまり、木の枝ではなく、幹を見るということ。
 
こうして、自分の「迎合のパターン」を見つけ出すだけでも、自然とそのパターンの行動をとらなくなっていくことがあります。
 
自分の行動のクセを見つけることができたことで、客観的になることができ、迎合してしまう前に気がついて、その行動が自然にしずまっていくのです。
 
もし完全にしずまらず、行動をとってしまったとしても、極端さがなくなり、迎合とは言えないていどの範囲におさまります。
 
友人同士を紹介するときも「この人は、本当にすごい人でね。」くらいの表現でとどまり、カラオケの場を盛り上げるとしても、立ちあがって掛け声をかけるくらいにとどまってくる。
 
それだけでも、自分の心と周囲の人にもたらす違和感は、大幅に軽減されるはずです。
 
ただ、虐待の後遺症として強烈に根づいてしまった迎合の場合は、自覚しただけでは、おさまってはくれないでしょう。
 
客観的に見る間もなく、そして自分の意志とは関係なく、ごく自然となめらかに迎合してしまうので、食い止めることができません。
 
気がついたら、もうすでに、激しく迎合してしまっているのです。
 
もし、なんとか食い止められたとしても、そのまますんなりとおさまってくれることは、とても少ないでしょう。
 
ムズムズと、そのまま止めておくことができなくなるほどの迎合の衝動が襲ってくるのです。
 
そして、まるで尻を蹴りあげられるようなその激しい衝動に突き動かされて、やがては耐えきれずに、しゃべりだしたり、機嫌をとりだしたりしてしまうのです。
 
このような強い衝動を持つ迎合。
 
そんなにまでも抑えのきかない行動は、もはやすべて『Can’t』と見なしてしまえばいいのかといえば、そんなことはありません。
 
まだまだこれらの行動の中にも、止めようと思えば止められる、『Don’t』であるものが含まれているのです。
 
次回は、その激しい衝動を持つ迎合の止め方を見ていきましょう。
 
Brain with Soul代表
生きづらさ専門カウンセラー
信夫克紀(しのぶ かつのり)
 

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