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自尊心を取り戻す瞬間

 

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虐待の後遺症

 

最終回
自尊心を取り戻す瞬間

 
前回のような「かわす」努力を充分したにもかかわらず、よけいな摩擦が起きてしまった。
 
もしそうなったとしても、あるていどまでは仕方のないことだと言えるでしょう。
 
なぜなら、以前ご説明したとおり、今までいた「環境」から離れるということは、周囲の人にも変化を与えるというリスクをともなうものだからです。
 
少なからず恨みをかってしまうこともあるかもしれません。
 
しかし、本当にあなたのことを尊重してくれている人なのであれば、あなたが『Can’tの自分』を受け入れたことを認め、あなたを引きとめるようなことはしないでしょう。
 
にもかかわらず、あまりにもかわしきれないほどその「環境」にいる人がしつこくまとわりついてきたり、その人数があまりに多かったり、スムーズに「逃げる」ことができないと判断せざるをえないような状況になったのだとしたら。
 
そのときは、前回のたとえで言うと、部署を変えるていどの「逃げる」ではなく、その職場を辞めたり、できるだけ人と会わずに済む職種に転職するなど、もっと大きく人生の「方向」を変えることについて真剣に考える必要があるでしょう。
 
そうして、迎合という虐待の後遺症をもつ自分が心地よく過ごせる「方向」を見出し、その周囲にいる人を上手に「かわす」方法を身につけていくこと、それが自分固有の生き方となり、独自の人生のスタイルになっていくのです。
 
虐待の後遺症をもつ人は、
 
「この人とはこのていどつき合い、あの人とはこのていどつき合う」
 
というさじ加減がとても苦手です。
 
自尊心がしおれているため、うまく人とつき合えないことを自分の責任だと感じ、どの人とも真正面からしっかりつき合えるように努力してしまうのです。
 
そして、自分にとって相性の悪い人であってもその努力をつづけ、心身をみずから痛めつけてしまうのです。
 
あなたがもし虐待の後遺症に苦しんでいるのなら、あなたの傷を傷と知らずにバシバシと叩いてくる人とは接触しなくて済む「環境」を整える必要があります。
 
それでもその人と会わなければならないのであれば、そのときだけでもその無邪気なパンチをかわす防御の技を身につける必要があるのです。
 
そのような結果として選ばれた生き方は、他の人とはだいぶ違った生き方に見えるかもしれません。
 
しかし、それこそがあなた固有の生き方であり、あなたのオリジナルな「心地よい人生」なのです。
 
そして、その心地よさを存分に味わえるようになったとき、そのときこそがあなたが虐待によって奪われてしまった自尊心を、見事にみずからの手に取り戻した瞬間なのです。
 
21回に渡り連載してきた「虐待の後遺症」。
 
このコラムも今回で最終回です。
 
この連載では、主に「迎合」という虐待の後遺症を克服する方法をご紹介してきました。
 
ただ最初に述べさせていただいたとおり、「迎合」以外にも「攻撃」「自己顕示」「心の領空侵犯」という、とてもやっかいな虐待の後遺症が存在しています。
 
それらの後遺症への取り組み方についても、また機会をいただいてご紹介させていただければと思っています。
 
最後までお読みいただきありがとうございます。
 
Brain with Soul代表
生きづらさ専門カウンセラー
しのぶかつのり(信夫克紀)
 


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