人からの評価が気になる
アダルトチルドレンを「本気」で克服する方法
第30回
人からの評価が気になる
あなたは、人からの評価が気になることがありますか?
しかも、評価を気にしすぎるあまり、うまく会話ができないことがある。
さらに、会話が終わったあとも「変に思われなかったかな」と、いつまでも気になってしまう。
その上、「あれはまずかったかな…」と思い出しては、冷や汗をかきながらいつまでもその考えを引きずってしまうのです。
アダルトチルドレンは、人からの評価がとてつもなく気になってしまいます。
人からの評価が気になりすぎて、それが日常となり、自分が人からの評価を気にしていることに気づいていない人も多くおられます。
もちろん誰でも、人からどんなふうに評価されているかは気になるものですよね。
たとえば上司が、自分の仕事ぶりをどう評価しているのか。
また、あこがれの異性が、自分を恋愛対象としてどう評価しているのか…、など。
その上司や異性の前に出ると、評価が気になって、いつもの自分ではいられなくなってしまうわけです。
でも、アダルトチルドレンは、このような「よくあるケース」とは大きく異なります。
なぜならアダルトチルドレンは、
「すべての人からの評価」
が気になってしまうから。
全方位的に評価が気になってしまうのです。
電車の中でも、出社しても、飲み会でも、親しい友だちと会っても、自分がどう思われているのか、どう思われたのかが気になる。
とにかく、すべての人からの評価が気になってしまうのです。
そうなると、日常生活にも大きな影響が出てしまいます。
どこにいても落ち着かず、生きた心地がしません。
とても苦しいですよね。
そこで今回は、人からの評価が気にならなくなる、具体的なワークをご紹介したいと思います。
それは、
「評価する側にまわる」
というワークです。
もしあなたが、人から評価されることが気になって悩んでいるのなら。
あなたは知らずしらずのうちに、「評価される側」に立っているのかもしれません。
しかも、いつでもどこでも。
どんな人と接しても、一瞬にして自分が「評価される側」に立ってしまうのです。
アダルトチルドレンは、長年のクセで「評価される側」に立つのが当たり前になってしまっている。
それどころか、「評価される側」以外の立ち位置の存在なんて、まったく考えたこともないという人もいます。
今このコラムを読んではじめて、「評価する側」という立ち位置に気づいたという方もおられるかもしれません。
アダルトチルドレンは、自分の人生という大地が「評価される側」で埋め尽くされていて、他の陸地があることに気づかずに生きてきた方が本当に多いのです。
だから、意識して「評価する側」に回る。
積極的に相手に「評価をくだす」練習をする。
人からの評価が気になりそうになったら、すかさずその相手の評価をして「評価する側」にまわるのです。
もちろん、最初はうまく評価できないかもしれません。
でも焦らなくて大丈夫。
なぜならこのワークは、評価をすることが目的ではないからです。
このワークは、人と接したときに、あなたが自動的に「評価される側」にまわるのを食い止めるためのブレーキのようなもの。
相手とフェアに接することができるようになるための練習なのです。
評価することが目的なのではなく、あくまでも自分が「評価する側に回る」ためのワークだという点を、ぜひ覚えておいてくださいね。
毎日つづけていくことで、少しずつ自分が「評価する側」にまわっていることを実感できるはずです。
カウンセリングの場でも、このワークによって人からの評価が気にならなくなっていく方が多くおられます。
ただ、このワークに取り組む前に、ひとつだけ忘れないでいただきたいことがあります。
それは、
「アダルトチルドレンは人からの評価が気になっても当然だ」
ということです。
アダルトチルドレンは、幼いころから家族中の評価の視線にさらされてきました。
あいさつ、姿勢、言葉づかい、ハシの持ち方、字のうまい下手、食べ方、食べ物の好き嫌い、勉強のはかどり具合、テストの結果などなど…。
兄弟姉妹がいた場合は、もっとひどかったかもしれません。
兄弟姉妹は、同じ空間の中で過ごす時間が親よりも多くなりがちです。
興味を持つものも近い。
だから、服のセンスから髪型、聴いてる音楽から読んでるマンガ、一緒にいる友達のイケてる度まで、すべてを評価の対象とされて、しかもけなされてきた。
そんな環境の中で365日休みなく、何年も何年も何年も何年も何年も暮らしていたら。
人からの評価が気にならない方がおかしい。
人からの評価が気になって当たり前なのです。
だからアダルトチルドレンは、人からの評価が気になるというクセを、ゼロにしようとしない。
無理にゼロにしようとすれば、よけいに苦しくなるだけです。
人からの評価は気になるのが当たり前。
その上で、「評価する側」にまわる練習に取り組んでいくことがとても大切なのです。
Brain with Soul代表
生きづらさ専門カウンセラー
しのぶ かつのり(信夫克紀)
アダルトチルドレンを「本気」で克服する方法 <目次>
1.アダルトチルドレンを「本気」で克服する方法
2.なぜ克服したはずの問題をくり返してしまうのか?
3.今までのアダルトチルドレン克服法が取りこぼしてきた盲点とは?
4.扁桃体が敏感だと自覚する
5.「あなたは強い」という事実
6.親を捨てる
7.アダルトチルドレン克服に欠かせない必要なこと
8.恩着せがましい親
9.一生懸命育てたのに!
10.あなたは本当に親不孝者なのか?
11.親にすべてをブチまけようと思う
12.親が子育ての非を認められない理由
13.親への仕返しが止められない
14.アダルトチルドレン克服の優先順位
15.親との対決に必要な覚悟
16.好きなこと、やりたいことがわからない
17.「誰もわかってくれない」を解決する方法
18.燃え尽き症候群をくり返してしまう
19.親との関係を良好にしたい
20.「してあげた」という親心
21.なぜアダルトチルドレンはリラックスできないのか?
22.「体」を整えることがアダルトチルドレンに必要な理由
23.「つき合う人」を変えなければアダルトチルドレンは克服できない
24.ナイーブさを捨てる
25.人に批判されるのが怖い
26.自尊心が低い
27.アダルトチルドレンの「克服」とは?
28.感情をうまく表現できない
29.鬼のような親
30.人からの評価が気になる
31.自信よりも必要なもの
32.嘘をついてしまう
33.アダルトチルドレンが承認欲求をなくす方法
34.仕事で手を抜けない
35.自己肯定感を高めたい
36.親と同じことをしてしまった
37.なぜ焦ってしまうのか?
38.不登校が許されなかった人
39.今の仕事が向いていないと思うなら
40.勇敢であるということ
41.人間関係がうまくいかない
42.孤独を磨き上げる
43.努力しても嫌われつづける人
44.いつも自分ばかり残業している
45.快楽と上手につき合おう
46.自分のなかに基準がない
47.面倒くさがりをなおしたい
48.自分に合った働き方を見つけたい
49.他人に興味がもてない
50.自分に興味がもてない
51.人の顔色をうかがう原因とその対処法
52.私は変われるでしょうか?
53.どこに行っても同じだぞ!
54.自分がわからない
55.やる前から「無理」「できない」とあきらめてしまう
56.職場の人間関係がつらい
57.自分で自分をしばりつけてしまう人
58.不自由を感じてしまう原因
59.口が悪くて孤立してしまう
60.親のせいにするのは自分の甘えなのか?
61.嫌味ったらしい言い方をしてしまう
62.明るく楽しく振るまえなくなった
63.家庭環境のせいにし過ぎと言われてしまう
64.すべてを受け入れてもらいたい
65.親への憎しみが消えない
66.自分の受け入れ方
67.一人暮らしを必死になって止める母親
68.ひどい親に育てられた
69.アダルトチルドレンが子供のしつけに迷うとき
70.ささいなことを根にもってしまう
71.なにをすればいいのかわからない…
72.無駄にプライドが高い自分がイヤになる
73.あなたのペースを乱す人への具体的な対処法
74.あなたが無理しすぎてしまう本当の理由
75.なぜあなたは努力しても報われないのか?
76.幸せを追いかけてるのに苦しいのはなぜ?
77.自分に優しくしたい、でもできない・・・
78.アダルトチルドレンがくり返し絶望におちいるパターンとは?
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