幸せを追いかけてるのに苦しいのはなぜ?
アダルトチルドレンを「本気」で克服する方法
第76回
幸せを追いかけてるのに苦しいのはなぜ?
┃幸せを追いかけるほど苦しくなる人の特徴
私たちは「幸せ」を感じることがあります。
誰に教わったわけでもなく「ああ、幸せだな・・・」と感じるのです。
そんな幸せを求めて追いかけているはずなのに、逆に苦しくなる人がいます。
しかも、追いかければ追いかけるほど人生そのものが苦しくなっていくのです。
アダルトチルドレンだと自覚されている方に多い傾向です。
じつは、その人たちに共通のある特徴があります。
幸せを追いかけているのに苦しくなる人の特徴。
それは「快楽=幸せ」になっている。
そしてその優先順位がとても高いという特徴です。
たとえば・・・、
・おいしいものを食べる
・ライブやスポーツ観戦で盛り上がる
・自分の仕事が会社で評価される
・おしゃべりをして大はしゃぎする
・買いたい服をたくさん買う
・好みの異性と趣向をこらしたセックスをする
・誰もがうらやむ高級マンションに住む
このような、食欲や物欲、性欲、承認欲、自己顕示欲などを満たす「快楽」を、最優先の「幸せ」だと考えている。
このような人は、幸せを追いかけているのに人生が苦しくなってしまうのです。
┃「追えば苦しくなる幸せ」の正体
今みたように、幸せには追いかけると苦しくなるものがあります。
一方、追いかけても苦しくなりにくい幸せがあります。
たとえば、次のような場面で感じる幸せです。
・自然のなかでゆったりと過ごすとき
・大切な人と手をつないで歩くとき
・素晴らしい音楽や芸術作品をじっくり味わうとき
・自分の人生に意味があると感じられたとき
このようなとき、内側からフッと静かに湧き上がってくる幸せ。
追うのではなく、向こうから自然と訪れるような幸せ。
そんな幸せは、人生を穏やかに充実させてくれます。
追えば苦しくなる幸せと、人生を穏やか充実させる幸せ。
この二つの幸せを分ける違いはいったいなんでしょうか?
それは「興奮」です。
追えば苦しくなる幸せは「興奮」しているのです。
それこそが、追えば追うほど苦しくなる幸せの正体です。
食欲、物欲、性欲、承認欲、自己顕示欲など、それらを満たしたときに得られる「興奮」。
「興奮」することを追いかけているから、人生が苦しくなっていくのです。
┃なぜ「興奮」を追いかけると人生が苦しくなるのか?
「興奮」を幸せだと考えると、人生は苦しくなります。
いったいなぜでしょうか?
それは、「興奮」はあまりにも「吸引力」が強すぎるからです。
ふとした瞬間に、猛烈に欲しくなる。
欲しくてほしくてたまらなくなる。
しかし「興奮」は、自分の都合でそうかんたんに手に入るものではありません。
食べ物を提供してもらったり、お金を手に入れたり、相手に許可をもらったり、相手に認めてもらったり、自分だけの都合ではすぐに手にいれられない。
だから、苦しくなる。
さらに私たちは、「興奮」を一度手に入れると、もっと大きな「興奮」でなければ満足できなくなります。
そうなると、より手に入れにくくなる。
だから、もっと苦しくなる。
そのうえ「興奮」は、私たちから冷静な判断を失わせてしまいます。
無我夢中でそれだけを求めさせようとしてくる。
他のことはどうでもよくさせてしまう。
しだいに、仕事や健康や家族を犠牲にしてまでも、興奮を手に入れさせようとしてくる。
人生が破綻してくる。
だから、もっともっと苦しくなる。
「興奮」を幸せだと考えると、人生が苦しくなるのは自然な流れなのです。
┃「興奮」と「幸せ」を分けて考える
とはいえ、どうしても私たちは「興奮」を幸せだと考え、追いかけてしまいます。
いったいどうして、私たちアダルトチルドレンは、そんなにも「興奮」を追いかけてしまうのでしょうか?
なぜなら、それほどまでに人生が苦しいからです。
「興奮」を追いかけざるをえないほど、毎日がしんどい・・・。
「興奮」には即効性がありますから、それを味わうことで、なんとか生きづらさをごまかすことができる。
「興奮」を追いかけることは、アダルトチルドレンの生存戦略だったのです。
だからもしあなたが、「興奮」を追いかけて苦しくなっていたとしても。
決してご自分を責めないでください。
あなたは、必死に生きようとしていただけなのですから。
そして、「興奮」と「幸せ」を分けて考えるようにしてください。
食欲、物欲、性欲、自己顕示欲といった欲望を満たすことを「幸せ」と呼ばないようにする。
「興奮」は「幸せ」とは別ものなのだ、まずは言葉から使い分けていく。
それですべてが解決するわけではありません。
でもそれこそが、幸せを追えば追うほど苦しくなる状況から抜け出す第一歩なのです。
┃根本から解決するには「人生のフルモデルチェンジ」が必要
「興奮」の吸引力は非常に強力です。
「興奮」と「幸せ」を使い分けても、あなたを快楽の沼へと引きずり込もうとするでしょう。
もちろん、「興奮」は悪者ではありません。
「興奮」を目的にせず、手段として使えば、大きなことを成し遂げられるかもしれません。
しかし、そのような「上級テクニック」をアダルトチルドレンだと自覚する私たちが使うのは、あまり賢明ではないでしょう。
すぐに「興奮」に飲み込まれてしまうのがせきの山です。
だから、「興奮」を必要としない人生に変えていく。
「人生のフルモデルチェンジ」が必要なのです。
そして「興奮」と「幸せ」を差し替えていく。
自分の身の回りを、フッと静かに湧き上がる「幸せ」で満たしていくのです。
その実践の場として、私は「Adic Salon」を創りました。
そうすれば、おいしいものを食べても、そこで「興奮」ではなく「幸せ」を感じられるようになる。
快楽だけのセックスと愛する人とのセックスは、まるで違う行為だということが実感できるようになっていくはずです。
Brain with Soul代表
生きづらさ専門カウンセラー
しのぶ かつのり(信夫克紀)
幸福感を持続させる最大のコツ
アダルトチルドレンを「本気」で克服する方法 <目次>
1.アダルトチルドレンを「本気」で克服する方法
2.なぜ克服したはずの問題をくり返してしまうのか?
3.今までのアダルトチルドレン克服法が取りこぼしてきた盲点とは?
4.扁桃体が敏感だと自覚する
5.「あなたは強い」という事実
6.親を捨てる
7.アダルトチルドレン克服に欠かせない必要なこと
8.恩着せがましい親
9.一生懸命育てたのに!
10.あなたは本当に親不孝者なのか?
11.親にすべてをブチまけようと思う
12.親が子育ての非を認められない理由
13.親への仕返しが止められない
14.アダルトチルドレン克服の優先順位
15.親との対決に必要な覚悟
16.好きなこと、やりたいことがわからない
17.「誰もわかってくれない」を解決する方法
18.燃え尽き症候群をくり返してしまう
19.親との関係を良好にしたい
20.「してあげた」という親心
21.なぜアダルトチルドレンはリラックスできないのか?
22.「体」を整えることがアダルトチルドレンに必要な理由
23.「つき合う人」を変えなければアダルトチルドレンは克服できない
24.ナイーブさを捨てる
25.人に批判されるのが怖い
26.自尊心が低い
27.アダルトチルドレンの「克服」とは?
28.感情をうまく表現できない
29.鬼のような親
30.人からの評価が気になる
31.自信よりも必要なもの
32.嘘をついてしまう
33.アダルトチルドレンが承認欲求をなくす方法
34.仕事で手を抜けない
35.自己肯定感を高めたい
36.親と同じことをしてしまった
37.なぜ焦ってしまうのか?
38.不登校が許されなかった人
39.今の仕事が向いていないと思うなら
40.勇敢であるということ
41.人間関係がうまくいかない
42.孤独を磨き上げる
43.努力しても嫌われつづける人
44.いつも自分ばかり残業している
45.快楽と上手につき合おう
46.自分のなかに基準がない
47.面倒くさがりをなおしたい
48.自分に合った働き方を見つけたい
49.他人に興味がもてない
50.自分に興味がもてない
51.人の顔色をうかがう原因とその対処法
52.私は変われるでしょうか?
53.どこに行っても同じだぞ!
54.自分がわからない
55.やる前から「無理」「できない」とあきらめてしまう
56.職場の人間関係がつらい
57.自分で自分をしばりつけてしまう人
58.不自由を感じてしまう原因
59.口が悪くて孤立してしまう
60.親のせいにするのは自分の甘えなのか?
61.嫌味ったらしい言い方をしてしまう
62.明るく楽しく振るまえなくなった
63.家庭環境のせいにし過ぎと言われてしまう
64.すべてを受け入れてもらいたい
65.親への憎しみが消えない
66.自分の受け入れ方
67.一人暮らしを必死になって止める母親
68.ひどい親に育てられた
69.アダルトチルドレンが子供のしつけに迷うとき
70.ささいなことを根にもってしまう
71.なにをすればいいのかわからない…
72.無駄にプライドが高い自分がイヤになる
73.あなたのペースを乱す人への具体的な対処法
74.あなたが無理しすぎてしまう本当の理由
75.なぜあなたは努力しても報われないのか?
76.幸せを追いかけてるのに苦しいのはなぜ?
77.自分に優しくしたい、でもできない・・・
78.アダルトチルドレンがくり返し絶望におちいるパターンとは?
おかげ様でコラム数500本突破!