TOP | コラム一覧 | アダルトチルドレンを本気で克服する方法 | 自分に優しくしたい、でもできない・・・


自分に優しくしたい、でもできない・・・

 

自分に優しくしたい、でもできない・・・。

LinkIcon目次はコチラ 
 

アダルトチルドレンを「本気」で克服する方法

 

第77回
自分に優しくしたい、でもできない・・・

 

┃自分に優しくすることを許さない自分がいる

 
自分に優しくしよう。
 
そう言われても「できない・・・」と感じる人たちがいます。
 
たとえば・・、
 
・ささいなミスをしただけで激しい自己嫌悪におちいる
 
・自分の外見や体型を許せず化粧やダイエットに必死になる
 
・過去に犯した過ちや失敗についていつまでも自分を責めつづける
 
・人ともめるとすぐに「自分が悪い」と感じ迎合してしまう
 
・他人から批判や否定を受けると自己否定感が強まる
 
・自分の能力や才能が劣っていると常に恥じている
 
・自分自身に対して過度の要求をし完璧主義になってしまう
 
・自分の感情や欲求を表現することをためらってしまう
 
・新しいことを学ぶさいに「どうせできない」と自分を卑下する
 
・少しでもやる気がないと「私はなまけもの」だと感じしまう
 
あなたにもご経験がありますか?
 
これって、アダルトチルドレンだと自覚されている方に多い特徴なんです。
 
本人もつらいから、自分に優しくしたいと思う。
 
ミスしたっていいじゃん。
 
外見や体型を気にせず「ありのままの自分」で生きようよ。
 
完璧主義はつらいだけだからやめよう。
 
誰だってやる気がでないときはあるよ。
 
そうやって自分に優しくしてみようと思う。
 
でも、どうしてもできない。
 
なにか心に大きな壁が立ちはだかって、自分に優しくすることを許さない自分がいるのです。
 
そして、いつまでも自分で自分を追い込むような苦しい毎日がつづくのです。
 
 

┃よくある「自分に優しくする方法」5つ!

 
草原で優しく微笑む女性

 
ここで、世間でよく見かける「自分に優しくする方法」を5つご紹介します。
 
あなたは、いくつ取り組んだことがありますか?
 
1.自分自身を褒める
自分自身が達成したことや、いいところを見つけて、自分自身を認めることで自信をもつことができる。
 
2.自分自身に労わりの言葉をかける
自分自身が傷ついたり、悲しい気もちになったときに、自分自身に「大丈夫、私はがんばっている」と言い聞かせる。
 
3.自分自身にご褒美をあげる
自分ががんばったことや、好きなことをしたときに、自分自身にちょっとしたご褒美を与えることで、自分自身をよろこばせる。
 
4.自分自身を許す
過去に自分自身が犯したミスや失敗を、責めたり後悔したりするのをやめる。
 
 
5.自分の体をケアする
十分な睡眠や健康的な食生活、適度な運動をすることで自分の体を大切にしてあげる。
 
いかがでしょうか?
 
どれも理にかなっていますよね。
 
ただ、アダルトチルドレンはこれらの「よくある方法」に取り組むことができない方が多いんですね。
 
無理に取り組むと、逆に苦しくなっていってしまうのです。
 
つまり、自分に優しくすることが苦しいと感じてしまうのです。
 
いったいなぜでしょうか?
 
それは、これらの「よくある方法」が見落としている大きな点がひとつあるからです。
 
 

┃自分に優しくできない理由

 
アダルトチルドレンだと自覚されている方は、自分に優しくすると逆に苦しくなってしまいます。
 
なぜなら、ある一点を見落としているから。
 
その見落としている点とは、いったいなんなのか?
 
それは、自分に優しくする以前に、自分を「受け容れる」必要があるということ。
 
つまり、自分を受け容れていないのに優しくしようとするから苦しくなってしまう。
 
受け容れていないものを、無理にいたわろうとするから苦しくなってしまうのです。
 
世間でよく見かける「自分に優しくする方法」は、いきなりその方法を教えます。
 
それは「優しくするテクニック」だけを教えているようなものです。
 
言うなれば、欲しいと思っていない人に言葉たくみにものを買わせようとしているのと同じこと。
 
相手がその商品を必要だと感じていないのに、たんなる営業テクニックで買ってもらおうとしているようなものだということです。
 
アダルトチルドレンは、自分を受け容れられない方が多いですよね。
 
どうしても、自分の性質や外見など、自分にまつわるあらゆるものを受け容れることができないのです。
 
ただ、そうなってしまうのは無理のないことですよね。
 
それだけ苦しい人生を送ってきたのですから・・・。
 
自分を受け容れることができない。
 
だから自分に優しくできない。
 
その大前提がすっぽり抜けた状態で、世間でよく見かける「自分に優しくする方法」は、そのテクニックだけを伝えてくる。
 
だからアダルトチルドレンは苦しくなってしまう。
 
そして「自分に優しくできない・・・」とさらに自分を責めるはめになってしまうのです。
 
 

┃なぜアダルトチルドレンは自分を受け容れられないのか?

 
草原で激しいしかめ面をしている女性

 
では、そもそもどうしてアダルトチルドレンは自分を受け容れられないのでしょうか?
 
もちろん、その理由は一つではないでしょう。
 
そもそも自分を受け容れにくい感性をもって生まれてきた人もいるかもしれません。
 
ただ、カウンセリングでご相談をお受けしていると、一つの共通点が見受けられます。
 
それは、主に親から自分の感情や欲求を押さえつけられ、自分の性質や見た目を否定されて生きてきた人が多いということです。
 
たとえば、
 
・自分の意見を口にすると鼻で笑われたり、すぐに否定される
 
・自分のやりたいことを言うと「やめたほうがいい」「お前には無理」と言われる
 
・服を買ったり髪を切るたびに「あなたは何をしても似合わない」とさげすまれる
 
・好きなファッションや趣味の話をするとバカにされたり気もち悪がられる
 
・相手の期待にそわない道を選択すると、その行動を批判される
 
・恋愛や結婚相手にまで口を出される
 
・自分の時間を過ごそうとすると「ワガママ」「身勝手」だと責められる
 
・耐え切れず怒ると、その数十倍の勢いや暴力で制圧され、逆に謝らされる
 
など・・・。
 
もちろん親以外にも、同時に、兄弟姉妹、親戚、教師や習い事の先生といった大人であったり、クラスメイトや部活のメンバーといった同年代の集団から同じような態度をとられてきた方も少なくありません。
 
最初は親だけだったのが、そのために自分の行動がぎこちなくなり、周囲のあらゆる人から「押さえつけるターゲット」「否定するターゲット」とされてしまったケースが多いのです。
 
このような環境で長く過ごぜば、当然、自分の感情や欲求をかんたんには表に出せなくなってしまうでしょう。
 
さらに、性質や見た目に対しても極端に否定的になっていきます。
 
つまり、自分を受け容れられなくなっていくのです。
 
アダルトチルドレンだと自覚している人たちは、押さえつけられること、そして否定されることの悪循環にはまり、自分を受け容れられないドロ沼にハマっているのです。
 
 

┃自分という「器」を広げると、自然と自分に優しくできる

 
草原で笑顔で空を見上げ両手を広げる女性

 
そこで今度は自分を受け容れようとするのですが、これもかんたんにはいきません。
 
自分のなかにこびりついた、自分への抑圧や否定の声は、そうかんたんには消えないからです。
 
その声を前にして、自分に優しくすることは至難のワザでしょう。
 
そこで重要になるのは、「事実を見る」ことと「自分の器を広げる」ことで、自分を受け容れていくことです。
 
それによって、自然と自分を優しくいたわれるようになっていきます。
 
「事実を見る」ことの詳しい考え方は、「 自分の受け入れ方」でご説明していますのでそちらをご参照ください。
 
ここでは、「自分の器」を広げる方について解説していきます。
 
「自分の器」を広げるとは、自分のなかで自分の「心の動き」が「大暴れできるスペース」をつくってあげるということです。
 
自分の欲求、自分の感情、自分の性質や外見に対する思い、それを抑圧する声、それを否定する声。
 
アダルトチルドレンは、その「心の動き」が大きすぎて、どうしてもそれに飲み込まれてしまいます。
 
つまり、自分の心の動きが、かんたんに「自分の器」以上になってしまうのです。
 
そこで、そんな自分の「心の動き」を受け容れようと、世間でよくある方法のように「ありのままいいんだよ」「否定しなくていいんだよ」「自分らしくすればいいんだよ」と声をかけることがあります。
 
しかし、その声の奥には結局、心の動きに対して「静まれ」という思いがないでしょうか?
 
そう、「心の動き」が静まり、楽になりたいから声をかけている。
 
自分を受け容れるふりをして、「心の動き」をコントロールしようとしているのです。
 
それは「心の動き」を抑圧し否定していることに他なりません。
 
つまり、ただでさえ激しい「心の動き」にさらにあらたな心の動きを加えてそれを大きくしてしまっているのです。
 
だから、受け容れるとは本当にそのまま「心の動き」に大暴れさせておくということ。
 
それが可能になるくらい「自分の器」を大きくするということなのです。
 
もちろん、かんたんなことではありませんし、ラディカルな部分に踏み込まざるを得ないので充分慎重に取り組む必要があります。
 
そうして、一つでも受け容れることができれば、一つ優しくなっていく。
 
また一つ受け容れれば、また一つ優しくなっていく。
 
やがて、受け容れられることの方が多くなったとき。
 
そのシーソーが一気に「優しい」方に傾き、生き方全体をとおして自分に優しくできるようになっていく。
 
カウンセリングの現場でも、そんな方が多いように思います。
 
だから、もしあなたが自分に優しくしようと徹底的に取り組んできたのに、それでも優しくできないと悩んでいるのなら。
 
まずは、無理に自分に優しくしようとするのをやめてみましょう。
 
そして、「ありのままでいいんだよ」「否定しなくていいんだよ」「自分らしくすればいいんだよ」といった声をかけるのも、いったんやめてみましょう。
 
そのうえで、自分の「心の動き」をひたすら「眺めて」みましょう。
 
欲求や感情を眺める、それを否定する声が聴こえたら、それもまた眺める。
 
あなたのなかで「心の動き」がどんなふうに暴れているのかを眺めていきましょう。
 
もちろん、それは楽なことではありませんよね。
 
しんどいかもしれません。
 
ただ、そのしんどさと一緒にいてあげられることが「自分を受け容れる」ということなのではないでしょうか。
 
「心の動き」を静めて楽になることが、自分を受け容れるということではない。
 
ナマの「心の動き」を直視して、ヘキエキし、ときにはドン引きし、取り乱し、もうイヤだと叫びたくなる。
 
そんなしんどさを包み込んで、一緒にいられるようになったとき。
 
「自分の器」が広がり、自分を受け容れることができる。
 
そうして少しずつ、自分に優しくできるようになっていける。
 
私はそう考えています。
 
Brain with Soul代表
生きづらさ専門カウンセラー
しのぶ かつのり
 
もしこの記事があなたのお役に立てたのなら、
ぜひ他の方にも教えてあげてください。
Adic Salon入会受付中!生きづらさをチカラに変える!
 
 

 

アダルトチルドレンを「本気」で克服する方法 <目次>

1.アダルトチルドレンを「本気」で克服する方法
2.なぜ克服したはずの問題をくり返してしまうのか?
3.今までのアダルトチルドレン克服法が取りこぼしてきた盲点とは?
4.扁桃体が敏感だと自覚する
5.「あなたは強い」という事実
6.親を捨てる
7.アダルトチルドレン克服に欠かせない必要なこと
8.恩着せがましい親
9.一生懸命育てたのに!
10.あなたは本当に親不孝者なのか?
11.親にすべてをブチまけようと思う
12.親が子育ての非を認められない理由
13.親への仕返しが止められない
14.アダルトチルドレン克服の優先順位
15.親との対決に必要な覚悟
16.好きなこと、やりたいことがわからない
17.「誰もわかってくれない」を解決する方法
18.燃え尽き症候群をくり返してしまう
19.親との関係を良好にしたい
20.「してあげた」という親心
21.なぜアダルトチルドレンはリラックスできないのか?
22.「体」を整えることがアダルトチルドレンに必要な理由
23.「つき合う人」を変えなければアダルトチルドレンは克服できない
24.ナイーブさを捨てる
25.人に批判されるのが怖い
26.自尊心が低い
27.アダルトチルドレンの「克服」とは?
28.感情をうまく表現できない
29.鬼のような親
30.人からの評価が気になる
31.自信よりも必要なもの
32.嘘をついてしまう
33.アダルトチルドレンが承認欲求をなくす方法
34.仕事で手を抜けない
35.自己肯定感を高めたい
36.親と同じことをしてしまった
37.なぜ焦ってしまうのか?
38.不登校が許されなかった人
39.今の仕事が向いていないと思うなら
40.勇敢であるということ
41.人間関係がうまくいかない
42.孤独を磨き上げる
43.努力しても嫌われつづける人
44.いつも自分ばかり残業している
45.快楽と上手につき合おう
46.自分のなかに基準がない
47.面倒くさがりをなおしたい
48.自分に合った働き方を見つけたい
49.他人に興味がもてない
50.自分に興味がもてない
51.人の顔色をうかがう原因とその対処法
52.私は変われるでしょうか?
53.どこに行っても同じだぞ!
54.自分がわからない
55.やる前から「無理」「できない」とあきらめてしまう
56.職場の人間関係がつらい
57.自分で自分をしばりつけてしまう人
58.不自由を感じてしまう原因
59.口が悪くて孤立してしまう
60.親のせいにするのは自分の甘えなのか?
61.嫌味ったらしい言い方をしてしまう
62.明るく楽しく振るまえなくなった
63.家庭環境のせいにし過ぎと言われてしまう
64.すべてを受け入れてもらいたい
65.親への憎しみが消えない
66.自分の受け入れ方
67.一人暮らしを必死になって止める母親
68.ひどい親に育てられた
69.アダルトチルドレンが子供のしつけに迷うとき
70.ささいなことを根にもってしまう
71.なにをすればいいのかわからない…
72.無駄にプライドが高い自分がイヤになる
73.あなたのペースを乱す人への具体的な対処法
74.あなたが無理しすぎてしまう本当の理由
75.なぜあなたは努力しても報われないのか?
76.幸せを追いかけてるのに苦しいのはなぜ?
77.自分に優しくしたい、でもできない・・・
78.アダルトチルドレンがくり返し絶望におちいるパターンとは?
 


おかげ様でコラム数500本突破!

読むと心が強くなるコラム

「読むだけで生きる勇気が湧いてくる」と大好評をいただいている、しのぶかつのり(信夫克紀)の連載コラムです。
もちろん<無料>でお読みいただけます。