なぜ理由もなく「起業は怖い」と感じてしまうのか?
脱世間起業への道
第19回
なぜ理由もなく「起業は怖い」と感じてしまうのか?
┃「会社員製造マシーン」のなかで育った私たち
起業に興味がある、でもじっさいに起業するのは怖い。
なにかハッキリとした理由があるわけではない。
それでもやっぱり「起業は怖い」と「直感」してしまう・・・。
このご相談が絶える日はありません。
たしかに怖いですよね、起業。
にもかかわらず、先日ご紹介したとおり「起業せざるをえない時代」がやってきてしまいました。
副業を解禁して給料を減らす起業も増えてきています。
つまり、足りない分は起業して自分で稼がなければならない時代になったわけです。
でも安心してください。
起業は怖くありません。
起業が怖いというのは、私たちの「勘違い」にすぎません。
ではなぜ、私たちはそんな「勘違い」をしてしまったのでしょうか?
それは、私たちが「会社員製造マシーン」のなかで育てられてきたからです。
つまり、私たちの住むこの社会は「従順な会社員を育てあげること」を目的にしてきた。
そのなかで教育を受けたため、会社員になる以外の世界が「真っ暗闇」で怖く見えるのです。
たとえば、私たちは子供のころから「学校」という同じ場所に、毎朝同じ時間に行き、夕方近くまで強制的に集団生活をすることになっていました。
そして、その生活パターンを中心に、お風呂や食事や就寝時間を決めてきました。
つまり、決まった時間に、決められた場所に行き、決められた作業をこなし、和を乱さず、反抗せず、それを基準にみずからのライフスタイルをつくっていたわけです。
さらに、それが守れないと「変なヤツ」「落ちこぼれ」「メンヘラ」「コミュ障」などの呼び名をつけられるしまつ。
あげくの果てには親のしつけも、それにもとづいておこなわれてきました。
「早く寝ないと、明日遅刻してみんなの前で恥をかくよ!」
「こんな成績じゃ、まともな会社に就職できないよ!」
その結果「会社員」になることが「当たり前」だと思わされてきた。
しかし、ほんの数十年前までの日本では「会社員以外」の働き方をしている人の方が圧倒的に多かったのです。
学校に行かない子供、行けない子供がいるのも当たり前でした。
それが産業革命や戦後の復興に合わせて、じょじょに学校に行き会社員になるのが当たり前になっていっただけ。
それを当たり前だと思い込まされてきただけなのです。
┃もしも起業するのが当たり前の世界だったら
誰だって、やったことのないこと、よく知らないことに取り組むのは怖いですよね。
真っ暗闇のなかに、なんの恐怖心ももたず飛び込める人などいやしません。
そのせいで「起業は怖い」と思い込まされてきた。
だから、じっさいは「起業は怖い」のではなく「起業のことをよく知らない」だけなのです。
この事実を、よりわかりやすくするために、一つの空想実験をしてみましょう。
もしこの世界が「起業するのが当たり前」の世界だったとしたら。
きっとあなたは学校で、起業について必要な知識を教えてもらうでしょう。
算数の教科書には「リンゴを3個買う話」だけではなく、「リンゴを3個売る話」も載っているのです。
親戚もお隣さんも大人はみな自営業者で、家に遊びにいくとどうやって仕事をしているのかがだいたいわかる。
親も、早いうちからあなたに小遣い帳をつけさせたり、自分の仕事の手伝いをさせる。
そして中学や高校を卒業したら、親元にいながらまずは小さく起業する。
大学生であれば、在学中に起業する。
卒業すれば、資金を調達して大きな起業にもチャレンジする人もいる。
そして、毎朝好きな時間に起きて、自分の好きなように時間を使い、自分にできる無理のない仕事をする。
満員電車に揺られることもなければ、上司に嫌味を言われることもない。
たまにお客様に怒られることもあるけれど、それっきり毎日顔を合わさなくてもいい。
頑張ったぶんだけすぐに収入も増える。
お金を稼ぎたければもっと働けばいいし、今月はもういいやと思ったら、一週間休暇を取って毎日昼寝をする・・・。
そこに突然!
政府の方針で起業が制限され、大企業をたくさん増やして「会社員にならざるをえない時代」が来たとしたら・・・。
職場が自分に合っていなかろうが、不得手な作業であろうが関係ない。
毎日決まった時間に起きて、決められた場所に行かなければならない。
決められた作業を決められた時間内にこなさなければならない。
しかも決められた時間がくるまで、なんと、家に帰ることすら許されない。
さらに、どんなに頑張っても毎月決められた金額しかもらえない。
それどころか「上司」という人がいつもあなたを監視していて、間違えれば嫌味を言われ、下手をすると給料を下げられる・・・。
あげくの果てには、仕事が終わったあとも「飲み会」なるものに誘われて、断ると居場所がなくなってしまう。
そして翌日、また満員電車に揺られながら、決められた時間に決められた場所にいき、夕方までの長時間、家に帰ることは許されない・・・。
いかがでしょうか?
ちょっと極端過ぎたかな(笑)
でも、イメージは伝わりましたよね。
そう。
「起業は怖い」というけれど、起業している世界からみれば、私たちは今ものすごい「怖い世界」にいるのです。
自分の知らない世界は、誰だって怖いのです。
┃「起業は怖い!」という勘違いを取り去る方法
だから「起業は怖い!」という勘違いを取り除くためには、起業についてよく知ればいいのです。
シンプルですよね。
といっても、ただ想像するだけではなく「起業するとどんなことがあるの?」ということを、じっさいによく知ってみることが重要です。
起業といっても、今やさまざまなスタイルがありますからね。
リスクを負って大金をつぎ込み会社をつくるものから、リスクを負わずに小さく個人事業主からはじめるもの。
従業員をたくさん雇い大勢の人とコミュニケーションする「イケイケ起業」から、のんびり一人で自由にやっていく「脱世間起業」まで。
そのスタイルにはかぎりがありません。
そのことをあなたはご存じでしたか?
ぜひこれを機に、さまざまな起業について知ってください。
きっとあなたに合った起業のスタイルがあるはずです。
それを知るにつれて「真っ暗闇」に光が差してきて、「起業が怖い!」という勘違いが消え去っていくでしょう。
Brain with Soul代表
生きづらさ専門カウンセラー
しのぶ かつのり(信夫克紀)
脱世間起業への道 <目次>
1.正社員になることは本当に「安定」なのか?
2.「起業しないリスク」が急激に高まっている
3.会社勤めはもう限界、でも起業も無理…
4.「バリバリ稼ぐ」か「静かに暮らす」か?
5.早めに起業に踏み出す絶大なメリットとは?
6.起業したいけど「やりたいこと」が見つからない
7.まずは「自分のため」に起業しよう
8.起業が成功するたった一つの条件
9.起業のための「最低限のやる気」を出す方法
10.「仕事が楽しくない」を解決する方法
11.なかなか起業に踏み切れない本当の原因とは?
12.起業の失敗で負うダメージが怖いとき
13.ビジネス本を読んでも稼げない理由
14.起業したいけどビジネスに興味がもてない
15.起業したいけどクレームが恐い
16.起業しても本当に食べていけるだろうか・・・
17.準備不足で起業すると「人生の財産」が手に入る
18.なぜ今が起業の絶好のタイミングなのか?
19.なぜ理由もなく「起業は怖い」と感じてしまうのか?
20.「会社員」と「起業」どっちがお得?
21.情報発信したいけどネタも自信もないとき
22.脱世間起業すると自分の「正解」が迷いなく見える
23.積極的な売込みが苦手な人のための4つのWEBマーケティングテクニック!
24.生きづらい人が起業の「やる気」を維持する方法
25.批判を避けて「ナマ温かい場」で起業しよう!
26.起業でボロボロになる生きづらい人たち、その原因とは?
27.起業の壁「私より詳しい人がいる」の解決法
28.生きづらい人は「40代向けサービス」で起業しよう
29.生きづらい人が避けた方がいい起業テクニック「巨人の肩に乗れ!」
30.まだ「お金」のために起業してるの?
31.情報発信「書くネタがない」の根本的な解決法
おかげ様でコラム数500本突破!